兵装実験軽巡夕張【艦core】   作:逆流系男子

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五十鈴の水着グラ。良い傾向です


製油所地帯沿岸:兵装実験2

<<やっぱり恐い?キューブ>>

<<いえ。アナタの自信がそのままCUBEの思考に

同調しているのか知りませんが、不思議と恐怖は感じません>>

 

少し前までとは違い、夕張はCUBEとの会話に一々言葉を発さなくなっていた。

CUBEとの疎通は思考内の中で行える事に気づき、

一々口にするよりかは円滑なコミュニケーションを図れるからだ。

 

夕張と敵艦隊の距離は次第に狭まっていく。敵はまだ夕張の存在に気づいていない。

 

<<レーダー起動。スキャンモード開始。索敵を開始>>

 

起動と同時に、不可視の電波が敵艦隊を捉え、その情報を正確に伝える。

 

<<……すっごい、なにこれ?>>

 

敵との距離や移動速度どころか、このレーダーは

敵の砲撃弾着面や部位ごとの装甲の強弱。損害状況まで解析可能らしい。

今まで装備してきた電探とは比較にならない程の情報量に困惑を隠せない夕張。

 

<<どうしよ。もう前使ってた電探には戻れないわね…>>

<<一々戻ることもないでしょうし、そもそも戻れないでしょう。無問題です>>

<<まぁ、そうなんだけど…ん、あちらさんも気づいたみたいかな?>>

<<そのようです>>

 

軽巡クラスの砲撃の射程圏内まで、距離は既に狭まっている。

 

旗艦のヘ級、随伴艦のホ級が、歪な砲塔を夕張に向けたと同時に

 

 

 

三体の駆逐ロ級が、奇声を放ちながら突進してくるのが見える。

 

 

 

<<躾がなってないわね!飼い主は何してるの?>>

狂ったように突っ込んでくるロ級の武装をレーダーで解析しつつ、軽く悪態をつく。

 

<<首輪でも勧めておきましょうか?>>

<<あの様子だと口輪もセットであげたほうが喜ぶかもね>>

 

解析完了。小口径の砲と魚雷を装備しており、

恐らく射程距離まで接近し、魚雷と砲撃をぶち込みたいのだろう。

 

 

 

しかし、そのあまりにも直線的な軌道は、

『接近する前に撃って沈めてくれ』と熱く告白(ラブコール)してるようなものだった。

 

「さぁ、後で感想、聞かせてね!!」

 

 

耳障りな音を撒き散らしながら、

本能のままに突っ込んでくるロ級の群れに向けて、

両手に持つヒートマシンガンを何の遠慮もなく斉射した。

 

 

 

 

 

--その様子を、夕張の艤装から発せられる信号と映像を元に、観戦するピスケス。

 

艦娘の攻撃方法は、水上の敵に関しては

大まかに別けて『砲撃』、『雷撃』、『空爆』の三種類である。

 

その性質上艦娘と深海棲艦の戦いは、その昔実在したと『される』

海上で行われていた戦闘と酷似していると艦娘は言う。

 

 

「大昔は随分と、『非効率な戦い』をしていたのねぇ」

 

 

 

 

 

 

かつてこの世界にそのような『軍艦』などといったものが

存在していたという事実を、今生きる人類は知らない。

 

 

 

 

 

 

彼らの知る、昔からあった人同士の主な『殺し合い』は、

 

『人を象った、鋼鉄の機動兵器(アーマードコア)』によるものだけだ。

 

それらは全て、深海棲艦の介入により廃れていってしまったが。

 

 

「馬鹿にみたいに命中精度の低い、火力だけはいっちょ前の融通効かない砲撃。

小回りの効かない機動性。そんな兵装しか扱えない『娘』達を

戦場に駆り出すなんて、おっかなくてみてられないわ」

 

 

映しだされる映像に目を戻す。そこには次々と爆発、炎上し

悲鳴を発しながら崩れ沈んでいくロ級の群れの姿。

 

 

「それでも、艦娘はそんな不便な装備群を使っての戦闘を強いられてきた。

彼女たちは直接装備を扱えないし、妖精の作った『骨董品』を使うしかなかったから」

 

 

死に際に、ロ級は魚雷を数本、置き土産として発射していた。

それの回避を阻害するように、残った敵軽巡は砲撃を行う。

 

 

通常艦娘は、『昔』と同じように進行方向を急に変えることは出来ない。

それ故、このような波状攻撃を回避するのは運などが絡まないと不可能に近いのである。

 

 

<<少し無茶な抜け方をしますが、構いませんか?>>

<<やんなきゃ無傷で済まないし、構わずやっちゃって!>>

 

 

「それでも、彼女達なら『それ』が出来る筈よ」

 

 

まるで爆発音のような音と同時に、青白い閃光が夕張のいたところから放たれ……

 

 

 

瞬間、軽巡ヘ級の視界から夕張は消えた。

 

 

 

何が起こったかわからず、混乱したように辺りを見渡すヘ級。

 

夕張のいた場所から10時の方向、弾着箇所から安全圏内の場所に夕張は一瞬で移動したのだ。

 

 

 

それを可能にしたのは、彼女の艤装に搭載される『アーマードコア』を元に開発した、

高出力のジェネレーターを持つ、ブースターによるもの。

 

 

迎撃の手段すら先程撃ち尽くしてしまった

二体の軽巡に待っていたのは確実な『死』のみであった。

 

 

 

 

「あたし達は、『あなた達』が意図せず作り上げている

戦場のルールに、何時迄も付き合ってる気は無いわ」

 

 

黒煙を巻き上げ、轟沈する軽巡の映像を見届けつつ、そう呟く。

ピスケスの周りをふわふわと浮いている妖精群は、特に気にしてないのか

思い思いに肩に乗っかったり、ピスケスの髪の毛を弄ったりしている。

 

 

「『秩序(ルール)』はこの『例外(イレギュラー)』で破壊してあげる。

拮抗した現状なんて要らない。この戦争に勝つのはあたし達よ」

 

 

 

 

深海棲艦に対しての反撃を告げるかのように、

5体の屍から立ち籠める黒煙は高く、上空にまで上がっていった。




夕張の主な性能の紹介みたいな戦闘回。
次回は多分、摩耶と雲龍との共同戦線回です
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