Moon Knights IS〈インフィニット・ストラトス〉   作:アマゾンズ

15 / 87
天災科学者が月の大企業の社員と接触し研究員に。

月の大企業の支部がフランスの会社を吸収。

以上




裏側 風を感じて兎は月へ向かう

カチャカチャと何かを叩く音が響く、そこには兎の耳を模した機械を頭に取り付け、紫色の服を着た女性がいた。

 

彼女の名前は篠ノ之束。この世界におけるISのコアと機体設計、基礎理論を作り出した科学者である。

 

「どうやっても侵入できない!この束さんが突破できないセキュリティって何だよ!訓練機の方は簡単に突破できたのに!!」

 

何度も繰り返しては弾かれてしまい、束は悔しそうに地団駄を踏んでいる。

 

「た、束様!」

 

「どうしたの?くーちゃん。そんなに慌てて」

 

突然、束の部屋に飛び込んできた彼女はクロエ・クロニクル。

 

束自身が助け出し、自分の傍に置くほど溺愛している人物だ。

 

「そ、外に灰色のラ・・ラフトクランズが!!」

 

「なんだって!?」

 

束が驚いた事は大きく二つあった。

 

一つは自分達が隠れている場所が見つかってしまった事。

 

もう一つはラフトクランズという規格外の機体が現れた事だ。

 

「(篠ノ之博士の居場所は此処でいいのかしら?まさか、アリーの機体に乗るとは思わなかったわ)」

 

研究所から出てきた束とクロエは警戒しており、灰色のラフトクランズを見ている。

 

「お前誰だよ?此処に来るなんて余程の大馬鹿か?」

 

束は敵愾心を剥き出しにしてラフトクランズの操縦者に話しかける。

 

「確かに大馬鹿かも知れないわね。世界規模での最重要人物に会いに来ているのだから」

 

ラフトクランズを解除し現れたのはカルヴィナ・クーランジュ、その人だった。

 

「なんの用だ?私を利用しに来たのか?」

 

「そんなんじゃないわ。貴女が私達の会社に何度もクラッキングを仕掛けて来ているのを注意しに来たのよ。訓練機のデータをクラックされたって大騒ぎよ」

 

「っ!!!」

 

カルヴィナの言葉に束は驚きを隠せなかった。自分がクラッキングを仕掛けていた会社に逆探知されていたからだ。

 

自分の居場所は絶対に見つかる訳がない、そう考えていたのを打ち砕かれたのだ。

 

「仕掛けてきている場所が、一箇所だけというのも足が付く要因よ」

 

「あ・・!」

 

特定された原因は束の探究心からによるものだった。

 

訓練機のデータをクラック出来た事、更にはラフトクランズの機体データに目を付け狙い続けていたからだろう。

 

「上司からの伝言よ。機体データが欲しいならウチの会社に来ないか?だそうよ」

 

「そんな誘いに束さんが乗るとでも?」

 

「そうね、貴女にとっては他の物が路傍にしか見えないでしょうね。それなら内部に入って独自に研究するとか考えられなかった?天才科学者さん?」

 

「っ・・!?」

 

束は自分の心境を読まれた事に嫌悪感を抱いた。

 

ただの会社の一社員であるこの女に自分の考えが読まれているのだろうと。

 

「で、どうするの?来るか来ないかは貴女次第だけど」

 

束にとってはこれほどにもない好条件だ。

 

ラフトクランズを研究出来れば自分の夢を実現できる可能性が大幅に上がる。

 

「分かったよ、一緒に行ってやる」

 

「あら?意外な答えね」

 

「私はISを本来の姿に戻すという使命がある。だから一緒に行くのさ」

 

「貴女の夢、宇宙ね?」

 

「なんで!?」

 

束の驚いた表情にカルヴィナは微かに笑みを見せると答えを明かした。

 

「インフィニット・ストラトス。無限の成層とくれば宇宙の事じゃない、少し考えれば解ることよ」

 

