ったく、昼間はショッキングなシーンを見ちまった。
てか、なんで由比ヶ浜は動揺してねーんだよ。いや、マジで
「ってことがあったんですよー。本当に驚愕でした」
「戸塚さんだったかしら?ええ、彼は私のクラスでも有名人ね。いろんな意味で」
「三年でも有名だね。見た目の女の子なのに、男の子なんでしょ?」
「ああ、漢の子でしたね」
断じて、男じゃなくて漢だ。顔だけなら男の娘かもしれんが、あれじゃあ漢の娘だ。
「そういえば由比ヶ浜さんは?一緒じゃないのかしら?」
「放課後の掃除当番で教室に残ってるよ。もう少ししたら来るんじゃねーか?」
「そう。じゃあ、待ってるのもアレだし紅茶でも入れてあげるわ。何がいいかしら?」
「んじゃ、ダージリンで頼むわ」
「あ、私はアッサムでお願いしますね!ミルクティで飲みたいので」
「じゃあ、私はアールグレイでお願いね」
「それじゃ、入れてくるわ」
~そして数分後~
「みんなー!おっまたせー!って、お茶会してる!?」
「おー、由比ヶ浜遅かったな」
「ゆきのん、私にもちょうだいよ!」
「はいはい、由比ヶ浜さんはどの種類がいいかしら?」
「え?紅茶に種類ってあるの?」
ああうん、やっぱりコイツはアホの子だったか。
「って、違った。あ、あのね?実は平塚先生がまたオカルト研究部に依頼者を押し付けたみたいなんだ。私が偶然、ゴミ捨てしてたら依頼主に出会っちゃって、奉仕部を探してたって」
またあの教師かよ。由比ヶ浜の時といい、二度目だぞ
「へー、ふーん。早めにアレの開発を進めた方がいいかもしれませんねー」
「おい馬鹿後輩、何を企んでいる」
「え?ひゅ~ひゅ~」
「アイアンクロー・・・・・・」
「ひっ!?」
また碌でもないモノでも作ったんだろう。
オラ、さっさと吐け
「え、えっとですね・・・・・・三式斬艦刀です」
「何でそんなの作った!?」
「だって、かっこいいじゃないですか!我に断てぬモノ無しって言ってみたいんですよ!」
「そういう問題じゃねー!」
なんてもん作ってんだ!
「えーっと、話を戻すね?私としてもどうしたらいいのかわからないから、とりあえず連れてきちゃった」
「そうなの?しょうがないなぁ、来ちゃってるなら入ってもらおうかな。呼んでくれる?」
「はい!さいちゃーん、いいよー!」
「うん。失礼します」
さいちゃん?お、おいそれってまさか・・・・・・俺と馬鹿後輩は顔が真っ青になっている。
部室に入ってきたのは、まさに昼の時の戸塚だった。まあ、マッチョにはなってなかったが。
「あ、比企谷君と一色さんもいたんだね。」
「お、おう。戸塚」
「こ、こんにちわです、戸塚先輩」
「えへへ、こんにちわ」
ああ、この外見だけなら美少女に見えるな。だが男・・・・・・いや、漢だ
「実はお願いがあって、奉仕部を探してたんだけど・・・・・・まさかそんな部が無いなんて知らなかったんだ」
「ううん、気にしないで戸塚君。平塚先生は後で私がOHANASHIしておくからね」
その笑顔が怖いです、先輩。
「それで戸塚君は一体何の用があって、奉仕部に用があったのかしら?」
「うん。僕が所属しているテニス部についてなんだけど・・・・・・強くして欲しいんだ!」
・・・・・・何言ってんだコイツ?いや、あの筋肉マッチョで弱い?いやいやいや
「えっと、何かの冗談ですか戸塚先輩?戸塚先輩って強そうに見えるんですけど・・・・・・」
「俺もそう思う」
「ううん、僕の事じゃないよ。他の部員なんだ」
つまり、戸塚以外の部員はやる気とかが少なく、戸塚以外の勝率がかなり低いそうだ。
二年生にして部長を務める戸塚としては全国を本気で目指しており、他の部員にやる気を出してもらいたい。
「難しい問題だな。戸塚個人ならともかく、他の部員のやる気を上げるのは流石になぁ。やる気のない奴にやる気を出せと言われても、反抗するのが人間ってもんだろ」
「ですねー。飴と鞭でご褒美を上げる為にやる気を上げても長続きしませんしね」
「そっか。ごめんね、無理言っ「え?大丈夫だよ?」え?」
戸塚の声を遮ったのは、なんと先輩だった
「その問題、このオカルト研究部部長兼生徒会長の私にまっかせなさーい!」
な、なんという頼れる年上オーラっ!どこぞのクズ教師とは大違いだ!
