悪徳博士(偽)でおくる三国志。   作:大里

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遅くなって済みません。

それとお気に入り登録なされた方、感想をくれた方、評価をつけて下さった皆様有難うございます。

其れなりに更新は早くするつもりですがどうなるかわかりません、申し訳ないです


3.予感

side:星

 

兵士に李儒殿が呼んでいると聞いて部屋を訪れたのだが、机に『ちょっと待っててくれ』と書き置きがされていた。近くにいた兵士に聞くと街に出掛けたらしい。

 

李儒殿の事だ、油を売っているわけではなかろう。李儒殿が街へ行く時は大概資金を調達する時なので息抜きも兼ねて出掛けているのだろう。

 

私も以前ついて行ったが李儒殿の人望は一言で言うならば凄い。李儒殿が通るだけで多くの街の者達が声を掛けてくる。

 

李儒殿に言うと「そんな事ない」と笑っているが此処まで街の者達と親しいのはとても珍しい。本人は視察と言って御使いがくる前、ちょくちょく行っていたらしいがそれでもこれだけ好かれるのは凄いと思った。

 

全く、あの腑抜けた劉備や御使いにも見習ってもらいたい。もう彼がここの主で良いのではないか?と思えてくる。

 

御使いが来てからお世辞にも兵達に好かれているとは言えない劉備と比べ李儒殿の兵からの信頼度は厚い。其れこそ自分の命を預けられる程に。

 

各いう私も李儒殿の指揮下に入ると安心する様な感覚を覚える。それは李儒殿の魅力がなせる技かも知れない。

 

そうこう思案している内に扉が開き李儒殿が現れた。

 

「いやー遅れてすまんな星。今日は知り合いと会う事が多くてな」

 

ハハハといつもの様に苦笑いする李儒殿に思わずため息を吐く。

 

「全くですよ、待たされる私の身にもなって下され」

 

「ハハハ、そいつは失敬」

 

「で、私を呼び出したのは?」

 

 

「おお、そうだった。先ずはこいつをわたさねぇとな」

 

そう言うと懐から二つの袋を取り出し机の上に置いた。

 

「こっちがお前さんの給料、こっちがお前の部隊の給料だ。後で渡してやってくれ」

 

成る程、もうそんな時期だった。

 

「あと念のためにこいつも持って行ってくれ。最近抑えてはいるが兵士達の不満が多くてな、このままでは辞めるものも居るだろう。そいつらの足しになる様に餞別だ」

 

流石李儒殿よく見ている。しかし……

 

「李儒殿、貴方は一体何故それ程までにこの劉備軍に尽くすのですか?私には理解できませぬ」

 

そう私はこの人の意思を聞きたかっのだ。何を持って仕えているのか?

お世辞にも彼の扱いは良く無い。むしろ酷い方だ。

 

まさか、以前語っていた自身の祖父が助けられたからと言う理由では無いはずだ。

 

「……俺はなぁ、ここが好きなんだ」

 

「え?」

 

「確かにここはお世辞にも良く無いし、色んな問題を抱えている。俺も所詮余所もんだ、この地は故郷なんかじゃねぇし劉備みたいな御大層な理想もねぇ、上司からの扱いも酷でぇし辞めようと思った回数は覚えてないな」

 

李儒殿はこれまでを振り返るように目を細めて語った。

 

「ならばッ」

 

「けどなぁ、ここの連中はなんだかんだ言って嫌いにはなれなかった。そりゃ、上司達はムカつくが街の連中、城の者達、この者達が好きだ。それに俺は気に入ってんだよココが」

 

そういうと一息ついて

 

「それでだ、もし俺が辞めたとしよう。すると十中八九俺の代わりとなる人物がまた出てくるだろう。その者が優秀であろうと凡才であろうと大量の仕事を任される事になる。俺は慣れているから良いがそいつからしたらとんでも無い重労働だ、その者は直ぐにでも倒れるだろう。下手すりゃ過労死、次の者が出てきてもそれこそ焼け石に水。そうなると政治や治安が滞り、今度は街の連中、もしくは城の兵士、文官、武官にかかわらず影響を受ける。そうなればは衰退しその隙に敵(?)が攻めてきて崩壊、滅亡する」

 

「ここが潰れれば沢山の者達が職を失い路頭に迷う、力無き民はより苦しむ事になる。俺はなぁ、そんな事にしたく無いんだよ」

 

