「な、なんやて?ボクが足手まといやて?ナニゆーてんねんっ!
鬼百合パパのど阿呆っ!どけち、おたんこなすのあんぽんたんのすっとこどっこいっ!」
パシッ!そう鬼百合に罵声を浴びせていた翔の左の頬をユウの右手が打ったのだ…
「翔っ!」
そう短く叫んだユウの瞳は涙に濡れていた
「な、なに人の事しばいといて泣いとるんよ?泣きたいんわボクの方やわっ!ボクは何ひとつ間違ーた事ゆーてへん…のやからな…」
そう弱々しく言うとミチに抱き止められ船室に連れられていきユウが命に向かい
「うちの娘が申し訳有りません…」
と、でもいった感じで頭を下げ船室に入っていくのを見ながら
「みこ、済まねえな…うちのバカ娘が見苦しく騒いじまってよ…」
苦々しい表情で言う鬼百合に無表情で黒蓮が
「時が惜しい、急ぐぞ」
そう告げると
命と鬼百合を乗せオロチに向かい近付くと今度は逆に
「鬼百合、大変だよ…翔が危ない…みこ達、まんまと誘き出されちゃったんだ
敵の狙いは端から朱鷺色の鳥…翔だったんだよ…」
そう呟いて悔やみ焦る命に
ー今更嘆いていたところでどうなるものでもあるまい?翔を守りたくば案内してやるから乗れー
そう言われて
「聞こえてたよね?鬼百合に任せるから行って翔を守ってあげてっ!
みこは黒蓮の力を借りてオロチを封印してから戻るから」
命に云われその異様な非行物体に飛び乗ると急旋回して船に戻ってくれた
ー行け、空中に居る者は我とあの者(たけ)に任せお前は船室に向かえー
そう言って船の上を通過する一瞬を狙い甲板に飛び降りた鬼百合は迷うこと無く船室の翔の元を目指した
最初ミチの膝で悔し涙を流していた翔だけど
(なんや…このきしょい気配…前にどっかで…あ、アイツや…あの…みこのすとーかーの変態爺っ!)
ー誰が変態爺だ、口の減らんひよこが全く…
だが…ほう…成る程、あの跳ねっ返りのひよこが随分と可愛らしくなったもんだ…他の者に犠牲者を出したくなくば大人しく投降しろ
お前一人で我慢しておいてやる、さすれば他の者に興味ない故放っておいてやるのだがなー
嘲りの隠った声で言われた翔は
ー…わかった、あんたの狙いは知らんけどどーせ足手まといなんやからボク一羽の犠牲で皆が助かるんなら安いもんや
世話んなったから別れ告げるからちょい待っとき…ー
そう言って
「お別れの時がきたみたいやわ…みこも煮え湯飲まされた事ある奴がきよったけどボクの命と引き換えに見逃したる言いよったから行ってくる…
せやから…えーな、ついてきたらアカンで…絶対やでっ!」
そう言って取り敢えず身体に残る魔力をかき集め船室を飛び出すと万が一の可能性も無いけど特攻を仕掛けるつもりがそれはあっさりと邪魔された