「時に王女に尋ねますが貴女の供に媛と翔と言う妖精の如く不思議な少女が居ると聞きましたのに今日の入城の際見掛けませんでしたが?」
そう聞かれた命は
「元々人嫌いで人見知りの傾向の翔は人目に着くのを嫌いますしもう一人の媛の体調が思わしくなく隠り気味を案じ共に寄り添い隠りっぱなしですから…」
そう答えるのを聞いて
「私が言ってもですか?」
そう更に尋ねられて
「翔に関してはアクエリアス様にも食って掛かる子ですから…ですが媛は未だ動かせない、そう判断しますから後は…」
そう答えるのを聞いて
「成る程、アクエリアスにくって掛かる者ならいかに女王とて人間の言う事を聞くわけ無いか…」
そう自嘲気味に笑うと
「いえ、翔とて素直に言う事を聞く者も居ますよ?
火の精霊の巫女のチサの事はチサ様と呼び慕っておりますし…
ユウと言う者にはまるで逆らえないお母様…みたいにしおらしく言う事聞くみたいで皆もそう言ってます
因みに私は主人であるはずですがみこと呼び捨てされてます…」
そう言って苦笑いを浮かべると
「そう聞かされてはますます好奇心が掻き立てられますから是非とも会わせて欲しいですが…
媛はそれ程までに具合が悪いのですか?必要なら医者の手配をしますが?」
そう言われて難しい顔をして
「病気と言えば病気なのですが身体を冷やしたり薬を飲んで治る…そういった類いの病ではありませんから私達には…」
そう苦慮する命にミナが
「女王陛下様、私の如き身分卑しき者がお二人の会話に立ち入る事をお許しください」
そう言って女王が頷くのを見て
「命様、旅立ちの際王妃様より賜ったお言葉をお忘れですか?
あちらで何か困ったら女王陛下にご相談なさい、あの方は私の姉上なのですからきっとお力をお貸しくださるでしょう、と
そして今も私の発言をお許しくださっても居ますからこの私達には勿論観月様でも容易に答えを出せない難問題に陛下の広い見識と深い慈悲にすがってはいかがでしょうか?」
その言葉を聞いた一同がミナを改めて見て
(たかが侍女と侮っていましたが…そうですね、あの観月の息が掛かっている以上その隣の少女は兎も角今くらいの事を言えずに王女の供は任されませんね)
そう思いながら命の出方を見守っていると
「そう…でしょうね、私達だけで答えを出せなければ誰かに相談しなければなりませんね…
私にはその一言を言い出す勇気がありませんでしたけど…」
そう言って溜め息を吐き
「ミナ、忍と瑞穂に翔と媛を隠して連れてこさせてください」
そう言って送り出しその後ろ姿を見送った