後悔はない!
あとがきでお知らせありますので、よろしくお願いします!
ちなみに、僕は絶狼とシルヴァが好きです。
光あるところに、漆黒の闇ありき
古の時代より、人類は闇を恐れた
しかし、暗黒を断ち切る騎士の剣によって
人類は希望の光を得たのだ
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時刻は深夜、人工の明かりが煌びやかに街を照らし、人々が騒いでいる中それらはいた。
人々がいる表通りの方ではなく、裏路地を疾走する二つの影。片方は普通のスーツを着た中年のサラリーマン、もう片方は黒いコートを着て鍔なしの長剣を構えた青年だ。
傍から見れば、長剣を持った気の狂ってる男が中年男性を襲っている光景だが、この二人は違った。
裏路地の壁際に追い詰められた男は、中年にしては俊敏な動きで青年に向かって走っていき、人間ではありえない跳躍力で青年を飛び越えようとする。
「ゾラッ!」
だが、青年も人間離れした跳躍力で跳び、自分の上を飛び越えようとした男の腹に蹴りを入れ男の逃走を阻止する。
「クソッ、邪魔をするな魔戒騎士!」
「邪魔をするな? それは無理だな。貴様らホラーを狩るのが俺の使命だ」
ホラー。古から存在する、魔界の住人。森羅万象あらゆるものに存在する『陰我』と呼ばれる闇に寄生する怪物。ゲートと呼ばれるものから人間に憑依し、人間の魂と肉を食らう魔獣。
そして、それらを斬り、倒すことで人々を守るのが魔戒騎士。
「クソガァァァァァ!」
精神的に追い詰められたのか、男は雄叫びを上げると憑依していた人間の肉を破り、本来の姿である悪魔のような異形の姿『素体ホラー』に変わる。
「素体ホラーだったか。だが油断するなよ。ユウキ」
「ザルバ、油断はない」
自身の人差し指に嵌められた髑髏を模した指輪。魔界騎士たちの頼れる相棒である魔導具――魔導輪ザルバの忠告に頷き、青年――ユウキは、剣先を天へと向け、頭上へ光の円を描く。剣を勢い良く振り下ろすと、描いた円の中心から罅割れ、ユウキに光りが降り注ぐ。
そして、罅割れた円から漆黒の鎧が現れ、ユウキの身体に装着される。ユウキの姿は狼を模した鎧の騎士に変わり、剣も束頭と刀身に紋様があり大型で幅広で両刃のモノに変化する。
《バカな、キサマハ?!》
常人では理解できない旧魔戒語で驚く素体ホラーを無視し、ユウキは大きく跳躍し素体ホラーに肉薄する。
「貴様の陰我、俺が断ち切る!」
剣を振り、素体ホラーを一刀両断。ホラーは断末魔を上げながら消滅した。
ユウキはホラーが消滅したのを確認すると、鎧を『何処か』へ返還し、元の大きさに戻った魔戒騎士が持つ剣――魔戒剣を黒塗りの鞘に納める。
「さて、ユウキ。番犬所に報告だな」
「ああ、分かってる」
ザルバに返答しながら黒いロングコートを翻し、ユウキはこの場を後にした。
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素体ホラーを狩った後、何処とも言えない神秘的な雰囲気を醸し出している場所。番犬所――一般人に行けない異空間にあり、魔戒騎士の上司に当たる神官に運営されている、彼らを束ねる協会の様な場所である――と呼ばれる場所にユウキは来ていた。
ユウキが歩を進め番犬所の奥へと行くと、猫耳の付いたフードを被り着物を着た同じ顔の黒髪の少女が三人、巨大な椅子のようなモノに座っていた。
「ニャニャニャ、ご苦労じゃったなユウキ」
「フン、お前が労うとは珍しいこともあるんだな
中央に座った特徴的な声で喋る少女に対して、ユウキは表情を変えずに答える。
「剣の浄化はしましたか?」
「既に済ませている……短剣だ。受け取れ」
「これで12本。12は魔を鎮める数字、魔界に強制送還することができるのー」
落ち着いた声色で喋る左側に座った猫又に答えながら、ユウキは銀色のククリのような形をした短剣を抑揚のない声で喋る右側に座った猫又に投げ渡す。それを受け取った猫又は短剣が11本刺さっているオブジェの様な物を懐から取り出し、受け取ったものを差し込む。
