俺らはあの日、聖霊皇になった。   作:すぺありぶ

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4話目です。今回は短めです。
では、駄文ですが楽しんで頂けると幸いです。


事件

〜ウンディーネside〜

聖霊皇様が魔力還元の為にお眠りになられて早くも10年が経ちました。今日も海は平和です。単に私達聖霊皇様の眷属が協力して海を守っている為です。もう海にはだいぶ魔力が戻っておりポセイドンも言っていましたが聖霊皇様のお目覚めは近いとの事、楽しみです。

 

思えば聖霊皇様に生み出して頂いた頃から5000年ほどになります。始めはおかしな方だと思っていましたが今では思慮深く大変頼りになるお方です。あのお方無くして水無し、眷属達が口を揃えて言う程にあの方の力と存在は絶大です。

 

そういえば、近頃妖精の中に聖霊皇様にお会いした事の無い若い妖精が増えました。そんな子達の一部は掟である"人間にあまり深く関わってはいけない"ということを破って人間と共にあろうとしています。私からすれば人間と共にある事は理解しがたいものですが、聖霊皇様の御姿を知らない子達からすればそれこそ不可解なのかもしれません。

 

人間達は突然現れたかと思うと驚く早さで成長を遂げ今やこの星の大陸の殆どに生息しています。彼らは私には害悪にも見えます、彼らは水を汚し川を汚し海を汚すのです。

挙句近頃は魔力の使い方を覚えたせいで「召喚」なるやり方で精霊や魔物、妖精達を無理矢理使役しようとするのです。

一刻も早く聖霊皇様にお目覚めになって貰わなくては…

〜side out〜

 

ある日、ウンディーネ達眷属は何か不快な感覚を覚え目を覚ます。不可解な現象に不快な感覚、眷属達が不安に思っていると突然各々直属の配下の数人の下に魔方陣が現れ配下を取り込んでいく。

突然の事態にウンディーネ達は聖霊皇様を起こす事を決意する。

 

俺は俺を呼ぶ複数の声に起こされた。なんだか皆焦っているようで必死である、何が起きた?

 

「せ、聖霊皇様ぁ!私の、私達の可愛い眷属達が!に、人間に囚われました!」

 

は?何だって?ウンディーネやポセイドン、クラーケン、マーメイドにセイレーン達の眷属が人間に囚われた?

 

『ふざけるんじゃねぇぞ!人間風情が!』

 

俺は身体を元の姿に戻すと眷属達を引き連れて攫われた眷属達を探す。まぁ俺の力ならどこへ行こうが眷属を追えるから問題無いがな。

 

おや?身体がまた成長したようだな、更にデカくなってやがる。丁度いい、この際だ目にもの見せてやるよ。

 

 

〜人間side〜

 

我が王国は遂に魔術の粋を結集した召喚術式の実験に成功した。

水の妖精達と多く絆を結んだ魔術師達と近海より発見された濃密な水の魔力を持つ結晶を使い、遂に不可能といわれていた水の五大妖精王、ウンディーネ、ポセイドン、クラーケン、マーメイド、セイレーンの召喚に成功したのだ‼︎

これで隣国を従え海を制し果ては世界を統治するのだと誰もが思っていた。

 

しかし、その夢は儚くも無残に散った。召喚に成功した次の日、パレードの最中に「それ」はやって来た。

「それ」は海から現れ空を覆い尽くすような巨大な"龍"だったそれは口を開くと茫然とする我らに向かってこう言った。

 

『無知蒙昧で愚かしい人間共よ、我は水の聖霊皇、四大元素を司る者なり。我の眷属達を攫ったその罪を清算してもらおう。』

 

「水の聖霊皇」と名乗ったそれは空へと響くような大きな咆哮を上げると我らが召喚した五大妖精王とは比べものにならないような妖精達を召喚し立ち所に王国全土を破壊した。

クラーケンの触腕が、ポセイドンの大津波が、セイレーンの死を誘う歌が、マーメイドの高速の体当たりが、ウンディーネの全てを凍てつかせる冷気が。

そして、「聖霊皇」は全てを断ち切る水を放ち大竜巻を起こし挙句に天から氷の剣を降らせた…

我らの街は、国は、立ち所に滅びたのであった…

 

出典:プロイゼル王国の興亡 より

〜side out〜

 

人間の国を滅ぼし眷属達を救い出した俺たちはまた海底へと戻っていた。

人間と仲良くしていた妖精達には今後一切関わってはいけないとキツく叱った。俺から叱ったことにより眷属達は大体納得してくれた、ウンディーネはまだ不満があったようだが…

それに魔力の還元の為とはいえどうやら寝すぎたようだ。さすがに10年もすれば妖精の中に俺を知らない奴が出ても仕方ないだろう。寝る時の対処を考えておかないといけないな。

 

さて、今回の事で初めて本気を出して力を使ったが思ったよりもかなり派手になった。やっぱり最後の氷の剣はやり過ぎだったかもなぁ、眷属達総動員ってだけでもオーバーキルもいいとこだもんな。

反省反省、次回に活かしましょ。

こんな次回はいらないけどね。

 




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