IS~陽に魅入られた者~   作:ミツバチ

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今回はちょっと短くなりそうなんですよ。

「なんだ唐突に…」

いやね、前回が意外にも長くなったんで今回はちょっと軽めでいこうって話になりまして。

「それは主が?それともバカが?」

もう既に相方が主でなくなってるんだけど…

ま、まあ今回に限っては僕の発案ですよ。

「ほう…珍しいな、真面目な主殿としては。」

前回の戦闘シーンとかで精神力使い切りました…

なので、少しばかり息抜きですね。

「お疲れさん。ま、そういうことなら仕方ないな。今回はゆっくり休め」

そうさせて貰います。

ではでは、今回もよろしく。
「ボーイorガール」スタート!!


ボーイorガール

「……どういうことだ」

 

「ん?」

 

屋上に来て最初に聞こえたのは箒の言葉。それに一夏は首を傾げていた。

 

「天気がいいから屋上で食べるって話だっただろ?」

 

「そうではなくてだな……!」

 

チラッと箒が睨むかのように祇鳴を見た後、近くにいるセシリアや鈴、そしてシャルルに視線を送る。

 

「いや、俺は断ったんだけどね…」

 

「え〜と、僕ってお邪魔だったんじゃ…」

 

「まあ、いいんじゃない?」

 

本来、大方の高校は屋上への生徒立ち入り禁止となっているが、このIS学園ではそんな決まりはない。それどころか誰でも入れるように開放されており、花壇には綺麗に配置された季節の花々、欧州を思わせる石畳が設置されている。そしてそれぞれ円テーブルには椅子が用意され、晴れた日の昼休みには女子達で賑わう快適な場所となっていた。屋上と呼ぶことに些か躊躇する程のその景観は、もはや空中庭園の域である。

 

妙な所で凝ってるというかなんというか…綺麗だけどさ。

 

だが普段は賑わっているはずの屋上には俺たち以外はおらず貸し切り状態である。どうやら女子たちはシャルル目当てで学食に向かったと思われる。

 

まあ当の本人は見事に索敵を躱し、ここにいる訳だが。ご愁傷様です。

 

「せっかくの昼食だし、大勢で食べた方が美味いだろ。それにシャルルは転校してきたばっかりで右も左もわからないだろうし」

 

「そ、それはそうだが……」

 

「諦めな箒。一夏がこう言う奴だって事くらいは君だって分かってる筈でしょ?」

 

「む、むう……」

 

祇鳴の台詞に箒は何か言いたげな視線を向けるが、なんせ正論なので反論などできるはずも無く、持ち上げた拳を握り締める。その手には包みに包まれた手作り弁当が握られていた。

 

どうやら箒は一夏の為に手作り弁当を作ってきたらしい。

 

(ほんと、ご愁傷様……)

 

祇鳴は心中でそう呟かずにはいられなかった。南無三……

 

「さて、それじゃとっとと飯にしようか」

 

「そ、そうだな……って、ん?祇鳴、お前もお弁当なのか?」

 

箒が祇鳴が取り出した弁当箱を見て声を上げる。

 

「ん?ああそうか。箒は知らなかったっけ」

 

「? ? ?」

 

その言葉に箒はまた不思議そうな表情を見せる。

 

「はい、どうぞご覧あれ」

 

包みを広げと、彩り豊かな野菜の炒め物に、こんがり焼けたハンバーグに玉子焼き、梅・鮭・野沢菜などの具材が入ったおにぎりと、ごく一般的な料理が並んでいた。

 

「へえ…祇鳴って料理できるんだね」

 

「ファミレスのキッチンとかでバイトしてたことあるからね」

 

「そ、そうだったのか……」

 

「意外ですわ……」

 

「意外ってどういう意味だよセシリア。これでも俺は品行方正に生きてるんだけど……」

 

「何処がよ。お店に入ってきた強盗を叩きのめし過ぎて、暴力沙汰でお店追い出された癖に」

 

「まあまあ、そのおかげで一夏とアルバイトできたんだから」

 

「そ、それとこれとは別よ!」

 

『……』

 

呆気からんな祇鳴の言葉に鈴が鼻を鳴らして返す。そこに残る四人の冷ややかな視線が突き刺さる。いや、どんな状況だよ。

 

「ごほんごほん!さ、食べよ食べよ。いただきま〜す」

 

「誤魔化した…」

 

明らかに苦し紛れの無視が功を奏したのか(絶対違う)、他のメンバーも食事を始め、鈴や箒達が一夏と「はい、あ~ん」イベントを起こしたり、祇鳴がセシリアのサンドイッチを食べて悶絶したり、それを見てシャルルが大笑いしたりと色々あって昼食はわいわいと賑やかに進んでいった。

