俺らはあの日、聖霊皇になった。   作:すぺありぶ

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なんだか筆が進むので早期更新です。




ダンジョンの住民とお宝

さて、あれから数日後。

ノームとターロスが眷属のドワーフ達を総動員してダンジョンを調査するとともに、内に転がる"土の魔結晶"を欠片一つも見逃さぬように拾い集め、全て土の聖霊皇に渡した。その後ダンジョンの全容を土の聖霊皇へと報告した。

 

「聖霊皇様、此度のダンジョンですが聖霊皇様のおっしゃった通り150階層、総部屋数3000部屋であると確認をし終えました」

「うむ、御苦労であった。我が作りしダンジョンといえど不備というものが無いなどということは絶対にありえん」

「では本題へと入らせていただきます」

 

そして、いよいよ本格的にダンジョン内装の加工やダンジョンへ入れる魔物達の選定、そして何より人間を呼び寄せる鍵となる「ダンジョン内のお宝」作りだった。

 

まず聖霊皇達が取り掛かったのは内装の加工。土の聖霊皇が大方の内装を作っているとはいえど、職人気質な者の多い土の聖霊皇の眷属一同は内装にもこだわりを持ちたかったのだ。

主に内装はレンガ造りの通路や部屋に対して、少し年代を感じさせるビンテージ調のデザインを施し、大部屋へとつながる鉄扉を真鍮と鉄の合さる彫刻の施されたものへと変えた。

 

次にダンジョンに住まわせ、来た人間を襲わせる魔物達である。

 

これはターロスの提案で、土の聖霊皇や他の聖霊皇達から地下でも生きていける魔物を見繕ってもらい、いただくことにした。

他の聖霊皇達は突然の事に驚いてはいたものの、"魔結晶"や強い魔力を帯びた魔物達の中には眷属に害を出すものも現れていたために、割と快く受け入れられた。それぞれの聖霊皇から送られた魔物は以下の通りだ。

 

火の聖霊皇からは「鬼火」、木の聖霊皇からは「鎌鼬」と「ダークトレント」、「魔獣」、水の聖霊皇からは「水蜘蛛」と「スライム」そして土の聖霊皇が住まわす魔物は「ゴブリン」、「マッドゴーレム」、「ストーンゴーレム」である。

 

こうして数を揃えた魔物達を繁殖できるだけの魔力を帯びさせた各階層に放つ。これでしばらくすれば魔物達が増えやがて森へ出たり人里へ出た魔物が悪さをしだすと人間達がダンジョンへやってくるという考えである。

 

そして最後。肝心な「ダンジョンのお宝」である。

これは各階層の難易度に見合うお宝を土の眷属一同で考え入れる事となった。

 

1階層から15階層までは、小さな宝石類やドワーフの鍛えた武器。

16階層から45階層までは、ある程度の宝石や貴金属類とドワーフ達が考えたお宝。

46階層から75階層までは大粒の宝石類や希少鉱石、そしてノームとノーミードの考えたお宝。

そこから更に80階層から下へ行くと、ターロスとタイタンの考えたお宝。

そして130階層以下には、土の聖霊皇が鍛え上げたまさに「神代の武器」(後に神器と呼ばれる) があるのである。(ターロスの装備は全て土の聖霊皇が本気で鍛え上げた物である)

 

「よし、この程度で良いだろう。皆、ダンジョンへ宝は隠したか?」

「はーっい!かくしてきたよ!パパ!」

「隠してきましたですじゃ」

「はい、聖霊皇様。私が熟考しました宝を隠しました」

「おで…宝、隠した」

「良い、では待つばかりだな」

「ですが、聖霊皇様。聖霊皇様ほどのお方が自らお造りになられたまさに神代の武器がダンジョンにおいてあってもいいのですじゃろうか?」

「良い、あまり簡単に取られぬ為に"階層主"を置いてきたであろう?」

「わかりましたですじゃ」

 

おおよそ見当はつくだろうが、階層主とは文字どおり各階層に入る次の階層への階段を守る魔物である。おもにゴーレムが守っていて、100階層より下にくるとドラゴンゴーレムや、マグマゴーレムといったえげつないゴーレムがでてくる。

因みに148階層の階層主は「タイタン」149階層の階層主は「ターロス」そして150階層にある最後の宝を守るのは「土の聖霊皇」である。

 

実はこのダンジョン、聖霊皇の役目である「生命で世界を満たす」に背かぬようにある工夫がある。それはこのダンジョン内で死亡と断定された人間は即座にダンジョンから放り出されるという機能だ。

これの為に土の聖霊皇はダンジョン作成の際に集めた土の魔結晶全てを高圧凝縮し、「ダンジョンのコア」を作り上げた。このコアが魔物の管理や人間の管理、そして死亡した人間を即座にギリギリ死なない程度まで再生させダンジョンから出すということを行う。(修復できないほどバラバラにされた場合はその限りではない)

これには実はもう一つの理由がありノーミードの情操教育を考えたもので、土の聖霊皇が苦心して他の聖霊皇に頼ってまで生み出された結晶である。親バカここに極まれり…

 

こうして無事完成を迎えたダンジョンは、他の聖霊皇も巻き込んだ大規模な「聖霊皇の遊び場」として活躍していくことになる。その未来が楽しみで仕方ない土の聖霊皇はニヤリと口角を上げ娘を見る。

 

「いよいよであるぞ、ノーミードよ。楽しみか?」

「うん、パパ!ノーミードとっても楽しみ!」

「そうかそうか、パパも楽しみであるぞ?」

 

そしてやはり土の聖霊皇一家には親子の笑いが絶えないのである。




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