闇に抗う影   作:春の雪舞い散る

12 / 63
地の精霊とその巫女

 

 「取り立てて何の細工もねぇな?」

 

 その鬼百合の言葉に

 

 「船は勿論泳いでも難しく通じる道もないここに近寄るのは困難でまさかアクエリアスの封印が失敗するなど夢にも考えていなかったのがそれ以降対策が後手後手になった訳です」

 

 そう命に言われ

 

 「成る程、つまり闇の連中も恐れているほど完璧な連中じゃない

 

 無闇矢鱈と恐れるべきじゃねぇってこったな?」

 

 そう鬼百合が聞いてきたから

 

 「そう、だからと言って侮って良いわけではないのが厄介なところですが結局のところ要は闇に対しどれだけ冷静でいられるか…心の強さが問われるのですよ…着きました」

 

 そう言って忍を見て

 

 「覚えてますか?ウィンディーの開封の時の事を…」

 

 命が忍にそう問うと

 

 「そう、貴女が地の精霊の巫女だったんですね?わかりました、今度は私が貴女を応援します」

 

 風華を伴い現れた翼がそう言って命と共に忍の肩に手を置くと祈り始める三人…そして

 

 「地の精霊ガイアよ、目覚めの時は来ました…」

 

 その命の呼び掛けに

 

 ー私を呼ぶのは誰?主人達、私の巫女になるはずの乙女迄守れなかった私に地の精霊名を名乗る資格等在りません

 

 このまま闇の者の封印の中で朽ち果てるのみですー

 

 「何故です、貴女の巫女は取り返しましたし勿論…」

 

 「それは私が望んででなくとも闇に堕ち汚され続けながら生き長らえた私が疎ましいからで決してガイア様のせいでは有りません

 

 ですからガイア様…貴女に相応しい巫女をお求めください…そして…」

 

 ー違いますっ!決して貴女のせいな

どではありません

 

 全ては契約の最中の無防備な巫女を守れなかった私の落ち度、私の罪…責められるべきはむしろ私の方ー

 

 そう言って苦悩するガイアに

 

 「ならば答えはもう出ています、ガイアよ…己の罪と言うなら忍の霊を救済しなさい、貴女が巫女に選ぶことにより

 

 そして忍、いつか自分を許せるその時まで他の巫女達と共に歩みなさい

 

 貴女がその気なら皆喜んで力になりましょうからね?」

 

 そう言われて

 

 ーわかりました、私が繰り言ってたところで巫女の心の傷が癒えるわけではありませんー

 

 そう言って命ーアクエリアスを見ているガイアに

 

 「そのとおり、私の巫女がバラバラだった私達の鎹となり再び集結の日を迎えたのです…さぁ、受け入れなさい忍」

 

 そう言われて涙を流しながら

 

 「私にその様な資格があるのでしょうか?私は…私は…」

 

 そう涙を流しながら繰り返す忍に

 

 ー過去の私の罪と貴女の過ち…共に背負い歩み続けましょう…さぁ左手を…ー

そう言われて忍が左手を差し出すとガイアがその甲に口付けを落とすと忍の中に入っていった

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。