沈黙の復讐教室   作:またねや

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今回は話を変更する事になりすみませんでした

楽しんで頂ければ幸いです



救出

ん?…電話だ…

着信履歴にない電話ね

少し気になるけど…どうでもいいかな…

どうせこれから私は死ぬのだからね…

 

あとちょっとで楽に

 

ピッ

 

「え?」

 

 

 

「やあ、結子。居留守を使うなんて良くないぞ」

 

 

「な!!!」

 

思わず私は声を上げた

 

「元気かなー?」

 

「あ・あなたは誰ですか?」

 

 

私は反射的に聞いた

 

 

「俺か?俺はな彩菜の友達でコックをやっているケーシーライバックだ、よろしくな」

 

 

「ライバック?」

 

聞いた事もない人しかも日本人じゃない

 

 

 

「あぁ、ことわっておくがやましい関係じゃないからな」

 

「ちょっと貸して!」

 

 

彩菜の声がしてガリャリと音がした

 

 

「結子!」

 

 

「彩菜…」

 

まさかまた彩菜の声が聞けるなんて…

 

 

「ごめんね結子!…結子がこんなにも辛い思いしてたのに…私は…」

 

 

 

「謝らなくて良いわよ…彩菜を守れなかった私が悪いのよ」

 

彩菜が謝ることなんてないのに…

変にプライドが高い私のせいで更に酷いことになったのに

彩菜は私の事を心配してくた

どうやら状況は恵美が話したようね

 

 

 

 

 

「最後に1つ聞いて良いかしら?」

 

 

「どうして電話をかけられたの?」

 

 

「そ!そんな!最後だなんて!」

 

彩菜が言うとまたガリャリとむしる音がした

 

 

「簡単な事さ、俺のダチになその手に強い奴がいてな そいつに頼んで君のスマホをハッキングさせたのさ!」

 

 

またあの男の声だ

内容はとてもじゃないが普通の人ができる事じゃない…

 

 

「あなたは本当に何者なんですか?」

 

慎重に言葉を選んで投げかけた

 

 

「おせっかいが過ぎるただのコックだよ結子」

 

 

そう言ってケロリと言葉を濁した

 

 

 

 

 

「自殺なんかよせ、生きていれば良い事あるぞ」

 

 

「例えばそうだなー俺の作った美味しい手料理が食べられるぞ」

 

 

「………」

 

 

こんな状況にも関わらずにこんなこと言えるなんて

なんか変わった人だ…

 

 

「まあ、自殺なんて後からいくらでもできるからな」

 

 

 

「ライバック!!!」

 

男の無神経さに彩菜が怒鳴った

電話越しでもびっくりするくらいの大声だ

 

 

「今助けに行くから期待して待ってほしい」

 

 

 

 

「自殺は後でいくらでもできるか……そうね…期待しないで待ってあげるわ」

 

どうせ死ぬなら取り敢えず少し待てば良いかな

どうせ無理だと思うけどね…

そう思いながら会話を切った

 

ピッ

 

 

「期待しないでっか…」

 

ライバックがそう呟きそして私たちを見た

 

「よし!お前たちさっそく結子を助けに行くぞ」

 

 

 

 

ガンガン ガンガン

 

 

ライバックが言ったと同時にまた鍵閉めた扉から叩く音が

 

 

「どうやら新たなマヌケ共が来たようだな」

 

「どうしよう…外に出られる方法が…」

 

恵美がオロオロしている

 

今扉には人が押しかけている

普通に行けば時間がかかるし最悪捕まって助けに行けられない…どうしよう…

 

私はライバックを見たが

余裕の表情だ

何かあるのかな?

 

「何を言っているんだ?あれがあるだろう?」

 

 

ライバックはそう言ってある物に指を指した

それは火災時に使う緊急脱出シューターだ!!!

 

 

 

「でもあれは火事とかの緊急の事態でしか使えないやつだよ!!」

 

私はそう言ったがライバックは自信満々に答えた

 

「安心しろ、今が正にその緊急の事態さ」

 

 

 

あいかわらずのライバックらしさだが

これなら扉よりも確実にしかも早く校外に行ける

 

ライバックは素早く準備を始めたが…

その傍で恵美が外の風景を見下ろして言った

 

 

「この高さから降りるの…」

 

 

この問いにライバックは答えた

皮肉を込めて…

 

 

「嫌ならパイプ伝って降りるか?」

 

 

 

「まぁそっちの方もいいかもな。パイプの方なら確実にスリルがあってリアルバンジージャンプで天国へ吹き飛ぶくらい楽しめるしな」

 

恵美はさっきの出来事を思い出し顔面が真っ青になった

冷静ならあんな事するのは無謀すぎるのは分かる事

そして

 

 

「我慢します…」

 

 

「だったら最初からそう言うんだな」

 

恵美の事をそういなしたが

その間に準備は完了した

 

「早く行こう!」

 

 

私が急かすように言っと途端

 

 

 

 

「先生大丈夫ですか!?」

 

「何で倒れているんだ!?」

 

 

扉から先生の声がした

 

「だがその前にマヌケ共にコイツが使われた事に気付かれると面倒だ」

 

 

 

「どうするの?」

 

私が聞くとライバックはニヤリと笑い答えた

 

「こうするのさ」

 

 

ライバックはそう言うと腰を低くしてドアから脇にある小さな窓の方へ移動した

 

 

そしてポケットから何かの缶みたいな物を取り出しそれを

窓に目掛けて投げ込んだ

 

 

ガシャリン!!!

 

 

「なんだ!」

 

窓が割れ驚く教師

 

カラカラカラカラカラ

 

 

「ん?」

 

 

ブォーーーーーン

 

「なんだ!!!この煙は!!!」

 

「コッホ!コッホ!コッホ!目が!」

 

 

「よく見えない!目が痛い!」

 

「息が!!!」

 

割れた窓から煙りがもくもくと流れ

教師の悲鳴が次々に上がった

 

 

 

「何したの?」

 

 

 

 

 

「マヌケどもが声を上げて楽しめるちょっとしたパーティーグッズさ」

 

私が聞くとライバックはそう答えた

 

 

出来上がった脱出シューターは

先にライバックがスムーズに降りた

そして降りた後手際よく私たちが安心して降りれる準備をして

先に恵美が降りて次に私が降りた

走る登る降りる引っ張る色々動作があって色々忙しいな なんて考えてた

 

 

保健室

 

「自習が終わったらまた来るよ、先生お願いします」

 

 

