今日も気持ちいい朝、早速仕事場へ、と思ったら。
「今日は仕事場へ行かなくていいぞ」
?そう言ってカズマ君は私の肩を持つ。
「零…今の状況俺の考えていた異世界の暮らしと違うんだよ。駆け出し冒険者の収入は不安定、寝床も馬小屋で寝るとかだ、よくよく考えてみれば冒険者なんてしがないフリーターみたいなもんだからな、裕福な日本ですらホテルで寝泊まりするフリーターなんていねー。最低賃金?労働基準法?何それおいしいの?(泣)」
カズマ君はそう言いながら溜め息をつき項垂れる。
…アクアさんが目を覚ましません、それどころかイビキまでかいてグーグーと。
女神様の面影ありませんよ、これ。
そう思っていたらアクアさんに買ってもらった黒板に何やらカズマ君が書き出す。
「…っと良し、零…アクアにダイビングしてやれ。」
黒板を見るとアクアさんらしき人に私らしき人がダイブしている絵…なるほど、ダイブでアクアさんの目を強制的に目覚めさせると、やりましょう、そう思いながら私は足に力を入れアクアさんに向けてジャンプする。
「むあっ(ダイビーング!)」
私の体は見事にアクアさんを捉えお腹にクリーンヒットする。
「ぐほっ!?ちょっ何するのよ!」
「何するのよ!じゃねえ、何時だと思ってんだ、クエストに行くんじゃねえのかよ。」
「あぁ、工事の仕事に行かなくて良いと思ったぐへっ!?ちょっと零何すんのよ!」
会話がわからなくて暇なのでもう一度ダイブしてみた後悔はしていない。
「零…。というかこの世界は魔王に攻められてピンチだったんじゃなかったのかよ、平和そのものじゃねぇか、魔王の魔の字もないぞ。」
暇。
「ここは魔王の城から一番遠い街なのよ、しかも駆け出し冒険者しかいない街なんてわざわざ襲いに来ないわよw」
暇だ。
「だよなぁ…」
ひ〜ま〜、あっアクアさんが立ちましたね。
「じゃあ、討伐クエストいきましょ!この私に期待してちょがはっ!?また零!?いったいさっきから何なのよ!」
アクアさんのお腹にタックルを決めアクアさんの体はシーツの上に倒れていった、案の定お仕置きとして二人にゲンコツをくらいましたよ。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ージャイアントトード六匹の討伐ー
《説明しよう!ジャイアントトードとは見た目はただの巨大なカエルそのものだが決して侮ってはいけない、繁殖時期になると体力をつけるため餌の多い人里にまで現れ農家の飼っているヤギなどを丸呑みにしてしまう、他の例としては同時期に農家の大人や子供が行方不明になるという事件が多発することなどがあげられる。
ちなみに肉は多少硬いが淡白でサッパリしていてさてなかなか美味い。
さて…人間をも喰らうこの無駄にデカイ食用両生類にいったいこのパーティはどう立ち向かうのか!刮目してみよ。
byミスターk》
…「ああぁぁ!助けてくれアクアー!零ー!」
カズマ君が雄叫びをあげてカエルから逃げてますね、助けた方が良さげですねOKです。
「ぷーくすくすw超ウケるんですけど!カズマったら顔真っ赤で涙目で超必死なんですけどww」
アクアの笑いを気にもせず私は武器を創造する。
【黒槍・グングニル】
イメージができればこっちのもの、思い浮かべた瞬間に私の掲げた手に乗るようにして相変わらず黒い操陰が槍へと形を変えてゆく。
私はそれをカエルめがけて放つ。
グシャッ!
「ぷーくすく…え?」
「助け…は!?」
私の思った通り槍は頭を直撃しカエルの頭部は汚ねえ花火になって木っ端微塵になりました。
「助かった零、アクアなんかよりよっぽど役に立つな!」
カズマ君はそう言うと私の頭を優しくなでてくれる、親方の荒っぽい撫で方も良かったですけどこうして優しく撫でられるのもクセになりそうです。
「ちょっ!私だって本気を出せばあんなデカいカエルなんてチョチョイのチョイよ、見てなさい」
アクアさんはそう言って少し遠くにいるカエルにつっこんでいく。
「くらいなさいゴッドドロップキック、相手は死ぬ!」
アクアさんのキックは虚しくもカエルの柔らかボディに威力を消され無残にも着地点でつっ立ってしまう。
「カエルってい、以外とぷにぷにしてて気持ちいいわよね…?」
アクアさんがうろたえてますか?
