タッグフォースOCG@GX   作:鷹崎亜魅夜

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 前にあげた活動報告を元に投稿することにしました。
 以下、注意点。
・主人公が使用するカードはOCG次元
・原作キャラが基本使用するカードは原作次元
・あれ? この主人公どこかの作品で見た覚えが……?

 知っている方は知っていると思いますが、この作品は息抜きでありIf世界線なのでよろしくお願いします。

 では、どうぞ。


一話 『赤い帽子』

 そこは、特異な世界だった。ある会場では、たくさんの受験者達がいたがのだが――そこにいる受験者達は腕にあるものをつけていた。それは、この世界では当たり前となっている、カードを置くことが出来る特別な装備――決闘盤(デュエル・ディスク)

 そこでは、デュエルモンスターズを中心とした育成を目的とした、【デュエルアカデミア】の試験場だった。

 

『――罠カード発動!【破壊輪】! 【ブラッド・ヴォルス】を破壊し、お互い攻撃力分のダメージを受ける!』

 

 試験官とのデュエルに勝利した学生もいるが、中には負けた学生もいる。が……あくまでこの試験は本人のデュエルタクティクス、つまりデュエルの腕をみる試験だ。例え負けたとしても腕が良ければ合格する可能性はあるのだ。……学生である以上、このデュエルの知識や一般教養の知識も無論必要だが。

 

 その中で、冷静に他学生のデュエルを見ながらため息をつきながら振り返る人物が一人。

 

「(……展開が薄いなぁ。これも全部時代背景が過去だからだろうけど。カードプールも少ないし。だからといって親友のメタビート、コントロール奪取、満足よりはマシなんだろうけどさ……命令とはいえ、年下の受験生に紛れ込んでいる自分が言えたことじゃないけど)」

 

 赤い帽子を目深に被りながら、赤いネクタイに黒いブレザーの学生服を着た青年。その人物は周りの学生と比べると多少浮いていた。

 ……今時の学生で、帽子を被っているのはいないに等しいからだ。

 ――そして、赤い帽子を被った人物の受験番号が呼ばれた。

 

『――受験番号、9番! 第一デュエル場に降りてきなさい!』

 

「……出番か。それにしても……なんでこのデッキで戦わなくちゃいけないんだろう? ピンチになった時、全力で相手したいときにしかエクストラデッキの召喚法を使ってはいけないとは……何を考えているんだろう……?」

 

 何かと独り言を言いながら赤い帽子の学生はデュエル場へと向かっていく。彼がデュエル場に着くと、試験官は彼を見て一言。

 

「……君。帽子は取りなさい」

「…………デュエルで決めましょう。自分はあまり帽子は取りたくないんです」

「む……ならばデュエルで君の帽子を取ってあげましょう!」

「(本当にデュエルで解決できる世界なのか……)」

 

 恐るべきデュエル脳と青年は思いつつ、決闘盤をお互いに展開。そして二人は――挨拶を。

 

 

 

 

 

「「――デュエル!」」

 

 

 

 

 

 受験番号9番 LP4000

 試験官    LP4000

 

 

 

「先行は受験者からだ、カードを引きなさい」

「……いいえ、自分は後攻が良いです」

「何? ……まぁ、良いだろう。では、私のターンっ!」

「(元気だね……)」

 

 現在のところ、学生は試験官に促されて先行を取っている人物は多いが、赤い帽子の人物は後攻を選択した。そして、お互いに五枚引いたところで、試験官がさらにデッキからカードを一枚ドローし、勢いよくカードを決闘盤にたたきつける。

 

「私は【ブラッド・ヴォルス】を攻撃表示で召喚!」

 

『ヴォオオッ!』ATK/1900 DEF/1200 ☆4

 

 試験管の目の前には、斧を持った獣人が雄たけびと共に出現した。このモンスターは先ほど違う学生が相手をしていたが、この獣人は実際にデュエルモンスターズのカードの一枚に描かれている絵を決闘盤が分析し、立体映像を出しているのだ。

 

「さらに私は装備魔法【デーモンの斧】を発動! 対象のモンスターは攻撃力を1000ポイント上昇させる! さらにリバースカードを一枚セットし、私はターンエンド! さぁ、この布陣をどう崩す?」

 

 

 

 試験管 LP4000 手札3枚

 モンスター ブラッド・ヴォルス ATK1900→2900

 魔法・罠  デーモンの斧(対象→ブラッド・ヴォルス)

       伏せカード一枚

 

 

 

 

 

 どうやら試験官はやるべき事は終えたようなので、受験生にターンを促した。

 このデュエルで使用するのはモンスターだけではない。モンスターやプレイヤー自身などに影響を与えるカードの1つである【魔法】カード。主に妨害・防御の種類が多い【罠】カードも使用する。その種類のカードを伏せることで、相手のターンに使用可能できる魔法・罠カードも存在しており、心理戦も発生する。