山瀬裕也がそう言うと

保健室の先生は

分かりましたと答えた

 

 

 

「……?」

 

「塚本さんどうしたの?窓なんかジッーと見て?」

 

先生は窓を見た

 

「あれ?」

 

裕也が聞く

 

 

「どうしましたか?」

 

「誰か屋上の脱出シューターを使っている…」

 

校外

 

無事に降りた私たちは正門とは反対の方角へ走り

学校を囲うフェンスを乗り越えた

 

 

「ここからすぐに俺の車がある」

 

 

 

そう言ってライバックは車のある方へ案内してくれた

 

でも問題が…

 

 

いかにもワル感じの金髪の不良が2人車の周りにいた

 

1人はドアの鍵あたりを凝視して何かいじっている

 

もう1人は手には小さい四角いような物を持っていた

 

直感的にやな予感がした…

 

 

 

 

「全くトラブルによく巻き込まれる…」

 

 

そうライバックが呟くと不良達に近づいて行った

 

 

「お前たち!手こずっているな!」

 

 

「そいつはサッとやんなきゃ、俺はその道のプロだ。あっと言う間に開けてやるよ」

 

 

不良たちはお互いの顔を見合わせて1人が言った

 

 

「じゃあやってみろよ」

 

 

「見てろよ」

 

 

ライバックはポケットから車の鍵を出してボタンを押した

すると車の鍵が開いた

 

 

「ほら開いた」

 

まあライバックの車だから当たり前だけどね

 

 

「お前は手品師か?」

 

 

「何ならお前の口からハトを出したっていいんだぞ」

 

 

そうライバックが言った後

恵美が割って入ってきた

 

 

 

「あのー!取り込み中悪いですけど…私達急いでいるんで…」

 

 

「恵美お前は引っ込んでいろ」

 

 

この言葉に恵美は驚きライバックに突っかかった

 

「何でよ!早くしないと結子が!こっちは死ぬ気でやってるんだよ」

 

「ここにいたら死ぬ気のつもりが現実になる、だから引っ込んでいろ」

 

 

ライバックが言うけど結子の事で頭が一杯の恵美には届いておらずさらに食ってかかった

 

「何でよ!分からないこと言わないで!!」

 

 

 

 

 

 

「強情だな、学校でも死にかけて今度はここで死にかけたいのか?お前は不死身の類なのか?」

 

 

呆れて皮肉を込めて反論する

 

「ふざけないで!あんた達も早く行って」

 

 

そう恵美が言うと不良の1人はポケットからナイフをチラリと見せた

 

 

「ヒッ!」

 

 

恵美は小さな悲鳴をあげるが不良達は何とも思ってなく

表情をかえずに言った

 

「鍵をよこせ」

 

 

 

「ちょっと待ってください!私達は時間が無いんです!早くしないと結子大変なんです!」

 

「そんな事聞いてねぇーんだよ」

 

 

「お願いします!」

 

 

恵美が必死に状況を話して説得しようとするが相手は聞く耳を持っていなかった

 

「オイオイこっちはお前たちと遊んでいる暇はないんだ」

 

 

「何挑発してるのよ!」

 

ライバックの言葉に噛み付く恵美

でもライバックは何とも思わずに話しを続けた

 

 

「とっとと消え失せさえすれば何も言わない」

 

 

 

 

「そうはいかないな、鍵をよこせ」

 

押し問答だ…

 

ライバックは腕時計を見て言う

 

「ハァー聞き分けない奴らだ。彩菜忙しい所悪いが10秒ほど時間をくれ、こいつらに鳩の手品を指導してくる」

 

 

 

「いいけど…」

 

不良の1人はナイフを手にしてライバックに近づく

 

 

「ごちゃごちゃ言わずに早くよこせ」

 

 

 

ライバックはナイフを持つ手を素早くきつくひねりだした

 

「ああああぁぁぁーーーーー!!!!!!」

 

 

そして空いた拳を下から上へ鞭で打つようにしなやかに強く不良の顎に目掛けてヒットした

 

 

 

 

不良は口から血を少しこぼして崩れるように倒れた

 

もう1人の不良はライバックに向けてパンチをするが

 

ライバックは腕でさばきラリアットを不良の首あたりに叩き込み

不良は倒れた

 

 

 

「よし片付いた」

 

ライバックは再び腕時計を見て言った

 

 

「すまないな彩菜、5秒オーバーしてしまった」

 

「全然気にしていないわよ」

 

 

私は慣れっこだから普通に返したけど

恵美は初めてライバックのやり方を見て顔を真っ青にして聞いた

 

 

 

「だ・大丈夫ですか…これ…」

 

 

「大丈夫だ、殺されかけた所だったんだぞ。正当防衛だよ」

 

 

ライバックの場合は過剰防衛だと思うけどね…

 

私の考えを読み取ったのかふっと私の方へ振り向きライバックは言った

 

 

「何か言いたげだな」

 

 

「…何もないよ」

 

心臓バクバクしながらも平常を装って答えた

ここで もし口が滑ったら私も彼らみたいになりかねない…

 

 

 

 

「そうか…こいつら邪魔だな…さっさとどかして行くぞ、お前たちも手伝ってくれ」

 

 

「分かった」

 

「えー動かすのー…やだなー」

 

恵美が露骨に嫌がるのだがライバックはお構いなしに言った

 

 

「嫌ならお前にも鳩の手品を指導してやろうか?」

 

 

これには恵美は投げやりに答えた

 

「分かった!分かりました!!やります!!!」

 

 

「素直な子は好感が持てる」

 

 

そう言った後私たちは不良達を道路の脇に置いて

急いでライバックが用意してくれた車に乗り込み

結子の家に向けて移動した

 

 

 

 

最初は誰もが沈黙していたけど…

 

 

 

 

ライバックはよっぽど日本の道路環境が気に食わないのか

次第に愚痴をこぼす

 

 

 

「日本の道路は狭いなー行きづらい」

 

 

「しかも一方通行だとか速度制限やら息が詰まりそうだ」

 

「こいつ音楽聞きながら自転車をこいでやがるな、事故死したいのか?」

 

 

結子の事もあるけどあまりにうるさいから少し苛立ちながら言ってしまった

 

「文句言わないで運転して」

 

 

「分かってるよ…おい恵美!そこのケースを勝手にいじるな!死にたいのか?」

 

ちょうどその時恵美が四角い黒のケースの中身が興味あるらしく

触ろうと手を出しているところだった

 

「いじってない!触れただけ…大袈裟だよ!」

 

 

「お前は死にたがり屋か?今度下手に触ったらここの物を全て弁償だからな」

 

 

恵美はびっくりして答えた

 

「なんでよ!」

 

 

「何かやらかしたらお前のせい以外の何者でもないからな、それが嫌ならちゃーんと大人しくしているんだな」

 

 

「フン!」

 

 

恵美はプイと不機嫌な顔をして外を見た

 

そんな会話を聞きながら

私はずっと考え事をしていた

いざ結子に会った時に

どう言葉をかければ良いんだろう?

