心がぴょんぴょんしないチクショウ回
【登場人物】
卯月(3)
通称うーちゃん、嘘をつかないレアモノ
弥生(2)
通称弥生タン、笑顔がステキらしい
喫煙所での肌寒さを感じてきた昨今、そろそろストーブの点検でもするかと考えながら煙草を吸っているとうーちゃんと死んだ魚の目をした弥生が歩いていた
「よぉ、買い物にでも行くのか?」
「ぷくぷくぷー、違うぴょん、今から弥生と映画を見に行くぴょん」
「ふ~ん」
駆逐艦キッズらしく、プリキ●アでも見に行くのだろう、実に微笑ましいものだ
「彼●島見るぴょん!」
「チクショウ!」
よりによってそれかよチクショウ!!
「弥生から光る棒も借りたからコレでアニキを応援しまくりぴょん!」
「アニキを応援してどうすんだよ!まぁ、気持ちはわからないでもないが…」
アレだろうか?今、流行りの応援上映と言うヤツなのか?あんなジェダイの騎士みたいなの振り回したら迷惑だろ…
「…司令官も一緒に行かない?」
「弥生タン…」
なにやら疲れた様子の弥生は手持ちの鞄からスマホを取り出すと素早く席の予約状況を確認してくれた
「それぴょん!テイトクも一緒に行ってコークとポップコーン買って貰うぴょん!」
「買いませんよ」
「えー!!」
「…正直、弥生は彼●島に興味ないから卯月がウザくてウザくて仕方ない、だから司令官が卯月の相手して欲しい…」
この子かわいい顔してとんでもない闇を吐いてるよォ!
「…司令官が卯月と彼●島見てる間に弥生はメイトに行ってキンプリ関連のアイテム買いたいし…ってか、街に行く目的がそれだし…」
チクショウ!!もう弥生タンを笑顔に出来るのはプリズムボーイだけなのか!?
「買ってくれぴょん!LサイズのコークとXLサイズのポップコーン!ほら!テイトクにも光る棒貸してあげるぴょん!」
「…貸してあげるも何も、それ、弥生の」
「お願いぴょん!うーちゃんアニキを全力応援したいぴょん!」
…まぁ、暇だし付いて行ってやっても構わんか、何気に俺もちょっと見たいとは思ってたし、ただ、あまり甘い顔するのは良くないのでコークとポップコーンはSサイズにしてやろう
「わかったわかった、付き合ってやる、車出すからちょっと待ってろ」
「ぷくぷくぷー!やったぴょん!」
「…電車代浮いた」
◆◆◆
「ハンサム1枚、こども2枚」
「…こども1枚でいいよ、弥生はいいから」
映画館のあるイ●ンモールへとやって来た俺とうーちゃんと弥生、既に弥生は同じ施設内にあるらしいアニメ●トに行きたくて仕方ないらしく、その、ロリコン殺しのかわいい顔がヒクヒクと笑うのを我慢していた
「えー!弥生も一緒に見るぴょん」
「…黙れ」ギロッ
「ご…ごめんなさい、うーちゃんが悪かったですっ」ジョー!ドボドボ!
うーちゃんは映画の前にトイレに行くべきか、今のは漏らしても仕方ない、俺もビビって金出しそうになった
「じゃ、終わったら連絡して、じゃ!」
海軍式敬礼をビシッとキメた弥生は見た事もない軽やかなスキップをしながら去っていった、プリズムの輝きはかくも偉大なものか…
「うーちゃん、まだ時間あるからとりあえずコレでパンツ買ってきなさい」
「ぷくぷくぷー!了解っ!」
この後、俺とうーちゃんは光る棒でアニキを全力応援し、アニキの素晴らしさについて語りながら帰路についた、弥生タンも良い買い物できたみたいで終始不気味な笑顔を浮かべていたので満足できたのだろう…
そして後日…
「同志大尉!何故このビッグセブンを誘わない!ズルいぞ!」
「………何が?ってか大尉じゃねぇし同志でもねぇよ」
ロリコンの長門に肋を折られた