魔法少女まどか☆マギカ~もうひとつの世界 星に祈りを~ 作:あおいちご
「とっても・・・素敵な魔法でしたわね・・・。」
誰もいない、ただ、広いだけの屋敷で、呟いた。
今でも思い出す。
《
煌めく魔法の花火は、今までに見たことのある、どんなものよりも、ずっとずっと綺麗で。素敵過ぎた。
「やあ、君が星伽あかりだね?」
「だ、誰ッ?!」
ふと、窓に目をやると、猫みたいな、兎みたいな何かがいた。
「・・・ぬいぐるみ・・・かしら?」
確かに、ぬいぐるみみたいな姿ですもの。魔法少女がいるくらいですわ。喋るぬいぐるみがいても可笑しくないですわ。
「僕の名前は、キュウべえ!ぬいぐるみじゃないよ?」
「・・・?」
ぬいぐるみではない・・・?なら、何者かしら・・・?というか、喋るぬいぐるみではなくて、何なのかしら・・・?
「大丈夫かい?」
可愛らしく、首をかしげた。その動きで、理解してしまった。これは、生き物だと。
「・・・。」
「どうしたんだい?」
尻尾を、可愛らしく揺らした。
「しゃ、しゃべったぁーッ⁉」
らしくもなく、大声で、盛大に、こんなに大声が出せたのかっていうくらいに、叫んでしまった。
嗚呼、近所の住民が、いなくて良かったですわ・・・。
「お、落ち着いて。やれやれ、セナ達が、伝え損ねたみたいだね。」
「え、あ、はい?」
「改めて、僕の名前は、キュウべえ!僕は、君にお願いがあって来たんだ。」
「お、お願い・・・?」
「僕と、契約して・・・」
「あ、結構ですわ。」
「・・・最後に、何て言おうとしたのかとしたのかわかるのかい?」
「<魔法少女になってほしい>ではなくて?」
「おや、察しがいいね。」
「?サッシガイイ?それはなにかしら?」
少なくとも、聞いた覚えは、ありませんわ。
「君は、日本人じゃないのかい?」
「ええ。スイス生まれスイス育ちのハーフです。」
「なるほど。通りで、イントネーションが、セナ達と異なるわけだ。」
「できれば、日本語ではないほうが、会話しやすいのですが・・・。」
「わかった。これで大丈夫かい?後、察しがいいというのは、的確に物事を推察できる、ということさ。」
「助かりますわ。」
英語に切り替えて、会話した。スイスでは、ヨーロッパ各地の言葉で、溢れているのですわ。その中に、英語も、混じっていたのですわ。
「で、僕は、君に魔法少女になって欲しいんだ。もちろん、無理強いは、しない。」
「面白そうな話ですわね。色々と質問がありますの。質問しても?」
「なんだい?」
「そもそも、魔法少女とは?葵お姉様に、伺いましたけれども、幾つか、不明点がありますの。ですから、改めて、貴方の言葉で、魔法少女はどういうものか、全てを包み隠さず、教えなさい。」
「わかった。魔法少女は、希望から生まれた存在だ。誰もが、僕との、契約を結び、願い事を叶えたんだ。」
「願い事は、何でもよいのかしら?」
「もちろん、なんだって構わない。君の素質なら、恐らく、どんな願い事も叶えることが、できるはずだ。何なら、今すぐ契約してもいいんだよ。願い事さえ決めてくれれば。」
「・・・それほど、言いたくないことなのかしら?それとも・・・とんでもないこと、ということかしら?」
今、この生物は、はぐらかしましたわ。なにかしらの、デメリットがある、ということですわ。
「随分、勘がいいんだね。初めてだ。こんな行動をとる子は。」
「お褒めに預かり、光栄ですわ。私は、先見に溢れていますので。」
「なるほどね。話を戻そう。魔法少女は、契約すると、魂が、抜き取られ、魔女との戦いに、耐えられる体にさせるんだ。」
ちょっと待って。魔法少女の魂を、抜き取る?
「ちょっと待って。魂を抜き取る、と言いました?」
「ああ。魔法少女の魂を、物質化し、コンパクトで、より安全な形にするんだ。弱点だらけの人体では、とても魔女との戦いに耐えられないからね。」
「な、何てことを・・・。それでは・・・魔法少女は
「そうだね。彼女達は
「ひ、酷い・・・。酷いですわ。そんな身体だということを・・・彼女達は、知っていますの・・・?」
「いや、ほとんどの魔法少女は知らない。知らなくても、互いに不都合もないしね。」
そんな・・・。
それが、本当だとしたら。ほとんどの魔法少女は、そのことを、知らないのなら。どうなる?
「・・・望。」
「何か言ったかい?」
「魔法少女達は、
「そうだね。僕達は、<総転移>してもらいたいからね。」
「総転移・・・?なんのことですの?」
「魔法少女達の希望と絶望の<総転移>が、僕達のエネルギー回収に丁度よいからね。」
「エネルギー回収・・・?なんのことですの?」
「僕達は、宇宙のために、エネルギー回収をしているだ。あかり、君は、エントロピーという言葉を知っているかい?」
「簡単にいえば、木を育てる労力と、木を燃やして得られる熱エネルギーは、釣り合わない、ということでしたわね。」
「そうだよ。エネルギーは、形を変えるごとにロスが増える。このまま、エネルギーを使い続ければ、この宇宙全体のエネルギーは、目減りしていく一方なんだ。だから、僕達は、熱力学に、縛られない、エネルギーを求めてきた。そうして見つけたのが、魔法少女の<魔力>だよ。」
「あー、分かりましたわ。要は、貴方達は、宇宙延命のため、私たちと契約し、エネルギーを回収しているという訳ですね。」
「おや、君は理解してくれたか。全く、人類はこの行動が、酷いことだとか、騙したとか、喚き散らす。聞かれなかったから、伝えなかっただけだというのに。わけがわからないよ。」
「貴方は、勘違いなさっているようですわ。真の意味では、私と貴方達は、理解できませんわ。何故ならば、私と貴方達の捉え方が、異なりますから。私は、確かに酷い行動だとは、思いますが、貴方達も貴方達で、こうするしかないという行動しているのでしょう。だったら、私は、否定出来ませんわ。」
「そうかい?僕には、理解しているからこそ、そういう考え方が出来たと思うんだけど。」
「うふふ、違うものは、違いますのよ。私は、出来るだけ、<理>に敵う行動をするように、心がけていますわ。<ヒト>としての、私は、怒っています。ですが、<理>に敵う行動をとる私は、否定していませんわ。」
「なるほどね。感情移入せずに、事を理解したというわけかい?」
「そういうことになりますわね。とは、いっても出来る限り、押さえて考えているだけですわ。真の意味では、理解できませんわ。」
「申し訳ありませんわ。もう寝る時間ですの。だから、お引き取りください。」
そういって、追い出した。
「貴方は、いずれ私の敵になりますわね・・・。」
白い悪魔に、向かってそう、呟いた。
「・・・そう言えば、何故、彼女、星伽あかりの素質を
白い悪魔は、首をかしげた。
はい、あおいちごです♪夏休みが、終わりに近づいてます。宿題がー・・・。
キャラ設定▼
・星伽あかり
合理的な考え方をすることが、出来る少女。このあと、キュウべえとは敵対するだろうと、感じている。キュウべえは、あかりの素質を感じられないようだ。