Moon Knights IS〈インフィニット・ストラトス〉   作:アマゾンズ

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鈴が大食いに!?

以上


さて、皆さん。

シャッフル同盟のメンバーも今回の対戦相手を含めれば残り三人。

今回、ジャオロンガンダムの相手となるのは奇しくも同じ国家代表、ドラゴンガンダムのサイ・サイシー。

この戦いはどちらが勝ってもおかしくはないでしょう。

それでは!

ガンダムファイト!レディーーー!ゴーー!!


忌まわしき宿命を越えて[VSドラゴンガンダム戦](鈴ルート5)

ガンダムローズとの激戦を経て、爪龍を本格的に整備するために鈴はネオホンコンのハンガーに訪れていた。

 

整備といってもISである部分に損傷は無く、むしろ素体となったMFの部分の損傷がひどくコクピット部分も調整されていた。

 

「ごめんね、爪龍。私の無茶に付き合わせちゃって」

 

MFになっているとはいえ自分の相棒に近づき、自分の無茶苦茶な事に付き合わせてしまったことを謝る。

 

「鈴さーん、コクピットの調整手伝ってくださーい!」

 

「はーい!」

 

元気よく整備班のもとへと行き、調整の数値やバランスに関して意見を出しながら相棒のコンディションを最高にしようと手を動かし、メンテナンスを始めていた。

 

 

 

 

鈴がハンガーから帰った後の時間帯、ネオチャイナの代表でありシャッフル同盟の一人でもあるサイ・サイシーは市場を訪れていた。

 

「少林寺再興も大切だけど腹が減っては戦は出来ないってね!お?へへ、おっちゃん!」

 

「すみません!」

 

「「この中華まんを下さい(くれるかい)!」」

 

サイ・サイシーの注文と同時に注文してきたのは鈴だった。中華まんを販売している店の主人は申し訳なさそうに注文してきた二人に対し口を開く。

 

「すまんのう、それが最後の一個なんじゃ」

 

「ええ!?」

 

「んじゃ、オイラが!」

 

「ふざけないで!私が先に注文したのよ!」

 

「「ぐぎぎぎぎ・・・」」

 

どちらも譲る気はない。それならと鈴は相手がサイ・サイシーとは知らずに声を荒らげた。

 

「なら、勝負よ!」

 

「おう!」

 

「「最初はグー!ジャンケン!ポン!!」」

 

その場でジャンケン勝負を始めてしまい、サイ・サイシーはグーを出し、鈴はチョキを出していた。

 

「よっしゃああ!オイラの勝ちだ!」

 

「嘘おおお・・!負けちゃったぁ!?」

 

最後の一個の肉まんをサイ・サイシーが手にし、袋に入れた。それと同時に空腹を知らせる音が鈴から出ていた。

 

「あ・・・//」

 

「あれ?もしかして腹減ってるの?」

 

「う、うん・・・」

 

「だったらオイラが料理を振舞うよ!肉まんの代わりにさ!」

 

「え?いいの!?」

 

「もちろん!この場所で待っててくれよ!」

 

そう言ってサイ・サイシーは二時間後、材料を購入し助けた事のある店の厨房を借りて、炒飯を始めとする中華料理を鈴の為に振る舞い始めていた。

 

「へい!あーらよっと!お持ち!」

 

「ああ・・本場故郷の味だわ!美味しい!!」

 

鈴は次から次へと来る中華料理に舌鼓を打っており、ホクホク顔で皿を重ねていた。その食べっぷりに周りにギャラリーが出来るほどになっている。

 

「ねぇねぇ、酢豚作れる?」

 

「任せておきなよ!」

 

そういって調理に取り掛かり、すぐに酢豚が鈴の目の前に出てきた。それを一口食べた途端に鈴は衝撃を受けた。

 

「そっか、火力が足りなくて野菜とかに火が上手く通ってなかったんだ・・・うん、こう作れば良いのね!」

 

サイ・サイシーが作った酢豚を味わいつつ、自分の料理で上手くいっていなかった部分を反省していた。

 

「言いにくいけどさ、君が次のオイラの対戦相手なんだろ?」

 

「やっぱり気づいてたんだ・・・仕方ないか。でも、今は関係ないわ」

 

「そうだよな、ばっちりスタミナつけてベストコンディションにしておいてもらわないと!」

 

「ありがとう!後で私に料理教えて?」

 

「お安い御用さ!」

 

この後、鈴は心ゆくまで故郷の味を堪能し、満足した顔で自室へと戻っていた。戻った後でも次の試合の対戦相手であるドラゴンガンダムの研究は怠らない。

 

サイ・サイシーは鈴自ら鍛えて欲しいと願い出て、体に染み込ませるくらいの鍛錬をしてくれた。ドン引きされることもあったが、それでも拳法のなんたるかを叩き込んでくれた恩を返すためにも負けられない。

 

「負けないからね・・・絶対に」

 

