Moon Knights IS〈インフィニット・ストラトス〉   作:アマゾンズ

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ゲルマン忍者が鈴と接触し対戦。

旧シャッフル同盟と邂逅する。

新シャッフル同盟との戦いを組まされる。

以上


さて、皆さん。

見事に実力を世界に示したジャオロンガンダムのファイター、凰 鈴音(ファン リンイン)。

その破竹の勢いは止まらず並みいる強豪を打ち倒し、ついにはコロニー格闘技五天王であるシャッフル同盟への挑戦権を獲得したのです。

彼女自身は彼らに鍛えられたそうですが事実は分かりません。しかし、彼女の実力が彼らに迫るものがあるのも確かです。

それでは!

ガンダムファイト!レディーーー!ゴー!!(秋元羊介ボイス)


勝利者たちの挽歌(鈴ルートその2)

決勝リーグでのバイキングガンダムの一戦以降、鈴は全勝で勝ち進んでいた。未だ戦っていないのはネオスウェーデンのノーベルガンダムとシャッフル同盟の五人、そしてタッグを組んでいる二カ国だった。

 

「はぁ!たぁ!!」

 

鈴は試合に備え、身体を鈍らせないように軽めのトレーニングをしていた。次の試合の相手はネオドイツのガンダムシュピーゲル、試合を全て見てきたがまるで日本の忍者のような攻撃を仕掛けてくる。

 

「たとえ誰が相手でも制するのみ!それが今の私に出来る最大限の事よ!」

 

「ふはははは!制するとは倒す事よりも難しく険しい道だぞ!」

 

「!?誰!」

 

壁の影から現れたのはドイツの国旗の色をした覆面の男だった。実力を付けた鈴でさえ見抜けないほどの気配消しに流石に警戒を隠せない。

 

「見た所、明鏡止水の境地に至ってはいるようだな?」

 

「っ!?なんでそれをアンタが・・・それ以前に一体誰よ!」

 

「私の名はシュバルツ・ブルーダー。お前の次の対戦相手、ネオドイツのファイターだ!凰 鈴音よ」

 

鈴は更に驚いた自分の次の対戦相手が目の前に現れた事もそうだが、何よりも自分が目指す境地に関して知っている事の方が驚きだからだ。

 

「お前の明鏡止水は機体によるものだろう。己自身の心では至れていない、違うか?」

 

「それは・・・」

 

この男、シュバルツに自分の心を見抜かれていた。自分は明鏡止水の境地に至れたものだと思っていたが実際は機体に乗らなければ発動できず、目覚めた境地の欠片が単一仕様能力(ワンオフ・アビリティー)として体現したに過ぎない。

 

「試合当日の日、お前の明鏡止水の心を目覚めさせてやろう。さらばだ!」

 

「あ、ちょっと!」

 

既にシュバルツは姿を消していた。鈴の明鏡止水に足りないもの、それは本当に殺すつもりで向かってくる相手と対峙していない事だった。追い詰められる事は多々あったが自分が本当に死ぬという恐れを経験していない。

 

「どういうつもり、敵陣視察だったの?」

 

鈴の疑問は風の中へと消えていった、次の試合の相手への疑問が晴れないまま試合当日となった。

 

 

 

ガンダムシュピーゲルとジャオロンガンダム、この対戦を逃さずに見ようと観客を乗せた船が続々と集まり、その中で鈴は戦いの舞台となる海上ステージに立っていた。

 

「凰 鈴音、わざわざ機体に乗らずに来たのか?」

 

「呼ぶ方がしっくりくるのよ、来て!ジャオロンガンダーーーム!」

 

鈴が指を鳴らすと海中から爪龍が現れ、鈴は機体に乗り込む。衣服が粒子化し裸体となった鈴に対してモビルトレースシステムが作動する。

 

「んううう!く・・・ああああっ!!」

 

二回目の搭乗で少し慣れてきたのか、以前ほど締めつけが緩和されているがそれでも装着の苦しさは変わらないままだ。

 

「あ、んぅうう!このキツ・・さ、やっぱり・・んうううう!!慣れ、ない・・わね!」

 

「くううう!んああああああ!!」

 

ファイティングスーツが鈴の全身に張り付いていき、腕と足のスーツフィルムを引きちぎっていく。それと同時に龍爪が起動し鈴は確かめるように演舞を繰り返す。

 

「はぁぁぁ!はっ!いやあああ!たあっ!準備できたわよ!」

 

「緊張はしていないようだな、ならば!ガンダムファイトォォ!」

 

「レディィィ!」

 

「ゴォォー!!」

 

青竜刀とシュピーゲルブレードがぶつかり合い、衝撃波が走る。実力は明らかにシュバルツが上だ、鈴はそれでも食らいついていく覚悟で戦いに臨んだ。

 

「はぁあああ!」

 

「甘いぞ!凰 鈴音!」

 

鈴は青竜刀で斬りかかるが残像を残しながら回避され、全く攻撃を当てる事が出来ずにいた。

 

