綺麗な物ほど幻想によく似合う   作:月影音紅

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幻想世界と少女

私は目覚めるとまるで平安時代の屋敷の中の一室で寝かされていたようだ。起き上がると額に手を当てて今に至るまでの経緯を思い出していた。八雲紫、幻想郷、博麗神社…私は立ち上がると襖を開け、辺りの景色を見る。あるのは木と綺麗な夜空だけだった。ここは日本ではないどこかと私の直感がそう告げている。額に手を当てていた時はあまり気にはしていなかったが、右瞼を触れてつねってみる。

(痛い……)

いつの間にか包帯がとられていた。つねって痛みを感じたのがその証拠であった、試しに左もつねってみたが痛みはなく何かがつけられていて外してみると白い無地の眼帯だった。確認を終え、眼帯を付けていると、

「お目覚めになられていたのか。」

盆に食事を乗せて持ってきた女性の容姿は紫と似た服装にミディアムで金髪、そして九つの狐らしい尻尾とまるで九尾のようだった。

「すまない、自己紹介が遅れてしまっていたな。私は八雲藍、九尾であり、紫様の式だ。」

藍さんが大人びた笑みを浮かべて言うと、

「私は、水鏡麗華と言います。よろしくお願いします。」

自然と私も自己紹介していた。妖怪の前だと言うのに緊張感がないなぁと心底思ったが、死に触れ過ぎて恐怖と言う感覚が極端に鈍っていると自覚せざるを得なかった。藍さんは食事を近くにあった机に置くとお盆を持つと、

「しばらく待っていてくれ、今から紫様をお連れするから。」

と言い残して部屋から出ていってすぐに謎の空間から紫が出てきた。

「麗華ちゃん気分の方は大丈夫かしら?」

急にこっちに落として心配してくれたようだ。私自身何ともないし気になるとしたら、

「あの、何で片眼だけ眼帯をしているのか教えてくれませんか?」

「それはいたって簡単なことよ?貴女のその眼、両方見ることでしか効果が発動しないと言うことよ。それを知ったのは貴女が寝ていた時に調べさせてもらったからだけども」

紫が言ったことを聞いて包帯の方が適さないのだと思って眼帯に変えたのかと納得すると、紫は話を続ける。

「メデューサもしくはバシリスクはご存知かしら?目を合わせると石になると言う妖怪と同じ原理ね、幻想郷では目に微弱な妖力を宿らせて常時能力を発動してると言う感じ、貴女のもそれと同じ、目に妖力が宿っているのよ。普通の人間に妖力が宿るなんて確率的にほぼ皆無なのだけども…」

言葉を詰まらせた紫に私は特別で人間からしたら忌み嫌われる存在と言うことを自覚する。これからどう生きれば良いか、人間との距離感を置いた方が良いのかと無意識のうちに深く考え始めていた。

「そこで聞きたいのだけど貴女は人間として生きるか、それとも人間との関係を断絶して人外として生きるか。」

紫は顔を近づけて問いかけてくる。私は手を握り、胸にあてる。そして、

「今は人間で生活させてください。人外は興味はありますけど、今は人間として精一杯生きてみたいんです。」

私は力強くはっきりと言う。紫はクスッと笑うと

「そうするといいわ。それじゃあ、とりあえず来てくれるかしら?送ったらそこからは自分で頑張りなさい。それと何か用があったらこれを」

袖から折り畳み式の携帯電話を差し出してきたがスマホがあるからと丁寧に断るが紫はスマホを取り上げると勝手に登録された。そこで私は意外と暇な人なんだなと言う印象を受けた。紫はスキマを開くと私の手を引き、スキマの中に入った。

 

 

 

 

スキマを抜けると目の前には参拝客は見当たらないが神社と思われる場所に到着した。辺りを見渡していると、紫が神社の本殿の方に向かっていることに気付き急ぎ足で後を追うが、紫が向かったのはその脇に建られている家へいるか分からぬ家主の許可を得ずに縁側から入っていく。本来なら不法侵入で即警察行きだがここは幻想郷、そんな常識など通用しないと若干呆れつつ、後に続き靴を綺麗に並べ縁側から中に入り、紫の隣に座ると、奥から赤を強調とした巫女服を着た少女が出てきて第一声は、

「……その子連れてきたの?」

「この子は外の世界にはあまりにも不適合な存在でね、霊夢あなたも感じてるはずでしょうに」

霊夢と呼ばれる少女はため息を吐くと、

「まぁね、その子には危険な物を持ってるみたいだし仕方ないわね……で、あなた、名前は?」

唐突に私に話を振ってきて少し戸惑っているうちに、

「彼女は水鏡麗華ちゃんよ、仲良くしてあげてね?」

紫が適切に対処してくれると、

「麗華ね、私は博麗霊夢、この神社で妖怪退治、異変解決を生業としてる巫女よ、よろしく」

「こちらこそ、よろしくお願いします!霊夢さん」

紫がゆっくりと立ち上がると、

「麗華ちゃんここから住むところなどの諸々なことは自分で頑張って、またね。」

と言い残しスキマの中に消えていった。霊夢が私の方に視線を戻すと不愛想に、

「麗華の過去をあまり聞きたくないんだけど、『その目』で何があったの?」

いきなり目の事を聞かれてももう私は驚かなかった。1つ呼吸を整えると私の過去の全てを打ち明けた。話を聞いた霊夢は眉1つ動かさなかったが、真剣に考えてくれているようで少しだけ嬉しかった。

「紫の言う通り麗華は外の世界には不適合な存在ね、両眼を見るだけで人を死に至らしめるなんて怖ろしい力が宿ってるなんてね。その話は置いておいてあんた行く当てがなければ人里に行くといいわ。幸いまだお昼前だしここから道なりに行けば一時間位で着くと思うわ。」

「やっぱり、人里があるんですね、わかりました。今から行こうと思いましたが、先にお賽銭をあげてから行くとします。」

「そう、ありがとね」

私は縁側で靴を履くと、本殿でお賽銭を入れ博麗神社の石段を降りた。

長い石段を降り終えると私が持ってきた鞄が置いてあり、すぐに中身を確認して背負い道なりに進もうと視界の片隅にまだ使えそうな古い自転車があり、一通り確認して乗れることを確認するとサドルにまたがり人里への一本道を期待を胸にペダルをこぎ始めた。




かなり間が空いてしまいましたが第二話投稿しました。
実はこの作品もう一つの作品と交わる部分があります!今回は交わっていませんが、これを機に東方咆狼伝を読んでいただくのも良いかと思います。
改めて主人公の紹介です。
名前 水鏡麗華(みかがみ れいか)
年齢 17
性別 女
身長 163cm
体重 50kg
能力 今後発覚
備考 身体能力は平均よりやや高めで体がとても柔軟
性格 几帳面で強気

評価や感想がありましたら是非お聞かせください。
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