タッグフォースOCG@GX   作:鷹崎亜魅夜

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 一先ずここまでで様子見をします。
 ※あるフィールド魔法は相手の攻撃時でも攻撃力が上昇します。アニメ効果です。
 では、どうぞ。


二話 『E・HERO』

 赤い帽子を被った、赤い学生服の上着を着ながら受験番号9番――辰上コナミは、日本本土から離れた孤島――デュエルアカデミアへ船で向かっている最中だった。ちなみに船はコナミの物ではなく、デュエルアカデミアの外部から入学資格を決められた受験者の合格者の為に出された船である。

 今回のデュエルの実技によるワンターンキルを行ったものはコナミしかいない。無論興味をもたれてはいるのだが、如何せん彼の独特の雰囲気によって話しかける人物はほぼいない。いたにはいたのだが――コナミの受け答えは最小限の所為で、会話が続かないのだ。会話に詰まったら、その学生は気を使うように去っていっている。

 

「……別に会話をしないつもりは無いんだけどね。お互いに初対面だからそうなっているだけだろうし」

 

 ……当本人は別に人を遠ざけているわけではないようだが。

 

『おーいっ! そこの赤い帽子の奴~!』

 

 もはやコナミの代名詞である赤い帽子をさす呼び方に反応し、コナミは音源のする方向へと振り返る。

 そこにいたのは、コナミと同じ赤い学生服を羽織った男二人に、腕組みをしながらコナミの様子をうかがっている、どこか知的な雰囲気を漂わせている黄色を学生服を来た男だ。もっとも、コナミを呼んだのは赤い学生服の方であり、その人物は雰囲気だけで『元気な男』という印象を受ける。彼に反してもう一人の男は身長が少し小さく、小さな眼鏡を掛けていては押しに弱そうな男のように見える。

 声を掛けてきた元気が溢れる男子に反応を返すコナミ。

 

「……自分に何か用?」

「聞いたぜ! お前、試験官にワンキルしたんだって!? しかもかっちょいいドラゴン使ってたってことを! くぅ~、遅刻してなかったら見たかったぜ!」

「あ、兄貴、いきなりそんな事言っちゃ相手困っちゃうよ。しかもお互いに名前知らないし」

 

 彼の勢いを抑えるように、特別な呼び方て止める眼鏡の男子に「お、そうだな」と同調し、改めて自己紹介を始めた。

 

「俺の名前は遊城十代だ! お前の名前って何ていうんだ?」

「……自分は辰上コナミ。せっかくだから君たち二人の名前も教えてくれない?」

 

 彼なりの気遣いだったのだろう。促されるように眼鏡の学生と黄色の学生服を着た学生はアイコンタクトをし、始めに前に出たのは眼鏡の学生だ。

 

「僕は丸藤翔ッス。これから三年間宜しくッス」

「俺は三沢大地だ。君のデュエルは見させてもらったよ。見たことないモンスター、魔法を使っているものだから覚えてしまったよ、辰上(……しかし、筆記でも上位だった彼は何故オシリスレッドなんだ……?)」

 

 自己紹介を終えた三沢大地はどこか思案顔だったが、そんな彼は気にせず、遊城十代はある事について切り出した。

 

「なぁ、コナミ! デュエルアカデミアについたらすぐデュエルしようぜっ!」

「!? 唐突に申し込んだね!? ……一応理由を聞いても良いかな?」

 

お互いに初対面のはずなのだが、彼のストレートな誘いに戸惑っていたが、コナミの質問に十代は意気揚々に答えた。

 

「そりゃ、試験官をワンキルしたデッキだろ? それだったら俺のヒーローデッキがどこまで通用するかワクワクするじゃないかっ!」

「(……これが親友ならゲス顔しながら言っているんだろうけど、純真無垢な思いが伝わる……。遊城十代、君ならきっとデッキの制限を……)」

 

 コナミは自身の帽子を深くかぶり直し、少しの時間が経過し。彼が帽子を改めてかぶり直し終わった時には返事を。

 

「……荷物が整理し終わった後なら良いかな」

「! よっしゃーっ! 早くデュエルアカデミアにつかないかなっ」

「兄貴、本当に良い意味でデュエルバカッスね……」

 

