その乗馬訓練の途中、観月の使いで見習い騎士の四人を連れて来た海斗と炎が霊獣に跨がる大樹を見て歓び見習い騎士の達は羨み
(いつかは俺達も…)そう心に誓う四人を微笑ましく見守る忍だった
大樹は海斗にそれまで愛用していた大太刀を海斗に渡すと
「これを准騎士候補のケンに渡してくれ、すぐには使いこなせないだろうけど俺もこいつに鍛えられたからって言ってな」
そう言って勾玉の剣は新しい主人の元に渡り歩く事になった
残りの船旅の間、大樹とたけ、見習い騎士の四人は船上を駆け回りデッキ掛けやマスト登り等内陸部の生まれ育ちの彼らに船を体験させた
最初は船の揺れに苦戦した見習い騎士の四人もすぐに慣れて頑張って二人についていけるようになったから艇督も四人を即戦力として欲しがる程だった
食事の支度は新に大公領から供に加わった三人の少女達が手伝いに加わりいつになく華やかな艦内
そして、月影の国が見えて来て楽しい旅も終わりの時を迎えた
② 女王と王太子と…
「お世話になりました、提督…やはり私は水の精霊の巫女、陸路の旅より船旅が…汐の臭いが好きです
又乗せてくださいね、楽しい時を共有したいですから」
そう言われて非番の兵達と一緒に釣りを楽しみ、歌い、踊り、時に当番の者と共にマストに登る命の姿を思い出し
「私達の方こそ次の機会が早く訪れるのをお待ちします」
そう挨拶して送り出した…
と、言っても大公領で頼まれた繊維業者の荷降ろしが有るのと美月が輸入代行を引き受けていて協力するように言われていた
その為ユカは取り敢えず命に同行せず阿と共に港の特産品の問屋街を買い付けに回り色々売買契約を交わし支払いを済ませ船に運ばせると馬を借りて二人で王城に向かった
王城に着いたのはお昼過ぎで謁見で呼ばれたのは
「王女と伴が二人でお越しください
こちらも女王陛下と王太子殿下だけですから」
と、言われたので
「ミナとりん、ついてきてください
瑞穂、忍、春蘭、留美菜…後を頼みますよ」
そう言われて頷く四人を後に三人は案内されていった
取り敢えず挨拶代わりの献上の品の目録と
手土産代わりの春蘭が刺繍を施した絹のスカーフとハンカチをミナに渡させ
「お初にお目にかかります、縁有って歌の国に王女として迎え入れていただいた命ともうします…お見知り置きを」
そう挨拶して平伏すると
「堅苦しい挨拶はもうよいですから顔を上げなさい」
そう声を掛けると顔をあげる命の顔を見て
(似ている、実の娘と言われても不思議じゃないと言う噂通りに…
それが意味することはいったい?)
そう考える女王だった