魔法少女まどか☆マギカ~もうひとつの世界 星に祈りを~ 作:あおいちご
「・・・。」
教室で、仮眠をとっていた時だった。
(星伽セリア、放課後、話があるんだけど。)
(・・・眠いから、後でね。)
(そうはいかないわ。今日の放課後、話がしたいだけなのよ。)
(嫌だね。だって、貴女の態度、人にお願いする態度じゃないし、人に敬意がないよ。そんな人の話なんて聞きたくないね。)
(・・・今日の放課後、話があるのですが、よろしいでしょうか?)
(んー・・・。今日じゃなきゃだめ?)
(ええ。)
(そう・・・。仕方無いか。いいよ、今日の放課後でいいんでしょ?)
(ええ。)
(分かった。でも、今回だけだよ。私、意外と仕事があるんだ。もう少し前に言ってね。)
(・・・気をつけるわ。)
軽く交わした約束だった。
「セリア~。今日の放課後、街案内その2をしようかなって、思うんだけど、どう?」
美樹さんが声を掛けた。
「ごめんなさい。今日は、もう予定が入ってて明日なら大丈夫なんだけど・・・。」
「そっか。じゃあ、仕方無いか。明日、一緒に行こうね。」
「ええ。」
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《公園》
「いよいよね。」
隣に立つ、一学年先輩に声を掛けた。
「ええ・・・。暁美さんは・・・怖くないの・・・。」
どうなんだろう・・・?それほど、怖いとは思わない。・・・星伽セリアは、元々、穏健な性格。それほど、恐怖させるものはない。でも、あの巴マミが怖がっている。ただ者じゃない。
「お待たせ。暁美さん、巴さん。」
優しげな声の中に確かな強さを、感じる。水色と銀色が混じる髪を、揺らしながら星伽セリアは、現れた。
「あなたのこと、教えて貰おうかしら。」
「だから、その言い方、止めなさい。人に、お願いする態度じゃないって、朝も言ったよね?」
いちいち、細かい人。
「あ、今、細かい人って、思ったよね?でも、これ、働く時になったら、即クビ決定だよ。貴女、そんなんじゃ、働ける処ゼロだよ。」
「あなたに文句言われる筋合いは、ないわ。」
「じゃあ、仕方無いか。帰る。またね。」
「待ちなさい。」
「だーかーらー、せめて、敬語ぐらい使いなよ。私、貴女達より、ずっと歳上だし、身分も上。貴女、歳上の人に敬語は、使うでしょ?先生に敬語使うでしょ?私は、そのどちらも、揃ってるのに、貴女はタメ口を使うの?外見で人を判断するのは、良くないよ。」
あぁ、なんだか、イライラしてきた。
「あれあれ?怒ってます?似合いませんね、クールぶってるのに、意外と短気なの?ダメダメ。そんなすぐに、イライラするのは、良くないよ。美容にも、悪いし。」
「黙りなさい!」
コイツの言うことが、イライラの原因なのに。変身して、時計型の盾を起動させた。
「へぇ、逆ギレしてるの?」
ガチャン。
私の
盾から、銃器を大量に取り出し、片っ端から撃った。銃弾を雨のように、星伽セリアに撃つ。
ガチャン。
時間停止の効果が切れ、時間が動き始めた。
「《
いつの間に、結界を展開したのか、薄く銀色に輝く結界に、無数の銃弾が吸い込まれていく。最後のひとつまで吸い込まれてしまった。
「ありがとう。自滅してくれて。」
えっ・・・。そんなっ・・・。
ズガガガッ!
星伽セリアに向けた銃弾が、私に放たれる。
あり得ない。そんな・・・。
「ティロ・ボレー!」
ズガガガッ!
巴・・・マミ・・・?
「レガーレ・ヴァスタアリア!」
キュルルルルッ!
「へぇ・・・。」
ぴゅっ。
鞭で、巴さんのリボン全て払いのけて、呟いた。
「やっぱり、気が合うみたいだね。貴女達。」
からっとした、笑顔を、私達に見せた。
「どういうこと?」
「やっぱり、気づいてなかったんだ。私は、
あっけらかんと、あっさり言ったけど、そんな簡単に出来ることじゃない。この人は・・・何者なの・・・?昨日の疑問が、再び浮かび上がった。
楽しげに鞭をしまっている、少女。私は、この人に踊らされているだけなのかも知れない・・・。
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すぅ・・・はぁ・・・。
深呼吸して、病室に入り、その人を呼んだ。
「恭介。」
「やあ、さやか。」
優しげな声であたしの名前を呼んだこの人は、元・バイオリンの天才少年、上条恭介。あたしの幼なじみ。そして・・・、あたしの好きな人。ヤバイ、心臓がドキドキする。
「はい、これ。」
昨日買ってきたCD を、恭介に手渡す。
「わぁ、いつもありがとうね。さやかは、レアなCD を見つける天才だね。」
「そ、そんなことないよ。たぶん、運がいいだけだよ、きっと。」
「この人の演奏は、本当にすごいんだ。さやかも聞いてみるかい?」
CD プレイヤーを取りながら、あたしを、誘った。
「いい・・・のかな?」
もし、恭介に好きな人が、いるなら・・・。
「本当は、スピーカーで聴かせたいんだけど、病院だからね。」
「「あ・・・。」」
イヤホンのコードの長さが足りなくて、つけられない。
恭介が、そっとあたしのほうに体を移動させる。恭介は、こういうところが優しい。演奏している時は、本当にかっこいい。
演奏が始まった。この曲は・・・恭介が弾くはずだった曲。ふと、恭介のほうを見ると泣いていた。・・・そうだよね・・・。この曲、練習してたもんね。・・・なんで、あの時、あたしのことを助けたの?そのせいで、恭介の手が動かなくなったのに。あたしの手が動いても、仕方無いのに。学校にも、行けなくなったのに。あたしのせいで・・・。
「それじゃ、帰るね。また、来るよ。恭介。」
「ああ、またね、さやか。」
ちょっぴり寂しそうに返してくれた。
病室を後にし、帰ろうとした。
「?セリア・・・?」
セリアらしき人が、診察室に入っていった。でも、かなり大人っぽくって30代の女性のように見えた。でも、この世界には、そっくりさんは、いるだろうから、きっとセリアじゃない。だって、皮膚科の方に入っていったし。見間違いだろうって思って病院を後にした。
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「今宵は、満月。時は満ちた。聖なる姫を朽ち果てる月まで十五夜。」
ニィと笑う、その姿。
「絶望の夜は、間もなく。絶望し、災厄を生み出し、更なる絶望を生み出せ。」
銀色に光り輝くひとりの悪魔。
「ターゲットは、あなたよ。星伽セリア、いいえ星伽あかり。」
月夜の空へと消えた。
あおいちごです。主人公、チートですね・・・(汗)。
キャラ設定▼
・星伽セリア
暁美さんと巴さんの仲を、取り持った張本人。本人曰く、わざと、敵対視させるように、仕向けた。銃弾の雨をいとも容易く跳ね返し、暁美さんをピンチに追い込んだ。何か秘密があるらしい。
・上条恭介 NEW!
元・バイオリンの天才少年。さやかの幼なじみ。事故で入院中。この物話では、さやかのことを、かばって、事故に巻き込まれた設定。さやかの想われ人だが、気づいてない。
・美樹さやか
恭介の幼なじみ。過去に負い目がある。恭介を好きらしい。