おっぱいドラゴンに柱間ァ……!大好きクレイジーサイコホモがinしました(休載中) 作:ふくちか
次はヴァーリ君だからね
またまた明くる日の夜、俺はイズナの勉強を見ていた。
イズナは飲み込みが早いので、教える此方としても楽だ。
…………それにしても、あいつらはもう少し静かにドンパチ出来んのか。
『加勢に行かんのか?』
何度も言っているだろ。
俺に行く義理はない。
それに俺は奴の復讐のお膳立てをしてやったまでだ。
堕天使のコスタリカが何しようが俺には関係がない。
『………』
「……どうしたの、お兄ちゃん?」
話し込んでいると、イズナが上目遣いでこちらをのぞき込んでいた。
「いや、何でもないぞ」
「……お兄ちゃん、何か悩んでる?」
「え………」
俺が、悩んでいる?
「ん~、何となくなんだけど、何か手伝うべきか迷ってる感じがするの」
「………」
………まさか、俺は、奴等を心配しているのか?
「もし、そうだとしたら、俺は如何した方が良いかな?」
「むぅ~………」
俺は敢えて尋ねてみると、イズナは可愛く唸る。
「お兄ちゃんが何に悩んでるか分かんないけど、でも、そんな顔はしてほしくないの………」
「イズナ…」
「だから、そういう時はお兄ちゃんのやりたい事、一杯やっちゃえばいいと思う!我慢は体に良くないって、お兄ちゃん何時も言ってるじゃない!」
………………ふっ。
「そうだな。そうかも、しれないな」
「あ、お兄ちゃん笑った!」
「はは、ありがとうな………イズナ」
俺はイズナの頭に手を置いた。
すると、イズナは目を静かに閉じて倒れた。
「……よし、暫くは起きんだろう」
『幻術か』
今頃イズナの夢には俺が出ていることだろう。
『…………相棒』
―――――さて、行くか。
ーーーーー
「………ふん、一端の雑魚だと高を括っていたが、相当やるじゃないか………!」
駒王学園。
そこでは僕達とゼノヴィア、そして堕天使コカビエルが戦っていた。
僕達が劣勢――――と言う事は存外なく、コカビエルには無数の切り傷と打撲の跡が刻まれていた。
僕達の傷はアーシアさんが治してくれているから、奇跡的に損害はない。
…とは言え、流石は先の戦争を生き残っただけはあるね。
禁手に至った僕であったけど、決定打を与えれずにいた。
「……凄いね、君達は。私はついていくだけで精一杯だよ」
……それは多分、あの拷問のお陰だろうね。
あれがなければ、僕達は今頃全滅していただろう。
「だが奴は絶対に断罪せねばならない。神の名の元に………」
「神だと?……フン、バカも休み休み言え!―――神は既に死んでいるんだよ、当の昔に…………戦争の時に魔王どもと共にな!!!」
その言葉を聞いて、そこにいる全員が目を見開いた。
だけどその中で、アーシアさんとゼノヴィアの驚き様は他と違っていた。
「う、嘘だ!神が死んでいるなど、そんなわけが!」
『いいや、死んでいる……そこの聖魔剣使いが良い証拠だ。本来、聖と魔がまじりあうことはない――――そう、神がいればそんなことは起きないはずなのにな』
「そ、そんな………神の愛はいったいどこに……」
「愛などない!……だがまぁ、ミカエルは良くやっている。神の代わりをして人、天使をまとめ上げているのだからな」
――――そんな時だった。
「だろうな。神などいる訳がない」
っ!この声は…………
「ん?」
コカビエルも釣られて振り向くと、そこには甲冑を着た一人の人間がいた。
「何者だ、小僧」
「そうだな、貴様に死を送る人間と言っておこうか」
―――――そんな台詞を言っちゃったら、どっちが悪役か分からなくなるよ。
イッセー君。
「イッセー…」
「まぁ、よく持ったと言ってやる」
まさか彼に褒められようとは………。
「……アーシア、これが現実だ。神などいない」
「イッセーさん………」
「……その現実を受け止めろとは言わん。だが、逃げるな。それが戦いなんだ………安心しろ。俺は神ではないが、お前の支えぐらいならなってやる」
イッセー君はそう言うと、改めてコカビエルに向き直る。
「俺に死を送る?ハハハッ!小僧、死にたくなければ………ッ!?」
コカビエルの言葉は最後まで続かなかった。
原因は、イッセー君が放ったプレッシャーだ。
そのプレッシャーに押され、学園の校舎が半壊し、木々は吹き飛んでいく!