 今回試験官が使った魔法カードは主にモンスターの強化に関わるもの。単純な斧を持っていた獣人だが、不気味な顔を持った斧に変わると気合が入ったのかさらに雄たけびを。そして伏せたカードは魔法カードなのか、罠カードなのかは試験官しかわからない。

 試験管に促されるまま受験生は、デッキトップに手を掛けながら進行を始めた。

 

「……自分のターン、ドローフェイズ。スタンバイ……何か発動はありますか?」

「? いや、無い」

「了解。メインフェイズ……」

 

 丁寧に相手に確認しながら進行していく受験生。彼を見て他の受験者は「なんだ? 初心者か?」というヤジを飛ばしてくる学生もいるが、本人は気にせず。彼は――考えていた。

 

「(……エンタメにはちょうどいい手札なんだよなぁ。でも、召喚方法が現在は融合召喚か儀式召喚に限られているとなると……仕方ない。ライフはいつもの半分だし、さっさと終わらせるか)」

 

 そして受験生は、六枚ある選択肢のうち、一枚を決闘盤にたたきつけるようにしながら行動をとった。

 

「自分は【貴竜の魔術師】を攻撃表示で召喚する」

 

『やぁーっ!』ATK/700 DEF/1400 ☆3

 

 受験生が召喚したのは――小さな魔法使いだった。小柄な魔法使いの少女が、持っている杖の周りには炎をまとわせている。

 このモンスターの登場により、ざわめき始めたのは――主に自分のデュエルを待っている学生達の笑い声だった。

 

『攻撃力700!? 【ブラッド・ヴォルス】の素の攻撃力にすら届いてねぇじゃねぇかっ!』

『とことん初心者だなあいつ! あいつなんでデュエルアカデミアを受験しようと思ったんだ!?』

『か、可愛い……』

 

 ……一部反応が違う学生もいたが。

 当然、戸惑っているのは試験官も同じ分けだが、赤い帽子を被った受験生はさらに決闘盤の操作を進めた。

 

「自分フィールドに魔法使い族がいることで、手札の【デーモン・イーター】は特殊召喚できる。このモンスターも攻撃表示だ。ちなみにこのモンスターは自分フィールド上に一体しか存在できない」

 

『フシャーッ!』ATK1500 DEF200 ☆4

 

 今度出てきたのは、鋭い前歯を持った、凶暴そうなビーバーだ。

 基本的にターンプレイヤーが召喚できるのは基本的に一回だけだが、特殊召喚というものは特別な制約が無い限り何回でもできる。他にも反転召喚というものもあるが。

 

「そのモンスターを出すためにわざわざ低レベルの魔法使い族を召喚したわけか。だが、それでも私のモンスターの攻撃力には届かない。それはどうするのかな?」

「この子達だけで倒そうとは思っていませんよ――自分は魔法カード【オッドアイズ・フュージョン】を発動!」

 

 試験管の問いに涼しい顔で答えながら、受験生も魔法カードの使用。この場にいる多数の人物は頭にハテナを浮かべ、試験官の言葉を代表に問いただした。

 

「お、【オッドアイズ・フュージョン】? その魔法カードなり、君のモンスターは見たことのないカードばかりだな……」

「まぁ、魔法カードの説明に入らせてもらいますね。このカードは単純なドラゴン族専用の【融合】だと思ってくれれば良いです。ただし【オッドアイズ・フュージョン】は1ターンに一度しか発動できませんけどね。それはともかく――場にいる【貴竜の魔術師】と手札の【オッドアイズ・グラビティ・ドラゴン】と融合!」

 

 場には小柄な魔法使いと、世にも珍しい赤い瞳と青い瞳を持つ、恐竜に似た青黒いうろこを持つドラゴンが現れては混じりあっていく。この融合カードを媒介するのも――特殊召喚の1つだ。

 

「――世にも珍しい二色の眼を持つ龍よ。雷を纏いて、旋風と共に降臨せよ! 融合召喚!【オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン】!」

 

『――――!』ATK2500 DEF3000 ☆7

 

 緑に近い色の雷が落ちる演出をし、突風と共に現れたドラゴン。先ほど融合素材になった名残が残っているのか、体のベースはドラゴンのままだが、うろこの色が黄緑色に。このドラゴンの周りにはバチバチを電気が走っている。

 

「な、なんだこのドラゴンは!? こんなの、見たこともない……!」

「驚くのはまだ早いです。特殊召喚時に【ボルテックス】の効果を発動。特殊召喚に成功した時、相手フィールドの表側攻撃表示モンスターを一体、手札に戻します。対象はもちろん【ブラッド・ヴォルス】。対象モンスターがいなくなったことにより【デーモンの斧】は墓地に。【デーモンの斧】は墓地に送られたとき、フィールドのモンスターをリリー……生贄にすることでデッキトップに戻りますが、モンスターがいないので意味は無いですね」

「くっ、ブラッド・ヴォルス……!」

 

 緑のドラゴンから発生した暴風に獣人の姿が消え、試験官の手札に戻った。

 このゲームは基本、いかにして相手のLPを削るかによる。モンスターとの戦闘で、負けた方がその差分の値のダメージとして蓄積されるが、いない場合には直接プレイヤーに攻撃が出来る。

