プロローグ1
「これが今度の実験体かね?」
「えぇ。資料では保護されていた孤児、だってさ」
「またか」
「もはや、機関もどう思われようが知ったことでは無いんじゃない?」
「私としては、面白ければ何だって良いんだがね」
「同感。それじゃちゃっちゃとやっちゃいましょう?次もつっかえてるんだからさ」
「そうだな。では、始めようか」
突如襲来した、人類の天敵とも言える「深海棲艦」
それらの侵攻により、人類は深刻な被害を被る事になった。
だが、同じ時期に突如として現れた
それらに唯一対抗できる「艦娘」、「妖精」という存在。
彼ら……特に「妖精」に認められ、艦娘を指揮する素質を得た
「提督」達による抵抗もあり、人類は、残された海と大地に
しがみつくように生きていた。
最初の深海棲艦の侵攻から数年。中々攻勢を掴めずにいる人類は、
艦娘や妖精、提督を率いて深海棲艦の殲滅を掲げる「大本営」とは別に、
深海棲艦攻略への新たな糸口を掴むため、非人道的な実験を繰り返す
大規模な組織の存在を許してしまっていた。
それらの実験に対する否定的な民意は、
深海棲艦殲滅という大義名分によって押しつぶされていった。
民間人や提督はその組織に対し、口々にこう罵る。
「快楽主義者の変態技術者共の集まり」
「深海棲艦の次に敵へと成り得る存在」
「大本営よりも黒く、恐ろしい場所」
「追い詰められた人類の行き着く狂気」
彼らはそれを、「
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「おんめでとぉ!適性を持った人は貴方が初めてよ!」
「そうですか」
その機関内のとある場所。
興奮した様子で体をクネクネと動かしながら、オネェ言葉で話しかける大男と、
対照的に淡々と言葉を返す少年は、広い廊下を並んで歩いていた。
横側はガラス張りになっており、その外では
研究員達がせっせと働いているのが見て取れる。
「貴方以外の人は、『繋げた』瞬間発狂したり、
鼻血と糞尿垂れ流したりしてもぉ大変だったんだからさぁ~
あたしそういう趣味はないから、あーゆーのはもう勘弁ねぇ」
「そうですか」
「あ~んた……もう少し話に乗ってくれても良いんじゃない?」
「すみません。慣れないもので」
あくまで淡々と返す少年に、「もういいわ」といった感じで溜息を一つつき、
これから何処へ行くかを少年に教えた。
「あなたはこれから、とある艦娘に会ってもらうわ。
ある種、特別な艦娘よ。あたし達にとっては好都合のね」
「どういう意味です?」
「それは…あぁ、取り敢えず彼女と会ってから話しましょ?」
何時の間にか、その艦娘がいるという部屋の前に来ていた。
大男はカードを取り出し、部屋の前の読み取り口に差し込む。
小さな、おそらくロックが解除される音が鳴った。
「夕張ちゃ~ん。入るわよぉ」
「あ!あ"ぁ"!?ちょっとまってタンマタンマ!」
何やら制止の言葉が聞こえたような気がしたが、無慈悲にドアは開かれる。
部屋の中では、シャツ一枚のパンツ姿で、金平糖を齧りながら
テレビを見ている、薄い緑のかかった銀髪の女性がいた。
これが、孤児だった被験体の少年「CUBE」と、
とある事情を持った艦娘、「夕張」の最初の対面である。
CUBEから見た彼女の第一印象は、「だらしない女性」であった。
暇な時にぼちぼち書き続けます