不健全鎮守府   作:犬魚

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…来てしまったのかい?仕方ない子だ

【登場人物】

提督
この基地の提督、3年前にヨコスカの大将から推薦されて小さいながらも艦隊司令になった
大きな胸が好きで、喫煙家、すぐにモクモクする
下劣な発言が多いが外道ではないらしく、完全出来高制の給与形態を除けばわりとホワイトな運営をしている

五月雨
所謂、初期艦
巷でよく見るエンジェルの五月雨ではなく、どこか諦めてしまった感がある疲れたツッコミ役
ホモ同人を愛読している
提督とはたまにキャッチボールするぐらいは仲は悪くない

鈴谷
所謂、ビッチのレッテルを貼られた航巡
本人曰わく、ビッチではないらしい
カレーと金と格ゲーが好き
格ゲーの腕前は96のゲーニッツを倒せないくらい、イケメンキャラを好んで使う


3年目の亡霊

現在を遡ること3年前、とある男と艦娘が出逢った

 

「往くぞ、俺について来いサミヒアイス」

 

「はい、宇宙を手にお入れ下さい、ラインハルト様」

 

後に、歴史を大きく動かす事になる男、小規模ながら艦隊司令としての始まりである…

 

「なにいきなり大嘘から始まってるんですか?何がラインハルト様ですか?ラインハルト様に謝って下さいよ」

 

「ハッハッハ、冗談だよ冗談、冗談だよ君ィ、ハッハッハ」

 

キュウシュウに存在している、とある海軍基地…

在りし日の艦の魂を持つと噂されている艦娘を運用し、日々、深海棲艦と呼ばれるよくわからないもの戦っているのだが…

 

「…オイ、灰皿」

 

「あ、煙草なら喫煙所に行ってくださいよ」

 

「いいから持ってこいよ、モタモタすんなフニャチンヤローが、ケツの穴にラー油ブチ込まれてーのか?」

 

「ダメなものはダメです、ほら、喫煙所がイヤなら外にでも行ってくださいよ」

 

火の点いてない煙草をくわえ、文句をタレている男は“提督”

一応、この基地で一番偉い

 

「ったく、ドラゴン紫龍みてーな髪型しやがって、そーゆートコもムカつくんだよテメーはよォ~」

 

提督に意見している艦娘は駆逐艦、五月雨

一応、この基地で最初の艦娘

 

「あ~ぁ、イライラするぜェ~イライラするよォ~…チッ、煙草吸いに行くついでに浜風ちゃんに劣情でもぶつけてくるか」

 

「はいはい、ぶつければいいじゃないですか」

 

「そうと決まれば早速だ、オイ、ついてこい」

 

「…なんで私もついて行かなきゃいけないんですか?」

 

煙に巻いた言い方をすれば、煙草を吸いに行くついでに猛る己自身をぶつける

煙に巻かない言い方をすれば、とりあえずレ●プする

シャブかハーブでキマった若者達ならば“よっしゃ行こーぜ!フゥー!”とノってくるのかもしれないが、五月雨は少女の姿をした艦娘、同僚をレ●プする流れになど当然乗れる筈もない

 

「君はバカか?とりあえず断られた場合、後ろから羽交い締めする役が必要だろーが!」

 

「当然のようにゆーな!」

 

ゴン!ゴン!

 

「あ゛?」

 

耐久性を重視し、分厚い鉄板で作られた執務室の扉が開く

 

「ちぃーっす、テイトクぅ~…鈴谷お小遣い欲しいんですけどー」

 

航空巡洋艦、鈴谷

その昔、どうしても金剛型が欲しくて戦艦レシピを回していた頃、いつの間にか当基地に居た艦娘

 

「小遣い?なら缶コーヒー買ってこい、釣りはやる」

 

「わーい……って!!150円かよ!小遣い20円だけじゃん!」

 

「うるせぇな、ガタガタ言ってるんじゃないよこのビッチが」

 

「ビッチじゃねーし、鈴谷キレイな良い子だし」

 

