Moon Knights IS〈インフィニット・ストラトス〉 作:アマゾンズ
以上
※注意書き
今回は一つだけ精神コマンドを使っていますので、それを承知の上でお読みください。
二人の女傑の戦いが始まると同時にアリーナは緊張感に包まれた。その中で、二人の闘志に当てられた一部の生徒は気を失っている。
この戦いはルールで縛られたスポーツ形式の決闘ではない。ISが現れる遥か以前の古来から伝わってきた正真正銘の決闘である。
アイドルのコンサートを観に来たようなミーハーな気持ちで、今のアリーナに居ようとすれば重圧に耐えかね気を失う。
戦いを観る事が出来ているのは強い意志や信念、自分を律する者達のみとなっていた。
「はぁあああああ!」
「っく!?流石はブリュンヒルデといわれた事だけはありますわね!剣の一撃一撃が重い」
二人の間で剣の舞踏が繰り広げられている。繰り出し、受け返し、押し返す。火花の激しさだけがこの戦いを物語っている。
千冬の駆るヴァイサーガの武装である五大剣は形状こそ違うものの、扱いはほぼ日本刀と変わらない。
それだけにフー=ルーにとっては厄介な太刀筋が繰り出され、オルゴンソードで受け、止めざるを得ない状態だ。
日本の太刀筋は主に斬る事に特化している。フー=ルー自身も東洋の剣を学んではいるが、叩き潰す事に特化した剣が癖になっているために受けに回ざるを得ない。
「(これ以上の接近戦は危険ですわね)」
フー=ルーは剣を切り返し、ソードライフルをライフルモードに切り替えた。だが、次の瞬間、フー=ルーの目に入って来たのは手に忍者の扱うクナイのような小刀を持つ千冬の姿だった。
「射撃武器は使わせん!烈火刃!!」
「うっ!?」
千冬が投げつけてきた刃が突き刺さると同時に燃え上がり、フー=ルーの体勢を崩させる。僅かな隙だが、千冬にとってはその僅かな隙すらチャンスになりうる。
「爪牙・・・水の流れの如く、その身を穿つ!!」
五大剣を地に突き刺し、腕に装備された爪を出現させ最大速度で回転しながら向かっていく。ヴァイサーガの速度に対応できているだけでも驚愕だが、フー=ルーはシールドクローを掲げ防御の態勢を取る。
爪によって装甲を引き裂かれるが、オルゴン・クラウドSによって装着者自身は無傷だ。それでもダメージを受けた事には変わらない。ヴァイサーガの速度は並みの専用機を越えるものなのだから。
「こういった武器は慣れないのだがな」
速度を利用し、五大剣を突き刺した位置に戻り剣を引き抜いた。剣を持つと同時に投げ捨てたはずの鞘が元に戻っている。
「これは便利だな。投げ捨てたはずの鞘が戻っているとは」
「っ、もう機体に順応している?(私はあの二人のように全てのバスカー・モードは使えない。それならば)」
「ファウネア、モードT解除。コード[Moon Knights]・・・これを解放するのを忘れてましたわ。迂闊ですわね」
ファウネアからの重圧が増した事を感じ取った千冬は警戒するように、五大剣を鞘から抜いて構えた。
「纏めて堕ちなさい、ヴォーダの闇へ・・・!」
肩部のユニットが胸部の砲口と同じ向きへと開き、輝きを帯びる。それを見た千冬は回避しようとするが、オルゴンキャノンを発射されてしまう。
シールドマントで防御は出来たがエネルギーは削られており、機体にもダメージを与えられた。
「ぐ・・・まさかの砲台とは!」
「侮ってもらっては困りますわ。その位置ならば、これで」
ファウネアがスラスターによって僅かに浮き上がると同時に高速で突撃し、シールドクローを展開する。
「オルゴン・クロー・・・!」
あの爪に捕まればひとたまりもない。千冬は政征や雄輔が見せたラフトクランズの力を、己自身の目で見ている。
