遅くなりましたが第二話です。
アヤカリが来た翌日。あの後同室の
結局彼女は本当に私に進級祝いを言う以外に何もせずに帰ったようです。何故今更になって私に会いに来たのか、一晩考えましたが結局人外の彼女の考えは人間の私には分かりませんでした。
そしてアヤカリに会ったせいで今の私は機嫌が悪いです。いつ素が出るか分かりません。なので身体を動かして発散しようと思います。
私は
突然の感触に私は悲鳴をあげてしまいます。
しかしこういうことをする人は一人しかいない訳で……。
「きゃあ! れ、蓮華さん! いきなり胸を揉まないで下さい!」
「いいじゃない。こうして揉むことで沙代の胸を大きくしてあげてるんだからさ」
「そういう問題じゃありません!」
私は蓮華さんの腕を振り払い振り向きながら言います。
蓮華さんは全く悪びれていない様子で笑っていました。まぁこういう人ですよね……。
私が胸を揉まれないようにガードしていると蓮華さんは何事も無かったかのように話しかけてきました。
「ここにいるってことは何か
「はい、蓮華さんもですか?」
「うん、そうだよ。……そうだ、どうせだから一緒に受けない? ちょうど人手が欲しかったんだよね」
「いいですけど、どういう内容なんですか?」
蓮華さんから
「や、そんなに難しいものじゃないよ。ただちょっと建物を無断使用している不良達にお話しして出て行ってもらうだけだよ」
ふむ、確かに簡単ですね。ですが人手が必要というのが分かりません。この程度でしたら蓮華さん一人でで、むしろ一人のほうが……。あ、そうか。
「不良達相手ですから銃が使えないんですね」
「そうなんだよねー。一対多は私の十八番だけどただの不良相手に銃は使えないからね。ある程度人数が必要なんだよ」
そうです、相手はただの不良でした。武装している非合法組織ならともかく、非武装の相手に怪我をさせたとなったら世論がうるさいですからね。
「そういうことでしたら他に何人か集めないといけませんね」
「まぁそっちは任せて。私の知り合いを連れてくるからさ。そうだね、一時間後に校門に集合でどう?」
「分かりました。では一時間後に」
そう言って私たちはひとまず解散しました。
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一時間後。私たちは校門に集合していました。集まった人数は私含め五人です。
私、蓮華さん、
川澄さんは黒髪を背中半ばまで伸ばしうなじのあたりでひとまとめにしています。
浩介さんは丸坊主でいかにも野球少年という見た目です。実際野球をやっていたそうです。
健司さんは長身で短髪を逆立てています。見た目は極道のようですが優しく思いやりがあります。
このうち浩介さんと健司さんは何回か話したことがありますが川澄さんとは初めてです。なのでまずは自己紹介からです。
「初めまして川澄さん。私は
「強襲科Bランク川澄 舞。よろしく」
「よろしく、舞さん、沙代さん」
「二人とも、よろしく頼むぜ」
浩介さん、健司さん、舞さんと挨拶も終わったところで蓮華さんが依頼の内容を説明します。
「今日の依頼は町外れにある洋館を根城にしている不良達を追い出す事だよ。洋館は二階建てで一階にはダンスホールがあるみたい。だから中で二手に分かれるよ。そして不良達に大きな怪我はさせちゃダメ。だから銃は使用禁止ね。大丈夫?」
「問題ありません」
「大丈夫だよ」
「任せろ」
「はちみつクマさん」
「「はちみつクマさん?」」
私と健司さんの声が重なります。私たちは唖然とした表情で声の主である舞さんを見ます。川澄さんは無表情のままですし、浩介さんは苦笑いしてるだけです。私は事情を知っているであろう蓮華さんを見ます。蓮華さんは私の視線に気付いたようで、話始めます。
「最初に一緒に依頼をした時にあんまりにも無口無表情だったからYesははちみつクマさん、Noはぽんぽこタヌキさんって教えたらそのまま使い続けてるの。ね、舞」
「はちみつクマさん」
あんまりと言えばあんまりな理由でした。しかし蓮華さんらしいと言えばらしい理由に納得してしまいます。驚いていなかった亮さんは以前からこの事を知っていたのでしょう。同じ強襲科ですし知る機会は有ったでしょうから。
「さて、そろそろ行こうか」
蓮華さんがそう言います。そして私達は車に乗り込みました。
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私達は現場に到着しました。もっとボロいと思っていましたが意外ときれいです。
「じゃあ行くよー!」
蓮華さんの号令で突入します。先頭は蓮華さんと浩介さんです。
ホールには不良が数人いました。彼らは突然入ってきた私達に気付き驚きながらも怒鳴ってきます。
「な!? テメェら何もグヘェ!?」
「武偵だよ! 悪い子にはお仕置き!」
しかしその言葉は最後まで言い終えることはできませんでした。その言葉の途中で蓮華さんが不良の腹に飛び蹴りをしたからです。蹴りを喰らった不良は身体をくの字に曲げそのまま後方に数メートル飛んでいきました。
「ぶ、武偵だと!?」
「怪我したくなかったら大人しく家に帰りなさい!」
蓮華さんが言いますが不良達は此方に向かってきました。
「武偵だからってこの人数相手に勝てると思ってんのかよ!」
「チョーシ乗ってんじゃねえよ!」
不良達は口々に叫びながら此方に向かって来ます。それと同時に川澄さんが飛び出します。川澄さんは不良達の目の前までいくと剣を不良達を振り払うように横に振り抜きました。川澄さんに斬られた不良達は吹き飛びます・・・・・・って斬ったら不味いのでは!? 驚く私達を尻目に川澄さんは納刀するとポツリと呟きました。
「心配無い・・・・・・峰打ち」
あぁ、峰打ちなら・・・・・・ってその剣両刃じゃないですか!? 峰ありませんよね! 大丈夫でしょうか・・・・・・?
