おっぱいドラゴンに柱間ァ……!大好きクレイジーサイコホモがinしました(休載中) 作:ふくちか
一体このラスボス系主人公は如何にして処け………アーシアちゃんを救うのか!
近日、公開!!
第三十二話「兄として……男として」
「………ん」
朝日がカーテンの張られた窓から指す、晴れやかな朝。
俺は微睡から目を覚ますと、腕の中に温もりを感じた。
「……んぅ、お兄ちゃん」
………やはり、夢などという都合の良い事にはならんか。
「俺は………」
俺は――――最低だ。
守るべき、家族として愛すべきイズナを………穢してしまった。
誘惑されたから、等と言い訳は言えない。
何故なら俺自身、初めて見せたであろうイズナの”女”としての顔…………それに魅せられてしまっていたのだから、な。
今、そのイズナは気持ちよさそうに眠っていた。
「イズナ………」
俺は、俺はどう接していけばいい?
これからの、イズナと…………………
「ん~………おはよぅ、お兄ちゃん」
俺が自問自答を繰り返していると、イズナが目を擦りながら目を覚ました。
「あ、あぁ。おはよう」
俺もそう返すと、イズナはピッタリとくっ付いて来た。
「……えへへ。お兄ちゃん、温かいね」
「……イズナ、俺はっ」
「良いよ。何も、言わなくて」
「!」
イズナは顔を上げると、にこやかな微笑みを向けてきた。
そこには後悔や後ろめたさといった思いは、全く見受けられない。
「私達は、本当の兄妹だから結婚は出来ないけど………こうして、ずっと傍にいられるだけでも、私は幸せだから」
「イズナ…」
「…それに、謝るのなら、私の方だよ。私の我儘で、お兄ちゃんが、辛い思いをして………」
「っ、違う!お前は……お前は何も悪くない!」
そうだ、あの時だって――――俺は振り解こうと思えば振り解けた。
だが、出来なかった………いや、あの時の俺にも、少なからずあったのだと、今になっては思う。
イズナを―――――離したくないと。
それは兄としても、恐らく………一人の男としても、なのだと思う。
――――悩む必要など、なかったわけだ。
答えは、もう既に出ていたのだから。
「……イズナ」
「?どうしたの、お兄ちゃ――――」
そう思い至った瞬間、俺は初めて、イズナに口付けた。
離さないように、確りと抱きしめて。
「……イズナ。俺はお前を、愛していたんだ」
「!」
「迷惑を沢山掛けるだろう…お前に不快な思いをさせてしまうだろう……だが、だが、それでも」
ずっと、俺の傍で笑っていてくれ――――
これは言うなれば……俺なりのけじめだ。
イズナが俺を愛してしまったのなら、俺も、イズナを愛そう。
これからも、この命がある限り――――ずっと。
何も言葉を発さないイズナに不安を覚えた俺は、イズナの顔を覗き込む。
イズナは――――泣いていた。
「お兄ちゃん………私っ、嬉しい………嫌われるんじゃないかって、ずっと、怖かったっ。もう、昨日みたいな関係に戻ることだって、出来ないんじゃないかって……!」
そう思いの丈を吐き出すイズナを、俺は再び抱きしめる。
「…何を言っている。お兄ちゃんは絶対に、お前を嫌ったりなどはしない」
「うんっ、うん……!」
「例え周りに何を言われようとも、生きていこう……これからも、ずっと」
「うん………うん…………!」
俺はイズナの涙を拭った。
俺はこれまでも、これからも――――イズナを愛し続ける。
何があっても。
っつー訳で、次回から本当の六章?になります