Moon Knights IS〈インフィニット・ストラトス〉   作:アマゾンズ

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ラウラが初めて1体1でラダムテッカマンと戦う。

死の重みを教えられる。

以上


※Dボゥイの戦闘はありません。


蘇るアマリリス(ラウラルートその2)

ラダムテッカマン達との戦闘後、ラウラはメディカルルームへミユキと共に運ばれ治療を受ける事になってしまった。

 

エビルのボルテッカを直撃してしまった事で安静させねばいけないというフリーマンの適切な判断である。

 

「う・・うう」

 

ラウラは倒れてから何かにうなされていた。それはこの世界での初めての戦いが原因であるが実際は違っている。

 

『死になさい!テッカマンレーゲン!』

 

「何故、止めてください!シャナ=ミア姉様!」

 

『お前が我らラダムを裏切ったからだ!レーゲン!』

 

「政征兄様!」

 

ラウラはラダムに支配されている姉と兄に追い込まれていた。二人は見慣れないテッカマンの姿をしており、本気で殺しにかかっている。

 

『レーゲン!逃がしませんわ!!』

 

「セシリア!?お前まで!」

 

『いい加減に倒れなさい!』

 

「鈴!?来るな!殺したくはない!」

 

『終わりだよ、ボク達テッカマンの手にかかって死ねる事を光栄に思うんだね』

 

「シャルロット!どうしてだ!?」

 

仲間であったはずの三人までもがラウラに牙を向けてくる。死ぬ訳にはいくまいと必死に抵抗を続けるが崖に追い込まれてしまう。

 

『隊長、ここまでです!お覚悟を!』

 

「クラリッサ!止めてくれ!」

 

四肢にテックランサーを突き立てられ、動けなくなったラウラはテッカマン達を見ていた。仲間や家族である者、全員がラダムに乗っ取られ、敵と化している。

 

「があああああ!ラダム・・・ラダム、貴様ァァァァ!!

 

 

 

 

 

「うわあああああああああああ!?はぁ・・はぁ・・・夢、か?」

 

 

ラウラは悪夢から目を覚まし、飛び起きるように身体を起こした。自分の相棒であるレーゲンが手元にある事を確認すると安堵したようにラウラはため息を吐いた。ラウラにとってはこれがテッククリスタルの代わりとなっている為だ。

 

「目を覚ましたのね、ラウラ。かなりうなされていたみたいだけど大丈夫?」

 

「アキさん、うっ!」

 

「貴女は軽傷だけど、全身疲労で動き回るのは無茶よ。そのままで大丈夫だから」

 

「すみません・・・」

 

アキはラウラに対して未だ不信感を拭えていなかった。突然現れた事もそうだが、この世界においてブレード以外のテッカマンは人間の味方をしていたとしても外的な脅威でしかないのだ。

 

ラウラを引き入れたのはDボゥイの負担を減らす為としか考えていなかった。しかし、彼女はテッカマンの姿を持ちながらも本気で協力してくれている。

 

「ごめんなさい」

 

「え?」

 

「私は貴女の戦いを見るまでは貴女を信じる事が出来なかった、Dボゥイと共に戦う姿を見続けて少しだけ信じる事が出来たの」

 

アキの言葉にラウラは何も答えなかった。自分がいくら言葉を紡いだところで自らテッカマンを名乗った以上、敵対していてもおかしくはないからだ。

 

「いいんです。私もテッカマンである以上は疎まれるのを覚悟していましたから」

 

「!」

 

ラウラの言葉から彼女はDボゥイとは違った覚悟を持っている事をアキは感じていた。集中治療室にて治療を受けているミユキと年齢は変わらなそうな少女であるはずなのに何故、このような覚悟を持った目をしているのかと。

 

「私はDボゥイさんみたく全てを捨てて戦う覚悟は持っていません、それでも大切な人や思い出は守りたいと思っています」

 

「ラウラ・・貴女は」

 

「私が皆さんの所に来たのはきっと何かしらの意味が有るはずです。私はそれを見つけるまで一緒に戦います!でも、今アキさんはDボゥイさんの所へ行ってあげて下さい」

 

