魔法少女まどか☆マギカ~もうひとつの世界 星に祈りを~   作:あおいちご

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今日は、休日。


第9話 星空に舞う

 

すごい。

 

 

ただ、単純にそう思った。一人で、どんどん結界の奥ヘ、進んで行くセリアちゃんは、とっても素敵で、気品がある戦い方。マミさんも素敵だったけど、セリアちゃんは、もっと素敵で、限られた人にしか、出来ないって思わせる。

だから、セリアちゃんがいった言葉の意味が痛いくらいに、わかる。《理想の戦い方なんて出来ない》今なら、わかる。・・・今だって、こうして、見てるだけなのに、私は、怖い。

 

 

 

「うわぁ。くんな!くんなぁ!」

 

 

セリアちゃんに、改造されたバットを、振り回して、使い魔を撃退している。・・・さやかちゃん、一匹もあたってないよ・・・。でも、使い魔に、攻撃できるのは、かっこいいし、勇気がある行動だと思う。

 

 

 

「どう?怖いかしら?」

 

 

私達の近くで、ほむらちゃんと、一緒に戦っていたマミさんが、声を掛けてきた。

 

 

「ど、どうってことねぇって!」

 

 

「怖いけど・・・でも・・・。」

 

 

怖いのは、確かだけど、憧れがあるのも、確か。でも、なりたいとは、思えない・・・。どうしてだろう?

 

 

 

「そろそろかな?」

 

 

先を行くセリアちゃんが、呟いた。

 

 

 

「星伽セリア。待ちなさい。」

 

 

先を行くセリアちゃんに、待ったを掛けるほむらちゃん。確かに、一人で行くのは危険な気がする。

 

 

「なぁに、大丈夫だよ。無効化の結界張ってるし、ちょっとやそっとじゃ、効かないよ。」

 

 

「「?!」」

 

 

さらっと、セリアちゃんは言ったけど、二人は驚いていた。意外と難しい魔法なのかな?

 

 

 

「何してるの?置いてくよ。」

 

 

 

そういって、再び使い魔の群れヘ、単身で突撃していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これで、最後‼」

 

 

 

「《砂漠の太陽(ヴェステ・ソレイユ)》」

 

 

 

水晶が、荒れ狂い、使い魔を内側から破壊する。

 

 

 

 

いくつかの、変な扉を抜けると、いた。巨大な異物が。

 

 

 

 

「見て。あれが魔女。私達の敵。」

 

 

「ぐ、グロい・・・。」

 

 

 

「あんなのと・・・戦うんですか・・・?」

 

 

思わず、敬語で話してしまった。

 

 

「大丈夫。私は、負けない。いざとなったら、奥の手があるから。さてと・・・。」

 

 

ガンッ!

 

 

さやかちゃんのバットを、結界に突き立てた。水色と銀色が混じり合う光が私達を包んだ。

 

 

「いってくる!」

 

 

魔女の元まで飛び降りた。

 

 

 

「さて、この魔女は、薔薇園の魔女と名付けましょう。《外法(アウター・スペル)生命力吸収(エナジー・ドレイン)》》」

 

 

 

細やかな魔法陣が展開し、銀色の光が滲み出る。心なしか、魔女や、使い魔の動きが鈍くなった気がする。

 

 

 

「《水銀の幻影(メルクーリオ・ファンタズマ)》」

 

 

 

突然、セリアちゃんが、増えた。

 

 

 

「《緋色の風(アネモス・スカーレット)》」

 

 

 

鮮やかな赤色の風が魔女に攻撃する。

 

 

 

「ん?あっ!きゃあ!」

 

 

 

突然、セリアちゃんが、悲鳴を上げた。次の瞬間、セリアちゃんは、ぶら下げられた。

 

 

 

「セリア!」

 

 

「大丈夫、こっちは、偽物だよ!」

 

 

ふしゅう

 

 

捕らえられたセリアちゃんは、消えた。

 

 

「本物は、どれかなぁ?」

 

 

幻のセリアちゃんが、たくさんいた。

 

 

「この魔法・・・佐倉さんの・・・。」

 

 

マミさんがそう呟いた。

 

 

佐倉・・・さん?

 

 

 

円輪(チャクラム)

 

 

シュパッ

 

 

銀色の円盤が、二つ、結界内の薔薇を切り裂いていく。魔女は、そのことが悲しかったのか、薔薇に近寄っていく。

 

 

 

「引っ掛かったね!《水銀の牢獄(メルクーリオ・プリズン)》、発動!」

 

 

純白の牢獄が、魔女を捕らえた。

 

 

 

「巴さん!暁美さん!止め、お願い!」

 

 

あ、セリアちゃん、もしかして、マミさんとほむらちゃんのために・・・?