ユウキの投げ渡した短剣は、ユウキが斬ったホラーを封印したものである。
ユウキの持つ剣――魔戒剣はユウキ達、魔戒騎士の専用武器であり、唯一ホラーを斬ることができるソウルメタルと言う物質で出来た武器である。
だが、ホラーを斬るたびに刃に邪気がこびりつき、切れ味が悪くなる。故に魔戒剣を浄化することによって溜まった邪気を祓い、元の切れ味を取り戻し、ホラーを短剣に封印する。そして、番犬所は短剣が12本集まると魔界に転送させる。
「これでやること済んだな。帰らせてもらう」
「ニャニャニャ、待つのじゃユウキ」
「……なんだ?」
ロングコートを翻し、帰ろうとするユウキを中央の猫又――以後、猫又(中)――は呼び止め、ユウキは仏頂面のまま振り返る。
「ニャニャニャ、ユウキに新しい任務じゃ。これは元老院から直接指示されている」
「元老院からだと?!」
猫又(中)の言葉に、表情に変化は無かったが、声は驚愕に変わっていた。
元老院――総ての番犬所を束ね、神官や直属の部下にホラー討伐の指令を下す、いわば番犬所の上位機関である。
その元老院からの直接の任務と言われれば、普通は元老院付きの魔戒騎士や魔戒法師が受けるもの……番犬所に所属している魔戒騎士であるユウキに来るものではない。故に、ユウキは驚いているのだ。
「ええ、そうです。闇に染まりし鎧でありながら、それに喰われることなく、自在に扱え、その年齢で魔戒騎士になり100体以上のホラーを狩っている実力を認められこの度の依頼が来たのです」
「お前はIS学園を知っているかー?」
「いや、知らん」
左側に座っている猫又――以後、猫又(左)――の言葉に続くように、右側に座る猫又――以後猫又(右)――が言うが、ユウキの発言に空気が凍る。
「ユウキ、それはあまりにも世間知らず過ぎるぞ」
「なんだと、ザルバ?」
カチカチと金属音を鳴らしながら喋るザルバの声が聞きやすいように、ユウキは自分の目の高さまで腕を上げる。
「ISは知っているか?」
「それぐらい知っている、インターセッ……」
「違う、そっちじゃない。兵器の方のISだ」
「ああ、インフィニット・ストラトスの方か……それじゃあ、IS学園は……」
「そうだ。ISに関わる者たちを育成する学校だ」
遮るように言った、ザルバの言葉にユウキは理解する。
インフィニット・ストラトス、通称IS。女性しか扱えない欠陥品。本来はとある科学者が自分の夢のために開発したマルチ―フォーム・スーツだったが、とある事件を経て現行兵器を凌ぐ最強の兵器と認識される。女性しか扱えないという特性上、世の中は女尊男卑の風潮が流れ、以前よりも陰我が増加し、ホラーの出現率が上がり、さらには、ISの強さにホラーを倒せると勘違いした若い魔戒法師の死亡率も上がった。
「それで、今回の依頼とIS学園は何の関係がある?」
「ニャニャニャ、あの地は陰我が良く集まる特別な場所でな。とあるホラーを封印する為に特別なホラーを封印してあったのじゃ」
「封印してあった?……解けたのか?」
「ニャニャニャ、その通りじゃ。解き放たれたホラーたちは、星の加護を受けたホラーたちじゃ」
「星のホラーだと?!」
ザルバが驚愕の声を上げると、猫又(中)は愉快そうな笑みを浮かべる。
「知っているのか、ザルバ?」
「ああ……だが、ユウキよ。それが本当ならマズいぞ。奴らが復活したということは、ホラーたちの守護神ガディンが復活するのも時間の問題だ!」
「ニャニャニャ、ザルバの言う通りじゃ。その為、あの地にはお主を加え4人の魔戒騎士達が招集されてるのじゃ……さて、
「フン、言われなくとも……全てのホラーを狩る。それが俺の使命だ」
笑みを浮かべたまま告げる猫又(中)にユウキは背を向けながら答え、番犬所を後にした。
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やっぱ、ブラック上司枠は三人組がいいよね?