「………」

 

「ハイ、真面目な話はこれで終わり。今度お前の好きなメンマと酒用意するからまた飲もうな」

 

「じゃ、俺は用事があるから。あ、さっきの件頼むぞ、じゃあな」

 

パタン

 

そう言って李儒殿は何やら足早に出て行った。しかし再び扉があいた

 

はて?まだ言う事があるのだろうか

 

「そう言えば最近黄巾の奴らの動きが活発化してきている、注意しといてくれ」

 

そういって今度こそ李儒殿は出て行った。

 

そして一人残った私は考えていた。

 

それは先程も思った事、李儒殿がここの主で良いのではないかという事。李儒殿には間違いなく民を動かし、豊かにする才が十分ある。劉備の様なカリスマ性は無いが為政者の器は備わっている。いや、間違いなく理想の為政者だろう。

 

 

この時、私はある一つの決意をした。李儒殿を主にする事を。

 

 

 

後に彼女のこの決意は劉備派と李儒派と言う謎の派閥を生み、反乱まで発展するかも知れない。するとしてもそれはまだ先の話である。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

あー本当柄じゃねぇ。何で言っちまったんだと後悔してももう遅い。全く、俺は何時もヘラヘラ笑ってるようなキャラなんだがな。

 

今日はいろいろあって気が滅入っていたのだろう、相手が星ーーー心が許せる相手だったからこそ自然と本心が出てしまった。

 

まぁ本心と言っても裏を返せば日本人特有の事勿れ主義の思考だが………。

 

兎に角、俺はさっき受け持った部下の仕事も有るのでそっちの方に頭を切り替え、仕事場に向かった。

 

それから何時間後?。体内時計は既に狂いまくって針は全て取れているから時間はわからんが俺は書類を運んでいた。こんな事は兵士に任せれば良いと思うのだが今持っている書類が重要なだけに俺が運んでいた。

 

簡単に言うと裏の仕事関係の書類である。

 

前回の豪族の賄賂然り、土地と軍の統治は単純なものではない。そして政には必ず裏がある。

 

それがないクリーンな所は過剰な潔癖によりできて早々に潰れるであろう。かくいうこの劉備軍は俺が来るまでそれでもっていた。

 

奇跡である。あの甘ったるい理想とやらで義勇軍を長期にわったて率いてきたのだから。

 

綺麗ごとばかりで人の死でさえ目を背ける劉備だがここだけは尊敬できたな。

 

話を戻そう、そんな裏の資料を北郷一行なんかに見せたらどうなるか。………………想像は容易い。

 

そして、俺の前方に北郷一行………ファッ!?

 

仕方ない何とか乗り切るか

 

しかし、この日俺にこの人生最大のピンチが訪れていた。

 

それは何か、そう眠気だ。

 

ダメだ。眠い眠過ぎる。疲れているんだなきっと。

 

 

やば意識飛びそう

 

 

今回ばかりは少しきついかもしれない、すぐにでも閉じてしまいそうな瞳を無理矢理こじ開ける

 

いかんいかん意識をしっかり保たねば………………

 

こうして俺の(眠気との)戦いが幕を開けた

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

「ん?」

 

「お兄ちゃん、どうしたのだー?」

 

「いや、あれって李儒だよな」

 

「む、確かにあれは李儒だな。何をフラフラしているのだ」

 

「ハハ、李儒さんは相変わらずだね」

 

 

李儒が書類を運んでいるところ現れた北郷一行。しかし、李儒の眠気はMAXでフラフラしていた。関羽はそれを訝しげに睨んで、その隣の劉備は苦笑いをしている。

 

………顔色からしてどう見ても体調が悪そうだが彼らは気づいているのだろうか?

 

そして北郷は嫌なものを見たと内心毒づいていた。彼の尻拭いなんかも李儒はやっている筈だがどうにも最初の先入観と言おうか、彼の知識と言おうか、それが李儒=外道の方式を彼の中で構築されている様だ。

 

「おやぁ?これはこれは皆様お揃いで」

 

 

確かに不真面目そうに見えるヘラヘラとした李儒を見ているとタダでさえ好感度がマイナスまで下がっている彼らからしたらどうしようもなくムカつくのか?