対策はしていたつもりだったが、フー=ルーのラフトクランズは二人のラフトクランズとは明らかに違っていた。
そのはずだ。政征のラフトクランズ・リベラは攻撃力、雄輔のラフトクランズ・モエニアは防御力を重きにおいているのに対し、フー=ルーのラフトクランズは速さに重きをおいている。
加えてフー=ルーは本来、歴戦の騎士であり、二人以上に実戦経験が豊富だ。それだけに戦場の流れを知っている。
思考が回避のタイミングを遅らせてしまい、千冬はオルゴン・クローに捉えられてしまった。
「し、しまった!」
「捉えましたわ!」
オルゴン・クローでヴァイサーガを纏った千冬を捉えたまま空中へ上がり、落下速度を利用して地へと叩きつけ、そのまま引きずり回し始める。
「ぐがああああああああああああああ!!!!!!」
アリーナはかなり広いが円状にもなっているため、回り込むように引きずり回した後、軽く持ち上げ遠心力を利用して上空へ投げ飛ばした。
更にオルゴン・クラウドを利用した転移で、上空にいる千冬の背後に回り引く裂くように追撃をくらわせた。
「こちらでしてよ!」
「ぐああああ!く・・・うう、先程までと動きと速さがまるで違う!?」
「当然でしょう?忘れていた私の方にも非がありますが、今のファウネアは本来の出力になっているのですから」
「な・・・に?」
「今までファウネアは生徒達との模擬戦用に出力に制限をかけていたのですわ。それを先程、解除しましたの」
千冬の表情が変わり、歯ぎしりをしている。無理もないだろう。フー=ルー本人も忘れていたとはいえ、出力を落とした状態で戦われていたのだから。
「次はこちらから参りますわよ」
フー=ルーが最も得意とするのは射撃だ。烈火刃によって妨害されたが、ソードライフルのモードを切り替え、オルゴンライフルを再び構えガンスピンさせる。
「させん!行け!!地斬疾空刀!!」
鞘に収められた五大剣にエネルギーが送り込まれ、千冬は剣を抜き、それを叩きつけると同時に横薙ぎでフー=ルーへと飛ばした。
「ファウネアの速さを甘く見てもらっては困りますわ」
ここで初めて、フー=ルーはオルゴンクラウドの転移を回避に使用した。本気の決闘である故に出し惜しみをしない。
「何!?」
回避後、再び正面に現れフー=ルーはオルゴンライフルでビーム状のエネルギーを放った。それは狙撃で放たれるもの以上だ。
「死にたくなければ抵抗してみせなさい」
オルゴンクラウドの転移で背後に回り、ガンスピンを交え、再び同じ大きさのエネルギーを放ってきた。
千冬は自分が今置かれているこの光景に覚えがあった。政征と弟である一夏が、戦った時に一度だけ見たものと同じだ。
あの時、弟は瞬時加速の弱点を突かれ、前後からの挟み撃ちに対し、何も出来ないまま直撃を受けてしまった。
しかし、ヴァイサーガの速度が千冬にある事を過ぎらせた。この機体の速度ならば残像を生じさせて回避出来るのではないかと。
迷いを断ち切り、実践する。ヴァイサーガの速さは千冬の推察通り残像を生じさせてフー=ルーの射撃を回避したのだ。
「分身とは・・・やってくれましたわね。その機体の速さだから出来ること」
「次はこれで行く!リミット解除!ヴァイサーガ、フルドライブ!出力限界突破!!」
上空に上がり、シールドマントを靡かせ、五大剣の鞘が刃から滑り落ちていく。千冬は今まで片手扱っていた剣を初めて両手持ちで持った。
それと同時に一気に加速し、ファウネアへと迫る。一瞬だけ意識が飛びそうになるが持ちこたえ、速さを見せるかのように刃が地との摩擦で火花が走る。
「奥義・光刃閃!!風を…そして、光を超えろ!」
超高速による連続の斬撃、その一閃一閃が光の筋が走ったようにファウネアへ襲いかかる。