「どうして?」

 

「あの人に今必要なのは傍で支えてくれる人です。それが出来るのはアキさん、貴女だけなのです」

 

ラウラがアキ対してこのような言葉を言えるのは自分の世界において、姉と兄として慕っている大切な二人が敵味方に別れて戦ったのを見届けた事があったからだ。

 

自分では姉を救う事が出来ず、その時に救ったのはその恋人である兄だ。想い合う男女ならば傍で支えてくれる人こそが救いになるのだとラウラは学んでいた。

 

「ラウラ、貴女は強いわね。私なんかよりもずっと」

 

「私は強い訳じゃありません。自分が出来る事をやるだけですから」

 

「・・・」

 

ラウラの言葉はアキの心に深く染み込んできた、自分が何も出来ないと考えるのは簡単だろう。しかし、自分の為に泣いてくれたり、傍にいてくれるというだけでも相手は救われる事もある。

 

指摘したのはDボゥイの心の支えになれるのはアキだけだという事。ラウラ自身は口下手であるために上手く言葉に出来なかったが、それをアキに伝えたかったのだ。

 

「忘れるところだったわ、身体が動くようになったらチーフが自分の部屋に来て欲しいって」

 

「分かりました」

 

アキは部屋から出ていき、ラウラは横になったまま自分が何故、あのような事を言ったのか考えていた。

 

「私は何故、アキさんにあんな事を言ったのだろう・・・?」

 

自分の世界で出会ったアキとDボゥイは何か壮絶な出来事を乗り越えてきた事だけは感じていた。ラウラはこの世界で二人の経験した壮絶な出来事がこの戦いであると確信を得ている。

 

「今は少しでも・・・休むとしよう」

 

ラウラは少しでも疲労を取るために目を閉じて睡眠を取る事にした。

 

睡眠を取ってから四時間後に目を覚ましたラウラは歩ける位にまで回復していた。ラウラはベッドから起き上がると身支度を整えてフリーマンの部屋へと向かった。

 

 

 

 

「失礼します」

 

「来たか」

 

フリーマンはコンピューターから視線をラウラに移すと鋭い目つきのままで口を開いた。これから話す事は他言無用と威圧しているかのように。

 

「ラウラ、君には話しておくべきだろうと思う。Dボゥイの妹であるミユキ君の事だ」

 

「?何故、私に?」

 

「彼女を救う方法は一種の賭けだからだ。彼女が余命幾ばくもなくなっている事は知っているな?」

 

「はい、身体の組織崩壊が起こっていると・・・まさか!?」

 

ラウラは自分で発した言葉からミユキか何故、危険な状態なのか答えを頭の中で出してしまった。

 

「そう、彼女を苦しめているのはテックシステムそのものだ。それによって身体の内部から組織崩壊が進行している」

 

「っ!」

 

「まだ研究段階だが、彼女を助ける方法はある。極めて難しいが・・・」

 

「それは一体!?教えてください!」

 

ラウラは飛びかからんとする勢いでフリーマンに詰め寄った。例え可能性が低くとも兄妹を引き離す事はしたくないと思っている為だ。

 

「テッククリスタルの入手だ。Dボゥイやミユキ君のではなく、完全なテッカマンであるラダムテッカマンのテッククリスタルが必要となる」

 

「テッククリスタルを・・・」

 

ラダムテッカマンのテッククリスタルの入手は極めて難しすぎる事である。テッカマンにとってテッククリスタルは命そのものと言って良いほど重要な物だ。

 

それを入手するには敵を半死半生の状態にしなければならなず、ボルテッカなどの火力のある武装を封じて戦う事になるのだ。

 

「Dボゥイや皆には内密にしておいて欲しい、この事を聞けば確実に無理をするのは目に見えている」

 

「ラーサ!」

 

スペースナイツにおいて了承した事を意味する言葉を口にしながらラウラは敬礼をした。自分が出来る精一杯の決意の意志を見せるために。

 

