魔法少女まどか☆マギカ~もうひとつの世界 星に祈りを~   作:あおいちご

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今回は、選択肢1の順番にしていきたいと思います。


第29話 光の夜は絶望に

 

 

 

「・・・ただいま。」

 

 

時刻は、深夜2時頃だろう。魔女狩りのために、こっそり10時頃に、家を出る。正直、辛いけど、仕事上、深夜にしか、狩りが出来ないから、仕方がない。

 

 

 

 

誰も起きていないのは、知ってる。紅葉はまだ魔女狩りをしてるけど、あと30分ぐらいで、帰ってくるんじゃないかな?

 

 

 

 

そのまま、靴を脱いでリビングに向かう。そして、手を洗って、冷蔵庫の中身を取り出して、軽く朝食を作っておく。そして、作った料理を、たった一人で食べる。

 

 

 

 

「・・・いただきます。」

 

 

 

 

作ったのは、スクランブルエッグと、フレンチトースト。毎週火曜の朝は、いつも洋食と決めている。二人分は、《チンして食べてね♪ あおいより》というメモで、冷蔵庫に入れておく。

 

 

 

 

 

 

 

早すぎる朝食を食べて、シンクに食器を入れておく。これは、紅葉の仕事。魔女狩りから、帰ってきたら、洗っておいてと言ってあるから、きちんと仕事するだろう。安心して、部屋に戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

がさがさ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

不意に、部屋から物音がした。

 

 

 

 

「誰か、いるの?」

 

 

 

 

不審に思って、呼び掛けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

ガチャッ

 

 

 

 

 

 

 

返事がないから、ドアを開けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、葵・・・。」

 

 

 

「・・・何してるの?お母さん。机の中身なんか、出して。」

 

 

 

「こ、これは・・・」

 

 

 

慌てたように、弁解しようとする。

 

 

 

「ねぇ、何してるの?答えて。」

 

 

 

「あ、葵こそ、どこにいたのよ?」

 

 

 

「わたし?ちょっとマネージャーと電話してただけ。それがちょっと長引いただけだよ?・・・そろそろ、何してたのかだけ、教えてもらわないと。タレントとして。」

 

 

 

 

「そ、それは・・・」

 

 

 

「!・・・まさか、お母さんのせいなの?最近、物がよく無くなるから変だなって思ってたんだけど。しかも、シュシュとか、髪留めとか、仕事で、必要なものばっかり無くなってると思ったら・・・!」

 

 

 

「あ、葵が、この部屋にいないからいけないのよ!葵がいれば、この部屋に入って、葵の物を、盗ることもなかったんだから‼」

 

 

 

 

えっ? 

 

 

 

 

 

「な、何言ってるの・・・?お母さん、わかってるよね・・・?生活費、稼いでるの、わたしだよ?家に帰ってこれるのは、そもそも少なくなるって、契約した時、社長さんから、言われたよね?それでも、契約していいっていったのお母さんじゃない。」

 

 

 

「だって、葵、最近まともに私のこと、助けてくれないじゃない。昨日、私が疲れたって言ったのに、葵は、助けてくれなかったじゃない。前の葵だったら、助けてくれたこと、今の葵は、助けてくれないじゃない。」

 

 

 

「な、何のことを、言ってるの・・・?」

 

 

 

「一昨日も、そう。指切ったから、絆創膏買ってきてって、言ったのに、葵は、助けてくれなかった!」

 

 

 

「だから、何のこと言ってるの・・・?私、昨日やっと帰ってこれたんだよ?それに・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

わたし、ちゃんと一週間ライブで、いないって言ったじゃん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その言葉を、続けることは出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パンッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

叩かれた。信じてた、大切な人に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「家族を、思えないなら、そんな仕事、辞めてしまいなさい‼」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんで・・・?わたし、お母さんのために、いままで戦って来たんだよ・・・?なんで・・・そんなこと言うの・・・?わたし、お母さんのために契約してお願い事、したんだよ・・・?なのに、そんなこと・・・言うの・・・?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だいたい、中学生なのに、夜まで仕事で、朝早くから仕事でいないって言うのがおかしいのよ!私は、悪くないわ!私の娘を、さんざん私から離してた奴等の迷惑になるなら、喜んで」

 

 

 

 

 

 

 

 

訴えるわ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・」

 

 

 

「?葵?」

 

 

 

「・・・か。」

 

 

 

「葵、何を言ったの?はっきり言いなさい。」

 

 

 

「・・・お母さんのばかッ!もう、知らない‼」

 

 

 

 

 

 

 

知らない。お母さんなんて。わたしは、悪くないのに。なんでわたしが、八つ当たりの道具にならなきゃならないの・・・!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「葵!待ちなさい‼」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわっ!葵、ビックリさせ・・・?葵?」

 

 