 子供のようにはしゃぐ十代にどこか翔は呆れ顔をしている中。三沢は確認をとるかのように詳細を求めた。

 

「辰上。やっぱりそのデュエルは寮の付近で行うのか?」

「近い場所でやりたいし」

「そうか……申し訳ないが、デュエルを開始するのは少し待ってくれないか? 辰上も気づいてはいると思うが、俺の所属はオシリスレッドではなく、ラーイエローだから、すぐに見る事はできないんだ。勝手な我が儘で悪いが、俺が来るまで待って貰えないだろうか……? 見たこともないカードを使う君と、クロノス教諭を倒した十代……このデュエルは最初から見たいんだ」

 

 彼の言った、オシリスレッドやラーイエローという言葉は、これから学園に通うコナミ達の所属するランクのようなものだ。単純に総合的な学力のランクで表すならば、一般的に下から数えるとオシリスレッド、ラーイエロー。そしてオベリスクブルーという三種類ある。

 高校の規則に乗って説明すると、中等部からの進学者も含めてオシリスレッドは成績が下位の者で、場合によっては退学もあり得る。ラーイエローは高校からの入学者も含めて成績優秀者の者。そしてオベリスクブルーは中等部からの成績優秀者で構成されている。女子についてはオベリスクブルー所属というのもある。自分の所属するクラスによって、寮の場所も違うのだ。

 クラスは決められるのだが、成績が向上したりすれば昇格もあり、その逆もある。

 三沢は心配そうにしていたが、コナミはすぐに返事を。

 

「良いよ。待ってる」

「! それはありがたい! 荷物を置き次第、すぐに向かうよ」

「ん。もしかしたら遊城次第だけど――面白いモノも見れるかもね」

「ほう……それは楽しみだ」

 

 船が学園に着くまで、男達の会話は続いた……。

 

 

 

 

「――オシリスレッドの寮で、赤い帽子のデュエルが見れるのか……べ、別に気になるワケじゃないんだからっ」

『ツァン殿、誰に言い訳しているでござる?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 デュエルアカデミアに着き。オシリスレッドの近くにある海岸付近でコナミと十代は決闘盤を構えていた。このデュエルの観客は現在のところ、十代と同じ寮でもある丸藤翔と三沢大地である。

 デッキをお互いに確認したところで、デッキを収めている時に十代はコナミの決闘盤を見て疑問に思った事をすぐさま聞いていた。

 

「なぁ、コナミ? お前の決闘盤、俺達の決闘盤と違うのは何でだ? モンスターゾーンがやけに広い気がするんだけど……」

 

 通常デュエルで展開出来るモンスターの数は五体までと決められている。それなのにコナミの決闘盤のモンスターゾーンは七体ほど置けるスペースがあるのだ。

 

「……もしかしたらこのデュエルで理由がわかるかもね」

「お、そうなのか? だったらすげぇ楽しみだぜ!」

 

 お互いに決闘盤を構え――挨拶を。

 

 

 

「「決闘!」」

 

 

 

辰上コナミ LP4000

遊城十代  LP4000

 

 

 

 

 

 

 

「自分が先行みたいだね。それじゃメイン――」

「おいおいコナミ。ドローするのを忘れてるぞ」

「……あ、そうだった……改めてドロー、スタンバイ、メイン……」

 

 手札に手をかけようとしたところで、ドローをし忘れていたコナミに指摘する十代。コナミは思い出したかのようにデッキから一枚ドローし、改めて手札を見て考察するコナミに、三沢は疑問を浮かべている。

 

「……ドローをしないとは驚いたな。やはり、辰上は初心者なのか……?」

「? 三沢君、どういうことッスか?」

 

 三沢の呟いた言葉に翔は概要を尋ねたところ、三沢自身の考察を述べる。

 

「辰上は入学試験の時、あの可愛――ゴホン。小さな魔法使いを召喚してから手札と合わせて融合素材にしただろう? 手札に融合素材がすでに揃っていたならば手札融合をすべきだったんだ。いくらなんでもデーモン・イーターの特殊召喚があったとはいえ、あの場ならば手札融合を行った後にあのモンスターを通常召喚するのが普通だ」