「戸塚君、部員は全員テニスコートにいるのかな?」
「え?はい」
「じゃあ、案内してくれる?あ、みんなは着いてこなくて大丈夫だよ!いつも通り、オカルト研究しててねー!雪乃ちゃん、代理お願いね~」
「あ、はい・・・・・・大丈夫かしら」
笑顔の先輩は戸塚を連れて部室から出て行った。雪ノ下じゃないが、本当に大丈夫か?
翌日、アザゼル先生から聞いた話だと、城廻先輩と戸塚を含むテニス部全員が学校を休み、山籠もりの合宿をしているそうだ。
いや、マジでどうしてそうなったし。先輩は何を考えてるんだよ・・・・・・
放課後、俺たちは心配になり、先輩が向かったという山に行くことにした。一応、テニス部の部員に謝罪の意味を込めた差し入れのおにぎりを持って
「アザゼル先生から貰った地図だとこの辺の筈なんだが・・・・・・」
「っていうか、めぐり先輩は何でこんな山奥に?」
「はぁ、はぁ・・・・・・半妖とはいえ、流石に体力が・・・・・・山道嫌いだわ」
「頑張ってゆきのん!あ、でも息を切らしてるのゆきのんだけみたいだよ?」
「えっ!?・・・・・・体力、付けた方がいいわよね」
人間の俺達以下の体力ってやばくねーか雪ノ下?
「あっ、ねえねえヒッキー!アレじゃない?」
「ん?ああ、確かにあの姿は先輩だ・・・・・・・な?」
俺の言葉はそこで途切れた。いや、目の前に広がる異様な光景に絶句してしまった。それは他の三人も同じだったようだ。
「まったく、何たるザマだ!貴方達は最低のウジ虫だ、ダニだ、この宇宙で最も劣った生き物だ!いいか糞虫共!私の愉しみは貴方達の苦しむ顔を見ることだ!ブタのように醜い声で鳴きやがって恥ずかしくないのか!」
軍服姿の先輩が、テニス部員全員に丸太を抱えて足場の悪い地面を走らせ、更に酷い罵倒していた。平行世界の雪ノ下でもここまでの罵倒はしない。いや、平行世界の雪ノ下とか何言ってんだ俺。
おまけに、滑って転んだテニス部員の一人に追い打ちをかけるような罵倒を浴びせ、泣かせて無理やり走らせていた。もし俺があの罵倒を先輩から受けたら、絶対に自殺する自信がある。それと、先輩の背後に白い服を着た茶色の短髪女性(胸絶壁)の幻影が見える気がする。
「・・・・・・俺、ここに来た事を後悔してんだけど」
「・・・・・・私もです先輩」
「・・・・・・今日から私、人の悪口を言うの止めるわ。見てるだけで、心が苦しいわね」
「・・・・・・と、とりあえず差し入れだけ渡してから帰ろうよヒッキー、ゆきのん、いろはちゃん」
「「「賛成」」」
俺達は嫌がる足を無理やり動かし、先輩の所に向かった。