兵装実験軽巡夕張【艦core】   作:逆流系男子

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アーマードコアネクストって『デカい』とは思うだろうけど~
10mくらいの巨人みて、そんなに『巨大』って思うかなぁ?

前の話見返してそんな感じの感想を得つつ、この章を締めくくりましょ~。お~(ポーラ並の感想)


製油所地帯沿岸:兵装実験7

「で?どうするピスキー。流石にあんな馬鹿でかいのを持って帰る何て無理だぜ?」

『まぁそりゃそうよねー。使えそうな部分だけ貰っていきましょうか』

 

何時迄も見惚れている暇は無い。

何時また敵がこの海域に出現するかわからない以上、長居は危険極まりないからだ。

 

役割分担として、雲龍と五十鈴は燃料や弾薬、鋼材へと使える素材の捜索、収集を行い、

摩耶、ポーラ、プリンツ・オイゲン、加古は二機の巨人を調べつつ、

一部の兵装や部品を人形から取り外し、回収する事にした。

 

 

夕張は怪我もあって無理をさせられない為お休みである。

既に艤装を枕代わりにして、スヤスヤと寝息をたてていた。

 

 

 

<>

 

 

 

 

「久しぶりね雲龍。どう?調子は」

「うん、うまくやってるつもり」

 

燃料の入ったドラム缶や、鉄やら何やらを

いっぱいに詰めた箱を担ぎながらに、涼しい顔で話し合っている。

 

これだけでも相当な重量の筈だが、

艤装で強化されている艦娘にとってこの程度なら問題はないらしい。

 

どうやら資材の収集も終わり、元の場所に戻っている最中のようだ。

 

 

「随分と鍛え直したのね」

「死に物狂いで【レオ提督】の元で指導、任務同行させてもらったわ」

「げ、あいつのとこかぁ…良く心折れなかったわね」

「もうみんなの足枷になるのはごめんだったから。

それに、あなたから『戦場を降りろ』って言われない様になりたかったし」

「…もしかして怒ってる?」

「全然。逆に感謝してる。おかげで半端な気持ちのまま、戦場に残らないで済んだ」

「…そっか」

 

安心したかのように、胸を撫で下ろす五十鈴。

五十鈴自身、そう強く言った事を気にしていたようだ。

 

 

「本当は戦場から消えるのが、正解だったかもしれない。

でも今更、私だけ悠々と戦場から離れられない」

 

 

雲龍はあまり、表情を出すような艦娘では無い。

しかしこの時は、目に見えて悔しそうに顔を歪ませていた。

 

 

 

「艦隊のみんなを、ピスケスを壊したのは、私なんだから」

「雲龍…」

 

 

 

昔、大規模な作戦があった。

ピスケス他多数の提督率いる連合艦隊による、ある重要海域の奪還作戦。

 

凄まじいまでの量の戦力を投入した当作戦は、

大本営の面子にかけても失敗は許されないものであった。

 

 

しかし、結果は惨敗。敵の痛烈を極める迎撃により、

多くの命と資材を沈め、大本営に対する民衆の信頼は地に落ちる事となった。

 

 

その作戦の中で、ピスケスの率いる艦娘は摩耶と雲龍を残して海へと消えた。

結果が、今の残された二人とピスケスの現状である。

 

 

「…『あいつ』って本当に馬鹿だったわね。

目の前で庇われて、それで死なれて…残された人の事も少しは考えなさいよ」

 

雲龍はその時の戦闘中、敵の分断作戦に乗せられて孤立してしまった。

雲龍を狙った集中砲火から、無理を承知に身を挺して庇い、

結果死ぬ事になった艦娘に対して、五十鈴はそう声を落として言う。

 

「撤回してください。私の事なら良いから。でも、あの人の罵倒だけは…!」

「いーや、大馬鹿よあいつは。悪いけどこれだけはハッキリ言っておきたいわ。

戦場で庇われて、それが要因で人を失った奴はね、

大抵ロクでもない末路を迎えることになんのよ。

復讐に取り憑かれて身を滅ぼすか、自暴自棄になって無意味に命を散らすか。

あなたは後者だった。あの時の死んだ目をしてたあなたの様子見た時、気が気でなかったわ」

 