「そういえばそうッスね……」

 

 初心者ならば自分でも勝てるかもと翔は考え始めていたが、コナミは考えがまとまったのか、行動を開始した。

 

「自分は【稲荷火】を攻撃表示で召喚! さらにリバースカードを一枚セットしてターンエンド!」

『フーッ!』ATK/1500 ☆4

 

 

 

辰上コナミ LP4000 手札四枚

稲荷火 ATK/1500 ☆4

伏せカード一枚

 

 

 

 炎を纏った狐のモンスターが登場し、伏せ一枚でコナミのターンは終了。待ってましたと言わんばかりに十代は勢いでデッキからカードをドローする。

 

「俺ターンだな! カードドロー! 俺は手札から魔法カード【融合】を発動! 手札の【E・HEROスパークマン】と【E・HEROクレイマン】と融合する! 融合召喚! 現れろ【E・HEROサンダージャイアント】!」

『トァッ!』ATK/2400 ☆6

 

 いきなり融合召喚をしてきた十代。現れたモンスターは巨漢の体に、手元には電気を走らせている。

 

「ボルテックスと同じ雷をモチーフにしたHERO……」

 

「おうっ! そして【サンダージャイアント】のモンスター効果だ! 融合召喚に成功した時、モンスターを一体対象に発動する! 元々の攻撃力がこのカードより低い場合、そのカードを破壊する! 対象はもちろん【稲荷火】だ! いけ、サンダージャイアント――【ヴェイパー・スパーク――】」

「このターン特殊召喚されたモンスターが効果を発動した時に発動できる! 罠カード【蠱惑の落とし穴】!」

「お、落とし穴!?」

 

 十代の言葉を遮り、伏せられていた罠カードを公開したコナミ。彼が宣言した瞬間、サンダージャイアントは急に落ちていき、破壊される。

 三沢は自身の知識と合わせて状況を整理しながら考察を。

 

「【蠱惑の落とし穴】か。一般的に知られている【落とし穴】【奈落の落とし穴】は召喚した時に発動するものだ。しかし、あのカードはそのターンに限定といえど、効果モンスターの効果を封じ込め、破壊する。普通の落とし穴と違う点は召喚時に効果が発動しても、その効果は止められない。【蠱惑の落とし穴】は効果の起動をトリガーに発動する落とし穴だが……普通の落とし穴と違って【特殊召喚したモンスター】に限定されている上に、特殊召喚したターンを過ぎて効果を使われたとしても、発動出来ない。相手のデッキを選ぶカードだな」

「そんな!? 兄貴は融合をメインにするデッキなのに……あのカードに引っかからないようにする為には、1ターン待たなくちゃいけないの!?」

「いや、あのカードはそう何枚も積むカードではないはずだが……」

 

 三沢の考察に翔は後ろ向きな対策を心苦しそうに言っていたが、当本人の十代はどこ吹く風。

 

「そう簡単には決まらないか。だったら俺は【ハネクリボー】を守備表示で召喚! さらにリバースカードを一枚セットしてターンエンドだ!」

『クリクリ~!』DFC/200 ☆1

 

 

 

十代 LP4000 手札一枚

ハネクリボーDFC/200

伏せカード一枚

 

 

 

 

 

 ターンエンドと共に伏せられる一枚のカードと、防御体勢をとる、天使の羽が生えた目もとがハッキリとしている体毛の深い魔物。彼(?)が現れ、激を飛ばす十代。

 

「頼んだぜハネクリボー! お前がターンを繋いでくれるって信じてるぜ!」

『クリッ!』

 

 十代の言葉に反応し、力強く声を返す。

 ……あくまで立体映像のはずなのだが、まるで意志を持っているような反応である。彼らの意志の確認に、コナミの耳に幻聴が聞こえてきた。

 

『ますたー! あのモンスター精霊ですよ! ほら、早くあたしも召喚してください!』

「自分のターン、ドロー、スタンバイ……遊城、何か発動するものはあるか?」

「? いや、ないぞ」

「把握。メインからバトル。【稲荷火】で【ハネクリボー】に攻撃!」

『ますたー!? 無視しないでくださいよ~!?』

 

