闇に抗う影   作:春の雪舞い散る

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沈まない太陽

 翔を狙っていたのは闇の道化師だけではなかったのだから…

 

 とすっ…

 

 身体に衝撃が走り自分の身体に生えた物を見て

 

 「えっ…う、うそ…やろ…?」

 

 そう呟いてみたけど遅れてやってきた痛みが現実なのだと教えてくれていた

 

 (まぁ、しゃーないか…)

 

 そー思い諦めて目を閉じるとゆっくり崩れ落ちる翔

 

 その翔の姿を見て鬼神が荒れ狂った

翔を守れなかった自分自身に…見捨てた白夜の国の船乗り達に

 

 ー鬼百合っ、落ち着きなさいっ!

翔を勝手に殺さない様に…かなりヤバくはありますが未だ辛うじて生きてます

 

 急ぎ翔の身体から矢を抜き霊玉を埋め込み蘇生を試みますから守りを頼みますー

 

 そう言って、遅れて駆け付けた命が持つ霊玉達の中から自らの意思で翔を救うべく命の手に収まったのは真琴の霊玉でまるで翔の身体に埋め込むと小さな太陽が現れたかのような霊光が翔の身体を包むのを見ながら

 

 ーほう…火の精霊の霊玉に続き光の精霊の霊玉迄取り込むとは…

 

 愈々以て面白い素材だ、是が非でもワシの手に入れねばな…ー

 

 遠ざかりつつあるその闇の道化師の嘲笑に歯噛みするしかない命の苛立ちが鬼百合を冷静にし

 

 「どうするよ?みこ…」

 

 そう聞かれた命は

 

 「取り敢えず翔を連れて皆の元に帰りましょう」

 

 そう答えると翔を包む霊光を浮かせす仲間の元に戻ることにした

 

 

 傷は癒えたけど矢で射抜かれ致命的な刀傷が幾つもあった翔…元々不安定だった魔力が益々不安定になり意識も中々戻らない

 

 船旅はその後何事もなく無事に白夜の国の港に到着したけど翔以外は誰一人無事に辿り着けたとは思ってない

 

 特に鬼百合とユウの二人が誰にぶつけて良いのかわからない怒りを溜め込んでいた

 

 小さな翔の身体を慈しむ様に抱くユウと、そのユウを庇うように背後にたつ鬼百合達の姿は確かに一組の親子のように見えていた

 

 運河を渡り終えた命の一行は、迎えの馬車に乗り込むと白夜の国の王宮に向かう事にした

 

 不確定要素の多い謎の襲撃事件は闇の道化師の関与、弱かったとは言えオロチ迄出現したのだから大本は闇の侵攻と言えるかも知れない

 

 それでも騙されてか迄はわからなくても少なからずの人間が闇の者に与しているのは翔を見る目からわかる

 

 それでもそれを白夜の国の関与まで問えるかは甚だ疑問だ

 

 白夜の国…その国土は狭く広さ的には歌の国の大公領の在る島より少し狭く地味に富んでいるとは言い難い国土は温泉の熱による恩恵が無ければろくな作物も作れないだろう

 

 もっともその代わりに鉱物資源に恵まれているため経済的には困窮していなかったがそれは昔の事でいつからだろう?

 

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