 そして――赤い帽子の受験者のモンスターの総攻撃力は、ちょうど4000ポイントである。

 

「何もなければバトルフェイズ。【デーモン・イーター】でダイレクトアタック」

 

 受験生に支持され、試験官に突進を仕掛けていくが――試験官はにやりとしながら、あるカードを公開した。

 

「甘かったですね! 罠カード【聖なるバリア―ミラーフォース―!】 相手の攻撃宣言時、相手の攻撃表示モンスターは全滅します!」

 

 口元を緩めながら、反撃と言わんばかりに伏せられていたカードを公開する試験官。このカードは攻撃を起爆とする罠カードの一種であり、相手の攻撃表示モンスターを全滅させるという強力な効果を持っているが――

 

「【ボルテックス】の効果をチェーンして発動。1ターンに一度、ゆうご――ペン――戻――で、魔法・罠・モンスター効果を無効にし破壊する」

 

「む、無効にする!?」

 

 途中で効果を演出する暴風が巻き起こり、説明していた受験者の言葉が途切れていたが、この場のいる人物たちが聞き取れた言葉。それは【魔法・罠・モンスターの効果】を無効にするという事。試験官に張られ始めていたバリアが暴風によって破壊され、ビーバーが試験官に体当たりとしてライフポイントが2500になり――

 

「何もなければトドメ。【オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン】でダイレクトアタック――【雷鳴のエレクトリカルバースト】!」

 

 緑色の龍が口にエネルギーを為、螺旋が混じった雷撃によるブレスが試験官に直撃し――ライフポイントが0に。早すぎる決着にギャラリーはどよめくばかりだ。

 

『ま、マジか、あの初心者……!? 後攻ワンキルしやがった……!』

『【ミラフォ】を無効にできるモンスターなんて強すぎるじゃねぇか!?』

『ふむ……あのモンスターの対策は難しいな……』

 

 ギャラリーがざわめくなか、受験生は試験官に歩いて向かい、言葉を掛けた。

 

「デュエル、ありがとうございました」

「あ、あぁ……。こちらも、貴重なデュエルをありがとう。それと……試験の事は心配しなくていいが……君、願書に書いていたあの事は本当かい? 君の実力なら間違いなく――」

「そちらの方がより学業、デュエルに打ち込めるので」

 

 途中試験官が耳打ちするように何かを確認していたが、受験生は肯定し。どこか試験官は納得していなかったようにも見えたが、それは割り切ることにしたようで。

「……ならば、君の願い通りにしておこう。検討を祈る」

 

 話は終わったようで、赤い帽子の受験生は決闘場から去っていった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 印象が残るようなデュエルを見せつけられた中で、ある事に疑問を抱く生徒が数人。その中の一人は、長髪の髪をツインテールにしており、彼女自身の唇に指先を置く仕草はどこか色気があり、実際に彼女に見惚れている男子がるわけだが、彼女は考える。

 

「(……赤い帽子のボウヤのデュエルはどこか刺激的だったのはいいけど、プレイミスがあったわね……。何故、融合素材を全て手札融合をしなかったのかしら? わざわざ小さな魔法使い族モンスターを通常召喚して、融合素材に? デーモン・イーターの特殊召喚条件を満たすためにしたとしても、それなら融合召喚した後にデーモン・イーターを通常召喚すれば良いだけのはず……)」

 

 思案顔で少し考えていた彼女だったが――口元を綻ばせ、今後の方針を決めた。

 

「(――ま、ボウヤにはアカデミアで楽しませてもらいましょうか)」

 

 

 

 

 

 

 

 赤い帽子の受験生のデュエルで、ある事に気づいたのはある女生徒だった。彼女自身は怒っていないのだが、第三者から見ると仏頂面に見なくもない。ショートに近い髪の長さをしており、頭上には赤いリボンをしている女学生は振り返る。

 

「(……ミラフォの無効化の時に他の人たちは気づいていなかったみたいだけど、ボクは見逃さなかった……! あの受験生、流れるような動作で、融合デッキからカードを取り出して、デッキに戻していた事を! 明らかな不正……だと思うんだけど……。そういう不正を行うと決闘盤が認識してエラーを起こすはずなのに、警告すら鳴らなかった。考えられるとしたら、決闘盤に細工をしたか――まさか、正しい処理だった? うぅー……皆の注目を集めたくないし、ぼっ――孤高のボクから話すなんて難しいし……)」

 

 そして、どこか気を落としたようにしながら彼女は方針を。

 

「……機会があったら自然に、そう自然に聞いてみよう……」

『ツァン殿、そんなことではいつまで経ってもボッチから脱却できないでござる』

「うっさいっ」

 

 何か虚空に向かって怒った彼女は、別の意味で視線を集めていた……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 一先ずはGxにおける原作主人公までの決闘を書いて、その後の反応次第で続編を書いてみようかなと思います。時間があれば投稿はしたいです。

 では、また。
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