 幻聴を無視し、攻撃指示を出すコナミ。稲荷火の炎の攻撃によってハネクリボーは破壊されたが、十代はハネクリボーに感謝しながら進行を進める。

 

「くっ、相棒……ありがとう。ここでハネクリボーの効果を発動! ハネクリボーが戦闘破壊されたターン、戦闘ダメージは0になる。そしてハネクリボーの意志は引き継ぐ! モンスターが戦闘破壊されたことでリバースカードオープン!【ヒーロー・シグナル】!」

 

 十代が公開した罠カードにより、空には何かの合図なのだろうか? Hの文字をモチーフにしたシグナルが浮き出した。

 

「このカードは俺のモンスターが戦闘破壊された時、デッキからレベル4以下の【E・HERO】を特殊召喚出来る! 来い、【E・HEROフェザーマン】!】」

『ハァッ!』ATK/1000 ☆3

 

 十代の場に現れたのは、緑色の色で、上半身に翼が生えた男のヒーローだ。

 ひとまずの戦闘の終了。次にやるべき事をコナミは行動する。

 

「……稲荷火を生贄に、自分は【EMハンマー・マンモ】を召喚!」

『パオーン!』ATK/2600 ☆6

「……カードを一枚伏せてエンドフェイズ」

 

 

 

コナミ LP4000 手札3枚

EMハンマー・マンモ ATK/2600 ☆6

伏せカード一枚

 

 

 

 

 

 新たにモンスターを出し、サーカスにでも出るのか、装飾が施された鼻の大きい象を場に。カードを伏せてターン終了するコナミ。

 ここで、翔はある疑問を浮かぶ。

 

「あれ? 上級モンスターを手札に持っておきながらバトルに参加させなかったんすかね?、それで、ターンエンド前生贄召喚……?」

「考えられる事は2つ。ハネクリボーの効果を知っていたか、召喚や攻撃反応罠の警戒だな。ハネクリボーの効果は戦闘で破壊したターン戦闘ダメージを0にする為、効果破壊などで処理しないと追撃は無意味。十代の伏せカードがなくなった事で召喚できることに安堵し、生贄召喚を行ったんだ。高攻撃力を場に出す事で威嚇しているんだろう。伏せカードもあるしな。……慎重かつ、真っ当なプレイングだ。初心者とは思えなくなったきたな……」

 

 三沢の考察に翔が納得し、十代のターンに移るが――彼は口元をニヤリとさせながらデッキトップへと手をかけた。

 

「ライフポイントじゃ同じだけどよ、場と手札の数じゃ俺が不利だな。だけど――燃えてきたぜ! 俺のターン、ドローッ――! 来たぜ! 俺は魔法カード【強欲な壺】を発動! デッキからカードを二枚ドローする!」

「(……あ。そういえば使えるんだったけか)」

 

 一瞬顔をしかめたコナミだったが、納得出来る理由を思い出すとそのまま流し。十代はデッキから新たに加えた二枚を加えると、笑顔を浮かべている。

 

「へへっ! デッキが答えてくれたぜ! 魔法発動!【融合回収】! 俺の墓地から【融合】と、融合素材にしたモンスターを手札に加える! 俺は墓地から【融合】と【サンダージャイアント】の素材になった【スパークマン】を回収!】

「……ドローソースを偶然引いたとはいえ、手札を二枚から四枚に増やすなんてね……!」

 

 異様な引きによって、少し手札が回復した十代。そして彼がまず発動したものは――【融合】。

 

「いっくぜーッ!【融合】発動! 場にいる【E・HEROフェザーマン】に手札の【E・HEROバーストレディ】と融合! 来い、マイフェイバリットヒーロー!【E・HEROフレイムウィングマン】!」

『フンッ――トァッ!』ATK/2100 ☆6

 

 手札の紅一点を表現したぐらいの、炎を纏う女性ヒーローと融合する翼を持つヒーロー。そこから現れたのは主に赤と緑、黒の彩色で表現されており、右腕に竜の顎を模したモノが装備されていた。