 

────────────

 

それから午後の授業も終わって夜。一夏と祇鳴はシャルルと共に部屋に戻っていた。ちなみに言わなくてもわかっているとは思うが、シャルルの部屋は当然ながら彼らと同室となっており、ベッドも運び込まれていた。お陰様で元々二人部屋のスペースに無理矢理三人押し込めた感じとなり若干手狭になってしまった感は否めないが。これが筋肉隆々のマッチョだったならば目も当てられない事態となっていただろうが、今回に限ってはその心配がないだけましと言えよう。

 

「な、なんかごめんなさい」

 

「気にしなくていいって。男の仲間が増えたって方が嬉しいし」

 

「ああ、こっちとしても賑やかな方が楽しいしね。はい、日本茶入ったよ」

 

そんな思考を察したのか、無理矢理入ってきた事に謝ってきたシャルルに二人が笑って言い、祇鳴が入れたばかりの日本茶を彼らに手渡す。一夏がズズズと茶を飲むのを見て、シャルルも恐る恐る日本茶に口をつける。祇鳴もその後ろで自分に用意した日本茶を飲む。

 

「ん~、紅茶とは随分違うんだね。不思議な感じ…でも美味しいよ」

 

「気に入ってもらったようで何よりだよ。せっかくの来客だし、高い茶葉使ってみたからね」

 

「え!?そ、そうなんですか!?」

 

「祇鳴、つまんない冗談つくなよ。これ、食堂で貰ってきたやつだろ?」

 

「はは、ばれたか。さすが毎日食堂に通ってるだけはあるね」

 

シャルルの言葉に珍しく祇鳴がイタズラな笑みを浮かべる。それに一夏が呆れた様子で咎めるが、本人は全く気にした様子はなく舌を出した。

 

「も~」

 

「悪かったよ。お詫びに今度抹茶でもご馳走するからさ、一夏が」

 

「何故に!?まあシャルルが飲みたいっていうならいいけど……」

 

シャルルが口を尖らせると、祇鳴はこれまた珍しく冗談交じりの口調で言い、それに一夏がツッコミを入れるという何ともまあ微笑ましい光景が出来上がっていた。

 

山田先生とかが来たら絶対誤解が広がるよね、これ…

 

ガタッ……

 

…………………遅かったようですぜ、兄貴。

 

なんか明日辺りに来るであろうこのツケに、心の中で深く深く溜め息をつく。それと同時にシャルルに同情。明日が終わる頃にはきっとウーパールーパーの気持ちが身を持って理解できているだろう。一夏?どうにかなるんじゃない?

 

そんな薄情とも淡白とも取れる事を考えていると(すなわち見捨てたということである)、シャルルが首を傾げ尋ねる。

 

「抹茶ってあの畳の上で飲むやつだよね?特別な技能がいるって聞いた事があるけど、一夏たちはいれれるの?」

 

「抹茶は『たてる』って言うんだよ。俺は時々点てるけど」

 

「俺は略式のしか飲んだことない。今は駅前に抹茶カフェっていうのがあるんだよ。コーヒーみたいな感覚で飲めるやつな」

 

「ふうん、そうなんだ。じゃあ今度誘ってよ。一度飲んでみたかったんだ」

 

「おう。ついでに色々案内もするぜ。せっかくだし今週末の日曜にでも出かけるか。抹茶は俺の奢り、それ以外は全部祇鳴の奢りで」

 

「オイコラ一夏!?」

 

「本当?嬉しいなぁ。ありがとう、祇鳴。ご馳走になります」

 

一夏はさっきの仕返しとばかりに嫌な笑みを浮かべながらそう言い、それにシャルルも悪戯っぽく笑いながら乗っかり、祇鳴に向けて頭を下げた。

 

「シャルルまで……はぁ、分かったよ」

 

手痛いしっぺ返しを喰らった祇鳴は、諦めたように肩をすくめ苦笑を見せた。

 

「さて、歓迎の雑談もいいけど、決めることをさっさと決めてしまおうか」

 

「決めることって?」

 

「シャワーの時間帯だよ。シャルル、君はシャワーはどの時間帯に使いたい?順番をどうするとかでもいいよ」

 

「ああ。その日その日で決めてもいいぜ?今まではそうだったし」

 

「あ、僕は最後でいいよ。一夏と祇鳴が先に使って?」

 

「そうか。それじゃ俺と一夏の順番は今までどおりその日その日でいいよね?」

 

「あ、ああ。でもそう言われると逆に使いづらいな……シャルルも実習終わってすぐにシャワー浴びたい日だってあるだろ?」

 

