シリアス「(´・ω・`)そんなー」
ギャグ「(=゚ω゚)ノただいまー」
髪が白い蛇と化した小町は不気味な笑みを浮かべたまま、俺を睨みつけている。
さて、どう戦うか。魔法薬の材料集めで異界でモンスターとは戦ったことある。しかし、対人戦は一回もない。
おまけにここは市街地だ。小町が結界を張ったと言っていたが、あまり派手な魔法は使えない。
・・・・・・まあ、いつもの俺らしい魔法を使うしかないか。
「へー、魔法使いかぁ。まるでおとぎ話だねっ!」
「っ!」
それは直感だった。嫌な予感がした瞬間、空中に飛び上がり、その場から離脱した。その判断は正しかった。
俺がいた場所は黒い触手みたいなナニカが生えており、地面が飲み込まれていた。
「なんだ、アレは」
「えー、なんで避けちゃうかなぁ?クズ達もこれで食べてあげたのに」
オーケー、アレは危険だ。あの黒い触手は触れただけでアウトだ。浮遊魔法を駆使し、小町を見下ろしながらそう結論付けた。
ならどうするか?答えは簡単。もう、詠唱は終わっている。
戦わずして勝つ。それが俺の戦法だ
「今度こそ、ちゃんと食べてあげるよ」
「残念だが、もう終わりだ」
「は?何言ってるのかな、ごみいちゃんは」
「俺に勝ちたいなら、俺に思考させない。それが唯一の勝利条件ってことだよ」
―――パチンッ!
少しカッコつけながら、右手で指ぱっちんをする
「何を言って・・・・・・なっ!?」
「足元注意ってな?」
すると、小町の地面がキレイに消えて直径3メートル深さ10メートルの落とし穴になった。
言っておくが、本当に地面が消えたわけじゃない。消えたように見えているが、実際は湾曲空間で広がっているだけだ。
名付けて、ディバイディングトラップ。
落っこちた小町は触手を使って出てこようとはせず、その中でじたばたしていた。
成程、あの触手の制御はそこまで精密には出来ないってことか。こいつはラッキーだ。
「お、落とし穴!?卑怯だよお兄ちゃん!!って、ひっ!?中に大量のゴキブリーーーーーーーーーーーーー!?いやああああああああああああああああ!?」
「俺には座右の銘がいくつかある。『押してダメなら諦めろ』『使えるものはなんでも使う』。そして、『卑怯は敗者の戯言』。ハッキリ言ってやるよ、小町。卑怯?最高の褒め言葉だ」
正々堂々?正義?はっ、そんなもん糞食らえ。俺達裏世界の人間は異端なんだよ。そして、お前も同じだ。
だから、元兄として元妹に教授してやろう。一度手を汚した人間の末路をな。
右手から高熱の炎を。左手から高圧の電気を。二つのエネルギーは一つとなり、プラズマを生み出す。
異界で編み出した俺が今使える最高の攻撃魔法。名前は無い。だが、山一つ消し飛ばす威力はある。
これをわざわざ使うためだけに、小町を湾曲空間の中に閉じ込めたんだしな。せめてもの慈悲だ。これで苦しまずに決してやる。
「クズの親だったとはいえ、人を殺したんだ。それに俺を殺そうとしたんだ。お前も殺される覚悟があるってことでいいな?」
「ひっ!?い、いや。死にたくない・・・・・・まだお兄ちゃんを手に入れてないのに!」
「さよならだ、元妹。先に地獄に墜ちてろ」
そして、俺は魔法を解き放っ「はい、そこまでですよー」ゴドスッ!
「ジェロニモッ?!」
あ、魔法が・・・・・・。あと、頭が痛い。なんか鈍器で殴られた。
俺を殴った相手を見ると、それは笑顔の笑みを浮かべて怒り状態でレイジングハートと同じアニメに出てきた槌を持った馬鹿後輩の姿だった。
てか、またあのアニメの武器を作ったのかよ
「な、何しやがる!馬鹿後輩!」
「こんな街中で極大魔法を使おうとしている先輩にお仕置きですよ?気が付きませんでした?結界の外まで魔力が漏れてましたよ」
え?マジで?やっべ、小町に集中しすぎて冷静さを失ってたか。
「あ・・・・・・あああ・・・・・・あう」
あ、小町が気絶してる。しかも俺の殺気にやられたのか、漏らしてやがる。
白かった髪も黒に戻ってるし、今は大丈夫ってことか。
「うわぁ、先輩女の子相手に何してやがるんですか?犯罪?」
「ざけんな。殺されそうになってたんだよ」
「先輩が?この子に?殺しても死ななそうな先輩を?」
「よーっし、その喧嘩買ってやる。明日から城廻先輩と一緒に魔法薬講座だ」
「わっはーい、藪蛇だったー。ぜーんぜんうれしくなーい!」
・・・・・・でもまあ、一応感謝してやる。さすがの俺も、元妹とはいえ、手を汚したくはなかった。
「じゃあ、この子は私が運びますね。帰ったら、OHANASHIしてくださいね」
「あいよ」
気絶している小町の寝顔は、俺がよく知る昔の小町そのものだった。
小町がこうなった原因は一応、俺にもあるみたいだし、不本意だが自宅に連れて帰ることをしぶしぶ了承するしかなかった。
「ところで馬鹿後輩。その槌以外にも作ってないだろうな?」
「え?さ、さー?」
「・・・・・・帰ったら全部出せ。モノ次第では没収だ」
「そんな!」
葉山の哀愁を見ていないからそう言えるんだよ!