自分の手に浮かび上がったクラブ・エースの紋章を見つめ、試合当日である明日の為に鈴は早めに休むことにした。

 

 

 

 

鈴と別れてからのサイ・サイシーは静かに闘志を燃やしていた。自分と同郷であり、自分を越えるつもりで戦ってくると伝えられている。

 

「楽しみだな・・どんな戦いになるかさ!」

 

演武をした後、サイ・サイシーは対戦相手である鈴の姿を思い浮かべる。偶然とはいえど料理を振る舞い、年相応の笑みを見せていた姿を。

 

「手加減なんかしないぜ、知り合った仲でもな!」

 

今の自分には果たさなければならない事がある。そう、少林寺の再興という託された父親の悲願を実現させるために負けられないと強く誓った。

 

 

 

試合当日、鈴は先にネオホンコンの海上にあるステージで先に待っていた。もちろん機体には乗らず生身のままステージ上で腕組みをして待機している。

 

しばらくしてガンダムの動きとは思えない程のアクロバティックな動きと着地で、対戦相手であるドラゴンガンダムが現れた。

 

「お待たせ!さぁ、闘ろうぜ!鈴!!」

 

「そうね!来て、ジャオロォォォン!」

 

指鳴らしと共に鈴の相棒が海中から現れ、鈴はすぐに乗り込む。衣服は意味を成さない為にすぐ量子化し、ファイティングスーツを張り付けさせるリングが回転しながら降りてくる。

 

「んううううう!あああああっっ!!」

 

身体が慣れてきたのか腕に張り付いた部分を直ぐに引きちぎり、自由にしていく。

 

「くううう!ああああっ!んうっ!」

 

両足も完全に張り付くと同時に引きちぎり、自分の相棒であるジャオロンガンダムを起動させ、演武を披露する。

 

「へえ、綺麗な武だ。それでも勝負は別だからな!」

 

「当然よ、肉まんの借りをここで返すわ!」

 

「まだ覚えてたのかよ!?」

 

「問答無用!ガンダムファイト!」

 

「レディー!」

 

「ゴーー!!」

 

試合開始と同時に青竜刀と棍がぶつかり合い、同時に距離を取った。ドラゴンガンダムは槍術の構えを取り、ジャオロンガンダムは青竜刀を二本、手にし構える。

 

「(青竜刀を構えているだけなのに隙がない・・・)」

 

「(懐に入ったところで反撃されるのは目に見えてる、下手に動けないわね)」

 

お互いに自分の武器の間合いを知っている故、先に仕掛けたほうが不利になるという緊迫した状況になっている。

 

「うおおおお!」

 

均衡を破ったのはサイ・サイシーの方だがそれを見逃す鈴ではない。青竜刀の一本で突き出された槍を受け流し、利き腕で持った青竜刀を繰り出すが顔を反らされ、ギリギリの所で避けられてしまった。

 

「やっぱり当たらない・・か!うっ!?」

 

下がろうとした途端に鈴の背中に何かがぶつかる、それはドラゴンガンダムに装備されているフェイロンフラッグがステージに突き刺さっており、相手を追い込むためのものだ。

 

「覚悟おおお!」

 

「そうは・・・いかないわよ!」

 

繰り出された槍の一撃を横へと避け、脇に固めるとそれをもう一方の腕でへし折る。へし折られたフェイロンフラッグを投げ捨てると龍となっている腕がジャオロンガンダムへ向けられる。

 

「くっ!なら、ドラゴンファイヤー!」

 

「え?炎!?きゃあああ!」

 

とっさの事で回避できず直撃してしまい、炎によるダメージが鈴へと伝わる。防御すら出来なかったために片膝を着いてしまう。

 

「まだまだ、行けえ!!」

 

龍の火炎の次は腕が龍自身となり、鈴へと襲い掛かる。変幻自在のその動きは捉えることが出来ずジャオロンガンダムに巻き付き、全身を締め上げる。

 

「が・・ああああああ!?」

 

身動きがとれず、締め上げ続けられるが鈴の目には諦めた様子は一切なく寧ろ反撃の隙を狙っていた。

 

「もらったあああ!」

 

「私を・・・侮らないで!ブラキウム・レイド!」

 

もう一方の腕の龍が襲いかかる前に鈴はオルゴナイトの結晶を打撃に特化した形ではなく、手刀に合わせた刃状にして締め上げている方の腕を一本断ち切った。

 

「うああああああああ!?ぐうう、こんなもので・・負けられるかあああああ!!」

 

「私だってええええ!!」

 

年齢が近い事もあってか鈴はいつもの言葉遣いに戻っていた。いくら歳が近くても相手はシャッフル同盟の一人、手加減する余裕などない。

 

「あぐっ!?」

 

上空にいるドラゴンガンダムへ鈴が繰り出そうとした一撃は腹部を狙ったサイ・サイシーの左肘の一撃で止められ、怯んでしまう。

 

