これは日記形式になります。
○月◇日
大変なことに巻き込まれた。
実際こんな風に日記なんて書いてる場合じゃないんだけど、考えをまとめるためっていうことも含めて文字に書いてみる。
ことの始まりは話題のVRMMO[ソード・アート・オンライン]の正式サービスが始まったことだ。
β版のテストプレイヤーだった俺は特に苦労することもなく正式版のSAOを手に入れた。
そしてβ版と同じ“ゼロ・セブン”っていうキャラネームで始めたんだけど、その数時間後にプレイヤー全員が一か所に集められて開発者でGMの茅場晶彦から「アインクラッド全クリするまでログアウトできない&ゲームで死んだら現実でも死ぬ」宣言。
ホントあの男、何考えてるんだ?
そんなにデスゲームがしたいなら一人でやっとけって言うんだ。
まぁ、あの男のことは置いとくか。
そのあとはちょっとお節介を焼きつつ現状に至るわけだけど、これからどうするかね~。
方針としては3つ。
1つ目はこのままここで解放されるのを待つ。
2つ目は俺も前線に飛び込んで行く。
そして3つ目は、前線には出ない形で攻略のサポートをしていく。
1つ目は無しだな。待つだけとか気が滅入りそうになるし、そもそもどれだけ待たないといけないかがわからない以上、安全というメリットを超えるデメリットになりそう。
かと言って2つ目も正直微妙。β時代の戦い方は前準備がかなり必要で、最低でも第2階層のダンジョンに潜れるようにならないと真価を発揮できない。
それにここに来る前、広場から離れたときに既にこの始まりの街から出ていく奴を何人か見かけた。
恐らくは俺と同じβテスターなそいつらが動いてるってことは、俺が今から行っても逆に足を引っ張りかねない。
てことは必然的に3つ目になるんだが、その中でもどう動くかだな。
生産系のスキルを身に付けていくか、それともアルゴみたいに情報屋として動くというのもある。
そこら辺の細かい部分も考えていかないといけないんだけど…………今日は流石に疲れた。
これからのことは明日にでも考えるか。
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○月△日
どうしてこうなった?
いや、別に悪いことじゃないし、昨日のお節介が原因なのはわかりきってるけど。
何があったのかというと、昨日明らかに初心者な女の子二人組を宿屋に案内しただけなんだけど、その子たちにSAOを生きていく方法を教えてほしい、って頼まれたんだ。
それ自体は別にかまわないんだけど、話をしてた場所が問題だった。
始まりの街の中央広場で話してたから、周りにいたプレイヤーにも俺がβプレイヤーだということが知られて、「俺も俺も!」って感じで十数人ほどの人が集まってしまった。
とりあえず準備がしたいからって言ってその場は解散させたけど、どうなることやら。
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○月★日
あぁー、くそっ!!
あいつらマジフザケんなよ!!
β時代からのフレの助けを借りながら(だいぶ借りができて後が怖いけど)準備したんだけど、最初の5分で大ブーイング食らったんだよ!