そんな事を考えている間にカエルはアクアさんを丸呑みにしてしまう、あっ、コレって助けます?
カズマ君を見ると頭を抱えていました。
…取り敢えず助けましょう、私は今度は右手に操陰を纏わせ巨大な手をイメージをする。案の定悪魔じみた黒くて指先が尖った巨大な手を伸ばし、アクアさんの僅かにカエルの口から出ている足を掴んだ…ううん、掴んだはずだった。
私の体には何故か衝撃が走り右手に纏わせていたはずの操陰は跡形もなく立っていた体は地面へと崩れ落ちた。
おかしい…体に力が入らない、なけなしの力を使っても「きゅぅ。」という声が口から漏れ出るだけだった。
「ど、どうしたんだよ零!?てか今戦えるの俺だけかよ!」
カズマ君が代わりにアクアさんを救出しに行く姿をボヤッとする意識の中で私はカズマ君が遠ざかっていくのを目に捉えていた。
…後ろからドスッと音が聞こえます、たぶんカエルでしょうね、操陰は…無理です、あの後割と意識もハッキリしてきたはずなんですけど、身体と操陰が全く動いてくれません、これじゃあアクアさんと同じです。
ヌチョリと足がカエルの口に入っていくのがわかる、カエルは私を咥え上げ飲み込んでいく。
ははぁ…このままカエルの血肉になるんでしょうか、目の前がボヤけて…何で、何でかな…嗚呼、何だか暖かい…カエルの中ってお風呂みたい…。
嫌だ…嫌だよ…、まだいっぱいしたい事あったのに…誰か…誰か
「あうぅ…(タスケテ…)」
グサッ!
「…*ッ!*いッ!零!」
「大*夫⁉︎今***か*てあげ*から」
カズマ…君?アク…アさん?二人が…二人が助けてくれ…た、まだ音が途切れ途切れ…だけど二人の声です、私はどうやら緊張が溶けたようで自分の意識を手放した。
ーカズマsideー
零がジャイアントトードに食われかけた。
今はスヤスヤと眠っているだけだが助け出した直後は完全に気絶していた。それにしてもわからない、何故零が急に倒れたのか零自身に聞こうにも会話ができない。
零を助けた後、俺は撤退する為にカエルの体液まみれの意気消沈したアクアの元に行った。
「アクア今日はもう帰ろう、こいつらは俺たちが手におえる相手じゃない、もっと装備やら連携だとか「待って」へ?」
「私はもう穢されてしまったわ…今の穢された私をアクシズ教徒が見たら信仰心なんてだだ下がりよ!それにカエル相手に引き下がったなんて知れたら美しくも麗「待て」はい?」
工事のおっさん達と毎日の様に酒をラッパ飲みやらガブ飲みやらつまみをぽりぽり食ってるやつが穢されたとかwwそれより。
「人々を助けるはずの女神アクアであるお前はあそこで転がってる零を放ったらかして自分の威厳の為にカエルに立ち向かうというのかな?w」
「うっ。」
まだ零は動かない。
「ち、違うわよ今戦うとは言ってないじゃない!もちろん今日はせんりゃくてきてったい?…をするわよ、言っておくけど私が本気になればカエルの一体や二体簡単に倒せるんだからね!今日のは油断しただけなんだから。」
アクアは少し涙目ではあるが俺の術中にハマってくれたようだ…計画通り。(ニヤリ)
結局俺達はまだ意識の戻らない零をおぶって馬小屋に戻った。ジャイアントトード三体分の報酬は明日に受け取るとして零がこうなった原因が不明だがおそらく操陰とかいうやつのせいだとは思う。
結局零が目覚めたのは夕方近くだった。
謎の解説者ミスターkカズマパーティに参戦!か?
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