俺らはあの日、聖霊皇になった。   作:すぺありぶ

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ちょっと見ないうちにUA500を突破しました。
これも読者様方のおかげです。ありがとうございます!

さて、今回はタイトルにもあるように閑話です。
リクエストを頂いたので少しずつ余裕のあるときですが他の聖霊皇の小話なんかも書きたいと思っています。


閑話 土の聖霊皇

これは水の聖霊皇が魔力を還元する睡眠を取っている頃の話。

 

「女神アンジュ」の創り出した星には幾つかの大陸が存在している(後に四大大陸と呼ばれる)。その中でもひときわ大きな大陸があった"グレート大陸"である。ここはその"グレート大陸"のはるか地下にある大空洞。巨大な空洞の中に"それ"はいた。

 

"それ"は巨大な空洞内を埋め尽くさんばかりの巨体に金に輝く鱗と強靭な四肢を持った「地竜」であった。

「地竜」は何かに気がついのか起き上がると空洞数少ない入り口を見つめる。

すると入り口から小さな足音が聞こえる。

トタトタトタという足音の主人は、ツヤのある褐色の肌をし、金色の羽を持った年端もいかぬような幼女だった。

 

「パパァ〜ノーミードかえったよぉ〜」

「うむ、おかえり。ご苦労であったノーミードよ」

「はぁ〜い。ただいまぁ〜パパァ」

 

幼女はそう言うと己よりも何十倍も大きいだろう地竜の頭に抱きつく。

それをさも当たり前の如く受け止めた地竜は言葉を続ける。

 

「今日の大地はどうであった?土はみなぎっていたか?草木は青々と茂っていたか?」

「うん、いつもとおんなじきもちいい大地だったよ」

「そうか、ならばよし。他の眷属達はどうしている?」

「ノームはドワーフたちとおっきなトンネルをつくってたし、ターロスはゴブリンとドワーフたちをつれてなにかつくってたよ。タイタンはいつもどおりおねんね」

「そうかそうか、ノーミードは何をして来たのだ?」

「ん〜とねぇ、おさんぽして、おはなばたけにいって、みんなのところにいって、ドワーフたちとあそんできたの〜」

「それはよかったな」

 

娘の如く慕っているノーミードの花の咲くような鮮やかな笑顔に頬を緩ませつつも、地竜は遊ばれたドワーフ達の「まってくだされ、ノーミード様ァァァァァ‼︎」という悲痛な叫びが聞こえてくるような気持ちであった。

 

その日の夜。地竜の部屋にはノーミードの他に、ずんぐりむっくりとした小さな爺さん「ノーム」と黄金に輝く鎧を身に纏う筋肉質なゆうに3mはあるであろう大男「ターロス」、鋼のような鈍色の身体をした巨人「タイタン」そしてそれぞれの眷属のドワーフやゴブリン、土の妖精達が集まっていた。

 

「皆ご苦労。座ってくれ、それではノームよ本日までの成果を言え」

「はい、聖霊皇様。おっほん、皆も存じておるじゃろう通り地下大帝国計画は始まったばかりであるが順調に進んでおるのじゃ。四大大陸を地下道で繋ぐ計画は聖霊皇様の御力のお蔭で半分ほどは出来ておる。残すところはそれぞれの大陸に大空洞の建設、ここグレート大陸大空洞内の神殿化。そんなとこじゃろう。まぁ、最もこの二つが大いに時間がかかるのじゃが…何はともあれ死者も出ず無事に工事が進んでおる。以上ですじゃ」

 

ノームが説明を終えると黄金の鎧を身に纏ったターロスが話し出す。

 

「聖霊皇様、この件に関しまして少々面倒な事が起こっております。私めに説明の御許可を」

「よい、話してくれターロス」

「はっ、では僭越ながら。近頃地上に"人間"が現れ始めました。彼奴等は瞬く間に大陸のほぼ全土に分散し生活をしているようです。しかし彼奴等は傲慢にも自分達こそが真理を知るものだと勘違いをし、愚かにも水の聖霊皇様の眷属を隷属させようとするなど目に余る行動が増えてまいりました。私どもに彼奴等を粛清する御許可を」

「うむ、しかし粛清はいささかやり過ぎである。もとより我らは"母"より"この星に命を溢れさせる"事を使命に生命を授かっている。ゆえによほどのことがない限り我らが直接出向くことはない」

「はっ、出過ぎた事を申し上げてしまい申し訳ございません」

「よい、これまで通りに外の監視と眷属達の護衛を頼んだ」

「承知致しました。この黄金に輝くオリハルコンの鎧に誓って」

 

ターロスの話が終わり解散となり眷属達が居なくなると土の聖霊皇は独りごちる。

 

「…人間か…もう戻りたいとも…思わねぇしな…」

「パパ?どうしたの?」

 

ふと見ると誰もいなくなった筈の部屋にノーミードがいた。土の聖霊皇は少し驚いたものの直ぐに気を取り直して

 

「いや、なんでもないさ。それよりもノーミード、もう遅い時間だ。パパと寝ようか?」

「はーい、じゃあパパ。寝る前にお話を聞かせて?」

「ああ、いいだろう。何が聞きたい?」

「えーっとね、お姫さまのお話〜」

「そうか、よしいいだろう。さぁ寝床へ行こう」

 

そう言うと2人は空洞の奥の柔らかい土の敷き詰められた方へと向かう。

土の聖霊皇の目は父性と慈愛に満ちていた。




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