自殺しかけている友達に下手に励ましたりすれば逆効果だろう…

ならどうすればいいのか分からない…

いくら必死に考えても

出てくるのは不安で不安で頭がいっぱいになるだけだ…

恵美もそうだろうけど…

 

 

 

 

 

 

 

 

そうこうしてる内に

結子の家についた

私と恵美は急いで降りて家のドアを開けようとするが鍵がかかっていた

 

 

「あ・開かない鍵が掛かっているどうしよう?」

 

恵美はオロオロして話した

対してライバックは相変わらずの余裕だ

 

「こういう時は押してダメならって奴だな」

 

 

そう言うとライバックは家の裏側へ歩き出した

 

 

「ちょっとライバック待って」

 

私の制止を聞かずにスタスタと歩くライバック

私達は後を追った

 

 

 

ガラスサッシの前に立ったライバックはポケットからコンパスみたいな物を取り出した

 

 

「そんなのでどうするの?」

 

私が聞くとライバックはニヤリと答えた

 

「こう使うのさ」

 

そのコンパスみたいな物を鍵のある位置にガラスの上に置いた

 

それをくるりと回し

そしてライバックは拳でガラスに少し衝撃を上げると

綺麗に回した部分だけパカリと取れた

私は思わず感動した

 

 

「すごい…」

 

 

恵美は興味津々だった

 

「ねぇ、それどこで手に入るの?」

 

 

「企業秘密だ」

 

 

ガラスに空いた穴からライバックは手を入れて鍵を開けガラスサッシを開けて中に入った

 

 

 

 

 

 

 

リビングみたいで立派なテーブルにイスに食器棚があった

 

「彩菜来てくれ!」

 

突然ライバックが声を上げるので何か手がかりになるものを見つけたと思い

2人してライバックの元に駆け寄った

 

 

「何か見つけた」

 

私が聞くとライバックは感心して嬉しそうに答えた

 

 

「こいつはすごいなー!素晴らしいキッチンじゃないか!食器棚も立派だし食器もいい物だ。どれもデザインは抜群で収容棚もよく考えられているし手入れもしやすい。バカ親にはもったいないな」

 

それを聞いて私は呆れ返って思わずため息ついた…

そんな事で呼び出すなんて…

嫌味も込めて聞いた

 

「それだけ」

 

ライバックはなお嬉しそうに答えた

 

 

「こんなキッチンなかなかお目にかかれないぞ」

 

その態度にイライラしてきつく言った

 

「ふざけないでちゃんと探して!」

 

ライバックは不機嫌そうに答えた

 

「ふざけた訳じゃなくて感想を言っただけだ」

 

ライバックはキッチンを名残惜しそうに見てその場を後にした

 

 

壁には門限の紙や成績の紙などがずらっーと並んでいて内容も細かくきちんとデータを取ってある

 

結子の親の異常な厳しさは聞いたから知っていたけど…

まさかここまでとは思っても見なかった…

普段からこんな目に遭っているかと思うと気持ちが…

 

 

紙をみた恵美も私と同じように真っ青で辛い表情をしていた

 

 

さらに進むと普通の家内の中に頑丈な鍵がたくさんかけられた明らかに不自然なドアがあった

 

 

「なんだろう?この部屋?」

 

 

 

「結子いるの!」

 

恵美が話しかけた

すると

 

 

 

「…来たの」

 

小さな声で結子が返事をした

 

 

 

「まさか本当に来るなんて…」

 

 

間違いない!結子の声だ!

…でも声はいつもの元気がなく弱々しい覇気の無い声だった

 

 

「結子待ってて!今鍵を探すから!」

 

恵美が言うけど結子はか細い声で答えた

 

「こんなにたくさんの鍵を探していたら親が来ちゃうわよ…それにここにあるかどうかも分からないし…」

 

 

その答えに恵美は焦せり必死に考えて言った

 

 

「ど・どうしよう!ハンマーか何かで!」

 

 

 

「恵美…分かっているでしょう…そんなんじゃ鍵は壊せない…」

 

もう何をしても無駄…全てを諦めている感じだった…

 

 

どうしよう……

 

 

このままじゃ…結子は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どう話すとか こう話せばいいとか もう 分からない!!!

 

 

 

 

 

私はもう考えることをやめて鍵のかかったドアに近づき声を上げて結子に私の気持ちをぶつけた!

 

 

「諦めないで!!!」

 

 

「助かる方法はあるよ!!!元気を出して!!!」

 

 

「生きるのが辛いなら私や恵美が力になるわ!!!」

 

 

「私 結子に言わなきゃいけない事や謝らなきゃいけない事があるの!!!」

 

「またいつものように楽しく笑いながら買い物したり喋ったりしよう!!!」

 

 

「だから自殺なんてやめて!!!」

 

 

 

「結子…お願い…」

 

こんな事しか出来ない私は悔しさで涙が溢れ

ゆっくり崩れるようにかがみ込んでしまった

 

 

 

 

「彩菜…私は…」

 

私の呼びかけに反応した結子

その声には希望を見出そうとする気配を勝手にだけど……そう感じた…

 

 

 

 

「ちょっといいかな?」

 

突然ライバックが割り込んで来た

 

「おい!結子!よーく聞け!その扉から離れて壁の隅っこにいろ!」

 

ライバックの声を初めて間近に聞いて結子は少し驚いて答えた

 

「その声もしかして…」

 

 

 

でもライバックはお構いなしに大声で言った

 

 

「とにかくいいな!死にたくなければ俺の言ったこと死守しろ!分かったな!」

 

 

これには結子はさらに驚いたがちゃんと返事をした

 

「わ・分かりました…」

 

一体何するつもりなんだろう?ライバックのやる事は予想が立たない

 

 

 

「何するの?」

 

恵美が驚きの眼差しでライバックを見た

私もどうするのか気になった

 

 

 

 

「電話で言っただろ。手料理を食べさせてやるって」

 

 

「言ってたけど…」

 

 

