ハリー・ポッターと帝王のホムンクルス   作:オリゴデンドロサイト

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閑話 運命を知った日

1980年豚の頭亭、一階

 

ダンブルドア視点

 

『七月の末、闇の帝王に三度抗った両親から生まれる子供は、闇の帝王にはない力を持つ。闇の帝王自らがその子を比肩し示す。一方が生きる限り、他方は生きられぬ』

 

わしは先ほどここの二階で聞いた予言を思い出す。

 

はじめは才能の欠片も感じられなかった。だが先ほどの予言は本物だと直感した。

この驚くべき内容の予言は、今後の魔法界の命運を左右するものであった。

本来であれば敵に知られてはならないものだが、不覚にも窓の外にいた死喰い人、セブルス・スネイプに聞かれてしもうた。

だが聞かれたのは予言の半分のみ。ヴォルデモートは予言の全てを知るわけではない。が、それでもポッター家かロングボトム家に危険が及ぶであろう。

 

闇の帝王に三度抗った両親から生まれる子ども。

 

わしが知る限りにおいて、この条件に当てはまるのは、ポッター家とロングボトム家だけじゃ。

ヴォルデモートがどちらを予言の子として扱うかわからぬが、どちらかに確実に奴の魔の手がせまるじゃろう。何かしらの対処をする必要がある。

 

……いや、おそらくヴォルデモート、トムならばポッター家を選ぶじゃろぅ。ロングボトム家は純血じゃが、ポッター家に生まれる子は混血じゃ。おそらく自分との共通点を持つポッター家にこそ予言の子供が生まれると奴は考えることじゃろぅ。

勿論どちらに対しても警戒を怠らないようにせねばならぬが……。

 

とにかく、これからどのように両家を守っていくか、不死鳥の騎士団のメンバーと協議せねば。情報がこれ以上もれぬように、予言のことはメンバーには隠さねばならんがのう。

 

そうこれからのことを思案しながら、騎士団本部に急ぎ姿くらましするのであった。

 

 

 

 

それから数日後。ホグワーツ玄関にて、わしは件の予言者を迎えておった。

 

「シビルや、待っておったよ。これから占い学の教授よろしく頼むの」

 

「まあ、ダンブルドア。このような所までお迎えに来てくださったのですね。ですが、わたくし、実はあなたがこちらにいらっしゃることは知っていましたのよ。今朝予兆を受けましてね」

 

大きな眼鏡をかけ、スパンコールで飾った服をしたシビル・トレローニーが返してくる。

やはり普段は才能の欠片も感じさせない。だが、彼女があの時なした予言はおそらく本物であろう。ならば敵の手に渡る前にホグワーツで保護する必要がある。

 

「おお、さすがじゃのう。さて、君も知っての通り、はじめに教室を、君が決めねばならぬ。君の教室にしたい場所はどこかのう?なるべく高く遠いところとの話じゃったが」

 

ホグワーツの教室というのは教授の好みによって決まる。それぞれが着任するときに自ら教室にしたい場所を選ぶのである。

 

「そうですの、わたくしのような予言者は、俗世の空気に触れてしまうと内なる目が濁ってしまいますの。わたくし、昨夜星の動きをみたところ、北塔の最上階がよろしいかと思いますの」

 

「ほう? 北塔とな? あそこは確か今は何にも使われてない屋根裏じゃった記憶があるのう」

 

そう話しながら新しく占い学の教室となった北塔の最上階に歩いてゆく。

梯子を上り教室に入るとそこは、まだただの埃っぽい屋根裏部屋であった。

 

「すまんのシビル。なんせここを教室として指定されるとは思わなんでの。すぐにしもべ妖精にたのんで掃除をしてもらおうかの」

 

「お気遣いありがとうございますわ」

 

そう自分の新しい住処ができたのがうれしいのか、キラキラした目であたりを見回しながらシビルは答えた。

 

「さて、荷物をここの横にある君の部屋においたら、大広間で歓迎会をせねばのう。皆君の到着を心待ちにしておるよ。歓迎会が終わったころにはここも掃除が終わっておる頃じゃろうて」

 

そう言って部屋を出ようとすると、後ろで突然「どさっ」という音がする。

何事かと振り向くと、荷物を手からか落とし、どこかここではない宙を見つめるシビルの姿があった。

彼女はゆっくりとその視点の定まらない視線をこちらに向ける。

 

これはあの時と同じ!?

 

そう以前の予言したときの彼女の状態を思い出しておると、

 

「選ばれた子が生まれる七月の末、闇の帝王はついに僕を完成させる。気をつけよ、帝王の敵よ。そして気をつけよ帝王よ。その子が司るのは破滅なり。その子は決してどちらの味方にもなりえない。この先どちらかに破滅をもたらすことだろう……」

 

そう言い終えるとトレローニーの視点がようやく戻ってくる。

 

「おや、ごめんあそばせ。少しぼーっとしていたみたいですわ。さあ、下界におりなくては」

 

そういって歩き出すシビルと何もなかったかのように歩く。しかし、わしの胸中は疑問で占められていた。

 

やはり彼女をホグワーツで保護したのは正解じゃったのう……。

 

先ほどの予言は、以前のと同じく本物であるように感じられた。

じゃが、以前の予言とちがって、何物を指している予言なのか全くわからない。

 

闇の帝王が完成させた僕?

司るのは破滅?

 

情報が少なすぎるため、誰のことを指しているのか、何を示唆しているのか皆目見当がつかない。

おそらく、この予言もヴォルデモートとの戦いで重要になってくるのは間違いないのじゃろう。今回はホグワーツ内ということもあり、死喰い人には聞かれていない。

これを今回こそ秘匿し、慎重に情報を集める必要があるのう。

 

そうこの先の戦略をたてるも、先ほどの不吉な予言に不安を感じざるを得なかった

 

 

 

 

『その子は決してどちらの味方にもなりえない。この先どちらかに破滅をもたらすことだろう』

 




教室の話はねつ造。ただ、ケンタウルスの時などを考えると、あながち間違ってないような気がする。学校の広さの割に、教科少ないし。
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