朝食は王城から用意した弁当を食べ昼食は街道沿いの飯屋で
その客達は王家の紋章を着けた馬車から降りて来るから店主は勿論他の客は驚いたがそれが人魚姫の一行だと知り更に驚いた
しかも無理な要求することなくメニューの料理を注文して皆美味しそうに食べ
店先に並ぶ弁当を人数分買って店を出ていった
店の者達が要求されたことと言えば命が謡華との稽古を兼ねて唄いたいと言い店の者と居合わせた客達も了承したから喜んで唄い聴く者達をを喜ばせた
晩御飯は暗くなる前に済まして宿の在る街に着いたのは夜半前で命と翔は完全に熟睡中
幼い巫女と見習い侍女達も似たようなもので着替える余裕もなく寝てしまいユウを苦笑いさせた
翌朝は宿で朝食を摂ってからと言うゆっくり目の出発で良いと言うことになりユウが翔を抱き上げながら各員に指示を与えている
そしてその日は日の在る内に泊まる宿を見付のんびり過ごし翌朝は早朝の出発となったがすぐに馬車を止めさて…
「ユウ、あれってお祭りの準備してるんだよね?」
そう、訊かれたユウがその様子を見ながら
「はいその様ですがどうにも活気がありません…」
そう答えたので
「仕方無いよ、田畑がこんな状態なんだもん…」
そう言って「周りを見なさい」と言わんはばかりに腕をぐるっと回すので周りを見ると
「作物の生育状態があまりよろしくありませんね?」
そう控えめに答えたので
「せめて豊作祈願と地の精霊への奉納の踊りを舞っていかなきゃ…」
そう言われて二人の騎士を見ると
「予想外の早い判断をしていただき早い出発となったので途中の多少の寄り道位は許されるべきと思います」
一人が答えるともう一人も
「もっとも、私達も王女様の踊りを見てみたいと言うの好奇心の方が本音ですけどね」
そう言ってユウに笑いながら答えると
「そうですね、あのままでは幸運の女神も微笑みませんよ、急いで支度に掛かりましょう」
そう言って再び馬車に乗り込み祭りの会場に向けて馬車を走らせる一行だった
なんの触れもなく訪れた王家の馬車に戸惑う街の者達が驚いた命の訪れ
「街の…祭りの責任者に会わせてください」
凛とした声で言うユウの前に
「町長の光雲です」
「祭りの世話役をさせていただいてる和尚の耕運と申します」
ユウの前に現れた男達がそう名乗ると
「私はユウ、歌の国の王妃様より王女命様の身の回りのお世話を任された者の一人です
いきなり不躾なお願いで恐縮なんですが命様が豊作祈願と地の精霊への奉納の踊りを舞い祭りに華を添えたいと申しますがお許し下さいますか?」
そう言われた町長の耕雲が
「それは真ですか?命王女様が豊作祈願と地の精霊への奉納の踊りを舞われるようになって以来歌の国の作物の生育が良くなったと噂に聞き及びます
その恩恵を他国の私達にも預からせていただけると?」
そう訊かれた命
「みこ、伯母様も月光お兄さんも大好きなんだよ?だからそんな力がみこに有るなら二人に喜んで貰えるよね?踊りを奉納したら…」
そう言われて驚く二人に
「歌の国の王妃様は元はこの国の王女様ではありませんか?それに女王様が王女として迎えた乙女達は私達とも親しい方達
そして何よりもお祭り好きの私達が活気の無い祭りを放ってはおけませんね?」
そう言って鬼百合を見ると
「あったりめーよ、お前達だってそうだろ?」
そう言って少年少女達を見回すと皆口々に同意したから
「そーゆー訳だからアタイ等の飛び入り参加を認めちゃ貰えねぇだろうか?」
そう言われて感無量の二人は
「王女様が舞われる舞台を急いで清めねば…」
町長のその言葉に
「たけ、トン、ナン、シャー、ペー、力仕事をお手伝いしなさい
スーとミサは命様のお支度を、ミチには翔を任せ黒蓮様は二人を頼みます
鬼百合様は咲、なみ、ほなみ、みか、水樹を連れて自然な形で少女達が屋台を手伝える様に見守ってあげてください
ミサは私が支度しておきますから命様の支度が終わり次第貴女のアクセサリーを売りなさい」
そう言われて驚いているミサに構わず
「では始めなさい」
そう言って各々の役割を果たしに散っていった