コカビエルもまた、イッセー君を驚愕の眼差しで凝視していた。
「……このプレッシャー、魔王クラス!?いや、それ以上………」
「……ゼノヴィア」
「…兵藤一誠」
「…………今は泣いていろ。代わりに俺が、奴を断罪してやる」
それだけ言うと、イッセー君は彼女の聖剣――――デュランダルを拾い上げる。
「っ、止せ!いくらエクスカリバーを振るえた君でも、それはっ」
ゼノヴィアの言葉通り、デュランダルはイッセー君を拒むように先程より激しい光を放つ!
「―――黙れ」
そんなデュランダルを、イッセー君は鬱陶しそうに一瞥して短く告げた。
すると、あれほど激しい光を放っていたデュランダルが大人しくなった!
「な、んだと…………!?」
これにはコカビエルも驚きを隠せないでいた。
「デュランダルが、イッセーを認めた……?」
「いや………違う」
恐らく彼女が言おうとしている事が、僕には分かる。
「デュランダルが……彼に怯えているんだ」
そう―――恐らくイッセー君は自身のオーラで、デュランダルを屈服させたんだ。
言ってて滅茶苦茶だけど、彼ならやりかねない、そう思っていた僕達は何処か納得していた。
そんなイッセー君は、静かにコカビエルに歩み寄る。
「―――クククッ!中々面白いことをしてくれるな、小僧ッ!!貴様ならば――――」
だがイッセー君は、コカビエルの言葉を無視してデュランダルを振るった。
そして気付けば――――奴の左腕が宙を舞っていた。
「ぎ、ぃあああああああああああああああああ!!!!!!!!」
「煩いぞ。俺の妹が起きたらどうしてくれる」
「こ、このガッ」
間発入れずに、彼の右足、左足、右腕が次々と斬り飛ばされいく。
「――――――――ッ!!!!」
……もう、声になっていない。
その圧倒的なまでの蹂躙に、僕達は改めてイッセー君が化け物なのだと実感した。
「……こんな物か」
ほら、だって溜息吐いてるんだよ?
「な、にぃ………!?」
「……もう終わらせる。……………おい、デュランダル。さっきよりも特大の力を出せ。でなければ―――――粉々に砕く」
低く呟いたその声音に応えるかのように、デュランダルから莫大な光のオーラが迸る!
「……ハハハ。もう、私はいらないのかな?」
そう言いたくなるのは分かるよ、ゼノヴィア。
イッセー君、彼女にちゃんとデュランダルを返してあげてね。
もうそんな、君のご機嫌取りに勤しむ聖剣を、見たくないんだ…………。
「やれば出来るじゃないか。堕天使コンドーム、寝る前のいい運動になった。礼を言おう。―――死ね」
そう告げると、莫大なオーラを纏い巨大な剣になったデュランダルを横薙ぎに振るい、コカビエルを校舎ごと切り裂いた。
「――――――フン」
崩落していく校舎を眺めていたイッセー君だったけど、突然デュランダルを上空に投げた!
一体何を――――と思っていたけど、デュランダルの動きが止まった!
「コソコソと隠れて何をしている」
「――――――――ふっ、やはり気付いていたか」
そこにいたのは、”白”だった。
ドラゴンを思わせる全身鎧に、青く輝く翼。
彼は一体………
「白龍皇だ………」
『!?』
と言う事は、彼がイッセー君のライバル(?)…………!
「まぁそう気を荒立たせないでくれ。と言っても、俺は今すぐにでも君と戦ってみたいんだけどね」
「……」
「コカビエルの回収に訪れたんだが……まさか消し飛ばされるとは思わなかったよ」
すぅ、と下に降りると、彼は黒い羽根を数枚拾った。
――――コカビエルのだ。
「アザゼルにはこれで説明させてもらうよ。ではまた会おう、俺のライバル」
そう言うと、彼はその場から消えていった。
序でに言えば、イッセー君も。
せめて後始末ぐらいは手伝ってほしかったかな!!