『戦場を降りろ』と強く言ったのは、雲龍にそんな末路を辿って欲しく無いからであった。

雲龍からして見れば、五十鈴は戦場の上では大先輩であり、雲龍以上に死線を潜り抜けている。

 

その中で五十鈴は、そういった『結末』を迎えた艦娘を何人も見てきた。

その上での五十鈴の言葉だ。重みが違う。

 

先程の言い分を撤回して欲しかったが、幾ら経験を積んだとはいえ、

五十鈴からしてみればまだまだひよっこの雲龍は

どう反論したら良いのかわからず、押し黙ってしまう。

 

「でも、今の様子見て安心した…半端な気持ちで戦場に残ったりしてなかった。

多分それもあってさっきの戦いにも生き残れたのね…良いわね。強いわ、あなた」

「…私が壊れなかったのは、多分、摩耶のおかげだと思う」

「ふぅん…?そっかぁ、摩耶も中々やるようになったじゃない」

 

目先に『あの二機』が見え始めた。任務完了まで、もう少し。

 

 

「久しぶりに話せて良かったわ。あなたになら後方支援を任せても大丈夫そう。

もし共闘する事になったら、宜しくお願いするわね?雲龍」

「こちらこそ、その時は…」

 

両手がふさがっているため握手はしなかったが、

雲龍と五十鈴に固い信頼が結ばれた事には、間違いないだろう。

 

 

 

<>

 

 

 

「どぅわぁ~、重すぎるぅ~!こんなんやってられない…飲むしか無いです」

「みんなぁ!!破壊天使砲は持ったかぁ!?いくぞぉおおおおおおああああああ!!!」

 

自分の身長の2~3倍はある黒いライフル銃を背負いながら、そう嘆くポーラと

白いのの背部についていた砲身一門を、

どこぞの漫画の丸太の如く振り回しながらはしゃぐプリンツ・オイゲン。

 

「あいつらの持ってる奴撃てたら、深海棲艦根絶やしに出来るんじゃねぇ?」

「どうだろーなぁ、だけど同じような大きさのアーマードコアが廃れた理由が、

こんくらいの武器をバカスカ撃っても大して効果が無い癖に、あいつらの砲撃は

こっちの的がデカイもんだから当たりやすくて即大破。

結果的にコストに対して全然見合わなかったからだぞ?」

「あー、じゃああれも大して効かねぇのかなあ?」

 

黒い方のコックピットと思われる部分をこじ開けるのに、

悪戦苦闘しつつそんな話に華を咲かせる摩耶と加古。

 

「あ、でもさ摩耶?あの新入りの武器、アーマードコアが使ってたの参考にしたんだろ?

なんで新入りの奴はあいつらに効果あるんだよ?」

 

不意に疑問に思う加古。

 

「良くわかんねぇけど、あたしらの艤装に接続された兵器なら深海棲艦に良く通るんだと。

あたしらの使ってる武器だって、艤装に繋げないで

妖精さんだけの力で撃っても大して威力出ないらしいぞ?」

「マジかよ。あたしらって凄いんだな…っと!」

 

ようやくコックピットが開かれる。

 

「さぁて、内部のコンピューターを拝借はいしゃ…って…」

 

内部を覗き込んで、ギョッとする加古

 

 

「おい摩耶…こいつは…」

 

「艦娘…?」

 

 

コックピットの中にいたのは、身体を丸め、寝息をたてる全裸の少女だった。

 

 

 

 

 

 

 

『奇妙ねぇ。アーマードコアっぽいものの中に艦娘がいるなんて』

『艦娘は建造されるもんだろ?なんだってこんな場所にいるんだ?

もしかして艦娘じゃねぇんじゃねぇか?』

『艦娘じゃなかったらそれはそれで大問題よ』

 

もう一方のコックピット内にも、同じような状態で少女が眠っていた。

銀髪と黒髪の少女。どちらもその幼い外見から、駆逐艦相当の艦娘だろうか?

