魔法使いの俺に弟子がいるのは間違っている   作:ゼルガー

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Pixivにて、葉山に関するアンケートを取ってます


魔法使いの俺に弟子がいるのは間違っている⑬

 

哀愁漂う葉山を見送り、人数分の飲み物(雪ノ下は野菜ジュース、馬鹿後輩はいろはす、由比ヶ浜は無難にファンタ)を買い、部室に戻ってきた。

 

 

「どうだ、相談は終わったか?」

 

「ええ。彼女の相談の内容は無事に聞けたわ。・・・・・・その事で話したいことがあるの」

 

「ん?」

 

 

なんだ?雪ノ下の様子が少しおかしいな?

 

 

「あー、先輩。昨年の入学式の時に事故ったじゃないですかー?」

 

「ん?ああそうだな。犬を庇って車に跳ね飛ばされたな。無傷だったが。んで、由比ヶ浜がその飼い主だろ?」

 

「「「え?」」」

 

 

んだよ、その反応

 

 

「しっ、知ってたのヒッキー!?」

 

「まあな。どうでもいいからついさっきまで忘れてたけどな」

 

「ひどっ!?」

 

「で、なんで雪ノ下の様子がおかしくなるんだよ?」

 

 

あの時、高級車を運転してたのはダンディーな執事のおっさんだったぞ?慰謝料払いますって言ってきたが丁重にお断りしたけどな。

 

 

「えっと、その・・・・・・実は私、あの時その車に乗ってたの」

 

「ん?ああーそういうことね」

 

 

つまりアレか?罪悪感を感じてると?はっ、バカバカしい。

 

 

「んな下らんことで罪悪感を感じるな。俺が何者か、お前だって知ってるだろうが」

 

「でも」

 

「お前はただ乗ってただけ、一番の被害者だろうが。犬のリードを手放した由比ヶ浜も悪いし、考えなしで助けに行った俺も悪い」

 

 

ぶっちゃけ、もっとマシな助け方があったと思う。だって俺、魔法使いだし。

 

 

「あーうん。ごめんね、雪ノ下さん。私もサブレの散歩でしっかりとリードを握ってればよかったんだけど・・・・・・あの子、人間以上に力があるから」

 

「比企谷くん・・・・・・由比ヶ浜さん・・・・・・ありがとう」

 

「良い話ですねー・・・・・・ん?ちょっと待って下さい」

 

 

どうした、馬鹿後輩?

 

 

「由比ヶ浜先輩、今「人間以上」って言いませんでしたか?」

 

「え?うん。だってサブレは犬神だ・・・・・・し・・・・・・あっ」

 

 

途端、由比ヶ浜は表情を青ざめ、慌て始めた

 

 

「しっしまったーーー!?犬神は秘密って約束だったのに!?喋っちゃったーーーーーーー!!!」

 

 

俺は思った。コイツもオカルト関係者かよ。そして、アホの子だ。

 

取り敢えず、買ってきたジュースを飲ませて落ち着かせること数分。

 

血まみれのエスカリボルグとレイジングハートを持って帰ってきた城廻先輩も合流し、改めて由比ヶ浜の話を聞くことにした。

 

何故、血まみれなのかは知らないし、聞く気は無い。この世には知らないほうがいいこともある。

 

 

「へー、私がOHANASHIしてる間にそんなことあったんだー」

 

「そうっスね。ああ大丈夫だぞ由比ヶ浜。ここにいる部員は全員、オカルト関係者だ。ちなみに俺は魔法使い」

 

「私はその見習い後輩です!」

 

「雪女の半妖よ」

 

「魔法少女めぐりん♪っじゃなくて、錬金術師だよ」

 

 

先輩、絶対本気でしたよね?口には出しませんけど。

 

 

「うえっ?!ここって魔窟だったの!?」

 

「魔窟は酷いなー。で、由比ヶ浜さんはどんなオカルト関係なの?」

 