確かにそんな事言っていたな

と私は呑気に思っていたが

ライバックの口からまたとんでもない事を言った

 

 

 

「だから手料理を作ろうと思ってな」

 

 

「ライバック手作り10分クッキングだ!」

 

まさかここに来てこんな事を言うなんて…しかも料理とは…

私は呆れてしまった

 

 

 

「そんなことしてる場合じゃない!!!ふざけないで!!!」

 

逆に恵美は激しくライバックに噛み付いた

 

「批評は後で聞く、いいキッチンだからなー腕が鳴る」

 

 

そう言うと彼は料理の準備を始めた

 

 

 

「いい加減にして!!!」

 

 

恵美がライバックに掴みかかろうとしたので私は腕を掴み止めた

普通なら恵美のように暴れるけどね

 

「恵美大丈夫だよ」

 

恵美は一瞬驚いた表情をしてその後私に詰め寄った

 

「どうして!どうしてそう落ち着いていられるの!」

 

落ちついていると言うよりも呆れているんだけどね

 

…でも

 

 

「ライバックは何かとふざけた感じでいるけどそれでも頼りになるし信頼できる大人だよ

だから信じてあげて」

 

 

 

「彩菜…」

 

 

恵美は私の言葉に素直に聞いて落ち着いてくれた

私の言葉を聞いたライバックが手を止めて私を見て少し不機嫌な顔で言った

 

 

「なんか妙に引っかかる言い方だな」

 

事実だから仕方ない…

いまそんな事よりも進み具合が気になった

 

「それよりもライバックどう?順調?」

 

 

 

「あぁ順調にこしらえているよ、まずはこの高圧鍋を使うぞ」

 

「それにしてもよく出来た高圧鍋だ。ここにある上質なじゃがいも入れたらホクホクの美味しいおいもになるぞ」

 

ライバックはキッチンをくまなく荒らし

高圧鍋を目の前に置いた

 

「鍋の中にこの粉を入れるぞ」

 

ライバックは持って来たバックの中から茶色い瓶を取り出し鍋の中瓶に入っていた黒い粉を鍋の中に入れた

 

 

「さらに…」

 

 

そう言うと車の方へ行って来てあの恵美が触ろうとした頑丈な四角い黒のケースを持って来た

 

そして中を空けた

すると中にはよく見かけるプチプチがたくさん入っていてその中から瓶を慎重に取り出した

 

 

 

「自家製調味料を入れるぞ」

 

 

 

そしてそれを瓶のまま鍋に入れた

瓶の中身は透明のゲルのような物だった

 

鍋の中にそのまま入れたり色々いじったりしている

 

 

どうやら本当に料理を作るつもりはないみたい

どちらかと言うと料理よりも工作と言ったほうが正しい

 

 

 

そうこうしているうちに10分過ぎていた

 

 

私は心配になりライバックに尋ねた

 

「10分オーバーしているけど大丈夫なの?…」

 

 

 

 

「俺のレギュラー番組は夢のまた夢か…悲しいな…」

 

そうライバックはボヤいた

 

そして

 

 

 

「よし!俺の手料理 完成だ!少し手間取ったが威力抜群!」

 

そう言ってドアのそばにこしらえた鍋を置いた

そして鍋から距離を置いた

 

 

 

「さらにトッピングとして」

 

 

ライバックは手を上着の内側に突っ込みそして黒い金属でできたL字の物を取り出した

 

まさか…

 

 

 

「こいつを添える!」

 

 

そう言うと黒い物体からパンと音がして

その後ナベが大きな音を立てて爆発した

 

 

 

 

 

ドカーーーーーーーン!!!!!!

 

 

 

「きゃああぁぁぁーーーー」

 

私達は爆音と爆風にさらされながらうずくまって互いに抱き合って耐えた

 

 

砂けむりが落ち着いた頃に恵美がライバックに激しく詰め寄った

 

 

「あんた何してんのよ!!!」

 

 

当のライバックはケロリと答えた

 

「何って手料理だと言っただろ?」

 

「手料理!!!どこが!!!」

 

 

 

「だから言っただろ威力が抜群だって」

 

 

そう言い合っている間に爆破で壊れたドアから人影が…

 

 

 

「コホコホ…何が起きたの?」

 

 

結子だ!!!

 

 

 

「ゆ…結子ぉぉ!!!」

 

 

恵美が叫びながら結子に駆け足で近づき

涙を流しながら結子を抱きしめた

 

私も駆け足で近づいて涙を流しながら結子を抱きしめた

 

 

結子に無事に会えた!!!

さっきまで不安に埋めつくされたのが嘘のように消え

代わりに安心感が埋め尽くされた

 

 

 

「良かった!!!無事で良かった!!!」

 

「心配したんだよ!!!」

 

 

「恵美…それに彩菜…」

 

恵美から話し私も続いて話した

 

 

 

「ごめんね…あなた達には迷惑かけちゃったね」

 

 

結子は申し訳なさそうに話した

 

 

 

 

「迷惑だなんて!!!また結子に会えてよかった!!!」

 

恵美が話し

 

 

「心配したんだよ結子」

 

 

私も言った

 

「彩菜の言葉…胸に響いたわよ」

 

私はそれを聞いて反射的につい言ってしまった

 

「だったら約束して!二度こんな事しないで!」

 

結子は涙をポロリと流して笑顔で頷いて言った

 

「うん、約束する」

 

 

よかった…

 

 

 

「よう結子元気そうだなぁ、助けに来たぞ」

 

 

ライバックが結子に話しかけた

 

「あなたは電話の…」

 

 

ライバックの声にハッとしてライバックの方を見た

 

 

「どうだ俺の手料理気に入ってくれたか?俺の得意料理 爆弾だ」

 

 

 

「ば…爆弾…」

 

結子の顔が引きつっている…なかなか見れない光景だ

 

「レシピは簡単だぞ、ナベとか火薬とか身近な物を使えばいいんだからな」

 

 

「あぁそうだった、自家製調味料に関して俺みたいな一流のコックでないと難しいだろうな」

 

 

相変わらずのケロリと話し続けるライバック

 

「何ですかその自家製調味料って…」

 

 

恐る恐る結子が聞くとライバックは嬉しそうに答えた

 

「レシピが知りたいのかな?しょうがない特別出血大サービスだぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ニトログリセリンだ」

 

 

 

 

結子はその言葉に目を見開き心底驚いて問い詰めた

 

 

 

「ニトログリセリン!!!どうやって!!!」

 

 

 

「どうやってって 病院から頼んでありがたく頂いたのさ」

 