 だが、攻撃力はコナミのモンスターよりも低い。

 

「……遊城、それでも自分の【EMハンマーマンモ】より低いけど?」

「そう慌てんなって! ヒーローにはヒーローに相応しい場所があるんだ! 俺はフィールド魔法【摩天楼―スカイスクレイパー―】を発動!」

「(! 謎の一枚は融合関連のカードだと予想したけど、強化カード……! ヒーロー専用の【ミラクル・フュージョン】だと思ったのに……!)」

 

 苦虫を噛み潰したかのような表情を浮かべていたコナミだったが、十代の発動した魔法カードにより、彼らの周りにビル街が出現し始めた。そして十代のモンスター【フレイムウィングマン】は高くそびえ立つビルを頂点へと移動していた。

 

「こ、これってあの時と同じ……!」

「あぁ、クロノス教諭に勝った時と同じだ……!」

 

 観客の二人はデジャヴを覚え、後はこのモンスターを攻撃に参加させれば勝ちだ、と十代は気分を高揚させながらモンスターを召喚したが――

 

「そして俺は【融合回収】で手札に加えていた【E・HEROスパークマン】を召喚してバトル――」

「その召喚は通さない! 罠カード【奈落の落とし穴】! 相手が攻撃力1500以上のモンスターを召喚・反転召喚・特殊召喚した時にそのモンスターを破壊し除外する!【スパークマン】の攻撃力は1600の為、適用だよ!」

「ま、また落とし穴かよっ!?」

「【スパークマン】の召喚まで許したらもう、自分のライフは尽きる。フィールド魔法で【フレイムウィングマン】の攻撃力は1000上がり、【EMハンマーマンモ】は撃破。戦闘ダメージは500もらっては【フレイムウィングマン】の効果で【EMハンマーマンモ】の攻撃力2600分のダメージで残りLP900。攻撃力900以上で自分のライフは尽きるんだ。当然のプレイングをしたつもりだよ。尤も、自分は更なる融合を予想してたんだけどね……」

「やっぱクロノス先生のデュエルを見られてる分、【フレイムウィングマン】の効果と【スカイスクレイパー】の効果を警戒するも当然か。でも、行くぜ! バトル――【フレイムウィングマン】で【EMハンマーマンモ】を攻撃――【スカイスクレイパーシュート】!」

「(見てないんだけどなぁ……。その時の自分は早く帰ったし)」

『ハァッ!』ATK/2100→3100

 

 二度目となる落とし穴の発動に十代はうろたえたものの、コナミがとるべきプレイングに仕方ないと思うと十代はスパークマンを除外した後、【フレイムウィングマン】に攻撃命令を。高いビルから飛び降り【EMハンマーマンモ】に急接近し、竜の顎を象に殴りつけて破壊。

 

「【EMハンマーマンモ】が……!」コナミ LP4000→LP3500

「さらにフレイムウィングマンがモンスターを戦闘破壊したことで、【EMハンマーマンモ】の攻撃力分、2600のダメージも受けて貰うぜ!」

「くっ……」コナミ LP3500→LP900

 

 追撃と言わんばかりに、フレイムウィングマンは竜の顎から炎を出し、コナミに浴びせる。この戦闘だけでコナミのライフポイントは四分の一以下となり、コナミが劣勢となった。

 

「これがヒーローの力だ! これで俺はターンエンド!」

 

 

 

 

十代 LP4000 手札0

【フレイムウィングマン】ATK/3100→2100

フィールド魔法【摩天楼―スカイスクレイパー】

 

 

 

 

 

 攻撃したターンが終わったことで【フレイムウィングマン】の攻撃力が戻っては十代のターンは終了。このライフポイントの差で十代の相手をしないといけないわけだが――今まで感情を露わにしていなかったコナミが十代と同じく口元が笑っていた。

 

「良いね、遊城。久しぶりに純粋に楽しめてる。自分が好きなモノをモチーフにしたデッキがうまく回った時、相手の展開でどう自分の布陣を突破するのか考えるのは楽しいよね」