 

 

 

 

 

訳もわからず駆け出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

********************************************

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あら?美咲葵ね。いい感じに、絶望しかけているわね。でも、まだまだかしら。彼女は、伸びしろが有り余ってるもの。魔法少女の秘密を、ぶつければ、九割方、絶望するわね。・・・決ーめた。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最初の、生け贄を決めたわ。クククッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

内心で、笑いが溢れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最初のターゲットは、貴女よ。喜びなさい、美咲葵。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

偉大なる、私の呪印持ちの魔女に、してあげる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

喜びなさい。《星の戦乙女(ヴァリキリー・エトワール)》。偉大なる私の、生け贄に選ばれたことを。

 

 

 

 

 

 

 

偉大な、私の、最強の魔女として生まれ変われることを。舞台装置の魔女にして、合成魔女《ワルプルギスの夜》となれることを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絶望の幕開けは、明日から。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さあ、舞台に登る役者は揃った。脚本通りに、物語を演じなさい。主役は、星の魔法少女達。

 

 

 

 

 

 

*********************************************

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・もう、嫌だ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

わたしの足は、留まるところを知らない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・葵、お姉様・・・?」

 

 

 

 

やさしく、声を掛けてきたのは・・・

 

 

 

 

 

「どうなさったんです?取り敢えず、(わたくし)の家に、お入り下さい。」

 

 

 

わたしの義妹、星伽あかりだった。

 

 

 

「あかりん・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

深夜だというのに、起きていたらしい。いや、たぶん、トイレに起きたんだろうな。偶然。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうぞ、ジンジャーティーですわ。こんな時に、外に出ていたら凍えてしまいますわ。」

 

 

 

 

 

 

温かなお茶が出てきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あはは・・・。ゴメンね。こんな時間に。」

 

 

 

「いいえ。お気になさらずに。いつも、この時間に起きてしまいますの。まだ時差ぼけがあるみたいですので。知ってます?スイスと日本の時差は、約九時間あるのですわ。」

 

 

 

「そうだったんだ。大変だね。」

 

 

 

 

「・・・今の、葵お姉様より、ましですわ。」

 

 

 

 

 

「えっ?」

 

 

 

 

 

「いつもと、雰囲気が違いますわ。落ち着くまで、此処にいても良いですわ。・・・お風呂のご用意が出来てますわ。良かったら、お入り下さい。」

 

 

 

 

 

 

それだけ言って、あかりんは、リビングに向かって、それ以上干渉しようとしなかった。そっけないけど・・・これが、あの子の優しさなのは、もう知ってる。腐っても義姉だもん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな優しさに、わたしは、ほっとした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、あの、葵お姉様。やっぱり、言いたくはないのですけれど、言わせてください。(わたくし)、星伽あかりは、いつまでも貴女の味方であり続けますわ。貴女の義妹で、あり続けますわ。」

 

 

 

 

 

恥ずかしかったのかそっぽを、向いていたけど、それでも、何が、言いたかったのかは、伝わった。要は、そんなに悩むことはない。そう言いたいんだよね・・・?

 

 

 

 

 

「うん・・・。ありがとう。ゴメンね?わたしのせいなのに、気遣ってくれて。」

 

 

 

 

 

久々の()()()()()で、返した。

 

 

 

 

 

 

 

 

いつもの営業スマイルじゃなくて、ちゃんとした笑顔で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんだ。きちんと笑えるではありませんか。安心しました。」

 

 

 

 

 

 

 

ああ、バレてたんだ。やっぱりね。なんとなく、わたしが、営業スマイルする時、いつも悲しげな表情だから。なんとなく、わかってた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あはは。わたしだってちゃんと笑う時は、笑うよ。こんな時は、特に、ね。」

 

 

 

 

 

「今日は、もう泊まっていってください。明日の、学校用の制服は、予備がありますので、それを使って下さい。・・・今は、帰る気分では、ありませんよね?」

 

 

 

「うん。ありがとう。あかりん。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本当に、今日は、良く寝れた。落ち着いて、静かに。何事もなく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だから、次の日から、狂ったような生活が、始まるなんて、ちっとも思ってなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

わたしを、徹底的に消そうとするかのように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




キャラ設定▼

・妃夢乃
呪いの魔法少女。《星の戦乙女》を犠牲に、合成魔女を作ろうとしている。名前は《ワルプルギスの夜》と、決めているようだ。最初のターゲットは、美咲葵。
・美咲葵
母親と、喧嘩してしまった。あかりとの対話で、幾らか冷静になった。妃夢乃に、一番最初のターゲットにされている。
・星伽あかり
美咲葵を、義姉として、慕っている。絶望しかけた葵を、希望ヘ、一時的に立ち直らせた。妃夢乃とは、見えないところで、本人も自覚せずに、戦っている。


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