「えっと、私自身はそんなに凄くないんですけど、一応犬神使いの一族です。本家である川平家の分家ですけど」

 

 

犬神使いか。伝承では色々あるが、川平と言えば有名だな。人の姿をとることも出来る巨大な犬の化生で、その本性は「破邪顕正」。

 

霊能力を持つ血族との盟約関係となり、邪を破り正しきを顕す存在と言われている。

 

まあ、師匠の受け入りだけどな。

 

 

「由比ヶ浜があの川平家の分家とはな。驚いたな」

 

「あ、あはは。パートナーのサブレに結構振り回されてるから未熟なんだけどね」

 

 

あの時の子犬だろ?伝承では巨大な犬の筈だが・・・・・・

 

 

「サブレはまだ生まれてそんなに経ってないの。人の姿もつい最近会得したばかりだし」

 

「つまり、外見通りの子犬だったと」

 

「うん。私もサブレも修行中なんだよ」

 

「つまり、私と同じってことですね!なかーま、なかーま!」

 

「はいはい、お前は黙ってようなー」デコピン!

 

「あいたっ!?」

 

 

はァ、俺が知り合う人はどいつもこいつも、まともじゃないのかよ。

 

 

「あ、そういや結局由比ヶ浜の依頼って何だったんだ?」

 

「え?ああうん、雪ノ下さんには迷惑を掛けちゃったけど、サブレを救ってくれたヒッキーにお礼のクッキーを作ってプレゼントしたいって思ってたんだけど、今までちゃんと作ったことがないから手伝ってほしいって依頼なんだ」

 

 

成程ー・・・・・・俺の?

 

 

「いやいや、気にすんな。お礼はいらんぞ?」

 

「ううん、これは私のケジメだから」

 

 

律儀なヤツ

 

 

「で、どうする?」

 

「うーん。ここはオカルト研究部であって、奉仕したりボランティアする部じゃないんだけどねー。まあ、いいか!それなら、みんなでお菓子を作ろー!」

 

「わーい!」

 

「まあ、仕方ないわね」

 

「城廻先輩!一色ちゃん!雪ノ下さん!ありがとう!」

 

「いろはで良いですよー、結衣先輩」

 

「私も雪乃で良いわよ」

 

「めぐりって呼んでね?」

 

「じゃっ、じゃあ!ゆきのんに、いろはちゃんに、めぐり先輩って呼びます!」

 

「「オッケー!」」

 

「ゆ、ゆきのん!?」

 

 

さりげなく、名前呼びにしてるし。まあ、俺には関係ないけど。後、雪ノ下。困惑してるわりには、悪い気してないだろ?顔がニヤけてるぞ

 

 

「先輩はいいんですかー?いろはって呼んでもいいんですよー?」

 

「いいんだよ。苗字のほうが俺は呼びやすいし、お前は馬鹿後輩で十分だ」

 

「酷いっ!?」

 

 

お前は一生馬鹿後輩だ。別に、恥ずかしいとか思ってねーからな。

 

 

そして、俺達は部室を閉め、アザゼル先生に事情を話してから家庭科室に向かうことにした。

 

だが、俺達はこの時知らなかった。このお菓子作りが更なる混沌を生み出すことを。

 

由比ヶ浜を除く全員が後悔することになろうとは、まだ知らなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、由比ヶ浜を除く俺達は全員、体調不良で学校を欠席した。

 

 

 

 

 

~次回予告~

 

捨てた筈の血縁。

 

二度と会うことはない、そう思っていた。

 

だが、そいつは俺の前に現れた。

 

前の俺と同じような、死んだ目じゃなくて腐りかけた目をして。

 

再会するのは、かつての妹。

 

 

「お前は・・・・・・。なんで、今更俺の前に?」

 

「やっと・・・・・・やっとやっとやっとやっと!見つけた。アハ、アハハハハ!会いたかったよ、お兄ちゃん?」

 

「昔の面影が無くなっているな。俺は会いたくはなかったぞ・・・・・・小町」

 

 

次回もお楽しみに

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