 

 

「わかったわ!」

 

 

「何の問題もないわ。」

 

 

「《平和の讃美歌(フリーデン・キルヒェンリート)》」

 

 

水色の光が、二人を包んだ。

 

 

 

「これは・・・?」

 

 

「魔力増加の効果がある、魔法です。」

 

 

「《星屑の雨(ポルヴェレ・ディ・ステッレ・レーヒゥン)》」

 

 

 

どうやら、支援の魔法は、水色に、攻撃の魔法は、銀色になるらしい。って、言うか、セリアちゃん、技名のセンスがいいんだね・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ティロ・フィナーレ!」

 

 

マミさんの巨大な大砲で、セリアちゃんの魔法ごと魔女を撃ち抜いた。雪の花が咲き誇り、魔女は消滅した。

 

 

「か、勝ったの・・・?」

 

 

 

かちゃん。

 

 

ティーカップ特有の音がした。そちらを見るとマミさんが、紅茶を飲んでいた。私が見ていること気づくと、何を勘違いしたのか、微笑んだ。

 

 

・・・マミさん、セリアちゃんにお膳立てされてますよ・・・?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「《外法(アウター・スペル)浄化(ポリフィカシオン)》》」

 

 

 

シュルルル・・・

 

 

「「!」」

 

 

二人のソウルジェムから黒っぽい何かが出てきた。

 

 

「これが、穢れと言われる魔力が消耗したときにどうしてもできてしまうものなの。でも、この魔法があれば、元通りの、魔力に戻るの。」

 

 

言い終わるのと、同時に穢れは、セリアちゃんのソウルジェムに吸収された。

 

 

「でも、その魔法は、自分自身を代償とするんだろう?」

 

 

ずっと黙っていたキュウべえが付け加えた。

 

 

「まぁ、そうだね。だから、外法行きに、なっちゃったんだけど。私のソウルジェム、さっきより、濁ったでしょ?」

 

 

「そう言えば。」

 

 

「これをほっとくと、自分自身によくないことがおきちゃうの。だから、これ、グリーフシードっていう、魔女の卵で、穢れを浄化するの。」

 

 

針状の球体を拾って、見せた。

 

 

「た、卵?」

 

 

「とはいっても、この状態は安全だし、さっき言った通り、役に立つ物なの。ほら。」

 

 

ソウルジェムにグリーフシードを近付けると、穢れが、取り除かれた。

 

 

「これで、大丈夫。後は・・・この子にあげるの。」

 

 

 

キュウべえにグリーフシードを投げた。キュウべえは、器用に受けとめ、取り込んだ。

 

 

 

「で、巴さん、このあと、どうするのかな?」

 

 

「え?そ、そうね。どうしましょう・・・?」

 

 

「いや、私をみられても困るわ。」

 

 

「じゃ、解散で、鹿目さん、美樹さん、また後で。」

 

 

そう言うと、セリアちゃんは走り去って行ってしまった。煌めく、水色と銀色の髪を揺らして。

 

 

 

 

*********************************************

 

 

 

 

 

「・・・鹿目さん。貴女だけは、絶対に助けて見せますわ。」

 

 

 

「《星の戦乙女(ヴァリキリー・エトワール)》の名にかけて。そうですわよね。義姉様方。全ての魔法少女を、天へ導くこと。これが、(わたくし)の使命ですから。」

 

 

 

 

決して諦めない。私の、星へ捧げた祈りを、必ず叶えて見せる。

 

 

 

「・・・なんてね。裏切り者の私が、星の戦乙女を、語るのは、赦されるわけがないですよね・・・。」

 

 

キラキラと星が、輝く。一筋の、流星が落ちる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・皆。今度こそ、助けて見せるから。待ってて・・・ください・・・。」

 

 

 

 

一粒の小さな、雫が夜空に落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




・・・。
▼キャラ設定

・星伽セリア
浄化の魔法や、魔女弱体化の魔法など、支援系の魔法を操る魔法少女。かつて、知り合いがいたらしい・・・。



・鹿目まどか
魔法少女に憧れはあるものの、セリアの言葉の意味を理解し、なりたいとは思っていないようす。これも、セリアの計算通りの可能性が・・・。
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