「くっ!」

 

「そらそらそらそらそら!!」

 

一瞬の隙をついてシュバルツはメッサーグランツと呼ばれるクナイ型の爆弾を連続で投げつけられ動きが止められてしまう。

 

「このぉ!舐めるなぁ!!」

 

青竜刀を連結させ、まるでブーメランのように投擲し、それを相手に回避させるとその軌道上に向かい、両刃となった青竜刀の柄をキャッチする。

 

「ほう?なかなかの機転の利かせ方だな?わざと私に回避させる事で間合いを取り直すとは」

 

「どんな事でも勝負なら私だって負けられないのよ!」

 

再び刃による戦闘が再開され観客の興奮も最高潮に達している。対戦相手であるシュバルツよりも実力が下であるはずの鈴が食らいついていく戦いに子供達は勇気づけられ、他のファイター達も戦いの火を着けられている。

 

「ならば、私も見せよう!本気の全力をなぁ!」

 

シュバルツはシュピーゲルブレードを構えると回転し始め、ステージを回り始める。

 

始めは遅く回り続けていたが次第に速くなっていき、その速さで分身しているようにも見える。

 

「な、なんて速さなのよ!?嘘!ハイパーセンサーでも見切れないなんて!」

 

MFと融合したとはいえISの基本的な機能を持っている爪龍は一般的なMFよりもセンサーや防御機能などが優れている。

 

その機能をもってしてもガンダムシュピーゲルの動きが全く捉えられないのだ。

 

「シュトゥルム!ウント!ドランクゥゥゥゥ!!」

 

高速回転したガンダムシュピーゲルに捉えられ、鈴は直撃を食らい回避も防御も出来ずに攻撃を受け続けてしまう。

 

「うああああ!あぐうううぁあ!」

 

少女が出すべきではない声を上げ続け、鈴は倒れてしまいジャオロンガンダムも同じ姿で火花が走っている。

 

「さぁ、心静かに死ぬがいい!凰 鈴音!!」

 

シュピーゲルブレードを鈴が搭乗している位置に突き立てようと迫ってくる。

 

「(死ぬ?私が!?本当に!?政征、雄輔、シャナ=ミア、セシリア、シャルロット、ラウラ・・全てが過ぎ去っていくこの感じ、似てる?あの時と・・でも、全然違う)」

 

鈴はこれから本当の死を迎える寸前だというのに仲間の事が思い浮かび、恐れも蟠りも悲しみも溶けていく感覚に身を任せていた。

 

これはかつての格闘訓練の時に僅かながらに至れた境地や大勢の敵と戦った時に単一仕様能力(ワンオフ・アビリティー)が発動した時と似ていた。

 

「(負けるな!鈴!)」

 

「(そうだ、俺達も待っているぞ!)」

 

「(頑張ってください鈴さん!)」

 

「(そうですわ!鈴さん)」

 

「(鈴がいないと意味がないよ!)」

 

「(鈴、私達は互いに高め合っていくと約束しただろう!)」

 

「見えた!見えたわ!本当の水の一雫!!」

 

[単一仕様能力(ワンオフ・アビリティー)更新 『真・明鏡止水』発動]

 

鈴はシュピーゲルブレードを受け止めるとは同時に突き飛ばすように蹴り技を繰り出し、間合いを開いた。

 

「っ!!そうだ。出来たぞ!凰 鈴音。それこそまさしく本当の明鏡止水だ」

 

それと同時に立ち上がり、智拳印を結ぶ。今まで発動していた『明鏡止水』とは違い、鈴が元から持っている天真瀾漫な心が爪龍に力を与え輝いている。

 

「ありがとう、シュバルツさん。でも、勝負は別よ!」

 

「良かろう!ならば心して受け止めて見せよう!お前の全力を!」

 

爪龍はショルダーパーツを右腕に装着し、決着をつけるために構えを取る。ガンダムシュピーゲルも必殺技を繰り出すための構えを取る。

 

「私のこの手が輝き唸る!勝利を掴めと叫びを上げる!爆ァァ光!」

 

「オォォォルゴン!フィンガァァァ!!」

 

「うりゃああああああああ!!」

 

爪龍のオルゴンフィンガーとシュピーゲルのシュトゥルム・ウント・ドランクがぶつかり合い、凄まじい光がステージ内で輝きだす。

 

光が消え、二体のガンダムが現れるが彫刻のように動かないままだった。

 

「よくぞここまでたどり着いた・・・良いファイトだったぞ」

 

「えへへ・・次は・・絶対・・負けないん・・だ・・から」

 

倒れたのはジャオロンガンダム。つまり鈴が敗北した事を意味する。シュバルツの腕に支えられ、その顔に悔しさはなく年相応の笑みを浮かべていた。

 

「ガンダムシュピーゲルの勝利です!」

 

実況が勝敗を発表するが、観客や他のファイター達は勝敗以上の勝負を見せてくれた二人に拍手や喝采を送っていた。

 