 

ライバックはケロリと言ったが私の経験からして強引に手に入れたに違いないと思うけど…

 

 

 

「医療用ニトログリセリンを使ったんですか!!!」

 

その言葉に恵美はハテナマーク

そのまま結子に聞いた

私もまさかそんな物が病院にあるなんて知らなかった…

 

「ねぇ結子、医療用ニトログリセリンって何?」

 

 

「狭心症の時に使う薬みたいなもの」

 

結子は慎重に答えた

 

「えぇ!!!ニトログリセリンって薬になるの!大丈夫なやつなの?それ…」

 

「普通ならを添加物を入れて刺激を与えても爆発しないようにしてあるわ」

 

 

「なーんだそうなんだー」

 

恵美はそれを聞いて安心して頷いてしまったけど

私はそれでは納得しなかった

結子は私を見て私の考えを読み取ったのか

次のように付け足した

 

 

 

「でもそれをしっかりとした知識を持って加工すれば爆薬として使う事が出来るわ」

 

「えぇ!!!そうなの…」

 

結子の言葉に恵美は驚いていた

 

「…てことは下手すれば私は」

 

 

恵美はみるみる真っ青になっていた…

理由は簡単だ

入っている箱を恵美が触ろうとしたからだろう

恵美の言う通り下手すればライバックと私も含めて爆発に巻き込まれたかも…

車内にある物弁償どころでは済まない…

 

 

そう思うと冷や汗が…

 

 

 

 

 

そして結子の視線はライバックが持っている物に向けられた

 

 

 

「手に持っているのはもしかして…」

 

 

 

「トッピングだ」

 

 

相変わらずの態度だ…

 

 

「そうじゃなくて!」

 

 

「レシピが知りたいのか?欲張りさんだなーコルト M1911A1」

 

初めて聞く名称だ…さすがの結子も知らないみたいでライバックに聞いた

 

 

「何ですかそれ?」

 

「人気のある自動拳銃で俺のお気に入りの1つさ、お勉強になっただろう」

 

ライバックは豆知識 披露 のようなノリで得意げそうに答えた

 

「…銃って家で使っても大丈夫なものなの?」

 

恵美が恐る恐る結子に聞くと

結子は呆れ顔で言った

 

「そんな訳ないでしょ…持っているだけで捕まるわよ」

 

 

「あ…やっぱり…」

 

 

ライバックのやる事にはいつも驚いてはいるけど

今度のは比較にならないくらい驚いた…

 

 

 

「まさか銃を使うなんて…何で持っているかは聞かないけど…」

 

そのつぶやきにライバックはさも当たり前みたいな感じで答えた

 

 

「そりゃハンマーで駄目ならコイツらを使うのが常識だろう」

 

そんな常識どこにあるんだろうか…

恵美も結子も私も呆れる他なかった…

 

 

「思ったんだけどこんな派手な事しないでもそのトッピングとかで何とかなったんじゃないの?」

 

恵美がそうライバックに聞いた

そう言えば銃で鍵を壊せば

わざわざこんな大 荒技使わなくてもいいのに…

 

 

「安月給のコックさんとって弾代はバカにならないんだよ、経費節減なのさ」

 

その言葉に結子は眉をひそめて聞いた

 

 

「あなたは本当に何者ですか?普通医療用ニトログリセリンを加工して持ち運ぶなんて相当の知識がないと出来ない芸当ですよ?しかも銃で正確に狙って撃つなんて…」

 

 

確かに気にはなるけど

どうせ聞いてもはぐらされるだけだ…

それなら押し問答するよりもここを出るほうがいい

私は外に出るように催促した

 

 

「結子 とりあえずここから早く出よう」

 

 

私がそう言うと

恵美もそれに賛同してくれた

 

 

 

「そうだね」

 

 

「おじさんの話しも少しは聞いてほしいなー」

 

ライバックは悲しそうにそうボヤいた

 

 

そして私達は移動した

私は内心ヒヤヒヤしていた…

 

早く出ないと!

万が一あの両親が来たら…

そう思うと足取りが早くなる!

 

 

リビングについた

 

 

あとはライバックが開けた所から出るだけ…

 

 

「何だこれは!!!」

 

 

 

「あなたあの2人 学校にいたわ!!!結子をたぶらかした仲間に違いない!!!」

 

 

「お前達!!!結子をどうするつもりだ!!!」

 

 

しまった!!!

もう戻って来るなんて!!!

 

 

恵美も困惑して結子に至っては顔は真っ青で俯いて肩を抱き寄せブルブル震えていた

 

その姿に私は結子の両親がいかに長い間結子を苦しめて来たのか実感させられた

 

私の中に両親に対する怒りがこみ上げて来た…

 

 

「お前は結子の両親だな…」

 

ライバックは低く唸るように言いそして

 

 

「いいか!耳の穴かっぽじってよーく聞け!こんな牢屋みたいな部屋を作りやがって!…お前の家はな建築法違反してたから俺が無償改築してやった、俺に感謝しろ!」

 

ライバックの言葉に父親は顔を真っ赤にして叫んだ

 

「なんだと!!!」

 

 

「結子、君はどうしたい?」

 

突然のライバックの指名に驚く結子

 

 

「え?」

 

「君はどのように生きたいのかな?」

 

 

いつものふざけた感じでなく真剣な表情で結子に聞いた

 

「わ…わた……わたし……は……」

 

 

思っている事があるだろうけど

それを口にするのがいかに恐ろしいことなのか心身ともに身にしみているのだろう…

震えるように言った

 

 

「何してるだ!!!結子耳を貸すな!!!こいつはいかれている!!!」

 

結子の父親は大声で叫んだ

そしたらライバックがイラついた感じの口調で言った

 

「少しは黙ったらどうなんだ?」

 

「なんだと!!!」

 

相変わらずに震える結子

 

 

 

私は結子の手を握った

 

結子は顔を上げて私を見た

 

 

「大丈だよ結子、私がついてる」

 

 

「私もだよ」

 

私に続いて恵美も結子の手を握った

 

 

「彩菜…恵美…」

 

突然手を握られて驚いてはいたけど

私達を見て決意したのか改めて両親の方を向き話した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わ…私は…自由になりたい…」

 

「私の意思で判断選択して私だけの人生を切り開きたい…」

 

私達は結子の手を握っているから分かる

かすかにだが体が震えていた

まだ恐怖に囚われていながらも結子は自分の思っていることを吐き出した

 

 

「それが君が望んでいる未来かな」

 

 

「この親不孝者めー!!!これだけお前の事を思っているのにそんなくだらない事を考えていたのか!!!」

 

結子の必死の想いを完全否定する父親の言葉

 

 

 

 

許せない!!!

