俺らはあの日、聖霊皇になった。   作:すぺありぶ

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これからもこの「俺らはあの日、聖霊皇になった。」をよろしくお願いします。


土の聖霊皇編
そうだ、ダンジョンをつくろう


ここは土の聖霊皇の住処である"グレート大陸"の地下深くに位置する大空洞である。

そこには…

 

「ねぇ〜パ〜パ〜!いいでしょー!」

「しかしだな、ノーミードよ。それをするのは大変だぞ?」

「みんなでやればだいじょうぶだよ〜」

「うーむ…しかしだなぁ…」

「ノーミードやってみたい〜!」

「いや…しかしな…」

「やだぁー!やーりーたーいー!」

 

娘(ノーミード)にせがまれる父親(土の聖霊皇)の姿があった…

 

事の発端は土の聖霊皇が前世での記憶からノーミードに昔話やラノベ、小説の物語を話してやっていた時だった。

 

「ノーミード、だんじょんっていうのやってみたい!」

 

キラキラとした瞳で土の聖霊皇にせがむノーミードであったが、土の聖霊皇は中々頭を縦に振らない。

それもそのはずである、聖霊皇きっての親バカが好んで娘を危険にさらす真似をしようか?答えはもちろん「否」である。

 

「ノーミードよ、ダンジョンをするという事は人間どもが攻め入ってくる事もある。我がいる以上人間がいくらこようとものでは無いが、我はノーミードを危険にさらすことはしたくは無い。わかってくれないか?」

 

優しく諭す土の聖霊皇であったが…

 

「やだー!ノーミードだんじょんやりたい〜!」

 

そして冒頭である。

ノーミードは完全な駄々っ子となっていた、こうなれば土の聖霊皇もその眷属達もどうしようもなくノーミードをうまく説得するかやりたい事をさせてやるしか無いのだ。

 

とは言え、今回ノーミードがやりたいことは"ダンジョンの運営"駄々っ子ノーミードをなんとか説得してでもやめさせたいのが眷属(娘)を持つ聖霊皇(親バカ)なのである。

そんなこんなで揉めあってるうちに話を聞きつけた他の眷属達がどうするべきかと聖霊皇と共に相談を始める。

 

「ワシは正直なところノーミードに危ないことはさせたく無いですじゃ。地下大帝国計画も中盤に差し掛かっておりますゆえに空いたドワーフ達が居りませんですじゃ」

 

とノームが言う、続いてターロスが

 

「では私から、私としましてはダンジョンを造る事に反対はございません。私としては人間の情報をより細かく得ると共に、いくばか人間を間引ければいいと考えております」

 

最後に、普段より無口で余程の事でない限り一言も喋らないタイタンが

 

「おれ…だんじょん…やってみたい…でも、ノーミード…あぶない」

 

と眷属達は何とも判別し辛く別れた。そして長い沈黙が訪れ、土の聖霊皇が重い口を開いた。

 

「では…決を下す…

ダンジョンを運営してみようではないか」

 

その一言に眷属達が湧く。

 

「やったぁ!パパぁ〜ありがとう!」

「聖霊皇様のご命令にはワシは逆らいませんですじゃ」

「流石は我らが聖霊皇様!ありがとうございます!このターロス、黄金に輝くオリハルコンの鎧に賭けて必ずや上手く運営すると誓いましょう!」

「おで…たのしみ…」

 

「しかし‼︎

ダンジョン運営はあくまでも軽い余興のようなもの、これにのめり込み本業を疎かにする事のないように…

以上、これに関しては追って計画を練る。ノーム!ターロス!後で我の所へ来るように、では諸君解散だ」

 

土の聖霊皇がそう言い切ると土の聖霊皇眷属達が蜘蛛の子を散らすように各々の持ち場へと戻り作業を再開していく。

 

「ノーム、参上いたしましたですじゃ」

「ターロス、参上いたしました」

「うむ、今回の件についてはあまり簡単に行える事ではないゆえにしっかりと案を練る事とする。ではまずは…」

 

そうして土の聖霊皇達の会議が終わったのはそれから10時間後の話だったとか…

 

 

さて、そんな長い会議が終わった翌日。ノーミード達眷属と土の聖霊皇は大陸中央部から南西にある大きな樹海の真下に位置する地下深くに来ていた。目的はもちろん"ダンジョン"を作成するためである。

 

「では、これよりダンジョン作成をする。我が眷属達よ、さがっておれ」

 

そう土の聖霊皇が言い終わると、土の聖霊皇の体が薄っすらとした黄金の光で覆われていく。

光は次第に濃くなり強くなりやがてその光は真上へと伸びると地面が揺れひびが入り、その形を変えていく。

そして光がゆっくりと収まるとそこには今までなかったレンガ造りの広間が現れ、奥には大きな両開きの鉄扉がある。他の聖霊皇がこれを見れば、まさにRPGのダンジョンであると言うだろう。

 

光がおさまりきると土の聖霊皇は大きく息を吐き、軽く脱力したようにその場に腰を下ろす。

 

「ふぅ…これ程に魔力を使うのはいつぶりか…我が大空洞を造るときくらいだったろうか…」

 

しみじみと聖霊皇が言うと、眷属達が聖霊皇を気遣い近くへとよってくる。

 

「聖霊皇様!ご無事ですか!」

「良い、久々に力を多く使った故に少し疲れただけだ。それよりも我が力を使った影響で"土の魔結晶"が大量に出ておる。人間どもをここに入れる前提ならば悪用されぬように全て回収せよ」

「かしこまりましたですじゃ」

 

それだけ言うとノーミードを残した眷属達はそれぞれドワーフを連れてダンジョンの中を探索に行く。

 

「パパぁ〜、だいじょうぶ?だいじょうぶ?」

 

ノーミードは目に涙を溜めて土の聖霊皇に抱きつき、見上げていた。どうやらノーミードは土の聖霊皇が思っていたよりも消耗していたために不安になったのだろう。

これまで一度も疲れたような様子を見せなかった父親がとても疲れた様子が心配になったようだ。

 

それに対し土の聖霊皇は

 

「ふっ…我を誰だと思っている?四大元素の土を司りし土の聖霊皇で…お前のパパであるぞ?」

 

不敵にニヤッと笑ってみせる聖霊皇にノーミードも思わず笑みをこぼす。

ダンジョンの最下層では似合わないようで何処か似合う微笑ましい親子が笑っていた。




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