「うぐっ!あああああっ!!」
「これで終わりだ、受けろ!」
連続の斬撃を終えた後に剣を構え直し、強烈な横薙ぎの一閃でファウネアを斬った。咄嗟にシールドクローを掲げた事でダメージを抑える事は出来たがエネルギーを大幅に持って行かれてしまった。
◇
フー=ルーだったからこそ機転を利かし、機体への致命傷を避けることが出来た。並みの代表候補生や操縦者では一気に戦闘不能まで追い込まれていた程の威力があったのは想像に難しくはない。
「流石ですわね。私じゃなければ間違いなく・・・先程の一撃で終わってい・・た」
「っ・・!?奥義・光刃閃を受けきった・・・だと!?」
千冬自身も機体からくる負荷に耐えていた。フルドライブの影響による冷却で、しばらくは奥義・光刃閃を使う事は不可能になっている。
「言ったはずですわ。貴女の盲進を止めると!オルゴン・マテリアライゼーション・・・!」
オルゴン・ソードを構えたフー=ルーは千冬へと突撃する。冷却状態とはいえどフルドライブを使わなければ通常の戦闘は可能であり、五大剣が鞘に収められている状態で、上から振り下ろされたフー=ルーの剣を受け止めた。
「私に剣で挑むなど!」
「この剣は覚悟の証!止められるものではなくてよ!」
五大剣での居合抜きを繰り出そうとした千冬だったが思いもがけない追撃を目にする。
「はっ!」
オルゴン・ソードに気を取られていた為、脇腹に隙を作っていたのをフー=ルーは見逃さず、脇腹へ蹴りを打ち込んだのだ。
衝撃が千冬を襲い、そのまま、間合いを取りフー=ルーは剣を構え直す。
「ぐはっ!?あ・・・ぐ・・・ISで蹴り・・だと!?」
「武器だけが全てではなくてよ?無手でも戦えるように鍛錬しておくのも騎士の嗜みですわ」
千冬の中でISでの蹴り技は想定していなかった。IS戦闘の常識としては銃撃や剣撃などの武器による戦いが主だ。
それだけに武器での攻撃を囮にされた場合、例外を除いて次の一手が分からなくなってしまう。
学園にもたった一人だけISで蹴り技を使う人物がいるが、、その人物の戦いを見れた訳でもなく調べる事をしなかった。
「ぐ・・・自分の不甲斐なさに腹が立つな」
「ISは兵器。一つ間違えれば人を殺す事すら簡単に出来る。織斑先生・・・いえ、織斑千冬!」
フー=ルーはここで初めて、千冬を名前で呼んでいた。そこにいるのは教師としてのフー=ルーではなく、歴戦の騎士であるフー=ルー・ムールーであった。
◇
「貴女、人の命を奪った事がありまして?」
「っ!?」
「どうやら自分の手で奪った事は無さそうですわね。はっきり言いましょう、私はこの手で何人もの命を奪ってきました」
プライベート・チャンネルで聞かされたフー=ルーの言葉に千冬は驚きを表情に出している。目の前にいる同僚が人の命を奪ってきた事実を口にしているのを信じられなかった。
「勿論、防衛の為だといえば聞こえは良いですが、命を奪った現実から逃れる為の方便に過ぎませんわ」
「何故このような事を話したか?私は決闘の前に言ったはずでしてよ。貴女の弟はもう戻らないと。あの映像の中で殺戮に加担し、自らの意思で命を奪っている事実から目を背けるつもりでして?」
「う、うるさい!私にとってはたった一人の弟なんだぞ!それに、生きていればやり直す事も!」
「いい加減になさい!!貴女が現実から目を逸らしてどうするのです!?そのような空絵事、叶うはずがないと自分で分かっているのではなくて!?」
「う・・・!」
フー=ルーの恫喝に千冬は言葉を詰まらせた。自分でもわかっている、弟は最早、越えてはならない一線を越えてしまっている。
千冬の中で自分がかつての優しい弟に戻す事が出来るのではないか、生きていればやり直しが出来るのではないかという考えが現実から目を晒させる甘い毒となっている。