「やかましい、だいたい、テメーこないだの大規模作戦でそこそこ稼いだろーが」

 

「いやぁ~…なんやかんや豪遊してたら無くなって」

 

「そうか」

 

「で、テイトクからお小遣いをもらおーと…」

 

「パンツでも売ってこいよ、テメーの黄ばんだパンツをよォ~」

 

「黄ばんでねーし、ちゃんと洗ってるし」

 

「ならエンコーでもしてこいよ」

 

「しねーし!鈴谷身体は売らないって言ってるじゃん!」

 

「うるせぇビッチが!!」

 

「だから!ビッチじゃねーし!!風評被害だっての!」

 

「…平行線か」

 

「…平行線じゃん」

 

「わかった、なら今から浜風ちゃんをレ●プしに行くから付き合え」

 

「…は?」

 

「浜風ちゃんをレ●プしに行くから付き合え」

 

ざわ……ざわ…

 

「や…、え?なんで?」

 

「なんで、と?そうだな、うん…そうだな、浜風ちゃんなら許されるかな?と…」

 

「や、フツーにタイーホでしょ?」

 

「タイーホか?」

 

「うん、タイーホ」

 

「そうか、そうだな…よし、やめよう」

 

「あ、うん…それがいいよ」

 

こうして、浜風ちゃんの危機は去った

最も、自身の知らぬところで危機になり、知らぬ間に危機は去ったのだが…

 

「提督」

 

「なんだ?」

 

「煙草、吸わなくていいんですか?」

 

「そうだな」

 

「あ、煙草吸いに行く前に鈴谷にお小遣い頂戴」

 

「死ね」

 

「…ひ、ヒドッ!」

 

「金が欲しいなら魚雷磨きでもジャガイモの皮むきでもしてこい」

 

「えー?鈴谷そーゆー地味なの嫌だし、ね?足でするから一万円!」

 

「死ね、ビッチが」

 

「ヒドッ!?」

 

「いや、今のは鈴谷さんが悪いかと…」

 

「いいじゃーん!ね?じゃ!手!手でするから!ね?ね?」

 

「うっせーな、そんならその辺のパパにでもやってこいやァ!」

 

「ハァ?鈴谷そんなエンコーまがいなコトしねーし!」

 

「今頼んでるそれがエンコーだろーがァ!!」

 

「いいからお小遣い!!鈴谷がこんだけ頼んでるんだよ!いいじゃん!」

 

「うるせぇ!!なんで俺がテメーなんぞほいほいお小遣いやらにゃいかんのだ!?」

 

ゴン!ゴン!

 

「ア゛ァ?入れ!」

 

再び開いた鉄扉

次の来客は暁型の第六駆逐隊

 

「司令官、お小遣いが欲しい!」

 

「新しい遊●王カードを買いたいんだよ」

 

「ア゛ァ?」

 

ピッ!!(一万円)

 

「ありがとー司令官!」

 

「これでミノタウロスを引くのです!」

 

第六駆逐隊達は一万円札を受け取るとハシャギながら新しい遊●王カードを買いに出て行った…

 

「…」

 

「…」

 

「なんで一万円あげたの?」

 

「…」

 

「なんで鈴谷にはくれないのにあのガキどもにはノータイムで万札あげたの?おかしくね?」

 

「アレは、ほら、アレだよ、アレがアレしてあぁなったみたいな?つまり、アレだ」

 

「いやいやいや!おかしいじゃん!鈴谷は手も足もダメだったじゃん!死ねって2回も言われたじゃん!」

 

「アレだ、俺もほら…まぁ、アレだ、若くないし、孫はかわいいみたいな?」

 

「子供飛ばして孫かよッ!?っーかなに?ロリコン?アレですか?ロリコンなの?」

 

「バカ言うんじゃないよこのビッチは、俺は大きな胸の方が好きだ」

 

「ハァ?じゃ鈴谷OKじゃん!デカいじゃん!」

 

「でもオマエ、ビッチだしな」

 

「ビッチじゃねーって言ってんだろォ!いい加減にしろよテメー!」

 


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