闇に抗う影   作:春の雪舞い散る

44 / 63
属性だけでは決められない

 そして予定より遅れた一行が伯爵領に入ったのは更に三日後の昼近い頃でそれでも

 

 「今日はこの先の村で宿を取る事をお勧めします

 

 何故ならそこを早朝出ても次の街まで一日掛かりの距離があるからです」

 

 そう言われたので

 

 「では宿を取ったら皆をゆっくりさせる事にしましょう」

 

 それが朝食の時にユウ達で話し合われたことだった

 

 早めの昼食を取り午後のお茶の時間には未だ早い…そんな微妙な時間帯に村に入った一行

 

 ユウとしてはゆっくりさせるつもりが水樹、みか、ほなみは命に踊りの指導を望みたけと見習い騎士達も鬼百合や黒蓮に稽古を着けて貰う事を望んだ

 

 勿論命は謡華の稽古を望んだから苦笑いを浮かべそれを了承したユウ

 

 そして…やっとこれまで修行の成果でアクエリアスの結界の外で空中浮遊をして見せた翔

 

 未々不安定ですぐにバランスを崩しその場でくるくる回ってしまうけど本人は気にすることはない

 

 しかも立っているより楽なようですぐに気に入ったらしくそれ以降翔の足は滅多に地面に着く事はなくなった

 

 踊りの稽古は命の歌の稽古の間スーが見る事になり宿の食堂で歌の稽古を始める命

 

 その歌を聞きながら鬼百合が酒を飲んでいるとそれに倣い他の客達も酒やつまみを頼みだし厨房が慌ただしくなり…

 

 命の歌の稽古が終わり今度は命が踊りの指導をする番になり厨房が益々慌ただしくなり時ならぬお祭り騒ぎになった

 

 夕方近くになり畑仕事を終えた女房衆が状況に驚きながらも厨房を手伝い山羊飼いの少年達が山から戻ると搾りたての山羊の乳を命達に飲ませてくれた

 

 そんなつもりはなかったけど水樹はスーに基礎の足捌きを見させ咲、なみ、ほなみ、みかは豊作祈願を教え稽古させるのを見て宴会状態

 

 翌日の出発の際色々手土産を持たされた一行だった

 

 

 

 そして予定通りに一日掛かりの工程にさすがに疲れの見える一行はその翌日一日を休ませることにしてのんびり過ごさせた

 

 さらに5日の工程を経て伯爵の居城の在る街に着き素通りも具合が悪いので一応挨拶に寄ることにして伯爵の住む城を訪れることにして

 

 陰鬱な伯爵城は命達を歓迎する雰囲気は微塵もなくユウも

 

 (長居の必要はありませんね?取り敢えず挨拶は済ませたのだし)

 

 そう判断して早々に退去することにし今夜の宿を探すことにした

 

 その後十日の行程を経て白夜の国への唯一の入り口である運河の港町に着いた

が、やはり活気の感じられない町の様子に眉を潜める五人の男達が考え込む中命が

 

 「仕方有りません町の安寧の対価として笑顔を売ってしまったのだから…全く

 

 この地は元々蛇(邪)神を奉っていたのに付け込んだ貪蛇が好き放題にしているのだから…」

命のその言葉に驚いたユウが

 

 「放って置くのですか?」

 

 そう問われた命は

 

 「私の目からは貪蛇の分際でと映りますが貪蛇がこの地を守護してきたのもまた事実

 

 貪蛇の縄張りの結界が大公領の司祭の里が封じていた闇の口以上の魔が出入りする闇の口を塞いでます

 

 その上で尚も貪蛇を倒せと言いますか?」

 

 命が逆にユウに問い返すと

 

 「私にはわかりません」

 

そう答え目を伏せるユウに

 

 「勿論それは私にもわかりません…

少なくともこの地の者達が貪蛇を倒せと言うのならば力を貸すのもやぶさかではありませんが誰もそう様なことは望んでないのだから余計なお世話です」

 

 そう言われて納得はできないけどそれが現実なのかもしれないとも考えるユウだった

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。