もう1人の主人公 作:おもち
「フレア、行くぞ」
「カゲ〜」
フレアが、よちよちとついてくる。
一番道路の草むらで、俺はフレアに現実を教えていた。
フレアは、数日前に孵ったヒトカゲ。オーキド博士の厚意で貰ったタマゴだったのだが、無事孵すことができて何よりだ。
パートナー、ピカチュウのレオンと共にデータを集めてみると、6V。拘るわけではないが、レオンも6Vだしちょうどいいのだろう。
そこからドーピングを始め、努力値を与えていく。
そこから、まずは体調管理などを徹底し、数日経って外に出しても大丈夫だとわかってから、マサラタウンから出して一番道路を歩かせている。
「よし、フレア。今から地図を渡す。此処が現在地、俺は此処で待ってるからな。レオンと一緒ではあるが、レオンは手伝ってはくれないぞ。いいな?」
「カゲ!」
「じゃあ、頑張るんだな」
それだけ言うと、俺は素早くフレアから離れていった。
そして、裏道を使ってマサラタウンに戻り、その外れの川へ向かう。
ポケットから取り出したモンスターボールを川へ向け、センタースイッチを押す。
赤いレーザーと共に出現したのは、アクア———ヒンバスであった。
今のところ、レオンにですら秘密にしている個体。オーキド博士に会いに来たカスミのミロカロスの子供。ちゃんと6Vであることも確認している。
「よし、アクア。訓練だ」
「ヒ!」
まずは、力をつけさせる為に、逆流して泳ぐことから始める。時間を掛けてでもいい、それを成功させたなら、次は出来るだけ早く。それを繰り返していき、どんどん筋力をつけていく。
これを始めてから、1年。軽々と波に乗り、泳ぐことが出来るようになった。
「全く、レオンに見つからないようにするのは大変だった……。が、もうすぐの辛抱だな」
「ヒィ!」
ご褒美に、青いポロックをひとつ食べさせる。
「よし、フレアが帰ってくる前に、初バトル、やってみるか?」
「ヒィッ!」
「じゃあ、コイキングかなんかを探してきてくれ」
アクアは元気よく返事をして潜っていった。
次の瞬間、大柄なコイキングと共に現れる。
「デカいの連れてきたな……。まあいい、行くぞ!」
アクアが戦闘体勢に入る。
それに合わせるように、コイキングも構えた。
「先手は貰おう。———れいとうビーム!」
「ヒィンーーー!!!」
口から、青白いビームを力一杯出す。
まだレベルが低いせいで大した威力もなく、反動も大きいがコイキングに対しては使える。
「コイィ!」
コイキングが、それを受けてウロコを凍らせながらも、たいあたりをかます。
「潜って避けろ!」
それを、水に潜ることで回避。素早く背後に回る。
「もう一度れいとうビームで決めろ!」
アクアのれいとうビームを避けることもせず、コイキングはアクアに迫った。
そして、じたばた。
「やばっ! アクア、耐えろ! お腹に力を入れて!」
お腹に力を入れているのかはよくわからないが、なんとか耐えきる。その間にも、コイキングは一度後退した。
掛けてもいい。次来るのは、たいあたりだ。
「来るぞっ! 水面をれいとうビームで凍らせろ!」
アクアが水面を凍らせ、近付けないようにする。
それに対し、コイキングは跳ねて薄く張った氷の上に乗り、スピードをつけて滑ってくる。
それってアリかよ。
「仕方ない、まもる! そっから距離をとれ!」
一度攻撃を防いでから、素早さを活かして距離をとる。
「相手は弱ってるぞ! 今だ、れいとうビーム!」
渾身のれいとうビームが決まり、今度こそコイキングが倒れる。
コイキングの口にきのみを押し込み、川に流してからが本番だ。
「ヒ? ヒ?」
「進化だぞ、アクア。この姿とはおさらばだ」
「ヒ、ヒ、ヒ!」
アクアの身体が白い光に包まれ、どんどん形を変えていく。
破れた尾は伸び、色は変わり、胴体は伸び———
「ミー!」
ミロカロスに進化をする。
「よし、そろそろ帰ってくる頃だな。戻れ、アクア」
モンスターボールのレーザーに当て、アクアを一度戻す。
ポケットに入れてある小さな機械を確認すると、もうすぐそこのようだ。自分のポケギアをレオンに預けていたのだが、GPSって便利だな。
「っと、来たか。おーい、フレア、レオン、お帰りー!」
「カゲ〜!」
「ピッカ! ピカピー」
飛びついてきた2体を抱き上げ、少々よろめきながらも水辺に運ぶ。
「よし。実はな、紹介したい奴が居るんだ」
「ピカピ?」
「カゲ?」
2体の見守る側で、俺はモンスターボールを軽く投げる。
「出てこい、アクア!」
赤いレーザーと共に、アクアが現れる。
「アクアだ。さっき進化したばかり。仲良くしてやってくれよ」
「カゲ〜」
「ミー」
アクアとフレアは早速遊んでいるが、何故か
「ピーカーピー?」
「ちょ、レオン、何怒ってるの……?」
レオンが激おこであった。解せぬ。サプライズ失敗? いやでも、レオンに嫌いなポケモンなどは……
「ピカピ! ピカピカ!」
「あ、ごめんごめん、内緒にしてて」
「ピーカーヂュー!!!」
「ぐぎゃーーー!!!」
内緒にしていたのが逆鱗に触れたらしい。特大のじゅうまんボルトを食らってしまった。
……解せぬ。
・パーティ
「レオン」
種族:ピカチュウ
性別:オス
性格:しっかり者
備考:6V
「アクア」
種族:ヒンバス→ミロカロス
性格:メス
性格:???
備考:地味に6V
「フレア」
種族:ヒトカゲ
性別:オス
性別:???
備考:6V