ブラック・ブレット ーガストレアとなった少年ー 旧作 作:ブロマイン
理玖と少女は商店街から理玖の家に向かっていた。少女ははじめ理玖が警官にかけた言葉に怯えていたがすぐに自分が抱きかかえられていることを思い出し慌てて理玖の腕から降りた。理玖は少女が自分の腕から離れるのを見ると少女の歩調に合わせるようにゆっくりと歩いた。
それから程なくして2人は理玖の家にたどり着いた。そこはまだ新しい二階建ての普通の一軒家であったが少し目立っていた。何故ならその一帯は畑や公園、空き地などばかりで家は理玖の住むもの意外に見当たらなかった。理由は明白でその場所が外周区との境、つまり一般人があまり近寄ろうとしないエリアだからである。
理玖は家に入ると少女を風呂場に連れて行った。
理玖が少女に自分で入れるか?と聞くと少女は入れると答えたので理玖は少女のとりあえずの着替えとなる自分のジャージを取りに風呂場を離れた。その後風呂から出た少女はブカブカのジャージ姿であったが髪は先ほどまでの汚れた色から理玖の髪色よりも少し薄い程度の茶色に変わっていた。
「今から幾つか聞きたいことがあるのでそこに座ってください」
理玖は少女にリビングの椅子に座るように進めると自分もその対面に座った。
「ではまずあなたの名前を教えてもらえますか?」
「名前…ない…です」
「その『ない』は『覚えてない』ですかそれとも『言いたくない』ですか?」
「覚えてない…です」
そう答えた少女に嘘をついている様子はなく理玖は少女が本当に自分の名前を知らないのだとわかった。
「名前がないのは不便なので名前をつけようと思うのですが何か希望する名前はありますか?」
少女はまたもないと答えた。
「そうですか、では紫月などはどうでしょうか」
しづき?と聞き返した少女に理玖は説明を始めた。
「ええ、紫色の月と書いて紫月です意味は特にありません。苗字は僕の御影理玖と同じ御影で大丈夫ですか?」
「はい、御影紫月…ありがとうございましたです」
「それと口調ですがこれは自の性格なので紫月も自然にしてください」
「わかり…ました、御影さん」
「理玖です。自分も御影なのに御影呼びは変でしょう。
それとも同じ苗字なのでお兄ちゃんでもいいですよ」
理玖は冗談で言ったようであったが紫月は本気にしておにい…と呼びかけて恥ずかしかったのか「理玖」と呼び直した。
「次に聞きたいことですが、紫月は自分がどんな因子を持っているのかわかりますか?」
紫月は理玖が何を言っているかわからないようで「いんし?」と首を傾げた。
「因子とはプロモーターがどの生物の能力を顕現させているか、またそのプロモーターの能力を示すものとして使われるものです」
理玖はそう説明したが紫月は理解していないようで首を傾げたままだった。理玖は突然、失礼と断り紫月の手を掴んで指先に針を刺した。
そして滲み出てきた血を一滴自分の手でとって口に含んだ。
突然のことに動けないでいた紫月が何か言おうとしたがそれよりも早く理玖が話し出した。
「先程は突然失礼しました。それで紫月の状態ですがガストレアウイルス侵食率15% 因子 蛇 解放率30%です」
???と紫月は説明を受ける前よりもさらに混乱してしまったようであった。
「さて、ここで難しい話は終わりです。次は外に出て紫月の生活用品を買いに行きましょう」
生活用品?と聞き返した紫月であったが洗面用具や寝具、服と言われて今の自分の格好がブカブカのジャージであることから服は必要であり理玖が同時に言った他のものも必要なものなのだなと思った。
話がまとまってからは早く、2人は家を出るとホームセンター、服屋などを周り様々なものを買い揃えていった。服屋で理玖が大量に買おうとしたのを紫月が遠慮すること以外は、互いの意見に食い違いもなく順調に買い進めることができていた。買い物を終えるといい時間となっていたので理玖は紫月を連れてファミレスに行き夕飯を取った。
家に帰る頃にはすっかりととまではいかないけれども打ち解けることができたのかある程度話すことができる紫月がいた。
家でのんびりしていた理玖だったが紫月がうっすらと船を漕いでいるのを見てもう寝させようと思い声をかけた。
「おーい紫月、もう寝る時間なので少しこっちに来てください」
「うん、それで寝るふぁえひ何をするの?」
欠伸をする紫月に理玖は一つの錠剤を差し出した。
紫月がその錠剤を飲んだのを確かめると理玖は紫月を連れて布団へ向かい2人はそのまま眠りについた。
というわけで御影紫月 モデル スネーク 以後よろしくお願いたします
それと解放率ですがこれは、子供達がプロモーターとして因子の影響を受けている割合です。IISOではこれを100%にするために訓練をしている。という設定になります、以後出てくる予定はありませんが念のため。