魔物や海賊達が我が物顔で海を荒らし回り…、物流が滞り経済が停滞し始め
数年前の世界的な凶作、不漁を端に発した食料不足は鉱物資源の輸出で外貨を稼ぎそれでし大半の食料を輸入する
その白夜の国の経済をじわじわ圧迫している現状は闇の侵食を受けやすい状態と言えよう
国王夫妻に訪問の挨拶をしたのは命とユウの二人だけ
歌の国の大公家と舞の女神を祀っていた司祭の里を足して二で割った様な特殊な国は余り武張った雰囲気を好まないのでたけの同行も遠慮したのだ
温厚そうな二人からは邪気が感じられず談笑の謁見を終え供達の元に戻る命は歩く間も周囲の気配を探っている
未だ目覚める気配の無い翔の元に行き心配そうに見守りながらユウは
「命様と共に両陛下と陪席し食事を共にするのは私だけでよいでしょう
出来れば翔の側を離れたくはありませんが…」
そう言って溜め息を吐くユウに
「ユウ様…両陛下に変わりはありませんが側に居る者の様子が妙だ……
具体的にどう妙かまでは説明できませんが…」
そう言って首を捻るともう一人が
「右大臣の嫌味が無かったな…」
そうボソッと言って
「そうだ、あの嫌味大臣と揶揄されるイワン大臣が嫌味のひとつも言わんかったのに気づかんかったとはな…
嫌いだからと言って上官の言葉を聞き流す悪癖が有るからだ」
二人の話を聞いていたユウが
「やはりそう言うことでしたか…」
そう呟くと
「みこやユウが何か言った後よく王様が左後ろに居る人を見て不思議そおに首捻ってたよ?」
命がそう話すと驚いた鬼百合が
「みこ、お前…いつの間にそんな目配り出来るようになったんだよ」
と、言う鬼百合の言葉に
「鬼百合さん、聞いている人の反応を見て舞台を盛り上げられるみこちゃんは多分元から出来ていたと思いますよ?
ただ興味が無かったから反応しなかったのだと思います」
そう言われた鬼百合が
「ふーん…そんなもんかね?」
と、言うと
「春蘭さんがアクエリアス様から伺ったと言う話ですが…
みこは見てないようでちゃんと見て記憶の奥底にしまってありますが奥底すぎて自分自身その事を忘れてしまい何も知らないと思い込んでいるのです…
そう、みこちゃんの事を評したそうですから…」
そう言われた命が
「アハハハハっ…」
そう照れ笑いすると
(命様、余り誉められてませんよ?)
そう思うユウが溜め息を吐くと
「とにかく翔がアイツに目を付けられた以上対策を考えないと…
修行も一からやり直すとして…みこで良いのかな?今まで通りに…」
こんこんと眠り続ける翔を見ながら考え込む命に鬼百合