摩耶と加古の報告を受けて、二人の提督は喉を唸らせながら考え込む。

 

「とにかくどうすんだよ?ほっとくってのも…」

『じゃあその娘達も回収しちゃって。こっちで保護しましょう』

「…おい、それって」

『あー違う違う。あたしとしては、夕張ちゃんやキューちゃんって成果があるから、

もうそんなやたらめったら人体実験しないわよ。それに…』

「それに?」

『その娘達が艦娘なら、あたしの艦隊の力になって欲しいわ。

夕張ちゃんが戦力として期待できるってわかったから、提督として

復帰するつもりだったし、そしたらまた何人か艦娘を集めなきゃいけないしね』

 

 

幾らあの艦隊を撃滅したとは言え、今後出撃機会があるならば数が欲しい。

提督復帰するのに失った人材の穴埋め候補がいるとなれば、ありがたいことだった。

 

 

『お疲れ様。それじゃあ【撤退】するわよ』

『それじゃあなピスケス。それにおめぇら!機会がありゃまたよろしく頼むぜ』

 

 

 

突如、何もない空間が裂け始める。

 

空間の裂け目からは、見慣れた工廠内が広がっていた。

 

 

艦娘は撤退する場合、この『撤退口』を通じて元の居た場所に戻る。

 

 

これらは全て妖精さんが管理している為、交戦時など警戒を有する場合は

断固として撤退口を開いてくれないので、轟沈の危機の中、即撤退って事は出来ないが。

 

「そんじゃあねぇ摩耶!今度万全の時はサシで演習しようぜぇ!」

「おう!そん時はぶっ潰してやるぜ!」

「ポーラは演習よりお酒のが良いですねー。では皆さんアリーヴェデルチ~(また会う日まで~)

「じゃあ演習じゃなくて飲み会ですね!!ビスナヘェィアアアア(また何時か)!!」

「じゃあねみんな!寝てる新入りさんに宜しく言っといてね!」

「今日はありがとうございました。五十鈴。皆さん」

 

 

皆思い思いの別れを告げながら、元いた場所へと帰っていった…

 

 

夕張とCUBE。最初の非常に濃いテスト任務は、こうして幕を閉じた。

数奇な運命の絡まった今作戦を切っ掛けに、二人は更なる戦いの渦に巻き込まれる事となる。




この世界に『艦娘ドロップ』は無い方向で書いてます。
結構あっさり終わらせるつもりだったけど、いまいちメイン層の中で
雲龍が空気っぽかったので、雲龍掘り下げて書きたかった。

五十鈴のが目立ってる気がしなくもないけど


人物について

⑤摩耶
所属:ピスケス提督
最初期からピスケスを支える艦娘。
粗暴な物言いが目立つが、根は思いやりの深い良い娘。
その性格から、狂気に堕ちた時期も傍に居続けた。
同じように心を壊しかけていた雲龍にも気をかけていたようである。
ピスケスから指輪を貰っているが、どちらかと言うと
恋人同士というよりかは親子みたいな関係。

⑥雲龍
所属:ピスケス提督
力をつけてきたピスケス提督の元に入った艦娘。
大切な仲間を目の前で失い、提督が心を壊した現実を受け止めようと、
戦場から逃げずに戦い続ける事にしている。
自身の罪に押し潰されそうになっているものの、
摩耶が心の支えになってくれた事もあり、現状何とかなっているようだ。

⑦五十鈴
所属:リブラ提督
深海棲艦出現後、その最初期から戦い続けている艦娘。
リブラ提督に『信頼の証』として、指輪を授かっている。
提督や艦娘の酒癖の悪さに日々頭を悩ませている苦労人でもある。

⑧プリンツ・オイゲン
所属:リブラ提督
リブラ提督の元にいる『アル重トリオ』の1人。
元気いっぱいを通り越して、ちょっとウザい。
事ある毎にビールをせがむ。プリンツ・オイゲンファンに怒られそう
作者の知識不足により、あまりドイツ語は話さない(出てたとしても発音とか意味が違うかも)

⑨ポーラ
所属:リブラ提督
リブラ提督の元にいる『アル重トリオ』の1人。
特に酒癖が悪く、ちょっと目を離すと飲んでる。
者の知識不足により、あまりイタリア語は(ry

⑩加古
所属:リブラ提督
リブラ提督の元にいる『アル重トリオ』の1人。
夜は酒盛りばっかしてるせいか、何時も昼は眠そう。てか何も無いと寝てる。
摩耶とはそれなりに気が合う物があるらしい。
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