 

 

 

 

気を失った鈴はまどろみの中で一人、廃墟のような街の中に立っていた。誰もいない街に佇んでいると声が聞こえてきた。

 

「ようやく出会えましたね。凰 鈴音」

 

「誰!?」

 

「我は・・・!ブラック・ジョーカー!」

 

「クラブ・エース!」

 

「クイーン・ザ・スペード!」

 

「ジャック・イン・ダイヤ!」

 

「「「「我等!シャッフル同盟!!」」」」

 

鈴の目の前に現れたのは自分が知るシャッフル同盟とは違う四人だった。それぞれが圧倒的な実力者であることが鈴自身にはわかる。

 

「シャッフル同盟!?私を鍛えてくれた人達とは全然違うじゃない!」

 

鈴が自分を鍛えてくれた五人に対しての言葉を発するとリーダーらしき女性が笑みを深くした。

 

「その者達は我等の後継者」

 

「次世代へと繋いだ若き獅子たち」

 

「ゆえに我らは肉体を持たぬ身」

 

「ここにいるのは魂の存在にすぎない」

 

それぞれが言葉を発し、理解した。この方達は何かを伝える為に自分の目の前に現れたのだと。

 

ブラック・ジョーカーと名乗った女性が代表し、鈴へと歩み寄り彼女の肩に触れた。触れられた肩が暖かくなり、手の甲に熱が篭る。

 

「何!?右手が熱い!何をしたんですか!?」

 

「貴女の中にある命の力を目覚めさせました。貴女は自分が帰るべき世界で破滅と戦わねばならぬ宿命」

 

「破滅?」

 

「その為にも貴女はこの世界の試練に打ち勝たねばならない」

 

「それこそがこの世界に呼ばれた意味」

 

「破滅は確実に蝕み始めている」

 

「試練を乗り越えよ凰 鈴音」

 

旧シャッフル同盟の四人は鈴に対し試練を乗り越えろと言っている。しかし、鈴にはその試練が何なのか分かっていない。言葉を発しようとしたが旧シャッフル同盟の四人が光に包まれていく。

 

「ま、待ってください!まだ聞きたいことが!」

 

「貴女には試練と共に大きな悲しみがやってきます。それを乗り越え破滅と戦うのです!」

 

ブラック・ジョーカーの言葉を最後に四人が消え、それと同時に鈴は目を開いた。

 

目を覚ました場所は自分が特別権限で宿泊しているホテルの自室だった。

 

「誰かに運ばれたのかしら?痛っ!流石に軽い怪我くらいしてるわよね」

 

痛みが走った自分の右手に視線を落とす、そこには赤い光が灯っていた。痛みは一瞬で手の甲に何かが浮かび上がった。

 

「これって、鍛えてくれた人達が持ってた紋章と同じ?でも、どうして」

 

少しでも情報が欲しかった鈴はテレビの電源を点けた。それと同時に対戦相手の発表がされる放送らしく鈴は食い入るように観ている。

 

「さぁ!惜しくもガンダムシュピーゲルに敗れてしまったジャオロンガンダムですが、次の対戦カードはなんと!そのジャオロンガンダムがコロニー格闘技五天王であるシャッフル同盟と一人ずつ戦う好カードです!」

 

「なんですって!?私があの人達と戦うの?」

 

「注目の初戦はネオアメリカのガンダムマックスター!チボデー・クロケット選手VS首相推薦のジャオロンガンダム!ファン・リンイン選手の一戦です!!」

 

「ウッソぉ!?ボクサーの人じゃない!痛っ!?」

 

鈴の右手の甲には紋章の一つであるクイーン・ザ・スペードが浮かび上がっていた。

 

「こういう事だったの、対戦相手の人と同じ物が浮かび上がってるじゃない」

 

次の対戦相手であるシャッフル同盟のメンバーと戦い、勝利する。それが自分を鍛えてくれた五人への恩義になると鈴は考えていた。

 

「元の世界に帰る前に色々とやらなきゃいけない事が増えちゃったわね」

 

鈴の目には闘志が宿っていた。いままで指導してもらうだけで戦える機会がなかった、一度だけでもいい鍛えてもらった五人と全力で戦いたいと鈴は思っていた。

 

データの世界とはいえどようやくその夢が叶う時が来た。鈴の顔には笑みが浮かんでおり、待ちきれない様子だ。

 

「必ず勝ってみせるわ!それが私からの恩返しなんだから!!」 




鈴ルートが思いっきり長くなりそうです。

おまけに鈴のファイティングスーツの装着シーンまで必ず入れるようになってしまいました。(だって、服を着てないし)

鈴の身体がバラバラになるのでは?と心配していた方がいましたが。シャッフル同盟に鍛えられ、鍛錬を欠かさない鈴ならファイティングスーツの着用には耐えられるかと思います。

原作のISガールズ達がファイティングスーツを着たらどうなるんだろう。

特に五人は当然として千冬さんとか束さんとか、すっごい気になる。
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