「ラウラ、ミユキ君との面会を許可しておく。出来れば彼女に会っておいて欲しい」

 

「分かりました」

 

フリーマンに背を向け、ラウラは部屋から出て行き、フリーマンはその後ろ姿を見送ると椅子に深く座り直した。

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒ、身体検査の結果が出たが信じられん・・・」

 

フリーマンはラウラの治療をすると同時にラウラ自身の身体検査をするように命じていた。味方をしてくれているとはいえ、テッカマンである以上は警戒を怠らないようにするためであった。

 

「明らかに人為的処置をされている身体だ。だが、今の技術でここまでの処置は出来ない・・・一体、彼女は何者なのだ?」

 

結果が記された書類を眺めながら、フリーマンはラウラへの疑問が深まるばかりであった。彼女は今の技術ではありえない処置を受けている、その他にもテッカマンを名乗りながらラダムの支配を受けていないのもありえない事である。

 

疑念を止め、フリーマンはテッカマンに関するデータを纏める為にコンピューターのキーを叩き始めた。

 

 

 

 

 

ラウラはミユキと会って欲しいという言葉に従い、彼女が治療を受けている部屋へと趣いた。彼女の容態は今は安定しているらしくこちらに視線を向けてきた。

 

「貴女がDボゥイさんの妹の」

 

「はい、相羽ミユキです。貴女は?」

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒだ。すまない、こんな口調で」

 

ラウラが謝るとミユキは笑顔を見せた。ラウラとほとんど変わらない年相応の笑顔だ。

 

「ふふ、ラウラさんって不器用な人なんですね?タカヤお兄ちゃんにそっくり」

 

「そうなのか?」

 

「だって、口数が少なくて口下手ですぐに謝るから」

 

「む・・・」

 

ミユキのペースにラウラは少し戸惑いを見せていた。こんな風にペースを持っていかれるのは自分の世界の仲間であるシャルロットと会話した時以来だったからだ。

 

「ラウラさんも、なんですよね?」

 

「ああ、私もテッカマンだ」

 

「お兄ちゃんや私とは違って、ラウラさんは不完全なテッカマンじゃないんですね」

 

「・・・・」

 

ミユキの言葉にラウラは答えられない。自分のテッカマンの姿が相棒であり機体であるISでラダムのフォーマットによって生まれたのでは無いからだ。

 

「お願いがあります、ラウラさん」

 

「何だ?」

 

「もし、私が死ぬ事になったらお兄ちゃんと共に戦って・・・ラダムを」

 

「ふざけるなっ!」

 

「っ!ラウラさん!?」

 

ラウラはミユキが言い終える前に怒気を含めた声を上げていた。全てを諦めているミユキに対して怒っているのだろう。

 

「可能性が低くとも何故、生きようとしないのだ!?Dボゥイさんの妹ならば諦めることをするな!」

 

「でも、私は不完全なテッカマンだから・・・」

 

「まだ生きているのだから希望を捨てる時じゃない。私がDボゥイさんと貴女を決して離れさせたりはさせん!」

 

ラウラは兄妹というものに自覚無しで非常に過敏になっていた。自分にも兄と姉がいる、例え血の繋がりが無いとしても死なせまいとするだろう。

 

「ラウラさん・・・私は」

 

「今はゆっくり休む時だ、戦いは私とDボゥイさんが請け負う」

 

「はい・・・」

 

「では、な」

 

ラウラは病室から出ていき、アキやDボゥイ、ソルテッカマンの搭乗者であるノアル達が待つ場所へと向かった。

 

 

 

 

 

話し合いを始めて三時間後、基地の警報が鳴り響く。それは敵が近くに現れた事を全員に知らせているということだ。だが、敵の姿は見えない。

 

「呼んでいる・・・しかも二人か」

 

「Dボゥイ、そいつはテッカマン同士の共鳴か?」

 

「ああ、ラウラも連れて来いと言っている」

 

「私も?ですか」

 

「恐らく、俺達をまとめて倒すつもりだろう」

 

