裁判ネタは二度とやりたくない、もう少しだけ裁判続きます
さて、どうすべきでしょうまさかカズマさんがドレインタッチを覚えているなんて知りもしませんでした。報告で聞いた魔王軍との交流ならまだ言い訳がきく、しかしさらににアンデット専用スキルの所持・・・いったいどうすれば。
「もういいだろう、そいつは間違いなく魔王軍の関係者だ。わしの屋敷に爆発物を送り付けたんだぞ!すぐに死刑にしろ!」
ん?交流と関係者は違う、今はテロリストまたは魔王軍の手先疑惑を解ければよし、ならば。
「カズマさん、よく覚えていないでしょうがあの魔道具はカズマさんの事情聴取でも使用されたいわゆる嘘発見器のようなものです。察しの良いカズマさんならこの時点でわかるかと思いますが・・・。」
「ん?ああ、なるほどわかったぜまゆたん!いいか魔道具よく聞いとけよ、俺は魔王軍の手先でも、テロリストでもなんでもない!」
嘘を感知して鳴る魔道具は当然の如くカズマさんのその言葉を聞いても作動することはなかった。
「裁判長、これは・・・。」
「これでは検察官の主張は認めれられませんね。」
予想は的中これで一安心のはずです、が・・・。
「よって被告人サトウカズマは証拠不十分により無」
「ダメだ裁判長、ワシに恥をかかせる気か?」
無罪判決を下そうとした裁判長の言葉は苦しくも相手のアルダ―プに阻まれてしまった。
「なんだそれ、きたないぞ!」
「ふん、冒険者風情が」
考えられる手ではあった、裁判長もアルダ―プの権力には逆らえなかったもよう、最悪死刑が決まってしまった際は私の正体を明かしてでも・・・そう思った時だった。
「被告人は有罪・・よって判決は死刑に「裁判長、私の話を聞いてもらえないだろうか。」な、なんでしょう?」
ふと声のほうへと目をやるとそこにはダクネスさんがカズマさんの前に立ちふさがっていた、そしておもむろにペンダントのような代物を出した途端周りの見物人や裁判長までもがどよめいた。アルダ―プだけは実に不満そうな顔でそのペンダントを見つめていたが。
「それは王の懐刀ともいわれる名家、ダスティネス家の紋章!」
王の関係者!?ダクネスさんがまさかそんな偉い方だったなんて!!
「~~。」
「~~。」
カズマさんとダクネスさんが訳知り顔にごにょごにょ言っている、もしやカズマさんは知っていたんでしょうか。
「すまないまゆたん、私的な理由であまり知られてほしくなかったのだ。」
唐突にダクネスさんから弁解が入った、もちろん人にも私にも知られたくない事情の一つや二つはあるのだ。
「いえそんな、謝る必要なんてないですよ」
そう私への対応を早々に済ませダクネスさんはアルダープへと向す。
「この裁判私に預からせてもらえないだろうか。なかったことにしてほしいといっているわけではない、時間をもらえればこの男の潔白を必ず証明して見せよう。」
「いくらダスティネス家の意向があろうとたかが冒険者、しかもワシの家を壊してくれた罪人などを野放しにしていいものか!」
「故意ではないとはいえ勿論こちらにも非はある、だから今回の申し出は私からあなたへの借りになる、だから私にできることならなんでも1つ言うことを聞こう。」
「っ!!・・・なんでも?」
「そう、なんでもだ。」
ダクネスさんとの話し合いの末、アルダープに不安の残るような笑みがうかんだ、一先ずダクネスさんの言葉によって峠は超えたようですね。
「そうだ、カズマは悪くない!」
「「カズマ!カズマ!カズマ!カズマ!」」
…死罪を免れたと分かった途端にコレである。
あ、痺れを切らした裁判官の投げた木槌が音を響かせクリーンヒットしましたね。
「…えー、他ならぬダスティネス家のご令嬢の頼み、貴女の言葉を信じましょう。よって被告人サトウカズマの判決を保留とする。」
判決を聴き再度冒険者達は歓喜を挙げる。それを止めるものは誰も…
「続いてミスターケー、本名キリシマケイスケの裁判を開始します。」
…いたようです。
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