おっぱいドラゴンに柱間ァ……!大好きクレイジーサイコホモがinしました(休載中) 作:ふくちか
木場side
やぁ、皆…………。
本当は挨拶するんだろうけど、今はそんな余裕がないんだ……。
原因は、僕達の仲間のイッセー君の特訓…………もとい拷問だ。
何せ此方の攻撃を悉く往なされ、更に返ってくる攻撃は全て此方の命を削りにかかってるほどなんだ……。
終いには眼を瞑ったままで僕の剣激を捌ききってしまった…………彼は本当に人間なのかな?
……とまぁ、「これ君のストレス発散じゃないのか?」と言っても過言ではない特訓の一日目が漸く終わりを迎えた。
朱乃さんや小猫ちゃんも同じく死んだ魚の様な顔付きだったから、僕と同じ気持ちを味わったんだと思う。
……一番酷いのは、部長だった。
龍王最強のティアマットさんに鬼の様な……と言うより鬼も逃げそうな強さを持つイッセー君二人と特訓していた部長は、終わった瞬間静かに倒れ伏した。
それに対してイッセー君は「大袈裟な」と言っていたけど…………全然大袈裟じゃないよ!
そしてそんな鬼畜と言う言葉が誰よりも似合うであろうイッセー君は、
「……」
部長の額に手を当てていた。
「イッセーさん、何をしているんですか?」
唯一イッセー君の特訓を受けていないアーシアさんがイッセー君に質問した。
「コイツの気を整えてるんだ。傷はお前の神器で直るが、体力等は回復せんからな。まぁ、明日には全快だろう」
イッセー君が手を放すと、心なしか顔付きが穏やかになった。
気まで扱えるんだね、イッセー君は…………。
「さて、夕食はしっかり食べておけ。でないと明日の拷も……特訓には付いていけんぞ」
「今拷問って、言いました……」
「うん、言ったね」
「木場、塔城。お前らには倍の特訓量を課してやる。ありがたく」
「「すいませんすいません!!」」
……本当に鬼畜だよ。君は!
「……ちっ」
舌打ちした!?
ーーーー
イッセーside
イッセーだ。
今日はグレモリー眷属の特訓を課して一日目が終了した。
……やはり、十日間では短すぎるな。
まぁ、基礎は確りしているし、後は応用力を着けさせればどうとでもなる。
……あぁ、イズナが恋しい。
ラウンジに出ると、そこには先客がいた。
「……起きていたか」
「……イッセー」
リアスは本を閉じて、軽く伸びをする。
「ゲームの参考書か」
「……こんなの、気休め程度にしかならないのだけどね」
リアスは苦笑いでそう呟く。
「……フェニックスか」
「…………聖獣として奉られるフェニックス同様、その炎はあらゆる物を焼きつくし、流す涙はあらゆる傷を癒す。だからライザーは負けたことがない」
……ゲームでは、その不死身性はチートと言っても過言ではない、か。
「彼の戦績は10勝2敗。でも、その2敗は懇意にしている家への配慮だから、実質無敗。とてもじゃないけど、無謀よね」
「……なら、何故お前は戦う?」
俺は問うた。
コイツの戦う理由を。
別に理由はないが……敢えて言うなら気になった。
「私は、リアス・グレモリーよ」
奴は眼を伏せると、静かに語り始めた。
「けど、何処まで行ってもグレモリーの娘……そう見られてばかりいる。それが嫌ではないのよ。でも……それが、重くて」
「……名前に縛られ、己が望む事ーーーー恋愛が出来ない、か?」
「…………えぇ。私自ら選んだ人と暮らして、キスをきて、子作りして……他愛ないけど、それが幼い頃の夢。でも、それが叶わないのかもしれない……この戦いは、そんな我が儘を言い通せる最後のチャンスなのよ」
「………………」
名前に縛られない、己を己として見てくれる者を求める、か…………。
「なら、叶えてみろ」
「え?」
リアスは呆気に取られた顔をする。
「幼い頃の夢だろう?夢は叶えてこそだ」
「でも……私にフェニックスを倒す手段なんてっ」
「そう言って逃げる気か?」
「っ」
逃げる、と言う言葉にリアスは顔をしかめる。
「傷付かず、己の望む夢の中に逃げるのは楽だ。それに対し、夢を求める為に戦うのは辛いし、痛みを伴う。だがな……夢に、夢想に逃げても、そこには何もない。あるのは空虚だけだ」
「…………」
「空虚な夢想に逃げるより、夢を掴む為に進んだ方がよっぽど楽だ。後悔もないしな」
…………俺にとっては、耳が痛くなる説教だ。
『こんなの、嘘っぱちじゃねーか!!!』
『ナルト……皆の幸せの邪魔をしているのだ。お前は……』
以前の俺は、手を取り合い、前に進むことを恐れた。
『違ウ、マダラ……オマエハ、救世主デハナイ』
その結果、哀れな程に踊り、そして果てた。
…………フッ、こんな俺を見たら、お前達は何と言うんだろうな。
柱間…………ナルト…………。
「……信じろ、お前自身を。掴む為に研鑽し続けた、リアス・グレモリーを。お前が望むのなら、俺はお前を勝たせてやる」
最後にそう言い残し、俺は眠りに着くべく戻った。
眠い……