ノアルとラウラの疑問にDボゥイは簡潔に答え、外へ出ようと出入り口へと向かい、その後に続くようにラウラも走っていく。

 

「Dボゥイ、ラウラ!」

 

アキとノアルが引き止める前に二人は出て行ってしまった。

 

 

 

 

外に出ると男性二人組が待ちかねていたように笑みを浮かべている。その目はこれから戦う事を楽しみだと言わんばかりだ。

 

「レーゲン、着いてこい!」

 

「何!?」

 

「待て!」

 

「ブレード、貴様の相手は私だ!」

 

格闘技の経験がありそうな男性がラウラを呼び、細身の男性がDボゥイの行く手を阻み、二手に分かれてしまった。

 

 

 

 

促されるまま、男性について行った先にあったのは礼拝堂のような建物の中だった。男性は礼拝に腰掛けると話を始めた。

 

「さて、テッカマンとしての俺の名は知っているな?レーゲン」

 

「テッカマンアックス・・・だ」

 

「そうだ、人間だった時の名も名乗っておく。俺の名はゴダードだ」

 

テッカマンアックスは人間だった時の名をラウラに名乗ってきた。その意図をラウラは理解できない、罠である事は可能性が高く同情を誘うためなのだろうか?あらゆる可能性をラウラは思考している。

 

「ふ、安心しろ。同情を誘うために名乗った訳ではない」

 

「では、何のために名乗った!?」

 

「話し合うためだ。ブレードであるタカヤ坊と共にいる相手が気になってな、お互い名を知らぬのは不便だろう?」

 

ゴダードと名乗った男性はDボゥイの事を幼い時から知っているようにラウラへ話してくる。敵であるはずなのにまるで成長を見守ってきたかのように。

 

「タカヤ坊とシンヤ坊、つまりブレードとエビル様を鍛えたのはこのワシだ。ワシはあの二人が殺し合う事に心を痛めている。わかるだろう?嬢ちゃん」

 

「っ!?」

 

ゴダードの言葉にラウラは目を見開くほど驚愕した。目の前の敵である男は本気で心を痛めている様子だからだ。

 

「私はラウラ・ボーデヴィッヒという名がある!嬢ちゃんではない!」

 

「そうか、ラウラか。確かに刻んだぞ」

 

ゴダードはまるで新しい弟子を見つけたかのように饒舌になっている。顔には笑みが浮かんでおり、楽しげだ。

 

「ラウラ、タカヤ坊と共にラダムに来る気はないか?お前ほどの実力があれば歓迎してくれるぞ」

 

「何!?」

 

敵から来たのは戦いの合図ではなく、勧誘の誘いだった。それもDボゥイと共に来いというものだ。ラウラは魅力的すぎる誘いに乗りかけていたが唇を噛み締め、ゴダードを睨んだ。

 

力を絶対的なものとし、織斑千冬を崇拝してた時のラウラならば喜々としてラダムの誘いに乗っただろう。しかし、今のラウラにはラダムの誘いに乗る理由がなく、自分にとって帰らなければならない場所がある。姉と兄、そして大切な仲間達が待つ世界に。

 

「断る!私はラダムになる気は無い!」

 

「そうか、やむを得んな・・・ブレード共に障害なる相手は倒さねばならんからな!でえええい!」

 

「なっ!」

 

ゴダードは立ち上がるとラウラに向かって全力でパンチを打ち込んできた。それをラウラは避けるが左目の眼帯の紐に当たり、取れてしまう。

 

「ほう?オッドアイとは珍しいな、だが止めるつもりはないぞぉ!」

 

再び繰り出されるパンチをラウラは特訓で学んだ中国拳法の聴勁(ちょうけい)を使い、捌き出した。本来、聴勁(ちょうけい)は鋭敏な皮膚感覚と相手の動作から繰り出される技を読み取る洞察力、捌くための反射神経が必要不可欠だ。しかし、ヴォーダン・オージェの封印を解かれた、今のラウラはその全てをクリアしている為にゴダードの攻撃に対応している。

 

「これは中国拳法の聴勁(ちょうけい)か!?こんな年端もいかない小娘が習得しているとはな!だが、守ってばかりでは勝てんぞ!」

 