「ううん、平気だよ。僕ってあんまり汗をかかない方だから、すぐにシャワーを浴びなくてもそんなに気にならないし」

 

「そっか。じゃあありがたく使わせてもらう。でもあれだぞ、遠慮とかしなくていいからな。なにせ男同士なんだし」

 

「うん、ありがとう」

 

一夏の念押しにシャルルは柔らかく微笑んでお礼を言う。今気づいたけど、シャルルってお礼なよ言い方が凄く自然だ。

 

「ところで二人っていつも放課後にISの特訓をしてるって聞いたけど、そうなの?」

 

「ああ、箒なんかも一緒にな」

 

ちなみになんかもの部分にはセシリアと鈴が入る。ただでさえ二人の分かりにくい説明の所為で非常に面倒くさいことになっていたのに、いつの間にか鈴まで入ってきて更に意味不明度が増していた。取り扱い説明書もないから質が悪い。束さん辺りに頼めないだろうか。

 

「それ、僕も加わっていいかな?何かお礼がしたいし、専用機もあるから少しくらいは役に立てると思うんだ」

 

「それはありがたい申し出だ。ね、一夏?」

 

「ああ。ぜひ頼むよ」

 

「うん、任せて」

 

シャルルの申し出に快く頷く一夏と祇鳴。

 

「それじゃ、俺は白式の整備に行ってくる。」

 

「あ、あの…」

 

シャルルが、何か言いにくそうな顔をする。

 

「うん?どうした。」

 

「もし、よければ、白式の整備、見せてもらっていいかな?邪魔はしないから。」

 

白式の整備?見てどうするんだ?代表候補だから、来年から整備科に転科するわけでもないだろう。別に、メカ好きには、見えないし…

 

一夏の怪訝そうな顔に気づいたのか、慌てて取り繕う。

 

「いや、あの。僕も専用機を持ってるし、セッティングの参考になればと思って…」

 

「ふぅん、熱心だな。別にいいぜ」

 

「ありがとう」

 

「それじゃ、俺は先に寝てるから」

 

「え?祇鳴はいかないの?」

 

「俺のはもう調整済んでるからね」

 

「そ、そう……」

 

また、シャルルが何か言いにくそうに口を噤む。

 

その様子に祇鳴は難色を示すが、ギリギリ表に出さずに済んだ。

 

そうして、一夏たちは二人で整備室へと向かっていった。

 

その間も、シャルルの表情はやや微妙だったが、幸いにも整備室にいた誰もがそれに気づくことはなかった。

 

─────────

 

「すいません、夜遅くに……………ええ、フラ…………ャル………そう、第…………では、よろしく………それから……………の方も……」

 

〈IS学園学生寮固定個別電話通話記録より〉




さてさて、今日も張り切って行きましょう!
後書き座談会のコーナー!!!

今回は新しく登場したシャルル・デュノアさんです!

「よろしくお願いします」

さて、この後女の子だとバレるシャルルさんですが───

「いきなりのメタ発言!?」

ぶっちゃけどうしようかと大変迷っております。

「そのまま続けた上に、まさかの衝撃発言!?」

いやね、元々祇鳴さんのハーレムに入れるはずだったんですけど、早速トーナメントの組み合わせで苦戦!

「僕の発言聞いてないよね、これ……」

そして、ただいま相方がどっか行っちゃって音信不通の連絡つかず!

「(ついに愛想尽かされたんじゃ…)」

更には今年三回目のテストが迫っており、執筆すらままならず!

「(確か、こういう時にって祇鳴から貰ったものが…)」

数々の心労に耐えかね、私の心は崩壊寸前!

「(えっと…………え、こ、こここ、これを言うの!!?)」

なので………今回はシャルルさんに目一杯慰めて貰いま───

「このヘタレ糞虫が!」

ギャフンッ!!

「え?え?ど、どうしたの!?ねえ!?」

動かない。ただの屍のようだ。

「え?なんかもの凄く青くなってくけど大丈夫なの!?」

「というわけで次回予告。
ついに箒と祇鳴の秘密特訓が開始され、他の者も各々トーナメントに向けて特訓を重ねていく。
そんな中、シャルルの秘密を知ってしまった祇鳴はフランスへと飛ぶ。
シャルルの秘密とは!そして祇鳴の真意とは!
『光と闇』乞うご期待!」

「あっ!血が出てきた!?マズイよこれ!誰か〜!?誰か〜!?」

この後、彼を見た者はいない…

────────────

ま、ちゃっかり次の回では復活してますので安心してください。
更新がいつになるのかわからないので、恐らく一ヶ月程死んだままだと思いますが、どうか覚えておいてやってください。
それでは今回はこの辺で。ご機嫌よう。
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