ナザリックに戻ってきたモモンガは、ギルドメンバー用のコンソールを開き、ロイの項目を見て、正常にログインしていることを確認した。
(転移してきた当初ロイさんはログインしていなかったし、《メッセージ/伝言》も繋がらなかった・・・ということは、時間差でログインしてきたということか。)
ロイがモモンガから逃げるために使用した転移は移動距離が長く、妨害がなければ大抵安全な場所に移動できるが、移動場所はランダムという欠点があった。
ここは異世界であり、モモンガとロイのどちらにも土地勘がない上、《メッセージ/伝言》はその後警戒されて繋がらなくなっていた。そのため、ロイの場所がわかるまでの間、ある準備を整える事にした
そう考えていると、命令を出していたアルベドから報告が帰ってきた。
「アインズ様、ヴィクティム、ガルガンチュアを除く階層守護者各員集合しました」
「うむ、通せ、それと今はアインズではなくモモンガでいい」
「畏まりました」
そこにはシャルティア、コキュートス、アウラ、マーレ、デミウルゴス、セバスがいた。
皆いつもの装備であり、カルネ村の時のような殴り込みに行く装備ではなかった。
「では皆、モモンガ様に忠誠の儀を」
「いや、構わん。それよりも、皆良く集まってくれた。今回の目的を知っている者はいるか?」
もっとも、目的を言って集めたわけではない。
「いえ、存じ上げておりません。特に装備を整えず、至高の御方から賜れた服装から変えることのないようにとのご命令でしたが」
そうデミウルゴスは返答する。
「敵が見つかったわけでもないってことでしょうか?」
アウラは当初、階層守護者ほぼ全員が集合するならば、戦闘に関することだと考えていたが、フル装備でないことを疑問に思っていた。
「? ではなんでありんしょう?」
シャルティアも戦闘に関することだと考えていたが、装備の指定に関しては何も考えていなかった。
「アインズ様ノゴ命令トアラバ例エ裸一貫デアロウトモ遂行シテミセマショウゾ」
コキュートスも大概戦闘狂である。
「コ、コキュートスは、初めから裸だと思うけどな」
マーレは少し的外れな指摘をする。
「あなたたち、アインズ様の御前よ」
アルベドが外れかけた話題を修正する。
セバスは初めから執事として控えめな態度をとっている。
顔には出さないが、なぜ集められたのか気になってはいる。
それらの様子を見て、ご機嫌なアインズは
「はっはっは、まあいいぞ。今回階層守護者たちを呼んだのはな、ロイさんをみんなでお出迎えするためだ!」
と、当初の目的を言った。
ある準備とは、階層守護者たちによる出迎えである。正体を隠した状態で驚かせてしまったと考えたアインズは、ロイにいつもの状態で会いに行くことにした。さらに、知性を持って動き出したのはアルベドだけではなく、この世界に生きているもの全てであると教えたかった。
その根底には、現実世界よりも、転移後のこの世界のほうがすばらしいことをアピールしたいという気持ちがあったのだろう。
「!? アラクネ様がお帰りになられたのですか!?」
「ああ、そうだ。だから皆で迎えに行く。私が顔を隠した状態で会った時逃げられてしまったからな、今度は包み隠さず見せるつもりだ」
「なるほど、そのような大役にお声をかけていただきありがとうございます。しかし、ご命令とあれば、私一人でお迎えにあがります」
「えーずるいデミウルゴス、それだったら私一人が行きたい!」
「おねーちゃん声が大きいよ、それに行くならぼく一人でも」
「こらこら、喧嘩をするな、全員で行くんだから」
「全員で・・・ですか?」
「ああ、そうだ。何か問題でも?」
「いえ、ございません。・・・モモンガ様の深淵なるお考え、察することのできぬこの身をお赦しください」
「・・・?よくわからないが、何か」
その時、捜索命令を出していたニグレドから《メッセージ/伝言》が届いた。
『モモンガ様、アラクネ様の位置を特定しました』
『よし、データを転送してくれ』
《クリスタル・モニター/水晶の画面》でロイの居場所を表示すると、森の中をさまよっていた。
その姿はまだ見ぬ敵を警戒しているようだ。
「(地面の中とか、この世界には無いと思うけど下水道の中とか汚い場所にいなくて良かったな・・・)よし、では行くぞ」
活動報告を書きました。