しかも理由が『もっと楽に強くなる方法がないのか』とか『このゲームからすぐ抜け出せないのか』とか滅茶苦茶自分本位なものだった。
大体強さがレベルや装備で左右されるこの世界では、どうしても強くなるのに時間をかけなければいけないのはしようがないことだし、それにこの手のゲームでよくやる『死に覚え』ができないんだからなおさらなんだよ。
後者に至っては「そんなの俺に言うな、茅場の野郎に言えよ」としか言えない、俺はGMでも何でもないんだし。
その場はなんとか抑えてたけど、集まった人のほとんどが罵詈雑言を吐きながらその場を去っていった。
で、結局残ったのが最初の2人をあわせて4人。
肩にかかるくらいのセミロングの“マリ”、背中にかかるくらいのポニーテールの“リリィ”、短髪でがっしりとした体格の“ガンマ”、ぼさぼさした髪で細身で長身の“ランド”。
とりあえずはこの4人に色々教えながら生きていくことになりそうだな。
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○月♪日
久しぶりに時間が取れたと思ったら、前の日記を書いてから1週間経ってた。
いやー、この1週間は大変だったよ。
今までの生活と極力時間を合わせるために午前中から昼過ぎまで4人にSAOの基礎知識を教えて、夕食時まで自由時間。
夕食後は年には念を入れて早めに宿に戻ってもらって、俺は街の外でレベル上げと資金調達。
肉体的な疲労は皆無とは言っても、睡眠時間は平均1時間でよくもったと自分でも思うわ。
いやさ、俺も教えたりする立場だからある程度みんなを守れる程度のレベルにしとかないと4人のレベル上げの時に困るし、それまでの宿代とか装備に関してもある程度負担してやるのが筋かな~って思ったんだよ。
でも、俺が無理しすぎて死んだらそれこそ不義理になるんだって思い知らされたわ。
というわけで、今日は一日オフということになったから、ゆっくりとしますか。
でも戻ってきたところをマリに見つかって正直に話したら、あそこまで泣かれるとは思ってもなかったよ。
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○月凸日
マリに泣かれた件の後から変えた指導も何とか形になってきたと思う。
午前中は今まで通りの座学で、午後からは街の近くでの実践訓練をするようになった。
男2人はともかく女の子には断られるかと思ったけど、マリもリリィも俺のこの案をすんなりと了承してくれた。
特にマリがやる気だったのは意外だったな。
まぁ、いずれは必要なことだったことだし、それが早まったと考えればいいか。
武器や防具も1週間で稼いだ分でできる限りの物をそろえたし、事故でも起こらない限りここでデスることはないと思う。
それに俺の投剣スキルもそれなりに上がってるんでサポートも大丈夫だろ。
・・・・・・今ほど自分の変則スキルビルド趣味に感謝したことないわ。
ちなみに他のメンバーは
マリ、リリィ:短剣
ランド:戦槌
ガンマ:曲刀
を使ってる。
この感じならあと1~2週間もあればこの辺りなら困らないレベルにまで持っていけそうだな。
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○月×日
このデスゲームが始まってもう3週間。
まーた嫌な奴が来やがった。
そいつのPNは“キバオウ”。
そいつは俺が拠点にしてる宿にいきなり押しかけて「自分βテスターやろ、ワビ入れんかい!!」とか言い出した。
全く意味がわからなかったから詳しく話を聞くと、
ここまでに出た死者はβテスターが情報を出し惜しみしたからだ
↓
だからβテスターは全員詫びを入れるべき
↓
そこで今居場所が分かっているβテスターな俺のところにきた
ということらしい。
・・・・・・・・・全く意味が分からん。
そもそも情報の出し惜しみとか俺に言われても困るんだが。
俺はこうして少数だけど生き残る術を教えてるわけだし、それにアルゴがメインで動いてる攻略冊子についてもちゃんと協力をしてる。
それに詫びを入れろって言われても「有り金と装備全部差し出せ」って言われて「はい、どうぞ」とか言えるわけねぇだろ。
俺が生きるのに必要なんだし、それじゃただの強盗じゃねぇか。
ただ八つ当たりしたいだけだろうが。
でも、こっちも感情的になっても良いことないから冷静に話そうとしてもキバオウは全く聞く耳を持たず、挙句の果てには「それができんのならこの街から出てけ」とまで言い出した。
「お前に何の権限があって言ってるんだ」って言いそうになったけど、こんなキ○ガイの相手をするのも面倒だ。
「なら出てってやるからそれで文句はないな」って返してやると、さらにわめき出すキバオウを無視して部屋を出た。
ホントだったら俺一人で行くつもりだったんだけど、4人が4人とも「一緒に行きます!」って言ってくれたのが正直とても嬉しかった。
こんなこと面と向かっては言えないけどな。
幸いにも始まりの街を出たのが午前中早めだったからその日のうちにホルンカ村までつくことができた。
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○月凹日
ホルンカ村に拠点を移してから約1週間。
第一階層のボスである『イルファング・ザ・コボルド・ロード』が討伐されたという速報がアインクラッド中を走り抜けた。
今まで見えなかったクリアの兆しがほんの少し見えたことに全プレイヤーは歓喜に包まれてた。
でも、俺だけはその中に入る気分にはどうしてもなれなかった。
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「……まぁたヘマしやがったな、ディアベルのやつ。あのバカが……………」
とりあえず第一階層分までですね。
なんかいろいろと手を出してすみません。○| ̄|_