退屈かもしれませんがお付き合いください(._.)
ーーナザリック大墳墓第9階層
つるびかのメンバーは驚愕していた。
1つ目は第9階層があるということに。
ナザリックは第8階層までだと思っていたのである。当然だ。あのチートのような階層を見たものは、その先にまだ階層があるなど想像できまい。
しかし、それ以上に驚くべきことがあった。
2つ目、それはその第9階層が豪華絢爛であったことだ。精緻な彫刻が施された扉、フカフカのカーペット、柔らかく沈みこむソファー、紅茶が入ったカップに至るまでとてつもなく高価なものである。今まで多くのギルドを潰してきたつるぴかだが、ここまで美しい場所は見たことがなかった。
つるぴかのメンバーは中学卒業時に記念として作られたギルドである。中学に入学するだけでも相当裕福な家庭でないとできないのだが、ほとんどのメンバーは高校にも通えたという富裕層の中でもかなりの金持ちである。外で遊べるような環境は整っていなかったため、高額なお小遣いの多くはユグドラシルに充てられた。社会人になってからも超エリートとして稼いでおり、ユグドラシルの課金額がトップの者もいるほどだ。
しかし、そんなつるぴかでも見たことがないような景色が広がっていたのだ。
この状況で驚かずにいられるものがいるだろうか、いや断言する。いないと。
「とりあえず自己紹介をしましょうか」
モモンガのその声で現実ーどこが現実なのかは定かではないがーに戻ってきたつるぴかのメンバーはこれに同意する。
「アインズ・ウール・ゴウンのギルマス、モモンガです。よろしくお願いたします」
「つるぴかのギルマスをしていました、レジェンド・スターです。こちらこそよろしくお願いたします」
「魔女といいます。よろしくお願いたします」
「ザ・マッスルです。よろしくお願いたします」
流石は社会人である。皆、丁寧に挨拶を交わしていく。
「と、と、とんざるです。この度はお日柄もよく良かったです。お天気もよく、あ、いや、お天気は分からないですね。と、とにかく、どーなってるんですか、この状況。なにか知りませんか。明日も研究しなくちゃいけなくて、朝早いので困ってるんで....」
突然魔女がとんざるの口を無理矢理閉じた。ザ・マッスルが言い訳をする。
「すみません、こいつ上がり症で喋り出したらずっと喋ってないと駄目みたいで」
"そんな上がり症あるか!"モモンガは内心突っ込みを入れたが、持ち前の営業力で笑顔を保つ。オーバーロードであるため、つるぴかのメンバーはモモンガがどんな表情をしているのか分かっていないのだが....
「コホンコホン。とりあえず、本題に入りませんか?何が起こっているかご存じですか?」
レジェンド・スターの問いかけにモモンガは首を横にふる。
「分かっていることはナザリックの周辺が草原になったこと。NPC達が自我を持って動き出したこと。口が動いていること。それくらいです」
「私たちが持ってる情報も同じようなものですね」
魔女はそう言いながら、メイドが用意した紅茶に口をつける。
「.....おいしい」
魔女はそのまま一気に紅茶を飲み干す。
その様子をみたレジェンド・スターとザ・マッスル、とんざるも一口飲むと、耐えきれずにすごい勢いで飲み干す。
リアルでかなり裕福な暮らしをしていた彼らでさえ、こんなに美味しい紅茶を飲んだことはなかったのだ。
モモンガも飲むことはできないが美味しいそうな匂いを感じることはできた。
「私たちはどこか違う世界に転移してしまい、それに加え、仮想世界が現実になったのではないか、私はそう考えています」
モモンガの言葉に4人も頷く。
「ここがまだどんな場所なのか分かりません。協力してこの異常事態を乗り越えませんか」
「こちらこそよろしくお願いたします」
モモンガの提案に断る理由がなかったつるぴかのメンバーはこれに同意した。
絶対的強者は今ここに同盟を結んだのだった。
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~雑談~
レジェンド・スター「アインズ・ウール・ゴウンは社会人のギルドでしたよね。お互いの職業とかも知ってたりしたんですか?」
モ モ ン ガ 「ええ、私は所謂ブラック企業に勤めている冴えないサラリーマンでしたけど、声優や漫画家、教師など多種多様でした」
ザ・マ ッ ス ル「へー、じゃーせっかくの機会ですし俺たちの職業も教えときましょうか。俺は軍で働いています」
レジェンド・スター「こいつ既に幹部として指揮を取ってるんですよ」
魔 女 「頭は仲間の中で一番悪いけど」
ザ・マ ッ ス ル「うるせぇ!」
モ モ ン ガ 「お2人はとても仲がいいんですね。もしかして夫婦ですか?」
ザ・マッスル&魔女「ないない」
レジェンド・スター「(温かい目)」
魔 女 「コホンコホン。私は親の会社を継ぐことになっていて、次期社長として今は副社長という立場にいます」
モ モ ン ガ 「次期社長だなんてスゴいですね」
レジェンド・スター「彼女は社長になったらブラック企業と化している自分の会社を改革しようとしているんですよ」
モ モ ン ガ 「うちの会社の社長も魔女さんのような方だったらいいんですがね」
魔 女 「ちなみに、なんていう会社なんですか?」
モ モ ン ガ 「○○○カンパニーです」
魔 女 「....すみません、うちの会社ですorz」
モ モ ン ガ 「えっ、マジですか?早く社長になってくださいorz」
魔 女 「もちろんです。早く社長になってモモンガさんのような人を減らしたいです」
モ モ ン ガ 「よろしくお願いたします」
と ん ざ る 「......」
レジェンド・スター「コホン。とんざるは科学者として研究に励んでいて、ノーベル賞も夢じゃないとまで言われている天才なんですよ」
と ん ざ る 「..........(照)」
モ モ ン ガ 「ノーベル賞取ってください!応援しています!」
と ん ざ る 「.....(コク)」
モ モ ン ガ 「それにしても皆さんスゴいですね」
と ん ざ る 「で、で、でも、すごいと言えばレジェンドですよ。もともと貧しい暮らしをしていたんですが学生の頃からその才能を認められて奨学金で学校に通ってたんです。成績は国内で最も頭の良い学校だったにも関わらず、全教科で1位だったんです。中学卒業後は高校には進学せず、自分で会社を起こすと、僅か4年で長者番付国内5位、7年で長者番付世界11位まで上り詰めて大金持ちになったんです。ただ、1500人でナザリックを倒そうとしたときに初めて負けを味わったそうで経営していた会社を全て売って、莫大な資産を手に入れると衣食住以外の全てのお金をユグドラシルにつぎこんで朝から晩までしてたんです。ユグドラシルプレイヤーの課金総額もトップでした。しかも今のままでは勝てないって言って、わざわざ種族を天使にかえて一から作り直した程なんです。彼の武勇伝はまだまだありまして.....」
魔 女 「説明したかったことを全て説明してくれたので、この辺でとんざるの話は終えますけど、とにかく彼ほど打倒アインズ・ウール・ゴウンに燃えていた人はいないと思いますよ」
モ モ ン ガ 「...それは怖いですね」
レジェンド・スター「尊敬してるんですよ。なんせ唯一勝てなかったんですから」
モ モ ン ガ 「そう言っていただけると今まで頑張ってきた甲斐があります。ありがとうございます」
レジェンド・スター「いえいえ。アンデットと天使、正反対の種族の最上位種族が揃ってるんですから普通の敵には負けませんよ。共にこの危機を乗り越えましょう」
モ モ ン ガ 「ええ!」