「おうっ! 自分が全力で出した布陣に相手がどんなモンスターで、どんなコンボで相手をしてくるかと思うとワクワクしてくる! これがデュエルの醍醐味だよな!」

「そうだね。そして自分のこの劣勢。逆転する為にはあのカードを引かなくてはいけない時に引けた時――気分が高揚する! 遊城、いかせてもらう! お楽しみは――これからだ! 俺のターン、ドローッ!」

 

 笑顔を浮かべながら、自身の人称を変えてドローするコナミ。人称と言葉が変わった事に当然翔と三沢は疑問に思っていたが、コナミはドローしたカードを確認すると――微かに口角を上げていた。

 

「良し! スタンバイ、メイン。遊城! ここまで追い込んだんだ。お前に特別な召喚を見せよう!」

「特別な召喚!? 何かすっげえワクワクしてくる!」

「デュエルアカデミアでやるのは初めてだ! ある人の命令でプレイングに制限を設けられていてな……だが、今が制限の一部が解かれる時! このデッキ本来の戦い方だ――その前に主役を呼ぼう! 俺は【EMドクロバットジョーカー】を召喚! このカードの召喚に成功した時、デッキから自身を除く【EM】、【オッドアイズ】、【魔術師ペンデュラム】モンスターをいずれかの内、一枚を手札に加える! 俺が選ぶのは【オッドアイズ】カテゴリーの【オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン】!」

『ヒャハハッ!』ATK/1800 ☆4

「サーチ範囲多っ!?」

 

 普通は種族なり、特定をカテゴリーしかサーチがメインだが、コナミが召喚したピエロのモンスターは3種類のカテゴリーで選ぶ事ができる破格の効果だ。

当然、翔と三沢も優秀すぎる効果に異議を申し立てたかったが――ここからのコナミの行動は信じがたかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「――俺はレフトペンデュラムゾーンにスケール4の【オッドアイズ・ファントム・ドラゴン】、ライトペンデュラムゾーンにスケール8の【EMオッドアイズ・ユニコーン】をセッティング!」

 

 

 

 

 

 

PENDULM

 

 

 

 

 

 

 ――明らかに知らない事をやり始めた。特異なカードの置き方をしたのにも関わらず、決闘盤は正式に認識し。立体映像がギリギリ演出される左右の場所に、コナミが宣言したモンスター――白い鱗と青い体に赤と緑のオッドアイを持つドラゴン。反対の位置に小さな身体だが、神話に出てくるユニコーンがデフォルメされて出てきては、エメラルドの体毛に同じオッドアイ。その二体は青い筒状の結界のようなものに包まれており、天空に上昇しては途中で止まってはそれぞれの足元には【4】、【8】と数字が浮かんでおり。

 

「おっ!? 何だっ!? 何が起こるんだっ!?」

「た、辰上君はいったい何をしようとしてるの!?」

「スケール? ペンデュラム? そんなのは聞いたことが無いぞ……!?」

 

 三者が各々の反応を示している中、コナミはアクションを続ける。

 

「これでレベル5から7までのモンスターが同時に召喚可能――揺れろ魂! 幻想と現世を繋ぐ道となれ――ペンデュラム召喚! レベル7、世にも珍しい二色の眼を持つ赤き竜――【オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン】!」

『――!』ATK/2500 ☆7

 

 コナミが宣言すると上空から赤い光が降りてきた瞬間、陸上型の赤い鱗に覆われては赤と緑をオッドアイを持つドラゴンが咆哮と共に現れた。

 先に反応があったのは十代。観客の二人は困惑の顔色を示していたが、彼はある意味逆の反応である。

 

「スッゲー! 二体のモンスターの上空から現れやがった! かっこいいな、そのペンデュラム召喚! 一体どういう仕組みなんだ!?」

「全ての事は追々明かすが、一つのルールを提示する――【ペンデュラム召喚は一ターンに一度しか行えず、この方法による召喚は特殊召喚として扱う】!」

「と、特殊召喚なんすッか!?」

「二枚のカードを決闘盤の端に置く事で、通常二体のモンスターの生贄が必要となるのを特殊召喚として召喚するのか……しかし、それだけの為にするのは割に合わないような……?」

 