「あ・・・ああ・・・」

 

「叶うといいわね、その夢。行きましょうか」

 

「う、うん!」

 

この日から束とクロエはアシュアリー・クロイツェル社の研究員として入社した。

 

この際に無人機として開発した量産機の三機に関して自分が行った事を自白し、紫雲セルダの根気強い教育指導によって束はコミニュケーション能力か改善された。

 

 

後に、ある機体の強化アーマーとショルダーパーツの基礎を開発するがそれはまだ先の話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

束が入社してから一ヶ月後、フランスにおいて国家を揺るがすことになる出来事が起こっていた。

 

アシュアリー・クロイツェル社・フランス支部がデュノア社の株の50%を買い占めたのだ。

 

株の買い占めによってデュノア社はアシュアリー・クロイツェル社の傘下に収まる事になるがこれをよしとしなかったのがデュノア夫妻であった。

 

「納得できん!何故我が社があのような会社の傘下に!」

 

「これだから、男の貴方は信用できなかったのよ!!」

 

「何!?私が悪いとでも言うのか!?」

 

「そうでしょう?無能のくせに!」

 

夫妻は互いに罵り合っていたが、社長室の扉が開き、大人数の誰かが入ってきた。

 

その手には一枚の紙が握られており、それを広げ夫妻に見せた。

 

「デュノア社社長。及びその夫人、賄賂、癒着、及びスパイ補助の容疑で逮捕させて頂きます」

 

「な、何!?」

 

「そ、そんな!」

 

夫婦は驚いた、自分達が水面に隠していた裏取引の全てが警察に明るみに出ていたからだ。

 

「しょ、証拠はあるのか!?」

 

「証拠なら既に押収されています。さぁ行きましょうか?」

 

「う、嘘よ!あのガキね!あのガキが裏切ったに決まってるわ!!」

 

叫び、喚きながらデュノア夫妻は警察に連行されていった。

 

これは全て、アシュアリー・クロイツェル社が束に依頼した事だった。

 

トライアルに遅れているとは言え、デュノア社はフランスにおいて最大勢力の大企業である。

 

フランス支部はあらゆるデータをフランス政府に提出したが採用されず、デュノア社に技術が流出している事を突き止めたのだ。

 

原因は政府とデュノア社の癒着であり、不採用と称してデータだけを提出させデュノア社に流していたのだ。

 

抗議もデュノア社の賄賂によって握り潰され、技術流出を防ぐ事が出来ずにいた。

 

フランス支部長は本社にこの事を伝え、対策がないかと助けを頼んだ。

 

本社からはある人物に依頼するとだけ伝えられ、連絡を切られた。

 

その3日後、匿名で送られてきたメールと共にデュノア社の不正取引に関する証拠や政府関係者との密会の写真などが送られてきたのだ。

 

メールの内容は『はろはろー!アシュアリー・クロイツェル本社の研究部長だよ!自分達の欲望のためだけにISを利用されるのが腹立ったから徹底的に集めたよ!有効に使ってね!』

 

と最後にウサギのマークがあったとだけ言っておこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アシュアリー・クロイツェル・フランス支部では、元デュノア社の社員や技術者達に支部長自らが頭を下げて我が社の力になって欲しいと頼み込んでいた。

 

先頭に立つ人物が自ら頭を下げて力を貸して欲しいと頼む事は並大抵の事ではない。

 

その行動に心を打たれた元社員や技術者達は喜んで力を貸すと二つ返事で承諾したのだ。

 

 

 

「これで人員は確保できた。後はそれぞれの得意な部署に配置するだけだな」

 

「支部長、今回のラインですが前回よりも20%も生産が向上しました」

 

「そうか、後は株主総会で説明するだけか」

 

二人の男女が仕事に関する内容を話していた。

 

「ここからはプライベートだ、口調も普段通りでいいぞ」

 

「はぁ、兄さんに敬語を使うの疲れるわ」

 

