Moon Knights IS〈インフィニット・ストラトス〉   作:アマゾンズ

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学園祭を楽しむ

亡国が持つ切り札

政征の力の暴走

鈴に隠された真実


以上


創世の王の出現

学園祭当日となり、三日間の間のお祭りが始まった。

 

一組はコスプレ喫茶だが、休憩者や招待した親類などが集まってきており、売上は好調だ。

 

そんな中、一番注目されているのは。

 

「お待たせ致しました。フルーツ盛り合わせと紅茶でございます」

 

「あ、あの・・・食べさせてもらえるコースを追加で!」

 

「畏まりました、お嬢様。失礼を」

 

女性は口を開き、政征にフルーツを食べさせてもらっている。それを受けた女性は顔が真っ赤のまま硬直しながらフルーツを堪能した。

 

「それでは、ごゆっくりと」

 

「はぁぁぁ・・・」

 

一方のテーブルでは。

 

「お待たせ致しました。こちらはモンブランとブレンドでございます」

 

「あの、セットメニューのサプライズをお願いします!」

 

「はい、では・・・お手を」

 

雄輔はケーキセットを頼んだ女性の手の甲を膝をつき忠誠を誓っているような姿で、自分の口元に持っていき軽く口づけをした。

 

「ごゆっくりとお寛ぎ下さいませ。お嬢様」

 

「あんな執事が居たら・・・」

 

手の甲にキスされた女性はウットリとした後、落ち着くためにコーヒーを飲み始めていた。

 

 

そう、最大の目玉となっているのは男性操縦者二人による執事姿でのご奉仕である。

 

女性客が多く、男性操縦者がいるとの事で一組の喫茶店は大盛況なのだが男性二人は休まる暇がないのだ。

 

「ふう・・・」

 

「全く、休めないのは応えるな」

 

「ごめんねー、あと二人のお客さんを入れたらその後、休憩だからー」

 

「大丈夫、あと二人くらいなら、なんとか」

 

「ああ、気張っていくさ」

 

裏方のスペースで飲み物を軽く飲むと二人は再び、ホールスペースへ戻っていった。

 

政征と雄輔は二人のお客の案内とサービスを終わらせると休憩に入った。

 

「(何だ?リベラから違和感が・・・気のせいか)」

 

「どうした?」

 

「いや、とりあえず鈴の所へ行こう」

 

二人は二組へと向かい、鈴へと会いに行った。二組はチャイナ喫茶を開店しており、鈴は看板娘さながらのチャイナドレス姿で忙しく動き回っていた。

 

「あ、政征!雄輔!いらっしゃい!空いてる席に座って!」

 

鈴は次から次へとオーダーをこなしている。それを見ている男性二人は感心しながら中華まんの注文をした。

 

「お待ちどうさま!ゆっくりとしていってね!」

 

注文した中華まんを鈴が持ってきたのを確認し、食事をとり始める。

 

「すごいな、あんなに手際が良いなんてさ」

 

「実家が昔、中華料理屋をやってたらしい、その影響じゃないか?」

 

「へえ・・・」

 

二人が仲良く食事をしている中、鈴の熱っぽい視線に二人が気づくことはなかった。

 

休憩を終え、自分のクラスへ戻るとシャナが接客をしていた。皇族として身につけていた礼儀作法、持っている気品の良さから一般男性客に人気のようだ。

 

「お待たせいたしました。ごゆっくりどうぞ」

 

「は、はい」

 

シャナに接客された男性は見とれており、飲み物を急いで飲んで視線を逸らした。

 

「・・・・・」

 

「おい、政征!」

 

「はっ!?」

 

「シャナ=ミアさんに見とれてたか?ボーッとしてたぞ」

 

「あ、ああ・・・シャナのメイド姿があまりに可愛くてな」

 

「惚気るなよ、ドアホ」

 

「いてっ」

 

漫才のようなやりとりにクラスメイト達は笑っていたが、すぐに裏方へと押しやられ執事や和服などを着させられ、接客することになってしまった。

 

 

 

その日の午後、学園祭一大イベントとして代表候補生達によるISバトルをすると生徒会長である盾無が宣言した。

 

政征達を含む一年生の代表候補生全員のみとされ、バトルロワイヤル方式のルールを採用し、会場はバリアを強化した特別会場で行うと説明される。

 

「まさか、イベントバトルとは」

 

「バトルロワイヤルか、手加減はできないな」

 