 

「御託はいい。そうだ、ご主人様に武術の訓練をするのだ、お前もついてこい」

 

政務を押し付けている身でありながらその事には感謝の気持ちは全くない。しかも関羽に関しては北郷と拗れた時のストレスを李儒をサンドバッグにして解消する始末。

 

 

「いや、私は仕事が溜まっておりますので」

 

「フンッ、仕事が遅いな。そんな事はいい、黙って付いて来いお前は敵役になって貰うからな………おい李儒聞いているのか!」

 

どうやら李儒には限界が来た様だ。目は話している関羽と焦点は合わず、必死に集中力を保とうとしているがそれすらも限界で関羽の話を最後まで聞かず、遂には重力に身を任せて床へと見事なダイブをした。

 

それでも書類を離さなかったのは意地かそれとも職業病か、どちらにしてもさすがと言える。

 

北郷一行は李儒が倒れこんだ事について驚愕はすれど心配はしなかった。現に関羽が李儒の胸ぐらを掴んで自らの拳で物理的に李儒を起こそうとした。

 

はっきり言うと今これを食らえば李儒は復活出来ない怪我を負う事になる。何時もは関羽とのサウンドバックの日々により生み出した【物理回避】と【物理受流し】のスキルによって大抵の攻撃は避けることができ、当たっても最小限に肉体的ダメージは抑えていた。

しかし今はどうだろういくら李儒といえども現在は気絶に近い睡眠を行っているためそのスキルを使う事は出来ず、その上関羽の力は戦場で猛威を振るう程だ、彼女にとって軽くでも常人なら怪我をする。ましては疲労困憊でボロボロの李儒だ。結果は目に見えているだろう。

 

「李儒様ッ!!」

 

しかし、李儒も運が良い。なかなか戻らない李儒を探しに来た簡雍が来た。彼女は関羽から李儒をひったくると安否を確認した。

 

 

李儒はーーーー相変わらず顔色は悪いが寝ているだけだった。最初は焦って聞こえなかったが大きなイビキをかいていた

 

「良かった、寝てるだけか」

 

そんな李儒に簡雍はホッとすると北郷一行の注意は彼女に向いていた。

 

「春華どう?少しは反省した?」

 

「桃香…………いえ、劉備様、その様な事は御座いません。私は事実を申したまででございます」

 

 

実はこの簡 雍。彼女は元は兵士などでは無い。劉備の幼馴染みであり地位は普段あれだから偉いとは思われないが李儒と同じ位高い地位であった。(李儒は知らない)

 

しかし、北郷の事がお世辞にも好きでは無い簡 雍は北郷を拒絶した。するとそれを侮辱と受け取った劉備達により地位を兵士まで下げられた。

 

「貴様ァ、ご主人様を愚弄した分際で何様のつもりだ!」

 

「『何様のつもり』ですか……それはあなた方に言う言葉だと思います。李儒様がどれだけ苦労しているのかお判りでしょうか!!」

 

そう言った後、簡雍は一息吐き北郷一行を嘲るように言った。

 

「そんなろくに使えもしない肩書きだけで腰を振ることしか脳が無い輩に媚びては貴方達も堕ちましたね」

 

そう簡雍(春華)は言い放つと李儒をおぶってその場を去った。

 

「クソッあの売女が!」

 

いや、それはあんたの方だろ。とここで中立を貫いている者でも突っ込みそうな言い分である。関羽は後を追おうとしたがそれを北郷が止めた。

 

「まぁまぁ、関羽落ち着け。しかし、利用できると思って泳がせてきた李儒が此処で邪魔になってくるとは………そろそろかな」

 

「でも、李儒さんいなくなって大丈夫かな?うちの(まつりごと)は殆ど李儒さんがやってるけど……」

 

若干不安気に劉備が尋ねた。北郷に心酔しているとはいえ少しは民の事を気にしているのだろうか?そうであればいいが………………。

 

「大丈夫。きっともうすぐ優秀な文官がくるよ」

 

「ご主人様がそういうなら大丈夫だね、それも天の知識?」

 

「ああ、それが来たら李儒は用済みかな。………(そうしたら趙雲や簡雍も眼が覚めるだろう)」

 

北郷はまだ見ぬここに来るであろう者を想像しながら李儒を排除出来ることにほくそ笑んだ。

 




書く気はあるし、シナリオも決まっているのですが中々文章として纏まらず遅くなりました。どうにも自分の作品に自信が持てないのもありますが………

嗚呼、表現力と言うか文章力が欲しい


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