「言ったはずだ!人を愛した事のないお前に言われる筋合いはない!」
「千冬、弟に対する忠告はしました。ここからは貴女が知らない本物の実戦というものを教えて差し上げます!」
「何!?っ・・!」
フー=ルーはオルゴンクラウドの転移を使い、一瞬で間合いを詰め、オルゴン・ソードで斬りかかった。
「ぐっ!?重い!?」
「剣だけではなくてよ!!」
「な!?ぐあああ!」
フー=ルーはシールドクローで千冬を殴り飛ばすと同時にスラスターを吹かし、飛行するとソードライフルをライフルモードに切り替え、細いビーム状のエネルギーを放った。
「!!」
咄嗟に千冬はシールドマントでオルゴン・ライフルから放たれたビームを防御するが、落下速度を利用しオルゴンソードを振り下ろしてくるフー=ルーの姿が迫っていた。
「(な、なんだ!?この私が追いつけないだと!?)ぐあっ!」
速度に対応できず、フー=ルーの剣を受けてしまう。それと同時にアリーナの壁へと蹴り飛ばされてしまう。
「纏めて堕ちなさい!ヴォーダの闇へ!!」
再びオルゴンキャノンを蹴り飛ばした先に向かって放つ。砂煙で見えないが千冬が蹴り飛ばされた先がオルゴンの光に飲み込まれた。
突然変わったフー=ルーの戦い方に千冬の信奉者達は野次や罵倒を送っているが、フー=ルーの信奉者達は真剣に言葉を発さず、フー=ルーの動きを自分の物にしようと戦いを見ている。
「狂風がお前を引き裂く!!」
「うああっ!!」
ヴァイサーガの速度で脱出していた千冬は上空から奇襲を仕掛け、ラフトクランズの肩部に刃を突き立てていた。
「これが、風刃閃だ!」
奇襲の一撃により、オルゴンキャノンは使用不能となり千冬は薄く笑みを浮かべ、五大剣を引き抜こうとする。
「うう・・・奇襲とはやりますわね。ですが!クロー展開!」
フー=ルーが繰り出したのはオルゴン・クローだ。至近距離で剣を抜く前に掴まれてしまう。
「がっ!?」
「オルゴン・クローは、ただ引きずり回すだけではなくてよ!!」
オルゴン・クローは本来、振動を利用し圧破壊をするものだ。引きずり回すのは更なるダメージを狙う為に考案された技の一つであった。
いつの間にか、全てのラフトクランズの攻撃モーションになってしまったが、戦略として本来の用途に戻したのだ。
「ぐああああああああ!!」
「はぁっ!オルゴン・マテリアライゼーション!」
オルゴン・クローから開放した瞬間、再び蹴り飛ばし、同時にオルゴン・ソードの刀身を出現させ追撃する。
「やらせん!ぐううう!」
千冬は五大剣で受け止めるが、フー=ルーは連続で刃を振るってくる。
「決着をつけて差し上げます!」
フー=ルーのファウネアが輝き、七つの小さな光がフー=ルーに宿った。ファウネアから炎のような輝きと全てのロックオン機能がヴァイサーガを捉え【熱血】【必中】、星のような輝きが表れる【ひらめき】。
更にはスラスターが輝き【加速】、青色と紫色の輝きが包んだ後【幸運】【努力】燃え盛るような光が溢れ出た【気合】。
その現象に客席で観戦していた政征と雄輔は見覚えがあった。自分達がこの世界に来る前にゲームの知識でそれを得ていたもの。その現象が目の前で行われ、初めて目撃する出来事だ。
「(あれは?精神コマンドを使った時に起こる現象!?なんで!?)」
「(バカな!?精神コマンド現象だと!?フー=ルーがスパロボのイベントと同じように使うなんてありえないはず!)」
千冬自身も目の前に居る相手に何が起こったのか理解が追いつかなかった。ただ確信している事がある、今のフー=ルーは危険だということ、そして確実に攻撃が当たってしまうという確信があった。
◇
[推奨BGM 【[Moon Knights】OGアレンジ]