「仕方ないだろ?公私は別けろって言われてるんだからな」

 

「そうね。でも、これで」

 

「ああ、恩返しができる」

 

「頑張ってね?ジュア=ム(・・・・・)兄さん!」

 

「もちろんだ、クド=ラ」

 

デュノア社を吸収した後、アシュアリー・クロイツェル・フランス支部において二人の兄妹が力を合わせて本社との新しい計画を軌道に乗せようとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、どうするのだ?君は」

 

「僕は」

 

デュノア社から出てスパイとして日本への到着と同時に、デュノア社がアシュアリー・クロイツェル社に吸収されたと現地のニュースでシャルロットは知った。

 

それにより、身寄りが無くなりシャルロットは途方に暮れていた。

 

そんな時に偶然出会ったのがアル=ヴァン・ランクスその人だった。

 

アル=ヴァンは名乗った後に話を聞き、そうかと言って聞き続けていた。

 

「あら?アリー、私が戻ってくると同時に浮気かしら?」

 

「カリン、冗談でもそんな事を言わないでくれ。心臓に悪い」

 

「ふふ、相変わらずね」

 

彼の後ろから女性が歩いてきた。

 

二人はどうやら恋人同士のようだがアル=ヴァンが少し困った顔をしている。

 

「あの・・」

 

「ああ、ごめんなさいね。私はカルヴィナ・クーランジュ、貴女は?」

 

「シャルロット・デュノアです」

 

「デュノア?もしかしてフランスの?」

 

「はい、デュノア社の社長の娘です」

 

少しだけバツが悪そうな顔をするが直ぐに持ち直すとシャルロットに視線を向けた。

 

「もしかして、貴女の家族は」

 

「はい、逮捕されて誰もいません」

 

「その割には何も感じていないように見えるが?」

 

「僕は愛人の子供で、本当のお母さんは亡くなってますから」

 

それを聞いたアル=ヴァンは頭を下げて謝罪した。

 

「すまない、失礼なことを聞いてしまったな」

 

「いえ・・」

 

「それで今後どうするかを聞かれていたという事ね」

 

カルヴィナの言葉にシャルロットは頷いた。

 

「なら、私から選択肢をあげる。私と一緒に来て家族になるか、このままどこかへ去るかの二択よ」

 

「カリン、この子を養子にする気か?」

 

「今更じゃない。あの子達の面倒も見ていたし、今回は一人なだけマシよ」

 

アル=ヴァンは驚き、カルヴィナの面倒見の良さに舌を巻いていた。

 

「僕は・・・」

 

「自分で考えて選びなさい。貴女は人形じゃないはずよ?」

 

「僕は、カルヴィナさんと一緒に居たい!家族になりたいです!」

 

「そう、なら着いて来なさいな。それと娘じゃなく姉として接するからね?」

 

「ふっ、確かにな」

 

シャルロットの決断に満足したのかカルヴィナとアル=ヴァンは笑みを浮かべていた。

 

「もちろん、これからよろしくお願いしますね!カルヴィナ義姉さん!アル=ヴァン義兄さん!」

 

「ええ、こちらこそよろしくね」

 

「兄か・・妹分がまた増えるとはな」

 

二人はまた賑やかになるなと思いながらシャルロットを連れて、アシュアリー・クロイツェル社へと戻っていった。




束さんの積極的なアプローチ(クラッキング)に応えて逆探知するアシュアリー・クロイツェル社のセキュリティって一体・・・。

フランス支部長と秘書がまさかの兄妹!こんな世界があってもいいじゃないか!!

シャルロット、カルヴィナと家族になりました。この二人の年齢で高校生の娘が居たら違和感ありまくりです。

あの三人が娘って・・無理すぎる気が・・

束さんは技術者であり開発者、こういう人が現れた場合スパロボのイベントは一つしかない!

スパロボをプレイした事がある皆様はわかりますよね?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。