「ふふ、久方ぶりに皆さんと戦えますわね」

 

「上等よ、またとないリベンジの機会だわ!」

 

「ボクだって負けるつもりはないからね」

 

「無論だ!シャナ=ミア姉様や政征兄様には悪いが勝つのは私だ!!」

 

「わたくしも剣を振るうとしましょう!」

 

 

特別会場となったアリーナへ七人は同時に向かうと各々の機体を展開する。

 

「リベラ!」

 

「モエニア!」

 

「ティアーズ!」

 

「爪龍!」

 

「リヴァイヴ!」

 

「レーゲン!テックセッター!」

 

「グランティード!」

 

それぞれが機体を展開すると観客席から歓声が湧き上がる。それ程までにこの戦いを見たいと思う者が多かったということだろう。

 

「ラフトクランズの戦い、観させてもらうわよ」

 

「私もこの戦いだけは見逃さない」

 

更識姉妹も別々の場所から観戦しており、一般生徒達もそれぞれ応援している。

 

戦いの合図であるブザーが鳴り、バトルロワイヤルが開始された。

 

 

 

試合が開始される一時間前、Mはスコール、オータムとの合流を完了させていた。

 

「M!良かった、無事だったのね」

 

「奴らからよく逃げられたな!?」

 

「二人こそ、無事で良かった。だが・・・他の者達は」

 

「分かっているわ、とにかく目的地へ向かいましょう」

 

三人は合流し、日本へ向かう飛行機へ乗るために空港へ向かった。無論、亡国機業の息が掛かっている便に乗る為にだ。

 

破滅の軍勢へ惹かれていったメンバーは誰一人としていない状況で、飛行機へと乗り込む。

 

パイロットも乗客も客室乗務員に至るまで全員が、亡国機業のメンバーというチャーター機での出発である。

 

「そう、全員殺されてしまったのね・・・?」

 

「ああ・・・偶然生き延びたのは私だけだった」

 

「そうか、やはりあいつらに対抗するには」

 

「ええ・・・今、手元にある黒き地獄と黒き天使、そして黒き銃神の欠片の封印を解いて、私達の機体に組み込むしか無いわ」

 

スコールが言葉を発した瞬間、オータムとMは驚愕した表情で声を張り上げた。

 

「正気かよ!?スコール!!それを組み込んだら間違いなくお前や私は!!」

 

「そうだ!死ぬ事になるぞ!」

 

「他に方法がある?今の私達では奴らに太刀打ち出来ないどころか手も足も出ないのよ?」

 

「く・・・」

 

「それは、そうだが」

 

惨劇を目撃しているだけあってオータムもMも歯を噛み締めてしまった。今の自分達は破滅の軍勢に対して指揮官どころか、尖兵にすら勝てない状態なのだ。

 

「とにかく、今はIS学園に向かって話し合いの場を設けて貰うことが最優先よ。もう、亡国機業や世界を変えるなんて言っている場合じゃない、地球規模での戦いになってしまってるんだから!」

 

スコールの言葉に二人は頷いて肯定した。それ以降、三人は言葉を交わすことなく飛行機は到着時刻の機内放送を流しながら日本へと飛び続けた。

 

 

 

亡国機業のメンバー三人が日本へ向かっている頃、IS学園ではバトルロワイヤルが白熱していた。

 

「ぐわぁ!?」

 

「うおおお!?」

 

ラフトクランズを駆る二人は他の機体に追い込まれていた。それもその筈、彼女達は彼らから勝利をもぎ取るために、ラフトクランズに対しての対策や二人のクセなどを研究していたのだから。

 

「申し訳ありませんが勝利を騎士から奪いますわ」

 

「龍は勝利を食べたくて仕方ないの」

 

「二人の中にある勝利を撃ち抜くよ」

 

「勝利してこそ二人へ恩が返せるのだからな!」

 

「さぁ、勝利を私に献上してください」

 

五人が迫って来るが二人は立ち上がって鎧の中にある表情を喜びに変え、武者震いしていた。

 

「強者との戦い・・・これが騎士の本懐よ!」

 

「燃えてきたな、さあ!行こうか」

 

一歩踏み出そうとした瞬間、政征の脳内に声が響いた。

 

『不敬なる者ども、王たる我が裁きを下してやろう』

 

「な・・なんだ!?あああああああっ!?」

 

ラフトクランズ・リベラからオルゴンエネルギーの柱が登り、全身が紺瑠璃色ではなく細部に金色が入り、オルゴンクラウドが常時全開であるのを示すかのような緑色が、ツインアイから溢れ出ている。