「くうう!」

 

いくら攻撃を捌けるといっても、ブレードとエビルに対して格闘技を教え込んだ相手である。その技量とパワーによって次第に押され始めていた。

 

「タカヤ坊とシンヤ坊にも教えた事だが、ラウラ!お前にも教えてやる!攻撃は最大の防御となるのだ!」

 

「ならば、私も攻撃に移る!でええい!」

 

ラウラも反撃に転じ、蹴り技を繰り出す。小柄な体格ではパンチは牽制程度にしかならない。しかし蹴り技ならば腰を要にすることで小柄な体格でも体重を乗せた一撃を加える事が出来る。

 

「蹴り技がお前の得意技か!」

 

「そうだ!」

 

ゴダードはラウラの飛び蹴り、ローキック、ミドルキックなどを防御しているが少しずつ体力を削られている。

 

「今だ!だああああ!」

 

「ぬおっ!?」

 

ラウラの後ろ蹴りがゴダードの腹部を捉え、片膝を着かせた。ダメージは大きくはないが怯ませただけでもかなりの技量だろう。

 

「凄まじい吸収力だな。ワシの教えをすぐに実践に移すとは!ならば、そろそろ本番と行こうか!テックセッター!!」

 

テッククリスタルを取り出したゴダードはテッカマンへの変身を行い、その姿を変えていく。

 

「テッカマンアックス!」

 

「レーゲン!テックセッター!」

 

ラウラ自身もシュヴァルツェア・レーゲンを展開し、テッカマンの姿へと変えていく。展開を終えるとラウラは地に降り立った。

 

「テッカマンレーゲン!!」

 

「ふふ、テックセットしたか!テッカマン同士の戦いの方が倒しがいもあるというもの、どうせ勝つのはワシの方よ!」

 

「行くぞ、アックス!でやああああ!」

 

「うおおおお!」

 

斧型のテックランサーと両刃の槍のテックランサーをぶつけ合い、互いに攻め合う。パワーと技量では圧倒的にテッカマンアックスが上回っているが、手数の多さと攻め方はレーゲンに分がある。

 

レーゲンはワイヤーブレードと手刀のプラズマブレードを同時展開し、アックスへ向かっていく。だが、アックスはワイヤーブレードを受け払い、接近戦を仕掛けてくる。

 

「どうした!?レーゲン!!そんな事ではワシを倒す事なぞ出来んぞ!」

 

「まだだ、私は負けん!必ず勝ってみせる!」

 

「威勢が良いな、でやあああ!」

 

アックスは衝撃波をレーゲンへ放ち、それをレーゲンは空へ上昇して回避し落下速度を利用した唐竹割りを仕掛ける。

 

「うおおおおおお!」

 

「甘いぞ!」

 

唐竹割りを受け流され、アックスの蹴りをレーゲンはまともに受けてしまった。その威力でレーゲンは建物に叩きつけられてしまい、僅かな間、動けなくなってしまう。

 

「ぐ・・うううう!」

 

「立ってこい、レーゲン!この程度ではやられはせんだろう?」

 

「!今だ!」

 

「ぬぐううう!?」

 

レーゲンはワイヤーブレードを展開し死角から攻撃を仕掛けた。アックスは目の前のレーゲンに集中していた為にワイヤーブレードを受けてしまう。だが、照準が僅かに甘く、直撃とまではいかなかった。

 

「はぁ・・はぁ・・・こんな時に」

 

「どうした!?スタミナ切れか!?」

 

アックスの言葉は的を射ていた、ヴォーダン・オージェが安定して発動出来ているとはいえ発動中は体力を奪われ続ける。ましてや、テッカマンになる前から発動していた為に体力を消耗していたのだ。

 

「ならば、そろそろトドメといくか」

 

「なんだ?あの構えは?」

 

「この技はタカヤ坊ですら一度も破れなかった技だ!お前に見切れるかな?」

 

テックランサーを脇に抱えるような構えを取ると同時に、アックスは攻防一体の技を繰り出しながら近づいてくる。

 

