俺らはあの日、聖霊皇になった。   作:すぺありぶ

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本日頑張って初の2話連続投稿…
書き溜めが尽きたので次話投稿までは暫くかかってしまうやもしれません…

それでは本編どうぞ。


神の怒り?

アグニが女の子から聞いた話はこうだった。

 

「私達の村はご存知の通りこのヴォルケイノガフ山の麓にあるフレイヤ村です。村と言ってもかなり大きくて1000人位が住んでたと思います。村長が生贄を差し出そうと言い出したのは一昨年の夏の事でした。その年は日照りが続いて作物が殆ど取れなくて私も大変な思いをしたんです… "日照りは神様がお怒りになってるからだ" と村長は主張しました。でもみんな偶々だろうとあまり耳を貸しませんでした。しかし日照りは去年もあって村ではついに3人の死者が出てしまったんです。その死者の1人が他でもない村長の3人の息子の末っ子だったもので…その日から村長は人が変わったようになりこれまで村のみんなの反対から止めていた生贄を差し出そうと言う事を散々に言うようになりついに生贄を選び祭りの日に生贄に捧げることになりました。私は父も母も早くに他界して…おばあちゃんと2人で暮らしていたのですがそのおばあちゃんも半年前に亡くなってしまって…村長はそんな私に目をつけて生贄にする事にしたんです…初めはみんな反対してくれました。でも村長から"ならばお前の子供を生贄に捧げるか?"と言われると押し黙ってしまって…それで…それで……」

 

女の子はそこで言葉を続けられずに泣き崩れてしまったそうだ。自分が来た時に仲良く話していたのは慰め終わった直後でお互いの話をしてたんだとか。

 

「なるほどねぇ…でもそいつはちょっとおかしいな。たしかに自分は火の聖霊皇で火繋がりで"太陽"にも力は及ぶっスけど自分は星に降り立ってから力の実験以外で太陽に干渉したことなんて一度も無いっすよ?ならばどうして日照りなんて…」

「あら?もしかしたら…」

 

自分がそう言ったところでアグニが何かに気づいたのか声を上げる。

 

「ん?どうしたっスか?」

「あくまでも仮定に過ぎない話ですがぁ、確かにご主人さまは太陽に干渉もしておりませんし、私達もしておりません。ですが人間の使う魔法の中には火の精霊や妖精をたくさん集めてご主人さまの御力のほんのごくわずかな一分を再現しようと試み、局所的に太陽の光を強くするものがあったとと記憶してます、もしかしたら第三者によるその魔法の行使ではないでしょうか?」

「なるほど、そんな魔法が…わかったっスよ。眷属総動員でこの迷惑を起こしてくれた奴を探してくださいっス。迷惑料をたんまりもらわないとこいつは気が済まないっスよ」

 

自分は早速眷属を総動員して人が死ぬような大変な事をしてくれた奴を探す事にしたっす。

 

捜索を始めて2日目、意外にも早く野郎は見つかった。三年ほど前から村にちょくちょく来ていた"自称祈祷師"で村周辺の小国の領主の相談役をしている男だ。男はボサボサの髪、伸ばした髭に妙にいい身なりをしている。眷属達を放って遠巻きに観察した結果野郎は魔術師で、領主と共謀してこの村周辺を乗っ取り、自分の住む山にある魔結晶を掘り起こそうとしてた様子。

全く、何て野郎だ!村の人たちに迷惑をかけるだけでは飽き足らず自分の住む山にまで手を出そうとしてやがったとは…こりゃあお仕置きっスね…

 

その翌日から3日間にわたって、眷属のドラゴンとイフリート(元の姿ver.)とアグニ(元の姿ver.)に村と領主の館周辺を飛んだり姿を見せたりさせて散々にビビらせる作戦を仕掛けたっす。作戦が功を奏して連中夜も眠れない生活を送らせたのちに村と領主の治める土地、更にはその小国全域にまで魔力を送り頭の中に直接声を響かせる様にし、連中に激おこぷんぷん丸だって事を教えてやったっす。

 

【我は火の聖霊皇、炎と天に輝く陽を司る者なり。此度不遜にも我の力を語り我に慕う村を脅し挙句我の住まう山へ手を出そうとしたその罪。最早死如きでは償いきれんぞ!】

 

そう言うと自分は魔力を込めて空を炎の様に赤く紅く染め上げて威圧すると何処ぞで「ヒィィ〜!」と情けない悲鳴が上がったっす。眷属達に命じ村長、領主、自称祈祷師の男、そして小国の王を連れてこさせその間に自分は元の姿に戻って威厳たっぷりで待つっす。

 

そして少しするとすぐに眷属達が4人を連れて来ると四人は一様に平伏し許しを乞い命乞いをし始めたっす。おっさん4人の土下座なんて汚い絵面を見たせいで一瞬焼き土下座させようかとも考えたがとりやめ、ひれ伏すおっさん達に問うた。

 

【貴様ら、己の罪はわかっておろうな?】

 

それに対し4人をはひれ伏しながらも領主が口を開く。

 

「お、恐れながら申し上げます。わ、私めはそこの男に騙されたおりましたのですぅ!」

「なっ⁉︎領主殿⁉︎元はと言えば領主殿が!」

「う、うるさいうるさい!私はしらない!何も知らない‼︎」

 

見るに堪えないおっさんの喧嘩が始まったっす…下調べはしてたから筒抜けなんすけどこの様子だとそれすら分かってない…こりゃどうしようもないっすね。処分で。

 

【黙れ矮小にして卑劣、醜き下郎が。貴様ら2人の行いなど筒抜けである。それをこの後に及び反省もせずに罪のなすり合いか…我を舐めておるのか?イフリート、連れてけ】

 

自分はイフリートにそう命じ、2人をとりあえず牢に連れて行かせました。

 

【さて、残るは貴様ら2人ぞ。貴様らは己の罪を理解しておろうな?】

「は、はいっ。私めはあの祈祷師を語る男の言葉に騙され、挙句まだ両親を亡くしたばかりの娘に生贄に出ろと酷な事を申してしまいました」

「わ、私はこのような愚かな企てをしていた家臣に気づかずにのうのうと生きておりましたぁ…」

【ふむ、矮小にして愚かしい人間としては貴様らは良くできた方か…いいだろう、貴様らは良く罪を理解している。よって貴様らへの罰は軽めにしておいてやる】

「「は、ははぁ…ありがとうございます…」」

 

うん、2人とも喜んでくれたようで良かったっすね。

え?キャラが変わりすぎ?一応人前に出るときは口調変えるに決まってるじゃないっすか、この口調じゃ舐められますもんね!

さて、最後はあの子についてだな。




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