 

「政征!?」

 

『一介の騎士が気易く声をかけるでない・・・!』

 

「っが!?」

 

たった一発の単発のオルゴンライフルを受けた雄輔はISガールズのもとへ吹き飛ばされ、彼女達によって受け止められた。

 

「い、一体政征さんに何が!?」

 

「いつもの雰囲気じゃない・・!?まるで映画とかゲームに出てくる王様のキャラみたいになってるわよ!?」

 

「雄輔、大丈夫!?」

 

「政征兄様に何が起こっているんだ!?」

 

「っ!いけない!政征は今、オルゴンに取り込まれています!」

 

シャナの声に皆が一斉の視線を送る。雄輔が代表しシャナに声をかけ質問する。

 

「オルゴンに取り込まれている?どういう事だ、シャナさん」

 

「分かりやすく言えば単一仕様能力(ワンオフ・アビリティー)の暴走です!オルゴンは自然エネルギー、意志を持つことがあるのです!」

 

『皇族の者、后のようだが我を知っての事か』

 

政征の口から発せられるのは女性的な声だ。それだけでも別人だと全員が理解できる。

 

しかし、何故今になって単一仕様能力(ワンオフ・アビリティー)が暴走したのか?その理由が分からないでいた。

 

『レガリア、其方達の言葉で言えば王権を意味する。王権という言葉による力とこの自由の騎士が触媒となり我が生まれた』

 

「つまり貴様は兄様の機体であるリベラの影という事か!」

 

『影ではない、この肉体(玉座)は我の物である。実体として存在している』

 

「ふざけないで!政征の肉体は政征の物よ!勝手に出てきて自分のものだなんて言ってるんじゃないわよ!」

 

鈴の叫びに全員が頷き、各々が戦闘態勢をとる。王と名乗った存在は鈴に対し興味深そうに言葉を紡いだ。

 

『龍の爪を駆る娘よ。貴卿は己の真実を知らぬのか』

 

「?どういう事よ!?」

 

『貴卿は皇族の者や、その隣にいる騎士、更にはこの肉体の持ち主と同じ純血の者である事を』

 

「え・・・・?」

 

「鈴さんが」

 

「姉様や兄様と同じ」

 

「フューリーだっていうの?」

 

「デタラメを言わないで!私がフューリー!?私はちゃんとした地球人よ!」

 

『信じられぬか、無理もあるまい。ならば問おう、何故(なにゆえ)、龍の爪を扱えるのだ?銃撃士以上に』

 

問われた鈴は自分の感覚に覚えがあった。爪龍はクストウェル・ブラキウムのデータを元に改修され、オルゴンエクストラクターを搭載されたISだ。

 

改修され初めて模擬戦をした時、馴染みすぎている位に機体が自由に動いた。武装もまるで知っているかのように簡単に扱えていた。

 

そして何より、特訓のためのデータ世界でオルゴンクラウドの転移を使えた事が疑問ではあったが全てが一本に繋がった。

 

「私は・・・フューリー?地球人として産まれた・・・純血の?」

 

鈴はショックから目が虚ろになり、膝をついてしまった。真実を知った事で戦闘意欲を削がれてしまった。

 

「鈴!しっかりして!!」

 

シャルロットが必死に声をかけるが今の鈴はブツブツと同じ事を繰り返しつぶやいている。

 

「影のリベラ、政征の肉体を返してもらいます!」

 

「わたくしもシャナさんと同じですわ!」

 

『玉座、蒼き雫、城壁の騎士、銃撃士、黒雨の騎士、そして龍の爪・・・我が剣によって裁かれるのを光栄に思え』

 

王の意志に支配された政征はソードライフルをオルゴンソードにモードを切り替え、刀身を形成した。

 

「消えなさい!偽りの王!!」

 

シャナ=ミアの一言が合図となり、戦闘が再び始まった。




亡国の切り札、黒き○○の欠片ってなんでしょうね?(知らん振り)

さて、鈴が純血のフューリーである事をバラされてしまいました。

鈴にとって差別は最も思い出したくないことかと思います。

この戦闘はHPを規定値以下にするスパロボイベントみたいなものです。

皇女が敵に回ったのなら逆も然りです。

※追伸

ラフトクランズ・アウルンのキットが発売確定になりましたね!

三つ買ってリベラ・モエニア・クラルスの三機のカラーにしたい!
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