 

 

 

私はその言葉を叩き潰すかのように激しく感情的になって言った

 

 

 

 

「くだらなくなんかありません!!!」

 

 

「結子は結子の想いや人生があるんです!!!」

 

「それが親であれ邪魔する権利なんてありません!!!結子に謝って下さい!!!」

 

 

 

 

「うるさい!!!他人分際がぁ!!!」

 

「よそ者は!!!黙ってぇ!!!」

 

 

私の言葉に激昂して反発する両親

 

私は構うことなく続けた

 

 

 

「私は…結子の友達です!!!」

 

 

「だから結子を苦しめるあなた達を許しません!!!」

 

 

私の言葉を聞いた結子が泣きながら私に話しかけた

 

 

「あ・・彩菜…ありがとう…また友達と言ってくれて…私…」

 

 

私は結子を抱きしめて

優しくささやく

 

 

「何も言わなくても分かるよ結子」

 

 

 

 

私はライバックの方を見た

そして私の想いを託した

 

 

 

「ライバック!お願い…」

 

ライバックは真剣な表情で力強く答えた

 

 

「任せろ!このネジのぶっ飛んだバカ親をしっかり教育してやるよ オレ流でな!」

 

ライバックの言葉に激昂した父親は叫んだ

 

 

「このゴミクズどもがぁ!!!お前みたいなのがいるから社会がおかしくなるんだ!!!」

 

ライバックは皮肉をたっぷり込めて反論した

 

 

「まあ俺も少し普通の人とはずれていると思うがお前達ほどじゃない。社会がおかしくなるのは俺のせいじゃなくお前達や教室に棲む害虫とかそうゆうのが多いからだ。よく勉強しろよ」

 

 

ライバックはだいぶ変わっているけどね…

こんな状況の中でも冷静にそう心の中でつぶやいた

 

 

 

対照的に父親は逆鱗に触れたとか感情を爆発させたとかそんな感じなり

激しく感情的になって叫んだ

 

 

「お前達のせいで結子がおかしくなった!!!粛正してやるぁ!!!!!!」

 

 

 

「ネジがぶっ飛びすぎて会話にもならない、困ったやつだ!」

 

 

 

 

 

 

その言葉を聞いてすぐに結子の父親は腕を後ろへ大きく振りかぶり拳を握りしめてライバックを殴りかかろうとした

 

 

拳がライバックに向かうが

片手でさばきその隙にライバックは父親の顔面と腹に素早く数発拳を叩き込んだ

 

 

父親は後ろへ後ずさりした

 

 

「ライバックさん父はとても腕っぷしがつよ」

 

 

 

「罪人がぁ!!!」

 

 

結子の言葉の前に結子の父親が再び後ろへ大きく振りかぶり殴ろうとするが

ライバックは前蹴りをお見舞いした

父親に直撃して勢いよく後ろに吹き飛び食器棚に激突!

木製のガラスは飛び散り中の陶磁器の食器は衝撃で落ちて粉々になった

 

 

「素晴らしい食器と棚がパァーだな」

 

皮肉を言った後結子の方を見て聞いた

 

「所で結子何か言ったか?」

 

 

「あ・・そのー」

 

思いの外ライバックの対応に困惑する結子

 

 

「結子大丈夫、ライバックなら余裕だよ」

 

「そうそう、だって不良だって軽々だったから」

 

私から話しそれから恵美が話したが

恵美も言葉に結子は疑問を持った

 

 

「不良?どうゆう事?」

 

 

ここに来る前にひと騒ぎがあったけど

今ここで言うと結子が混乱しそうになるかも…

 

 

 

 

「まあー……後で話すよ」

 

 

それを察したのか恵美がそう答えた

 

 

「このゴミが!!!」

 

 

そう父親が叫ぶとライバックにめがけて姿勢を低くしたまま勢いよく突っ込んできた

 

 

ライバックは突っ込む手前で両手は父親の左右の肩の服に掴みそれを下に引っ張ると同時に足を払った

 

すると父親は勢い余って転がりキッチンの収納扉にぶつかり扉の一部が壊れた

 

 

 

「まだやるか?」

 

 

「粛正してやる!!!粛正してやる!!!粛正してやる!!!!!!」

 

父親は前を見た姿勢のまま後ろに移動して距離を置こうとする

ライバックは父親に近づき距離を詰めようとする

 

 

 

「喰らえぇー!!!」

 

 

 

ライバックへ数発拳を叩き込むが全てさばかれ

逆にライバックが父親に腹に顔面を再び素早く拳を数発叩き込み最後顔面に強く叩き込んだ

 

 

「グァ!!!」

 

 

父親は後ろへ吹き飛び食卓テーブルに背中から当たりそのあと一回転して後ろへ転がり落ちた

テーブルにあった食器と瓶は落ちてガシャンと鳴り壊れた

 

 

立ち上がった父親はライバックに近づき右パンチをするがライバックにさばかれる

しかしその瞬間に父親は左足でハイキックをする

 

 

ライバックは見事に反応してその足を脇に抱えるようにして固定した

そのあと父親を支えていた右足を蹴り父親はバタンと倒れた

 

ライバックは父親の襟元を掴みそのままキッチンへ引きずりそして放り投げた

 

 

ガシャン!!!

 

 

キッチンに置いてあったグラスや食器などが振り落ちて割れたり吹き飛んだりした

父親はキッチンに仰向けの状態になった

 

 

起き上がろうとするが近づいたライバックに蹴られさらに奥にのめり込みながら仰向けになり

その隙にライバックが至近距離まで近づくと連続で数発 顔に拳を叩き込んだ

 

「グァ!…グァ!…グァ!」

 

 

そしてそのあとまた襟を掴み後ろへ放り投げ食卓テーブルのそばにある椅子に直撃して椅子がガシャンと壊れた

 

 

「いいキッチンも台無しだ!」

 

 

 

父親は姿勢を低くしてライバックに向けてタックルをしてライバックは押し込まれてしまい一緒に倒れ込んでしまった

このままだと馬乗りになって攻撃される

 

 

しかしライバックはそばにあった缶詰を掴み父親のこめかみに向けて殴りつけた

 

父親は手を離して横に転がった

 

 

父親の束縛に解放されたライバックは再び立ち上がった

 

 

「全力でかかって来い」

 

 

父親はライバックの顔面に目掛けて蹴りをひと蹴りひと蹴り入れ続けるがライバックにさばかれている

 

 

「どうした?」

 

 

「その程度か?」

 

 

「お目覚めかな?」

 

 

余裕の態度に父親は苛立った

 

 

「このぉーー!!!」

 

顔面に目掛けて蹴りを入れ続けるが途中

ライバックは右手でさばき

次は左手で内側から外側へ払うように体をひねってさばき

その隙に股間辺りを蹴り上げた

 

 

「グァァ……」

 

父親はゆっくりとうずくまりながら倒れたが少ししてゆっくりと

立ちがるや否や電話機を置いている棚へ走り出した

 

 

「どこへ行く?」

 

 

 

ライバックが近づく

 

父親は棚の引き戸を開けてガサガサ探しそしてライバックに振り向き手に持っているのをライバックに向けた

 

ドライバーだ!まずい!