「(バカな、ヴォーダン・オージェでも見切れないだと・・!?)これでどうだ!」

 

「無駄だ!無駄だ!!」

 

テックランサーを投擲するが簡単に弾かれてしまい、そのままアックスは近づいてくる。レーゲンは両手のプラズマ手刀を展開し構えた。

 

「死ねええ!レーゲン!!」

 

見切ることの出来ない技へ自ら飛び込み、左肩を犠牲にして振り下ろされた刃を喰い込ませた。

 

「ぐあああああっ!!」

 

「自ら飛び込むことで急所を避けたか!だが!」

 

「違う・・な!でやああああ!!」

 

右手のプラズマ手刀をアックスの左脇腹に突き立て、左手のプラズマ手刀は右の脇腹に突き立てた。

 

 

『推奨BGM [永遠の孤独] スパロボW アレンジ』

 

 

「ぐおおおおお!うご・・・あ、レー、ゲン!」

 

手刀を引き抜くとアックスは完全に膝を着いてしまい、肩で息をしている。

 

「見事だ、レーゲン・・・肉を斬らせて骨を断つ、惚れ惚れする一撃だったぞ!」

 

「ゴダード、さん」

 

「餞別だ、ワシに勝った証に持っていけ!」

 

アックスから投げ渡されたのはアックス自身のテッククリスタルだ。それを見てレーゲンは仮面の下で驚きを隠せない。

 

「これは、貴方のテッククリスタル!?」

 

「お前が倒したのはラダムのテッカマンアックスだ、気にすることはない。撃て!ボルテッカを!」

 

「!!!」

 

テッカマンアックス。いや、ゴダードはラウラに対して自分を撃てと言っている。それは完全にトドメをさせという事でありラウラは迷いが生じた。

 

「し、しかし!」

 

「お前の甘さはワシがあの世に持っていく、戦士として強くなりたいのならワシの屍を越えてみせろ!さぁ、何をしている!?撃てェェ!!」

 

レーゲンはユニットを接続すると荷電粒子砲の発射口を肩から出現させた。荷電粒子が収束していき、チャージが完了する。

 

「う、うわあああああああああああ!!ボルテッカァァァァ!!」

 

「そうだ・・・それで、いい!ラウラ嬢ちゃん!ぬぐわあああああああああ!!」

 

テッカマンアックスはボルテッカの光に飲み込まれ、何も残らず消滅してしまった。アックスのテッククリスタルだけがラウラの手の中で輝いている。

 

「う・・うう、ゴダード、さん」

 

ラウラはクリスタルを握ったままその場で座り込んでしまった。相手がトドメをさせと言ってきたとはいえ、自分の手で格闘の第二の師を亡き者にしてしまったのだから。

 

「急いで戻ろう」

 

 

 

 

四時間かけてスペースナイツの基地へテッカマンの姿のまま戻り、テックセットを解除すると基地内部へ入りフリーマンのもとへと向かった。

 

「チーフ、例のクリスタルを回収出来ました」

 

「なんと!?本当かね?」

 

「はい、これがそうです」

 

アックスから渡されたクリスタルを取り出し、フリーマンに見せた。フリーマンは驚愕するのを隠しながら受け取るとそれをすぐに、解析コンピューターのスキャンの中へと入れた。

 

「では、失礼します」

 

「ああ、助かった」

 

フリーマンの部屋から出るとラウラはテッカマンアックスとの戦いを思い返していた。ラダムとなっても人の心を自らの最後の中で取り戻した人だ。

 

自分にとっては第二の師であり、自らの死を持って死の重みを教えてくれた。

 

廊下を歩きながらミユキの容態を見ようと面会に行くのであった。




次回はブラスターブレード回です。

命を奪う重みを知ったラウラ自身も何かが変わります。


---

ラウラに活躍によってテッククリスタルを入手し、ミユキの治療は確立されていった。

そんな中、Dボゥイが進化を決意する。

次回

『永遠の孤独』

仮面の下の涙を拭え。
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