「大丈夫だよ、舞の持っているのは模造刀だから」
蓮華さんが笑ってそう言います。川澄さんは余計なことを言うなと言わんばかりに蓮華さんの頭にチョップします。
「あはは、ごめんごめん。代わりに・・・・・・おっぱいおっきくしてあげるから!」
蓮華さんはそう言って川澄さんの胸を揉みしだきます。川澄さんは胸を揉まれて顔を赤らめながら抵抗していますが蓮華さんを振りほどけません。無表情な川澄さんが顔を赤らめているのはかなりきます。
浩介さんと健治さんはそっぽを向いています。
どうやら私が止めないと何時までも終わりそうにありませんので止めに入ることにします。
「いい加減にしてください」
私はそう言って蓮華さんの頭を叩きます。
「痛っ、ちょっと沙代叩くのは―――イエ、何でもありません。自重するからその錫杖を下ろして、ね。暴力反対!」
「はぁ・・・・・・全く、真面目にやって下さい」
蓮華さんは叩かれた文句を言おうとしたのでこんどは錫杖を振りかぶって脅します。流石の蓮華さんも錫杖では叩かれたくないようで素直に川澄さんの胸から手を離して謝ります。
そして川澄さんは乱れた服を直し私に頭を下げてきます。
「助かった、ありがとう」
「いえ、私も蓮華さんにはよくやられてますし」
「そう、貴女も・・・・・・」
私もよく蓮華さんに胸を揉まれていると言うと川澄さんはお互い大変ねと言うように肩を叩いてきます。
「川澄さんも大変ですね・・・・・・」
「私のことは舞でいい。でも貴女は蓮華と同じクラスだって聞いた。貴女の方が大変・・・・・・」
「なら私のことは沙代と呼んで下さい。ですが舞さんは強襲科で蓮華さんと一緒でしょう? その方が大変だと思います」
そうしてお互いに苦労を分かち合っていると浩介さんが遠慮がちに話しかけてきます。
「えっと、そろそろ始めない?」
浩介さんの言葉を受けて蓮華さんが仕切ります。
「そうだね、じゃ二手に別れよっか。男女でいい?」
「問題ないです」
「大丈夫だ」
「はちみつクマさん」
事前に決めていた通り二手に分かれます。
「なら僕達は二階を担当しようか」
「おう、任せろ」
浩介さんと健治さんは二階を担当するそうです。私、蓮華さん、舞さんは一階です。
「よし、じゃあ
蓮華さんの掛け声で私達は二手に別れます。浩介さん、健治さんは二階への階段へ。私達はそのまま直進してダンスホールへ向かいます。
ダンスホールへ向かう通路にも何人か不良がいましたが全員蓮華さんに蹴り飛ばされるか舞さんに斬り飛ばされています。
・・・・・・私の出番が全くありません。いえ、別に暴れたいとかいう訳ではないのですが。私がいる意味がない気がします。
私が考え事をしている間にも不良達は向かって来ては飛ばされています。まさに鎧袖一触という感じです。まぁただの不良では武偵に敵わないのは当然の結果なのですが、ここまで次々と飛ばされているのを見ると可哀想に思えてきます。
そうしているとダンスホールに辿り着きました。ダンスホールには15人ほどの不良がいます。蓮華さんは不良達を見回して問いかけます。
「さて、あんた達が大人しく此処から出ていくって言うなら痛い目見ないですむけど・・・・・・どうする?」
不良達は蓮華さんの問いかけには答えずに向かってきます。まぁ彼等の頭には引くという考えは無いのですから当然です。
「やっぱそうなるよね。よし。沙代、舞、やるよ」
「分かりました」
「はちみつクマさん」
私達は同時に三方向に分かれます。三手に別れたことで不良達は私達其々に別れて向かってきます。
私はまずは私に向かってきた不良の内一番私に近い不良の足を錫杖ですくい上げ頭から落とします。これで一人。
次に右から殴り掛かってきた不良の拳を錫杖で振り払い顎をかちあげます。そして浮き上がった不良の腹を突いて吹き飛ばします。これで二人。
不良が二人後ろから殴り掛かってきたのでしゃがんでかわし足を払います。転んだ不良は起き上がろうとしますがそうはさせません。起き上がろうとした時に頭を蹴ります。もう一人は顔を踏みつけます。これで四人。
残りの三人は同時に三方向から飛び掛かってきます。私は右の不良に近づき錫杖で相手の腕に絡めとり、残りの二人に向かって投げつけます。一人はかわしましたがもう一人は一緒に吹き飛びます。
最後の一人はそのまま私に向かってきて殴り掛かってきます。私はそれを不良の懐に潜り込んでかわし伸びきった腕をつかんで背負い投げます。そして床に倒れた不良の腹に踵落としをします。
これで私に向かってきた分は片付きました。
蓮華さんと舞さんの方を見るとそちらも終わったようです。
後は健治さん、浩介さんと合流した後警察に連絡して不良達を回収してもらい依頼達成です。