 

私は心配になりライバックの顔を見るが何とも思ってない様子だ

 

 

「武器か?構わないぞ」

 

ライバックは余裕な感じで答えた

 

 

父親はドライバーをライバックに向けて真っ直ぐに突き刺そうとするが

 

ライバックは左腕で弾き右手で父親の首を掴み前へ思っ切り強く押し出した

 

 

 

 

 

父親は後ろへ倒れ電話機の置いた棚はガシャンと壊れ電話機も吹き飛んだ

 

 

 

「オラーー!」

 

父親は大きく振りかぶり刺そうするが

ドライバーを持つ手をライバックに掴まれ空いた手は父親の肩の服を掴み下へ引き寄せ腹にヒザ蹴りを3発くらわせてから

父親の片足を蹴り飛ばしながら掴んでいた肩を更に下へ引っ張った!

父親はくるりと回転しながら転げた

 

 

 

 

再び立ちがり今度はライバックの腹にめがけて刺そうとするが

 

ライバックは素早く腕を下へ叩き込んだ

 

ちょうど父親の手首にあたりドライバーは落とされ

下ろした腕はすぐに上げられ拳の甲が父親の顎に直撃!

 

 

「グッフゥァ!!!」

 

 

父親は前を見た姿勢のままフラフラになりながら後ろへ行く

椅子に当たり食卓テーブルに手をつき崩れるように寄りかかりながら腰を下ろした

 

 

「もうお終いか?」

 

 

 

「こ・・このぉゴキブリが!!!」

 

 

「ゴキブリとはひどい言いがかりだな、お前の事なんじゃないのか」

 

 

「なんだと!!!」

 

 

「あいにく俺は仕事柄ゴキブリに対しては徹底駆除を心がけているんでな」

 

 

「しつこいゴキブリは早いとこ駆除しておかないといいキッチンを安心して使えもしない」

 

 

 

ライバックが父親にそう言い放った時

 

 

結子の母親が父親に向かって目は見開き鬼の形相で走ってきた

手には黒く長い棒みたいある程度細いやつ?それで上の一部はひし形の模様が一列に数個並んでいて手で握るような感じの作り…

 

 

 

ま!まさか!!!

 

 

 

 

 

 

「あなたこれを使って!!!」

 

 

そう言うと手にした物を父親に託した

すると父親は立ち上がりそして託された物を掴み上へゆっくり振り上げた

細く長く銀色に光るその姿が明らかになった

 

 

 

「任せろ!!!このわざもので犯罪者を叩っ斬ってやる!!!」

 

 

「かたなだ!!!」

 

 

私は驚きそう言ってしまったまさか刀を持っているなんて!

 

 

このままだと…

私は心配でライバックを見たがライバックはなんとも思ってないみたい

 

 

 

「彩菜、今お前が言ったのは正しい日本語じゃない」

 

 

「わざものと言うのはだな ただの刀じゃない名工によって作られ鍛えられた名刀だ。日本語をちゃーんと勉強しろよ」

 

 

相変わらずの態度だ…

ライバックの図太さには感服する…

 

「これほどの名刀になると結婚祝いにでも貰ったのか?」

 

 

 

 

「こんなにもいい刀も持ち主がこれじゃ可哀想だな…物は持ち主を選べないからなー」

 

 

「お前達夫婦は無駄にいい物を持っているが宝の持ち腐れだ!物に対して一度土下座して謝れ!」

 

 

 

 

「何だと!!!」

 

 

ライバックのたっぷりの皮肉に怒りを露わにする両親

 

 

「あなた!!!結子のためよ!!!頑張って!!!」

 

 

「任せろ!!!」

 

 

こんな異常な会話が成立するなんて…

結子には申し訳ないけどとてもじゃないけど狂っているとしか思えない

それが結子を苦しめていることには全く気付く事もない様子だ

 

 

「呆れるほどの自己チューな奴らだ、こいつらを映像に撮ってバカな大人の手本として真似するなって全国の学校に配布 注意喚起してやらないとな」

 

 

 

「罪人が!!!」

 

 

そう言って父親は刀をライバックにめがけて斜めに斬りかかる

 

 

ライバックは斬撃を避けて父親の背後に回り込む

 

 

父親はライバックに向き直し

再び斬りかかるが避けられて

 

またライバックは背後に回り込み父親はライバックに向き直す

 

 

今度はライバックは右手を横に振ってその後左手を上下へ振るの繰り返しの動作を始めた

まるで少林寺か何かを彷彿させるような規則正しい動作だ

 

 

父親は困惑しながらもライバックに向けて踏み込んで斬撃をした

 

 

しかしライバックは体を横に向けてすんなり回避して

踏み込んだ父親の背中をバン!と押した

 

 

父親は壁にぶつかった

そして振り向きライバックを恨めしそうに見て

再び突っ込んで斬りかかるが

ライバックに躱され

 

 

父親はライバックに向き直しわざものを向けるが

ライバックはまた手を上下横に動かす動作をした

 

 

父親は上から斜めに斬りかかるがライバックは父親のわざものを持つ手を右手で掴み

左手は肘を掴み円を描くように体を振り回す

父親も腕を掴まれたまま円を描くように振り回されもう1つの食器棚に頭から激突した

 

 

木製の枠のガラスは割れて中の大半の食器は落ちてガシャン!と割れた

 

 

父親がライバックに向いた時私は凍りついた…

 

 

「殺してヤルァ!!!殺してヤルァ!!!!!!」

 

 

頭から流血しているが何よりも目を見開き真っ赤に血走っていて

凄まじい殺意 殺気をほとばしり 息がつまりそう

とても狂気に満ちて正常な考え 理性は皆無に等しかった

 