 驚愕を隠せない十代と翔をよそに、コナミの言った情報を元に三沢は考察していたものの、コナミはドラゴンに指示を出す。

 

「バトルフェイズ!【オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン】で【フレイムウィングマン】に攻撃!」

「!? だがスカイスクレイパーがある限り、ヒーローが自分の攻撃力が相手より低い場合攻撃力は1000ポイント上げるぜ!?」

 

 

 

 

フレイムウィングマンATK/2100→3100

 

 

 

 

 

 フィールド魔法のおかげで【フレイムウィングマン】は【オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン】を迎え撃とうとしたのだが――コナミは高らかに宣言。

 

「相手でも発動するのか――だが、関係無いっ! 俺の片方のペンデュラムゾーンに【オッドアイズ】が存在する時、【オッドアイズ・ファントム・ドラゴン】のペンデュラム効果を発動! 一ターンに一度、俺のモンスターが相手モンスターに攻撃する時、攻撃力を1200ポイント上げる!」

「ペ、ペンデュラム効果!? それに兄貴のフィールド魔法の上昇値を上回ったッス!?」

「攻撃力がフレイムウィングマンより超えた!? たが、それでも差分のダメージは600。十代のライフは削れきれない――」

 

 予想外の手助けを受けてコナミのモンスターは攻撃力が上昇中だが、翔より冷静な三沢が現時点での考察を述べていたが、コナミは三沢の言葉を否定した。

 

「いいや、これで終わりだ! 更に【EMオッドアイズ・ユニコーン】のペンデュラム効果も発動! このカードが存在する限り一度だけ、【オッドアイズ】モンスターの攻撃宣言時、俺のモンスターゾーンにいる【EM】モンスターの元々の攻撃力を加算することができる!」

「! コナミの場にいる【EM】モンスターのドクロバットジョーカーの攻撃力は1800……! それにさっきの攻撃力アップを加えると――」

 

 

 

 

オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン ATK/2500→3700→5500

 

 

 

 

「――攻撃力が3000ポイントアップで、攻撃力5500っ!?」

「いけ、【オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン】――【螺旋のストライクバースト】!」

 

 うろたえる十代をよそに、膨大な力を得たオッドアイズは螺旋状のブレスを吐き出し。フレイムウィングマンがのまれて破壊されたところでコナミは締めの言葉を。

 

「【オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン】のモンスター効果! このカードがモンスターとの戦闘で与えるダメージは二倍になる! 本来は2400ポイントの戦闘ダメージだが、その2倍の4800ポイントのダメージを受けて貰う――【リアクション・フォース】!」

「な、何だって――うわっ!?」

 

 

 

 

 

十代 LP4000→0

 

 

 

 

 

 

 オッドアイズの攻撃の余波を十代は喰らい。無傷だったはずのライフが一瞬で刈り取られる。一度尻餅をついた十代だが、立体映像の演出が終わった事を確認したコナミは彼に近づき、手を差しだす。

 

「遊城、久しぶりに楽しいデュエルだったよ。君のデュエルは自分も楽しめるデュエルだった」

「負けちまったか~。でも、コナミのデュエルも中々だったぜ! 俺の知らないカードや召喚方、攻撃力がスッゲー高くなるコンボは唖然とした! コナミ、ガッチャ! またデュエルしようぜ!」

「……うん。君とのデュエルはとても楽しいから、時間が空いた時には。……そうそう、これを君にあげるよ。【融合】デッキにはちょうど良いと思うよ」

「お、良いのか!? んー……見たことないカードだな? 魔法罠の二枚で、どっちも【融合】の名前がある……」

「ま、使うかどうかは君次第って事で」

 

 十代はコナミの手を借りて立ち上がると、特有な挨拶を。彼の人当たりの良さを感心したのかコナミは二枚のカードを彼に手渡したとこで、翔と三沢は二人に駆け寄り、このデュエルについての意見を。

 

「辰上君!? あの二体のモンスターで召喚したり、効果を発動したりしたのは何なんスか!?」

「諸事情で基本。自分はこのデッキを使う事を強いられていてねー……。自分が使っていたカードは通称【ペンデュラムカード】だよ」

「ペンデュラムカード……? コナミ、良ければ一枚そのペンデュラムカードを見せてくれないか?」

「うーん……まぁ、三沢なら大丈夫だと思うし良いよ」

 