「バスカー・モード、起動!」
ファウネアのツインアイが輝き、全身からオルゴンが溢れんばかりに放出される。同時にスラスター全開で突撃し、すぐにオルゴン・ライフルを構えた。
「オルゴナイト・ミラージュ!」
オルゴンクラウドによる連続転移を行いながらの乱数射撃。千冬はこの攻撃は政征がセシリアとの戦いで使ったものと同じであると考えた。
今のファウネアの射撃精度は政征以上ではあるが、避けられないことはないと。しかし、その考えはすぐに打ち砕かれることになる。
ヴァイサーガの速度によって残像を生じさせる分身で避ける事が出来るはず、しかし、分身を見抜いているかのようにフー=ルーの射撃は千冬のヴァイサーガを捉えた。
「何!?射撃を受けた箇所が結晶に包まれている!馬鹿な!」
「楽にして差し上げます!」
背後から発射されたオルゴン・ライフルが千冬をヴァイサーガごとオルゴナイトの結晶の中へと閉じ込める。
千冬は内部で砕こうともがいたがオルゴナイトの結晶は二重三重と覆われており、次第に四肢が動かなくなっていく。
「これは貴女の柩・・・」
オルゴンライフルを上空へ投げ、オルゴンクラウドによる転移で結晶の上部へ転移し、千冬を閉じ込めたオルゴナイトの結晶を足場にして更に上へ向かっていく。
投げられたオルゴンライフルが変形していき、レーザー誘導によって胸部の砲口に変形したオルゴンライフルが接続される。
「久遠の安息へ導きます!」
完全に砲口とドッキングしたオルゴンライフルを両手で支えるように持ち、すぐにチャージが始まる。
「ヴォーダの深淵で眠りなさい!」
至近距離から発射されたオルゴナイト・バスカー・ライフルは、千冬を閉じ込めたオルゴナイトの結晶を僅かに砕きながらアリーナの地へ叩きつけると同時にバスカー・ライフルのエネルギーが千冬を襲った。
「があああああああああああああああ!」
[ヴァイサーガ、エネルギー0!勝者、フー=ルー・ムールー]
放送と同時にISの試合としては終わった。しかし、これは
「うう・・・」
ファウネアを纏ったまま、フー=ルーは大の字で傷だらけの千冬に近づいていく。その目には感情がない。
「オルゴン・マテリアライゼーション・・・」
ソードライフルをソードモードに切り替え、オルゴンソードを手にし、ゆっくりと歩いて近づいていく。
決闘の掟として相手に息がある場合、止めを刺すのが礼儀である。その礼儀をフー=ルーは果たそうとしている。
◇
アリーナに居た千冬の信奉者達は内部に入ろうとするが、バリアによって阻まれてしまう。中には入れない事に歯ぎしりしながら、千冬の信奉者達全員がアリーナの入口へと向かう。
放送室から観戦していた真耶はフー=ルーが何をしようとしているのか理解してしまった。それ故、放送室から呼びかけてしまう。
「フー=ルー先生!それだけは、それだけは止めてください!」
そんな真耶の言葉に今のフー=ルーが聞く耳を持つはずがなかった。これはISの試合ではない、教師として戦ったのならばブザーが鳴った時点で終わりにしただろうが。
今のフー=ルーは騎士として決闘していた。騎士でもない唯の見物人が決闘に口を出すことは許されない。仮に出せたとしても当事者たちが許さないだろう。
「織斑千冬、戦士として貴女は間違いなく最強でした」
「っ・・・覚悟は・・・出来ている・・・やるといい・・・」
千冬の傍まで来たフー=ルーは声をかけた後、オルゴンソードの切っ先を千冬に向け切っ先を振り下ろした。
複数の精神コマンドが発動していますが、フー=ルーが発動したのは「愛」だけです。
介錯するのか、はたまたしないのか。
信奉者達が暴走を始めています。
次回は説教とデートになるやもしれません。