 

結子はそんな父親を見て怯え震えていた

 

確かにこんな姿を見たら普通ならこうなる

ましてや自分の親ならなおさらだ

 

 

わたしは結子の手を両手で強く握った

びっくりした結子が私を見る

 

 

「彩菜…」

 

 

「大丈夫…大丈夫だから…」

 

 

そして恵美も私たちの手を強く握った

 

 

「私たちが付いているよ」

 

 

恵美の言葉に結子は表情が柔らかくなった

 

 

「ライバック…お願い……負けないで…」

 

私はそう願いを込めてつぶやいた

 

 

ライバックは手を上下横に動かす動作を始めた

父親はその動作に警戒してすぐには切りにかからない

しかし苛立ちながらも切り掛かる機会を伺っていた

 

 

そしてついに父親は刀を両手で持ち大きく上に振りかぶりライバックにめがけて振り下ろした

 

 

 

 

ライバックは左腕で刀の柄の部分を受け止め

右腕を父親の両腕の上に差し

そして受け止めていた左腕を上へ押し出し左腕は下へ力を入れた

すると刀のみねが父親の額にクリーンヒットする

 

 

父親は目を思っ切り見開き

静かにゆっくりとわざものを落とし

ぐらっと右肩からよろけ

ガックと膝をついて横に静かに倒れた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「キッチンでは負けたことは無いんだよ」

 

 

 

 

 

そう捨て台詞を言った後ライバックは私達の方へ歩く

 

 

「ライバック…」

 

 

私がそう呟いた直後だ…

 

 

 

 

 

「このぉーー!!!」

 

 

結子の母親はいつも間にか手に包丁を持ちライバックに

向かっていった!

 

 

ライバックはとっさな状況でも怯むことなく

母親の包丁を持つ手を掴み下へひねって投げつけた

 

 

そしてそのまま倒れた母親の手をひねったまま母親の背中に押し付けた

 

 

 

 

「おい彩菜、今すぐにガムテープか何か縛るもの持ってこい」

 

 

私は急いで散らかったリビングからガムテープを探しだしライバックに渡した

 

 

「何するの!!!私が何したって言うの!!!」

 

 

声を上げながら体を揺らして抵抗する母親

ライバックは構う事なくガムテープで手足をグルグル巻きにしながら言った

 

 

「お前は善良な市民に対して数々の醜態を見せつけた」

 

 

「よって強制迷惑罪で拘束してやる!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「そしてお前達の行き先は刑務所じゃなく精神病院だ」

 

 

「きちんと診断書も添えてやるから安心して入院するんだな」

 

それを聞いて激しく抵抗しようとする母親

でも手足がガムテープで縛られているから声を上げて体を揺らす事しかできない

 

 

「外しなさい!!!外しなさい!!!」

 

 

「外せと言ってすぐに外すバカはいないよ」

 

 

「よし、お前らここから出るぞ」

 

ライバックがそう言い私は頷いた

 

「分かった」

 

 

私達は玄関から出る事にした

その際バックに黒いケースも忘れずに持ち出した

 

 

 

プルルルル

 

 

 

 

プルルルル

 

 

ライバックの戦いで転がっていた電話機が鳴り出した

 

するとなぜか

 

 

ライバックは電話機に近づいた

 

「ライバック」

 

 

 

私が声をかけても止まる事なく近づき

 

 

そしてとった

 

 

「はい、もしもし」

 

 

「私は友人の者です……うるさい?今 準備で忙しいので…」

 

 

「…申し訳ありませんがただ今この家はリフォーム中でして…工期終了は……えー………1ヶ月先です…それではまた」

 

 

 

「そんな事言って大丈夫ですか…」

 

 

恵美が心配そうに聞く

 

 

「仕方ない、事実だ」

 

とケロリと答えるライバック

 

 

 

 

 

「離しなさい!!!離しなさい!!!離しなさい!!!離しなさい!!!」

 

 

 

 

「やれやれまだ言い続けるのか?懲りない奴だ」

 

私達が視界から見えなくても言い続ける母親にライバックはうんざりした表情を見せた

 

 

 

 

 

 

 

私達はライバックの車のそばまで歩いた

 

 

「ライバックこれからどうするの?」

 

私がそう聞く

 

 

 

「面倒はごめんだからなー」

 

 

「取り敢えず俺はこの場から消える事にする、お前達はここに残って警察をよこしてもらうんだ」

 

 

「それと結子の体の傷と牢獄の部屋に張り出されていた紙とお前達の証言があれば親権喪失を請求 承認できるはずだ」

 

「親権喪失が出来ればあの親達とは縁を切れる」

 

 

「結子 君は晴れて自由になれる」

 

「この後色々ゴタゴタがあるだろう…彩菜と恵美とで 結子を支えてやるんだ」

 

ライバックは今後のことを話してくれた

 

 

 

 

「分かった…本当にありがとうライバック」

 

私は頭を下げ感謝した

私だけではダメだったけどライバックのおかげで結子を助けることが出来た

 

 

「気にするな、君の笑顔が見れれば十分さ」

 

「結子はこの件に苦労が伴うが必ず決着をつけるだろう、彩菜 君も自身の問題に決着をつけるんだ」

 

 

結子の問題は

この後も大変だ

しっかり結子を支えて上げないと…

 

 

そして私も自身の問題に決着をつける…必ず!

 

 

ライバックはそのまま車に乗り込もうとするが

乗り込む前に結子が言った

 

 

 

「あのー…ライバックさん…ありがとうございました」

 

 

 

「ありがとうございました」

 

 

結子そして恵美がライバックに礼を言った

 

 

「気にするな、礼なら彩菜に言うんだな」

 

 

そう言って車に乗り込みそのまま行ってしまった

 

 

「彩菜本当にありがとう」

 

 

「ありがとう彩菜」

 

 

結子と恵美が涙をこぼしながら言った

私もつい涙をこぼしてしまい

2人に抱きついた

 

温かい…

 

 

2人のぬくもりを感じられてとても嬉しかった

またこんな事が出来る日が来るなんて…

 

 

結子も恵美も抱きしめてくれて

なんだかこの場所だけ時が長く長くゆっくりと流れて行くような感じがした

 

 

 




彩菜ちゃん達には必ず幸せになって貰いたいと考え執筆しているこの頃です
まずは幸せの一歩を踏み出せたので良かったです
マイペースの中見て頂きありがとうございました
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