 翔からの疑問に答え、三沢からの頼みにコナミは今回使ったペンデュラムカードの一枚である【オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン】を手渡した。「ありがとう」と三沢はお礼を言いながらカードを確認するのと同時に、両脇から十代と翔は覗き込んでいたが。

 三沢からの質問に、丁寧に答えていくコナミ。

 

「このペンデュラムカードの枠は上半分がモンスターの色で、下半分は魔法カードの配色をしているが、それはどうしてだ?」

「ペンデュラムカードはモンスターとして召喚したり、永続魔法として扱う時があるからね。特にペンデュラム召喚をする時は二枚のペンデュラムカードを永続魔法として扱う必要がある」

「フム……それじゃあコナミの言っていた【ペンデュラム効果】は、例えばこの【オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン】だと【ペンデュラムモンスターの戦闘ダメージを一ターンに一度0にする】と、【エンドフェイズにこのカードを破壊し、攻撃力1500以下のペンデュラムモンスターを加える】がペンデュラム効果、先ほどの戦闘ダメージが倍がモンスター効果として扱うのか」

「そうだね。2つテキスト欄があるけど、小さいテキスト欄がペンデュラム効果、大きいテキスト欄がモンスター効果だね」

「なるほど。ペンデュラムゾーンに永続魔法として置くみたいだが、普通の魔法・罠ゾーンみたくリバースカードとして扱う事はできるか?」

「いや、ペンデュラムゾーンにカードをセットする事はできないんだよね」

「ほぉ……それと――」

「ちょっと喋り過ぎたかな? これ以上は秘密ってことで」

「む……いや、ありがとう。今の情報だけでも十分だ。辰上専用対策デッキの構築の目処は立った。辰上の対策用デッキを楽しみにしてると良い」

「うーん……露骨なメタばっかりは止めてね?」

 

 含み笑いをする三沢にコナミは思わず苦笑い。

 話の区切りはついたところで、三沢は学園から支給されたPDAを確認すると思い当たる反応を。

 

「おっと、そろそろ所属寮ごとの新入歓迎会が始まる時間だな。それじゃあ三人とも、また明日」

「じゃあなー三沢! 三沢も何時かデュエルしような! ……そういやオシリスレッドも歓迎会があるんだよな? どんな美味そうなのがあるのか楽しみだぜ!」

「兄貴、あまり期待しない方が良いと思うよ……(そういえば辰上君、途中で性格とか変わっていたような……?」

 

 未だに気分を高ぶらせている十代を翔はなだめているのを見ながら、コナミも寮に戻っていった……。

 

『――ますたー! どうしてあたしを召喚してくれなかったの!?』

「(君を使う召喚法はまだ出来ないうえに、デッキの中だったじゃないか。【ラヴァルバル・チェイン】で昔はできたけと今は……ねぇ?」

『そんなの【今】だったら関係ないじゃないっ! 部屋に帰ったらエクストラデッキとメインデッキを調整しようよ!』

「(……まぁ、出番が今のところなかった【ジゴバイト】も含めて、調整する必要はあるけど、エクストラはあまりいじりたくないんだけど……。デッキも含めて【今】の制限を守っていたいし……)」

『ますたーの意気地なし~!』

「(……まぁ、明らかにアドバンテージが取れる【強欲な壺】は検討しようか……)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――何、あれ? た、辰上の言っていた【ぺんでゅらむ】召喚って……!?」

『聞いたことのない召喚方でござるな。融合とは全く違う召喚方なことは確か……』

「決闘盤にエラーがなかったってことは、正規の召喚方ってことだよね……。これはますます気になる……」

『良かったではないかツァン殿。自ら他者へと興味を持つようになるとは……ヤリザも嬉しいでござるよ。これを期に目指せボッチ脱却でござる!』

「ボッチ言うなっ」

 

 




 一先ずのデュエルの物語の進行はここまで。後は違う作品を後に投稿して、どちらかを投稿できたら投稿する予定です。


 では、また。
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