「くらえええ!」

 

頭部にある弁髪に仕込まれた刃が鈴へと襲い掛かり、左肩を傷つける。更には蹴り技で追撃し連続で撃ち込まれた。

 

「きゃあ!がはっ!?ぐふっ!」

 

「っ!無影脚ゥゥゥ!!」

 

「うあああぁぁっ!」

 

受けた蹴り技によってステージへと落下してしまうが鈴はすぐに立ち上がり、青龍刀を手にし再び飛び上がる。

 

「それを断ち切る!」

 

「ぐああっ!」

 

左腕一本で右から来る鈴の青竜刀を止めたが、左から来たもう一本の青竜刀によってドラゴンガンダムの弁髪が破壊された。残っているのは左腕と足だけであり武器はない。

 

「オイラ、負けるわけには・・いかないんだ!」

 

「サイ・サイシーさん、私だって引けないのよ!」

 

「なら、勝負だ!」

 

損傷が酷いはずのドラゴンガンダムが黄金色となり、鈴の右手の紋章が赤く疼きだす。ドラゴンガンダムは空高く飛び上がり、まるで蝶のような光の羽根を出現させ、片腕しかないがその姿はまるで祈りを捧げる修行者のような姿だ。

 

「うっ!紋章が・・・!」

 

「天に竹林、地に少林寺!」

 

「目にもの見せるは!最終秘伝っ!」

 

「な、何?あれは・・!?」

 

それはかつて少林寺の修行を極め、この世界では失われたとされており命と引き換えに放たれると言われた最高奥義。それが鈴の目の前で放たれようとしている。

 

「真!!流星!胡蝶剣!」

 

「ならば・・正面から受けて立つわ!オルゴン・マテリアライゼーション!!」

 

[単一仕様能力(ワンオフ・アビリティー)『真・明鏡止水』発動]

 

鈴自身も智拳印を結び、黄金色の姿となるとショルダーパーツをパージし右腕へと装着する。

 

「私のこの手が輝き唸る!」

 

「勝利を掴めと、轟き叫ぶぅぅぅ!」

 

今のドラゴンガンダムは落下してくる一本の巨大な剣だ。鈴は最大出力を右腕に集中正面から受けて立つために飛び上がる。

 

「爆光!オォォルゴン!フィンガァァァ!」

 

「うおおおおおお!」

 

互いに必殺級の技をぶつけ合い、拮抗するがすぐに打ち破りジャオロンガンダムの肘から先が破壊されてしまう。

 

「きゃああああああ!」

 

その様子を見ていたファイター達も驚愕する。オルゴンフィンガーを真正面から破壊し、打ち破ったからだ。

 

「あの技を、破った!?」

 

「勝った!勝ったぞ!!」

 

「ぐううう!いいえっ!まだよォォォ!」

 

「ぐはっ!?ひ・・左腕に結晶の刃!?」

 

勝利を確信したサイ・サイシーを驚かせたのはジャオロンガンダムから腹部に撃ち込まれた刃状のオルゴナイトの結晶に包まれた手刀だった。

 

「あっ・・ぐああああ!ま、負けない、負ける訳には!」

 

「ま、まだだ!凰 鈴音!」

 

「そう、それならこれで!ブラキウム・エンドォォォ!」

 

戦意を失わない相手に対し、鈴が止めを刺そうとした瞬間、試合終了の銅鑼が鳴らされ、それを聞いた鈴は左腕を引き抜いた。

 

「サイ・サイシーさん!」

 

「ぐ・・・今回はオイラの負けみたいだ・・・けど、次は負けないから、な?」

 

ボロボロの状態だが再戦の約束をしながら笑みを見せていた。その姿に自分が勝者である事を名乗れるわけがない。

 

「勝った・・・んだから、さ・・・!」

 

「あ!」

 

残った左腕でジャオロンガンダムの腕を掴み、まるで勝者である事を示すように腕を上げさせた。その姿に試合を見ていた観客達すらも両者を湛えている。

 

 

 

 

 

その様子をネオロシアの輸送船の中で観ている人物がいた。元・宇宙海賊であり今はネオロシアの代表ファイター、アルゴ・ガルスキーだ。

 

「次は俺の番か・・・試合の日、海賊式のやり方、みせてやろう・・・凰鈴音」

 

寡黙な表情の中にある熱い闘争心を燃やしながらアルゴは試合中継を見続けていた。




シャッフル同盟全員と戦わせるとなると一話を丸々使っちゃいますね。

鈴とサイ・サイシーは同年代に近いみたいなので敬語は無しにしました。

もうこれ、Gガンだけでいいんじゃないかな・・(白目)

ああ、早く。シャルのルートやラウラを書きたい・・。

政征と雄輔も書きたい状態の作者でした。

次回はアルゴ戦です。

ドモンとの戦いは皆様、見たいですか?(恐る恐る)
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